社会福祉士はやめとけと言われる理由は?取得のメリットや資格取得のルート・向いている人の特徴も紹介
福祉・介護業界にはさまざまな仕事がありますが、なかでも社会福祉士という資格を持つ人は、相談援助のプロとして現場で重宝される存在です。そんな社会福祉士は、なぜか一部で「やめとけ」といわれることもあるそう。
この記事では、その理由についての詳細とともに、資格取得のメリットや受験資格を得るためのルート・向いている人の特徴を紹介します。
社会福祉士とは

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく名称独占国家資格です。
身体的あるいは精神的な障害や、環境上の理由で日常生活に困難を感じている人の相談に応じ、助言や指導をしたり、適切な福祉・医療・その他保健医療サービスにつないだりする「相談援助」を行います。
社会福祉士の具体的な仕事内容は、一人ひとりに適した福祉サービスを提案をするほか、支援方法の計画や見直し・サービスを利用するための諸手続き・関係機関への連絡などです。
引用元
厚生労働省|社会福祉士・介護福祉士等
e-Gov 法令検索|社会福祉士及び介護福祉士法
社会福祉士はやめとけと言われる理由とは?

社会福祉士について調べると、好意的な意見もある一方で、「やめとけ」というようなネガティブな意見が見られることもあります。なぜそういった意見があるのか、理由について見ていきましょう。
精神的な負担がかかりやすい
社会福祉士は、相談者の生活や健康上の深刻な悩みに接することが多い仕事です。そのため親身に話を聞けば聞くほど、精神的な負担になりやすい側面があります。
また、シビアな問題を解決する手立てを探さなければならないというプレッシャーや責任に、重圧を感じてしまうこともあるかもしれません。
必ずしも解決に導けるわけではない
相談者一人ひとりに丁寧に接し、社会福祉士としてできる限りの力を尽くすものの、すべての相談者の問題を解決できるわけではありません。相談によっては適切なサービスにつなぐことができず、無力さを感じる可能性もゼロではないでしょう。
人間関係に疲れてしまう人も
社会福祉士は、支援に向けた計画や手続きをするうえで、相談者の要望を行政に伝える・行政から指示をもらうなどの役割を担います。
このように相談者・家族・行政・医療機関などさまざまな人たちの間を取り持ちますが、立場が違うがゆえに考え方が違うことも多々。
そうするなかで、関わる人たちの間で板挟みになって、対応に困ったり人間関係そのものに疲れてしまったりする人もいます。
仕事内容のわりに給与が低い傾向
相談者の深刻な問題に応じ、適切なサービスへつなぐという重要な任務を担っているにもかかわらず、給与が低いと感じる人も少なくないようです。
厚生労働省の「job tag」によると、社会福祉士を含む「福祉ソーシャルワーカー」の令和5年の平均年収は、約425万円です。
同年に、国税庁が実施した「令和5年分民間給与実態統計調査結果」で公表された給与所得者全体の平均年収は、約460万円。
給与所得者全体よりも、福祉ソーシャルワーカーの給与のほうが低くなっています。
また、社会福祉士に限定した給与事情で見ると、社会福祉振興・試験センターが令和元年に実施した「社会福祉士就労状況調査結果報告書」では、全体平均年収は403万円となっています。
同年の給与所得者全体の平均年収は435万円であったことから、国家資格であっても給与所得者全体の給与よりは低い傾向にあるようです。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|福祉ソーシャルワーカー – 職業詳細
国税庁|令和5年分民間給与実態統計調査結果について
社会福祉振興・試験センター|令和2年度就労状況調査結果
社会福祉振興・試験センター|社会福祉士就労状況調査結果報告書
国家資格なのにその価値をあまり感じられない人も
社会福祉士は、「三福祉士」のひとつとして福祉・介護業界で名が知れており、専門的なスキルを有していることから評価も高い国家資格です。
一方で、名称独占資格なので資格がないと「社会福祉士」を名乗れないものの、実務面においては資格がなくてもできるものが多く、価値をあまり感じられない人もいます。
しかし、資格への信頼と評価はきちんとあるものなので、価値がないということはありません。
大変な側面だけじゃない!社会福祉士の資格を取得するメリット

「社会福祉士はやめとけ」というネガティブな意見から、大変な側面も見えましたが、社会福祉士の資格を取得するメリットももちろんあります。社会福祉士を取得するメリットや魅力について見ていきましょう。
社会的信用を得やすい
国家資格は、高度かつ専門的なスキルを身につけなければ取得できません。そのため、資格を所持していることで、相談者や家族・行政機関などさまざまな立場の人からの信頼を得やすいです。
とくに、福祉や介護業界では認知度も高いため、同じ現場で働く人から信頼される存在になりえます。
福祉・介護業界での選択肢が豊富|キャリアアップにも有利
社会福祉士は福祉のプロであるため、仕事の選択肢も豊富です。生活相談員や児童相談員・生活支援員・ケースワーカーなど、さまざまな職種があります。
また、資格取得後に規定の実務経験を積めば、介護支援専門員の受験資格が得られたり、特別養護老人ホームの施設長を目指したりすることができるため、キャリアアップにも有利です。
引用元
厚生労働省|介護支援専門員(ケアマネジャー)
厚生労働省|施設長の資格要件等
介護職員のなかでは給与は高め
介護職員のなかでも、有資格者と無資格者では給与に差があります。また、所有資格によっても給与が異なり、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護支援専門員につづいて社会福祉士の給与が高いです。
| 保有資格 | 平均給与(月額) |
| 介護支援専門員 | 37万6,770円 |
| 社会福祉士 | 35万120円 |
| 介護福祉士 | 33万1,080円 |
| 実務者研修 | 30万2,430円 |
| 介護職員初任者研修 | 30万240円 |
| 保有資格なし | 26万8,680円 |
※令和4年9月時点
引用元
厚生労働省|結果の概要
厚生労働省|令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
就職や転職に有利に働く可能性もある
社会福祉士は国家資格であり、現場仕事と相談援助の両方のスキルがあることを証明できます。そのため、就職や転職に有利に働く可能性もあるのです。資格を取得することで、スキルを磨きたいという向上心も示せるため、評価につながりやすくなるでしょう。
社会福祉士の受験資格を取得する3つのルート

