作品撮影は日頃の集大成 『Labyrinth』
提案するヘアデザインがSNSでも話題を呼んでいるLabyrinth。その人の魅力を余さず引き出したナチュラルなスタイリングに魅了されるファンは数多く、リピーターの多いサロンとしても有名です。そんなヘアデザインを作る鍵がどこにあるのか、オーナーの西尾さんにじっくり伺ってきました。
撮影にこだわる理由
――西尾さんは積極的に作品撮影を行っているそうですが、どういった目的があってのことなのでしょう?
「作品撮影はどのヘアサロンでも力を入れている分野だと思いますが、うちの場合は日々培った技術の集大成を披露する場という位置づけとして考えています。撮影の場合はその時々のトレンドをヘアデザインやメイクに取り入れながら、時代の気分に沿ったモデルやファッションを選んで世界観を確立させる必要がありますよね。つまり、日頃からトレンドをリサーチして自分なりに理解しておかなければならず、髪型だけではなく、トータルで見たときのバランスの良さを考えて作らなければいけません。だから完成した作品を見れば、そのスタイリストに足りているものと足りないものがひと目で分かります。そのため撮影の場合でも、モデルのスタイリングにかける時間は普段お客様にかける時間と同様にし、撮影でしたことがそのままお客様にも適用できることを重視しています。実際は撮影そのものよりも、トレンドの把握といったそこに至るまでに学ぶことが大切なのでだと考えているので、それぞれのスキルアップのために撮影という手段を取り入れている、というのが本音ですね」
自身が考えるサロンワークとは
――西尾さんご自身はサロンワークの際にどういったことを重視しているのでしょう?
「“ちょっと”の感覚がわかる美容師であることです。当店のお客様はナチュラルなスタイルを好む方が多く、しっかり巻いたような作り込んだスタイルは普段からされない人が多い。そのためハンドブローでサマになり、お客様ご自身でできる範囲のスタイリングでサロンと同様に決まるヘアデザインを提案しています。“ちょっと”というのは、過剰すぎないこと。美容師ってスタイリングをするうちについ作り込みがちになりますが、そのあたりのさじ加減を間違わないようにしたいですね。また、カラー剤などのプロダクトは、常に新しくより良い製品だけを残してラインナップすることにもこだわっています。もちろん全て試した上で、自分が良いと納得したものだけを扱うことが大切。今はお客様の美容知識が豊富な時代ですから、プロとしてどんな要望にもお答えできるように日々知識をアップデートしています」
数年以内に東京進出を視野に
――現在はヘアサロンとまつげサロン、他サロンとのコラボサロンを含め大阪府下に6店舗を展開されていますが、今後の展望は?
「まだ具体的には決まっていませんが、来年以降には東京に出店したいと考えています。僕自身ルーティンワークが苦手ということもあり、どんどん新しいことに挑戦していきたい。さらに、撮影もより精力的に行いたいので、そういった意味でも環境的に整っている東京を視野に入れています。また、これは全然未定の話ですが、いつか出身地である高知県にもお店を出せたらいいですね。他にも、サロンワークはもちろん大好きなのですが、サロンワーク以外の仕事を増やすことも考え、活動の場を広げていくことを検討しています」
スタッフの目線も併せ持つオーナーとして、自身のやりたいこととスタッフの希望を同時に叶えながら実現していく実行力。それこそがLabyrinthを率いる西尾さんの魅力でもあります。ゲストとのイメージ共有やもう一度通いたいと思わせるデザインセンス以外にも、店作りの細部に至るまで考え抜いたサロンだからこそ、ヘアサロン激選区のエリアで確固たる存在感を放っているのではないでしょうか。
Profile
西尾隆介さん
代表取締役
高知県出身。高校卒業後に美容専門学校へ進学するが当時は特に美容師を目指していたわけではなく、都会に出る手段として大阪の美容学校進学を選んだそう。実際に美容師として働くうちにその魅力に目覚め、独立後わずか3年間で4店舗を出店するという経営手腕にも定評が。
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