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特集・コラム 2021-08-26

看護助手の給料・平均年収はどれくらい? 給与UPを目指せる4つの方法を解説

少子高齢化にともない、介護施設や病院などの医療施設での求人は高まっています。実際に看護助手として働きたい、働こうと考えている方もいらっしゃるでしょう。看護助手とは看護師の指示のもと、高齢者施設や介護施設、病院などで医療行為以外のこまかい仕事をこなす業務です。

人の役に立ちたいと思っても、やはり気になるのが給与でしょう。ここでは、看護助手の給料・平均年収、そして給与UPを目指せる4つの方法について解説します。

看護助手のお給料はどれくらいなの?

介護施設や病院で働きたいと思われている方のなかで、看護助手に就きたいと考えている方もいるでしょう。看護助手は看護師の指示のもと、医療行為以外のこまかい仕事をこなします。国家資格などを必要としません。

たとえば患者さんや入居者の身の回りの世話、食事援助や清潔援助、排せつ介助、移動・移送援助などをおこないます。ここでは、看護助手のお給料の一般的な相場を確認しておきましょう。

正社員|看護助手(看護補助者)の月給・平均年収は?

厚生労働省による賃金構造基本統計調査(2019、企業規模10人以上計)によると、看護補助者の平均年齢は46.7歳で、平均月収が約21万6,000円です。年間賞与の平均が約39万円、つまり平均年収が約303万円となります。

ちなみに2017年の平均年収が約292万円、2016年が約294万円、2015年が約291万円となっていました。近年、医療介護における求人の需要が高まっているため、給与が高くなりつつあるようです。

看護助手の給料は、働く方の年代、性別、地域によっても異なります。たとえば、20代の平均月収は約23万9,000円、30代が約26万4,000円、40代が約25万5,000円、50代が約26万8,000円、60代は約23万7,000円です。60歳以上の方は、定年後、正社員ではなくパートで働く方も増えているので、平均月収額が下がっています。

男女の平均年収は、男性が約235万円、女性が約281万円なので、女性のほうが男性よりも高くなっています。また、地域でも平均年収は異なり、東京が約396万円、神奈川が約311万円、大阪が約340万円。大都市のほうが、平均年収が高い傾向にあるようです。

賞与額はどれくらい?

厚生労働省による賃金構造基本統計調査(2019、企業規模10人以上計)によると、看護補助者の平均賞与は約43万5,000円でした。上述したように年代、男女、地域によって給与に差がありますが、おおよそ40万円の賞与がもらえると考えてよいでしょう。

アルバイト・パート|看護助手の時給相場は?

上述したように正社員の看護助手の給与は、年代、性別、地域によって異なります。では、アルバイトやパートの場合はどうでしょう。ここで一例を挙げてみます。

たとえば、川崎市多摩区、高津区、中原区にあるクリニックでは、時給1,050円(アルバイト、パート)。横浜市鶴見区のクリニックでも、時給1,050円を提示しています。沖縄市のクリニックでは、950〜1,100円です。

その一方で東京では、千代田区のクリニックで1,800〜2,000円、品川区のクリニックで1,500〜2,000円と高い時給となっています。アルバイトやパートでも、大都市のほうが比較的時給が高く設定されているようです。

看護助手が給与UPを目指せる4つの方法を解説!

看護助手として働きながら、どのように給与をUPさせることができるのでしょうか。ここでは、給与UPを目指せる4つの方法を解説します。

1. 資格を取得する|資格手当をゲット

看護助手になるためには、特別な資格を必要としません。資格を必要としないということは、誰でもできる仕事ということです。給与UPを目指すなら、その施設にとってあなたの存在価値を高める必要があるでしょう。つまり、資格を取得して仕事の幅を広げるのが、給与UPを目指す方法のひとつとなります。

おすすめの資格は医療福祉情報実務能力協会の「メディカルケアワーカー(看護助手)」と「准看護師」です。これらの資格を持っていると、資格手当がつく可能性があります。どちらも比較的短期で取得できる資格なので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

医療福祉情報実務能力協会|メディカルケアワーカー(看護助手)

特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会では、メディカルケアワーカー(看護助手)という資格を認定しています。看護補助、福祉介護業務に従事する看護助手の能力を証明するものです。

