管理栄養士・栄養士のお給料や平均年収はどれくらい?|給与UPを目指すには
近年、管理栄養士・栄養士の需要は高まりつつあり、医療施設、介護施設、児童福祉施設、学校、行政機関、食品メーカーなどさまざまな場所で活躍がみられます。とくに女性の活躍が目立っており、現在勤めている会社を辞めて、管理栄養士または栄養士に転職したいという人も増えているようです。
今回の記事では、管理栄養士・栄養士の給与相場と、それぞれの給与アップを目指す方法について解説していきます。
管理栄養士・栄養士の月給や年収はどれくらいなの? 求人情報をチェック
管理栄養士・栄養士として新たに働く場合、月給や年収はどれくらいになるのかという点はやはり気になるところでしょう。
ここでは、最新の求人情報から、管理栄養士・栄養士それぞれの月収・年収相場をご紹介します。これから管理栄養士・栄養士を目指す人、またすでに働いている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
管理栄養士(正社員)の月給相場と平均年収は?
全国を対象にした最新の求人情報から正社員として働いている管理栄養士の月給相場を見てみると、23~27万円のあいだが多くなっています。高いところでは、30万円~40万円で設定している会社もあるようです。
平均年収に関しては320~480万円が相場となっているようですが、勤務体系などの条件別で年収を見てみると、以下のようになります。
第二新卒:429万円
臨床:371万円
販売職:398万円
非常勤:327万円
バイト:342万円
栄養士・管理栄養士 正社員の求人検索結果(2021年12月15日時点)
栄養士(正社員)の月給相場と平均年収は?
つづいて、最新の求人情報から栄養士の月給相場を見ていきます。栄養士の月給相場は20~25万円程度で、管理栄養士に比べるとやや低いです。
平均年収は、280~400万円が相場で、こちらも管理栄養士と比べると差が出ています。栄養士の年収を条件別に見てみると、以下のようになります。
新卒:313~364万円
精神科病院:303万円
デスクワーク:301万円
社会福祉法人:294万円
栄養士・管理栄養士 正社員の求人検索結果(2021年12月15日時点)
管理栄養士・栄養士が給与UPを目指すには?
同じ管理栄養士・栄養士という職業に就いている人でも、給与には大きな差が出ることがあります。給与の差は、資格の有無であったり、勤務している企業の規模であったりと、さまざまな要素が関係するものです。
ここでは、管理栄養士・栄養士が給与アップを目指す方法について解説していきます。
管理栄養士が給与UPを目指すには?
管理栄養士の給料は、職場や雇用形態の違いによって大きく変わってきます。また、自身の経験値やスキルは人材として重宝されるかどうかをある程度左右するので、給料アップを目指すにはさまざまなスキル・専門知識の習得が重要になるでしょう。
まずは、管理栄養士の給料アップの方法について解説していきます。
1. スキルアップ|献立作成・衛生管理など
管理栄養士の仕事は、栄養管理や栄養相談だけではありません。病院や介護施設などで入居者の献立を作成する、調理担当になるなど幅広い役割を担います。栄養相談の仕事は、栄養学などの専門知識があれば可能ですが、実際の献立作りや調理は現場での経験値が必要です。
栄養学の知識があり、同時に献立作り・調理もできる経験豊富な栄養士ということになれば、採用する側としてはそれだけ貴重な人材ですから、給与も高くなる傾向があるでしょう。管理栄養士として給与アップを目指すなら、スキルアップ・経験の積み重ねはやはり重要です。
2. 栄養指導業務の経験を積む|転職にも役立つ
管理栄養士の仕事のひとつに、病院や介護施設での栄養指導業務があります。栄養指導業務の経験が豊富であると、採用側からの評価が高くなり、転職が上手くいくことも多いです。
管理栄養士の中途採用では、栄養指導業務の実務経験(たとえば、実務経験が3年以上など)を条件としている場合があります。いざ転職したくても、栄養指導業務の経験がなくて応募ができないということもあるので、転職成功と年収アップのために栄養指導業務の経験をしっかり積んでおくことが大切です。
