ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2022-09-12

ホームヘルパーと訪問介護の違いって?資格制度・業務内容・給料の観点から詳しく解説!

高齢化社会が当たり前になりつつある日本では、ホームヘルパーの需要が高まりつつあります。とはいえ、ホームヘルパーがどんな仕事なのか分からないといった方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではホームヘルパーと訪問介護の違いや資格制度・業務内容・給料の観点から詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

ホームヘルパーの正式名称が訪問介護員

ホームヘルパーの正式名称は「訪問介護員」です。あくまでホームヘルパーと言われる呼び名は通称であり、正式名称ではありません。

そのため、職務経歴書や履歴書などに記載する際は、ホームヘルパーと記載するのではなく「訪問介護員〇級養成研修課程修了」と記載しましょう。

ホームヘルパー(訪問介護員)の資格制度変更について

ホームヘルパー(訪問介護員)の資格制度は2013年に変更されました。2013年までのホームヘルパー3級は廃止され、2級は介護職員初任者研修、1級は介護職員実務者研修の資格に変更されました。

ここからは、2級相当の介護職員初任者研修や1級相当の介護職員実務者研修の概要、2013年に資格変更された理由についてご紹介します。

ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修へ

2013年、ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修へ変更されました。なお、ホームヘルパー2級の定義として定められていた「介護職の基本的な知識と技術を習得している」といった内容はそのまま引き継がれています。

高齢化社会が進み、認知症を抱える高齢者が増加しているため、介護職員初任者研修に変更後、認知症の理解といった講習が追加されました。また、新しく修了評価試験といった内容も追加されたことで、試験の難易度も高くなりました。

ただし不合格になったとしても再試験が受けられるため、資格は簡単に取得できるような仕組みが取られています。

ホームヘルパー1級は介護職員実務者研修へ

ホームヘルパー1級は、介護職員実務者研修へ変更されました。介護職員実務者研修では、合計450時間の講習を受ける必要があり、受講が終了すると資格習得ができます。

下記の資格を取得している場合は、一部の科目が免除されることになり、受講時間も少なくなります。

・介護職員基礎研修:50時間
・ホームヘルパー1級:95時間
・ホームヘルパー2級:320時間
・介護職員初任者研修:320時間

キャリアアップに繋がる介護福祉資格の取得を考えている場合、介護職員実務者研修の取得は必須のため視野に入れておきましょう。

資格制度が変更になった2つの理由(キャリアの一本化とサービスの質向上)

ホームヘルパーの資格制度が変更になった理由として、下記の2点が挙げられます。

・キャリアアップの一本化
・サービスの質向上

ホームヘルパーの資格制度が変更された理由に、不明点が多かった介護業界のキャリアアップについての一本化が挙げられます。資格変更される前までは、ホームヘルパー制度と介護職員基礎研修制度が混在しており、学習内容も重複していました。その結果、介護福祉士へのキャリアアップルートが複数存在してしまい、資格取得までかなりの時間を要してしまうことになり、資格制度の見直しがおこなわれました。

また、学習内容が混在していたことで、資格取得者によって知識や技術にアンバランスが生じてしまい、サービスの質が介護士によってバラバラだったことも資格制度が変更になった要因です。

訪問介護と住居介護の違い

次に、訪問介護と住居介護の違いについて「対象者」「サービス」「費用と期間」「必要な資格」の4点を用いてご紹介します。

違うポイント①対象者

訪問介護と住居介護では、対象者が以下のように異なります。

年齢や障害の状態が異なることで、介護の方法に違いがあります。訪問介護で記載されている特定疾病とは、末期がんやパーキンソン病など全16種類の病気のことです。訪問介護の場合は、単に介護が必要だからといっただけではなく介護が必要になった経緯や状態の確認も必要になります。

違うポイント②サービス

訪問介護と住居介護では、サービスに大きな違いはありません。受けられるサービスは以下のとおりです。

対象者は異なるものの、サービスの内容に大きな違いはありません。また、訪問介護であっても住居介護であっても、医療行為や間接的な補助などはサービスに含まれません。

違うポイント③費用と期間

訪問介護と住居介護で費用と期間は大きく異なります。それぞれの費用と期間は以下のとおりです。

訪問介護の利用費用は、対象者によって負担割合が異なります。住居介護の場合は、利用金額の1割負担と決まっています。

保険利用期間内であれば、ケアマネージャーに相談して訪問介護の利用頻度も調整することが可能です。

違うポイント④必要な資格

訪問介護と住居介護で必要な資格に違いはありません。とはいえ、それぞれの事業所ではホームヘルパー以外に介護福祉士や看護師、サービス提供者が必ず設置されています。

どれも欠かせない役職ですので、キャリアアップを考えている方は資格取得も視野に入れましょう。

ホームヘルパー(訪問介護員)とその他介護職における給料の違い

最後に、ホームヘルパーの給料に関して興味がある方に向けて、その他介護職員との給料の違いやこれからの推移についてご紹介します。

介護職員はその他介護業界の職種に比べ給料は低め

介護職員は、看護業界などの他業界に比べ給料は低めになっています。事業所によって給料は異なりますが、介護職員の給料は28〜32万円前後を推移しています。

看護業界であれば33〜36万円と介護職員と比較しても給料が高いことが分かるでしょう。もちろん仕事量や勤務時間によって給料は異なりますが、これらを加味しても他業界に比べて給料は低めに設定されています。

介護職員の中でもホームヘルパー(訪問介護員)の給料は低い

介護職員のなかでも、介護福祉士や介護支援専門員と比べてホームヘルパーの給料は低く設定されています。

ホームヘルパーのなかでも、資格有無で給料に変動があります。ホームヘルパーで保有資格がないと27万円ほどの給料しかもらえません。また、介護福祉士や介護支援専門員などの勤続年数は8〜10年ほどですが、保有資格がないホームヘルパーは約5年と最も短い勤続年数でした。

給料面や勤続年数などを加味すると、ホームヘルパーの資格取得は必須と言えるでしょう。

ホームヘルパー(訪問介護員)などの介護職員の平均給与は増加傾向にある

給料面では他業界や他職種と比較しても低いホームヘルパーですが、平均給与は年々増加傾向にあります。

令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要を見てみると、令和2年から令和3年にかけて資格有無にかかわらず約7,000円前後の増加があるといった結果になっています。

まだまだ他業界や他業種と比較しても平均給与は低めですが、ホームヘルパーの需要は確実に高まっています。

ホームヘルパー(訪問介護員)とその他業種の違いを把握し自分にあった仕事を選ぼう

ホームヘルパーの仕事は年々、需要が高まりつつあります。2013年には、資格制度が変更されキャリアアップしやすくなりました。しかし、まだまだ給料は他業界や他業種に比べて低いのが現状です。

ホームヘルパーへの就職を検討している方は、その他の業種との違いを理解して、本当に自分のやりたいこととマッチしているのかを再検討し、自分にあった仕事を選びましょう。

引用元
厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事