メディカルケアワーカー検定2級の受験資格は、実務経験1年以上、または指定機関においてメディカルケアワーカーの講座を受講修了したものとされています。受験内容は学科20問「病院環境衛生学」「医科薬科学」と、文章作成(総文字800字程度の記述問題)です。

1級の受験資格は、メディカルケアワーカー検定2級合格者。受験内容は学科25問「基礎心理学」「実技緒論」と文章作成(総文字800字程度)となっています。1級、2級ともに在宅受験なので、仕事で忙しい方でも比較的受験しやすい資格試験といえるでしょう。

准看護師

もうひとつのおすすめ資格が「准看護師」です。看護師には2種類あり、厚生労働大臣発行の国家資格を有する看護師と、都道府県知事発行の免許を持つ准看護師があります。准看護師とは、医師や歯科医師、看護師の指示に従い、患者さんのケアをおこなう仕事です。

看護師は高校卒業後、3年以上専門学校で学ばなければなりませんが、准看護師は中学校卒業後、2年で免許が取得できます。看護師よりも准看護師のほうが、比較的免許が取りやすいといえるでしょう。

なかには、働きながら免許取得を考えている方も多いでしょう。准看護師になるためには一般的に、准看護師養成所または専門学校に通って准看護師試験合格を目指します。学校によっては、全日制、平日の午後、夜間に授業をおこなう半日制もあるので、利用してみるのもひとつの手でしょう。

2. スキルアップをして役職に就く

施設や病院によっては、看護助手にも役職がある場合もあり、たとえば「看護助手主任」などがあります。経験を積み、スキルアップすれば任される仕事の幅も広がるでしょう。それにともなって、給与にも手当がつくケースがあります。

3. 夜勤を増やす|夜勤手当をゲット

看護助手は、日勤と夜勤がある仕事です。基本的に日勤と夜勤の業務内容に変わりはありませんが、夜勤には患者さんの入浴、検査、治療がおこなわれないので、そのぶん業務は少なくなります。しかし、日勤よりも医師や看護師の人数は少なくなり、日勤よりも急な対応を求められることが多くなるでしょう。スタッフの人数が少ないぶん、看護助手の責任も大きくなります。

なお、夜勤には「夜勤手当」が支給されるのが特徴です。夜勤をメインにすると、日勤より給与が多くなることも。夜間手当の相場は1回あたり5,000〜1万円です。給与UPを狙う方は、夜勤を増やしてみるのもおすすめとなります。

4. 条件のよい職場に転職する

上述したように、看護助手の時給、日給、月給は年代、地域、性別によって変わってきます。看護助手としてのスキルを高めつつ、より好条件の職場に転職する、というのもひとつの手です。

看護助手の求人はつねにニーズが高まっています。求人情報などをこまめにチェックして、条件に合う職場を探してみましょう。

雇用形態の変更もおすすめ|正社員登用制度など

看護助手に限ったことではありませんが、アルバイトやパートよりも正社員のほうが給与は高くなります。働く時間をフレキシブルに選ぶことがむずかしくなるかもしれませんが、正社員はある程度、安定した給与をえられるでしょう。

働きはじめのころはアルバイトやパートだったけれど、キャリアアップして正社員になる、雇用形態を変えて給与UPするというケースも少なくありません。今後のキャリアアップ、給与UPを目指す方は、正社員になるというのもひとつの選択肢といえます。

お給料UPを目指してできることから始めてみよう!

看護助手は働く地域、働く人の年代、性別によって時給、日給、月給に差がありますが、平均的には月給20万円前後です。人の役に立ち、やり甲斐のある仕事ですが給与が多いにこしたことはありません。

現状よりも給与UPのためには、資格を取得したり、キャリアを積んで役職に就いて役職手当を得たり、よりよい条件の職場を探したり、雇用形態を正社員にするなど、さまざまな方法があります。そのためにはつねに情報収集するのが大切です。まずは自分ができることから始めてみましょう。

引用元:
e-Stat 賃金構造基本統計調査
e-Stat 賃金構造基本統計調査 賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査(順次掲載予定) 一般労働者 職種
医療福祉情報実務能力協会 メディカルケアワーカー(R)(看護助手)検定試験
一般社団法人 日本准看護師連絡協議会 准看護師の生涯教育研修体制の構築

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