3. 専門資格を取得する|専門管理栄養士など
キャリアアップと給与アップを目指して、専門資格を取得するという方法もあります。管理栄養士とあわせて、別の専門資格を取得することで活躍する場がさらに広がりますし、市場価値の高い人材として重宝される存在になれるでしょう。
資格の例をあげると、ケアマネジャーや専門管理栄養士、公認スポーツ栄養士、栄養教諭、フードコーディネーター、食育インストラクター、食生活アドバイザー、調理師などがあります。
それぞれの資格が活かせる職場、または業務内容によって年収も大きく変わってくるのです。
4. より条件の良い職場へ転職する|病院・施設など
同じ業務内容や勤務時間が課せられている職場であっても、それぞれの企業や事業所の規模・方針によって給与は異なってきます。業務内容や勤務時間が同じであれば、当然給与や待遇のよい職場を選んだほうがよいでしょう。
現在勤めている企業や事業所が小規模であれば、大手企業や比較的大きめの事業所に転職するのも有効な方法です。また、現在非正規で働いていて、正規雇用への昇格が見込めない職場であれば、正社員として働くことができる職場への転職を目指すのもよいでしょう。
管理栄養士の場合、病院や高齢者介護施設での需要が高いので、範囲をそこに絞って転職活動をするのがおすすめです。
栄養士が給与UPを目指すには?
栄養士も管理栄養士と同様に、職場や雇用形態の違い、また習得しているスキルや経験値によって給与が変わってきます。
管理栄養士と比べると給与が少ない場合が多いですが、栄養士のなかには専門的な資格を取得する、より待遇のよい職場に積極的に転職するなどして高年収を実現している人も多いようです。ここからは、栄養士が給与アップを目指すための方法を解説していきます。
1. 管理栄養士の資格を取得する
管理栄養士は栄養士の上位資格であり、栄養士以上に業務の幅があり、人材としても需要が大きくなります。上述した月収・年収相場を見てもわかるように、栄養士よりも管理栄養士のほうが給与は高いことが多いです。また、管理栄養士の場合、栄養士よりも資格手当が5,000円から1万円ほど高くなります。
この資格を得るためには、まず国家試験での合格が必須です。働きながら試験勉強をするのは大変ですが、通信講座などを上手く利用すれば効率よく資格の取得を目指せるでしょう。
2. 昇進する|職場にあったスキルを磨く
現在働いている職場で給与アップを実現したいときは、昇進や役職へステップアップするという方法があります。昇進・役職に就くことで、基本給が高くなりますし、役職の場合は役職手当もつくでしょう。昇進・役職の例としては、栄養士チーフ、マネージャー、特定分野のスペシャリストなどです。
昇進・役職へ就くための条件や制度はそれぞれの会社で異なり、年齢や勤続年数で昇進が決まることもあれば、特定の資格やスキル取得が昇進の条件となることもあります。
3. より条件の良い職場へ転職する|活躍の場はひろい
同じ栄養士でも、勤める会社によって年収の幅が異なります。現在働いている職場で昇進や給与アップが見込めそうにないときは、よりよい待遇の職場へ転職するのも有効な手段です。求人で現在の年収よりも高い年収で募集をかけている会社を探して転職すれば、スムーズな年収アップも実現可能でしょう。
傾向としては、大型施設や大手企業(食品メーカーなど)では給与水準は高くなっています。ただし、こうした大手企業や待遇の良い職場に転職するには、栄養士としてより高いスキルや経験が求められることが多いです。そのため、上位資格の取得や実務経験の多さなど、アピール材料をできるだけ多く持つことが重要となります。
自分に合った方法で収入UPを目指そう!
管理栄養士・栄養士として収入アップを実現するには、さまざまな方法があります。どの方法であっても、基礎となるべきはやはり自身のスキルの向上、経験の積み重ねです。同じ会社で給与アップを目指す場合であれ、転職して別の会社に移るのであれ、資格取得や実務経験の多さなどで実績と能力が認められなければなりません。
日々、管理栄養士・栄養士としての自身の市場価値を高める努力をしつつ、自分に最も合った方法で収入アップを目指していきましょう。
引用元サイト
厚生労働省 職業情報提供サイト 栄養士
日本栄養士会 専門分野別 認定制度