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特集・コラム 2023-07-21

作業療法士の給料はどれくらい?将来性や給与をアップさせる4つの方法を紹介

作業療法士は、病気や怪我で心身に障害を負った方の、日常動作や自立するための運動能力の獲得、リハビリ後の社会適応に向けた総合的なサポートをしていく職業です。

しかし、「作業療法士になりたいと考えているけど、将来性や給与水準についてよくわからない」と、作業療法士になるのを迷っている方もいるでしょう。

今回は、作業療法士の給与や平均年収、給与を増やすための方法を知って、自分のキャリアの展望を見定めてから、作業療法士になるかどうかを判断しましょう。

作業療法士の給与・平均年収を紹介|令和4年賃金構造基本統計調査

作業療法士は、OT(Occアップational Therapist)とも呼ばれる、リハビリテーションのスペシャリストです。

ここでは、2022年賃金構造基本統計調査にもとづいたデータをもとに、作業療法士の給与や平均年収について紹介します。

作業療法士の平均年収は約430万円!

厚生労働省が実施した『令和4年度 賃金構造基本統計調査』によれば、作業療法士の平均年収は430.7万円とされています。

介護・看護・リハビリ業界の求人サービスである「リジョブケア」のデータによれば、2023年4月の時点で正社員として働く作業療法士の平均月収は266,701円です。平均月収を12カ月分かけると、平均年収はおよそ320万円になることがわかります。

なお、リジョブケアの平均年収の金額にボーナスは含まれていません。あくまでも月給としてもらえる1年間の合計金額の数値として参考にしましょう。

引用元
jobtag:作業療法士(OT)
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
リジョブケア:作業療法士

正社員の平均月給

作業療法士を含めた専門的・技術的職業従事者の正社員の平均月給は、352,100円となっており、正規社員として働いている作業療法士の割合は98.3%となっています。

引用元
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

【勤続年数別】の平均月給

続いて、勤続年数別や年齢別、企業規模別の基準で、平均月給を見ていきましょう。

理学療法士・言語聴覚士・視覚訓練士を含めた、作業療法士の勤続年数別の平均月給のデータは下記のとおりです。

引用元:e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

このように、勤続年数が長ければ長いほど、平均月給も増えていく傾向が見えてきます。

【年齢別】の平均月給

理学療法士・言語聴覚士・視覚訓練士を含めた、作業療法士の年齢別の平均月給は下記のとおりです。

引用元:e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

このように、40代前半から50代後半までが、平均給与のピークだとわかります。

【企業規模別】の平均月給

理学療法士・言語聴覚士・視覚訓練士を含めた、作業療法士が該当する分類の企業規模別の平均月給は下記のとおりです。

引用元:e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

このように、中小規模(10〜99人)か大規模(1,000人以上)の事業所で働いている作業療法士の給料が高い傾向にあることがわかります。

今後の作業療法士の給料はどうなる?

作業療法士の今後の給料について考えるためには、過去の平均年収を比較して、どのような傾向があるのかを知ることが大切です。

理学療法士・言語聴覚士・視覚訓練士を含めた、作業療法士の企業規模別の平均月給×12カ月分に、平均年間賞与を足して出した平均年収の目安は下記の表のとおりです。

引用元:
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

全体的に見て、平均給与は増加傾向にあり、今後も伸びていくことが予測されます。

作業療法士が給与を増やすための4つの方法

リハビリテーションのスペシャリストとして、医療や介護の現場で高い専門性を発揮している作業療法士。しかし、スキルアップやキャリアアップを目指すことで、作業療法士としての活躍の場面が増え、その結果として、給与アップにつながることもあるでしょう。

1. 資格を取得してキャリアアップを目指す

作業療法士の資格も国家資格ではありますが、さらなる専門性を追求するためには、新たな資格取得を目指すのもおすすめです。

資格の取得は、専門的な知識やリハビリの技術の向上だけではなく、職場内での役割もひろがっていくため、給料アップにつながる可能性もあります。

理学療法士|リハビリテーションのスペシャリスト

新たな資格取得として、理学療法士を目指すのもいいでしょう。理学療法士は、PT(Physical Therapist)と呼ばれ、作業療法士と同様にリハビリテーションのスペシャリストです。

理学療法士の仕事は、身体に障害がある人などの身体運動機能を回復させ、自立した日常生活を送れるように支援していくことです。

作業療法士と理学療法士、この2つの資格を取得することで、患者に多角的に介入することができ、よりよい支援につながるでしょう。

認定作業療法士|生涯教育制度

認定作業療法士も、スキルアップにつながる資格のひとつです。作業療法士に限らず、すべての医療職はつねに知識と技術、技能をブラッシュアップしていくことが求められているため、専門性を高める努力をし続けなければなりません。