社会福祉士の資格を取得するためのルートは、大きく分けて3つです。そのいずれかのルートを辿って国家試験に合格し、登録することで資格を取得できます。
受験資格を得るには、既定の学校で必要な知識や技術を学び、場合によっては相談援助の実務経験を積む必要があるため、以下で詳しく紹介します。
引用元
社会福祉振興・試験センター|[社会福祉士国家試験]受験資格(資格取得ルート図)
福祉系の大学で指定科目を学ぶ|実務経験が必要な場合も
福祉系の大学は4年制・3年制・2年制があり、4年制は指定の科目を修了することで受験資格を得られます。
3年制と2年制は指定の科目を修了後に、相談援助の実務経験が必要です。3年制は1年以上、2年制は2年以上経験を積めば受験資格が得られます。
短期養成施設等で6カ月以上学ぶ|基礎科目の履修・実務経験などが必要
4年制の福祉系大学で基礎科目を履修後、短期養成施設で6カ月以上必要な知識や技術を学ぶ方法もあります。3年制・2年制の大学は、福祉系大学で指定科目を学ぶ場合と同様に、それぞれ実務経験を積んだのち、短期養成施設で学べば受験可能です。
ほかにも、次のような方法があります。
・社会福祉主事養成機関(2年以上)を修了後、相談援助実務を2年以上経験し、6カ月間短期養成施設で学ぶ
・査察指導員・老人福祉指導主事・児童福祉司・身体障害者福祉司・知的障害者福祉司の実務を4年以上経験し、6カ月間短期養成施設で学ぶ
一般養成施設等で1年以上学ぶ|実務経験が必要な場合も
福祉系大学以外の大学や短大を卒業したあと、一般養成施設等で1年以上学ぶことで受験資格を得る方法もあります。なお、3年制の場合は1年の実務経験・2年制の場合は2年の実務経験が必要です。
また、大学を卒業せずとも、相談援助実務を4年以上経験し、一般養成施設等で1年以上学ぶことで受験資格を得ることもできます。
社会福祉士に向いている人の特徴

ここからは、社会福祉士に向いている人の特徴を紹介します。前提として、社会福祉士には次のような義務規定があるため、それを守れる人でなければ社会福祉士には適していません。
| 誠実義務 | 個人の尊厳を保ち、相談者の立場に立って誠実に業務に取り組む |
| 信用失墜行為の禁止 | 社会福祉士という名に傷がつくような行為をしてはならない |
| 秘密保持義務 | 個人情報やプライベートに関することを、正当な理由なく他人に漏らしてはならない |
| 連携 | 利用者の心身の状況に応じた適切な福祉サービスを提供できるよう、関連機関や地域と連携を保つ |
| 資質向上の責務 | 社会福祉を取り巻く環境などの変化に応じて、知識や技術の向上に努めなければならない |
以上をふまえて、社会福祉士に向いている人の特徴を紹介します。
コミュニケーション能力が高い
仕事内容からわかるように、社会福祉士は、相談者やその家族に寄り添った対応をすることはもちろん、福祉サービス事業者や行政機関との円滑なやりとりをするスキルが必要です。そのため、コミュニケーション能力が高い人に適しています。
相手の気持ちを理解しようとする・相手の立場に配慮する・思いやりを持つなど、相談者への心配りを欠かさないようにしましょう。
向上心や強い責任感がある
社会福祉に関連する法律や制度などは頻繁に更新されていくため、自ら知識をアップデートしなければいけません。また、相談者がおかれる環境を把握するためには、最新の地域情報を収集する必要があります。
そのため、向上心を持って学び続ける姿勢でいられる人や、相談者に適切なサービスを提供し、問題解決を図るという任務に、強い責任感を持って努力できるような人に向いています。
自身の精神状態をコントロールできる
さきほど紹介したように、社会福祉士は精神的な負担がかかりやすく、さまざまな人と密接なやり取りが必要な仕事であるため、ストレスにつながってしまう可能性があります。
しかし、自身の精神状態をうまくコントロールできる人なら、そういった状況も乗り越えやすいです。自分なりのストレス発散方法を身につけていたり、相談者の負の感情をそのまま背負わずうまく切り替えられたりするとよいでしょう。
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社会福祉士は働き方の選択肢が幅広い!資格を取得して福祉・介護分野で活躍しよう

社会福祉士は、障害や環境上の理由で日常生活に困りごとがある人の相談に応じ、適切な福祉サービスへつなぐという「相談援助」のプロです。名称独占国家資格であり、介護や福祉業界では知名度も評価も高いため、多くの人に信頼される存在になりえます。
生活相談員や児童相談員・生活支援員・ケースワーカーなどさまざまな働き方ができるほか、就職や転職・キャリアアップにも有利になるため、取得して損はありません。ぜひ社会福祉士の資格を取得して、自分に合った場所で活躍してください。
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