継続的な自己研鑽を支援する仕組みとして、生涯教育制度があります。認定作業療法士は、この生涯教育制度のひとつです。作業療法士のなかで一定の水準に達している、すぐれた能力があることの証明にもなります。

協会が主催する研修を修了し、現場での事例報告をまとめることなどの要件を満たすことで資格を取得できます。

専門作業療法士|卓越した臨床実践能力をもつ実践者

生涯教育制度のひとつであり、認定作業療法士の上位資格です。認定作業療法士が作業療法のなかで特定の分野により知識を深め、その分野において高度な実践能力や課題解決能力を持っていると認められた人です。

多用な専門性を活かして総合的に判断するジェネラリストとしての視点を活かす一方で、質の高いサービスを提供するプロフェッショナルでもあります。職場において、患者さんに作業療法士を通して、どのように貢献していけるかを示していくことが求められます。

介護支援専門員(ケアマネジャー)|介護分野の知識をより深める

介護支援専門員も、スキルアップに必要な資格のひとつです。医療の現場よりは、介護の現場で必要とされる場合が多いでしょう。介護支援専門員になるためには、実務経験が5年以上かつ900日以上従事し、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。

利用者が適切な介護を受けられるようにケアプランの作成をおこない、介護サービス業者との調整や利用者や家族への相談業務をおこなうなど、幅広い範囲での仕事が求められます。

2. 現在の職場に長く勤める|昇格・昇給を目指す

転職をせずに収入をアップさせたいと考えている場合は、現在の職場で昇格・昇給を目指すことをおすすめします。同じ職場に長く勤めて役職に就くことができれば役職手当がつくので、給与アップを目指すための有効な手段の一つです。

単に日常の業務をこなすだけではなく、作業療法士としてスキルアップしていき、患者のニーズに応えられるようにしていきましょう。

職場のなかで必要とさせる人材となることで、上司や同僚と良好な関係を構築でき、さらなる活躍や給料アップにつなげることも期待できます。

関連記事:知りたい!ケアマネジャーとして働く魅力とは
関連記事:ケアマネジャーになるにはどうすればいいの?|受験手続きについて紹介!

3.よりよい施設や病院に転職する

作業療法士の活躍の場は多く、病院や介護施設だけではなく、障がい者施設や児童福祉施設・地域包括支援センター・特別支援学校など、さまざまな分野で活躍しています。これらの場へ転職するという方法も、給料アップにつながるひとつの手段です。

作業療法士の資格が活かせる!介護分野の求人情報はこちら

4.活躍の場を広げる

作業療法士といえば、医療・介護・福祉の分野で働いているイメージが強いかもしれませんが、実は教育分野や社会貢献の分野など、幅広い分野で活躍できる仕事です。

作業療法士としてある程度のキャリアを積み、専門性を高めたら、今度は作業療法士を教育する講師としての立場で活躍できます。

また、地域の諸問題に取り組む社会起業家として作業療法士時代の知識やスキルを発揮しながら、社会貢献の役割を担うようなケースや、公務員として働く場合も。

作業療法士として活躍できる場所は、医療や介護の現場だけではないことを知っておきましょう。

作業療法士が公務員になるには?働く場所やメリット・デメリットもあわせて紹介

作業療法士は社会のニーズがあり、給与アップも目指せるお仕事!

今回は、作業療法士の平均的な給料を、勤続年数別・年齢別・企業規模別で紹介し、給料をアップさせるための4つの方法についても解説しました。

作業療法士は社会的にニーズがあり、給与水準も上昇傾向にあります。ただし、平均給与よりも多く稼ぎたいと考えているなら、資格取得を目指したり、一つの職場に長く勤務して役職に就いたりといった選択肢も考えておきましょう。

また、作業療法士としての知識や経験を活かして、他人に知識やスキルを教え、社会貢献するなど、現場以外に自分が活躍できる場所を増やしていく努力も大切です。

作業療法士の給与水準と給与アップのコツについて確認して、就職後の仕事の満足度と金銭的な余裕の両立を目指していきましょう。

引用元
jobtag:作業療法士(OT)
リジョブケア:作業療法士
日本理学療法士協会:理学療法士とは
日本作業療法士協会:生涯教育
日本作業療法士協会:認定作業療法士制度
日本作業療法士協会:専門作業療法士とは?
日本作業療法士協会 専門作業療法士の認定取得のための手引き
東京都福祉保健財団 介護支援専門員(ケアマネジャー)について
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-stat:賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

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