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特集・コラム 2022-11-09

看護師は副業してもOK?おすすめする理由や注意点、具体的な副業について紹介

看護師として勤務している方の中には、「本業とは別に副業にチャレンジしたい」、「副業でキャリアアップの可能性を広げたい」と考えている方もいるのではないでしょうか?

しかし、「そもそも副業をしても大丈夫なのか」「副業におすすめの仕事は何なのか」よくわからないという方もいるでしょう。

本記事では、看護師の副業がOKなのか、副業をすべき理由と向いている方の特徴、注意点と具体的な仕事について紹介します。

看護師として働きながら副業を探すことを検討している方は、参考にしてみてください。

看護師は副業OKなの?

そもそもの疑問として、看護師が副業をすることは許されているのでしょうか?結論から言うと、副業が大丈夫かどうかは、勤務している職場によって変わります。

この章では、看護師で副業がNGな場合、OKな場合について見ていきましょう。

公務員として働く看護師は基本的にNG!

公務員は、基本的に法律で副業の禁止が定められています。そのため、国公立の病院などに勤める看護師は副業NGです。法律を犯して副業すると減給や停職、最悪の場合は免職になる可能性もあります。
【国家公務員法第103条】
“職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。”
【地方公務員法第38条】
“職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。”
しかし、公務員でも営利目的でない活動であれば、副業は可能です。それらに該当する副業は、投資信託・家業の手伝い・フリマアプリ・不動産賃貸など。
ただし、投資信託の利益はきちんと確定申告をおこなうこと、家業の手伝いはなるべく許可をとること、フリマアプリは不用品を売る目的のみで使用することが条件です。
不動産賃貸は、定められた規定の範囲内での副業が認められています。場合によっては許可が必要になるので、規定を満たしているか確認が必要です。

民間の病院やクリニックは?|就業規則をチェックしてみよう

民間の場合は公務員と違い、基本的には働き方改革で副業は認められています。
2018年に策定された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の一部であった「モデル就業規則」の内容を見てみると、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という項目が削除され、代わりに「労働者は勤務時間外において、他の会社等の業務に従事できる。」という文言が明文化されました。
このように、社会の流れとして、副業をOKにする流れが進んでいる事実があります。
とはいえ、副業OKなところばかりではありません。本業に支障をきたす場合や、企業秘密漏洩の危険がある場合は、副業NGになることもあります。就業規則に、副業禁止の項目がないか確認しましょう。

副業OKな職場も検討してみるのもおすすめ

民間の看護師の職場で、規則や方針で副業をするのが不可能な場合は、直接雇用主に相談したり、場合によっては副業が大丈夫な職場に転職するのも一つの手です。

副業をする理由を再度考えてみて、どうしても副業にチャレンジしたい場合は、問題なく副業ができる環境を実現するための努力をしてみましょう。

看護師に副業をおすすめする理由

看護師に副業をおすすめする理由は、以下の2点にまとめられます。

・効率よく複数の仕事経験ができる
・収入がアップする可能性がある

副業にチャレンジするべきか迷っている方は、実際にどのようなメリットがあるのかを知って、自分の行動をどうするか決めていきましょう。

効率よく複数の仕事経験ができる

看護師に副業をおすすめする一番大きな理由は、仕事を辞めることなく、自分が挑戦したいと思う仕事に自由にチャレンジできる点です。

記事の後半部で紹介するような医療・看護系の副業で、本業に役立つようなスキルや経験を積めることはもちろん、医療・介護系とは関係のない仕事でも、自分がやりたかった仕事にチェレンジして、幅広いジャンル仕事のスキルアップを目指すのもいいでしょう。

本業を続けながら、自分がやってみたい仕事にチャレンジできるのは、看護師が副業をやることの大きなメリットです。

収入がアップする可能性がある

看護師が副業をやるべき理由の一つに、得られる収入が増える可能性が挙げられます。副業を始めるということは、本業以外に収入の柱を作れるということです。

「看護師が残業すると手当がついて稼げる」という考え方もありますが、残業しすぎると翌日以降のパフォーマンスが低下したり、体調不良になってしまったりするリスクも。

副業をはじめれば確実に収入がアップする訳ではありませんが、稼げる副業に巡り会えれば、本業で残業してまで働く以上に収入を増やせるチャンスもあります。

副業をするのに向いている看護師の4つの特徴

副業するのに向いている看護師には、以下の4つの特徴があります。

・現状の仕事に満足していない人
・もっと収入アップを目指したい人
・本職で役職に就きたくない人
・本業のストレスを緩和したい人

この章では、副業するのに向いている看護師のこれらの特徴について見ていきましょう。

1.現状の仕事内容に満足していない人

自分が希望する仕事を任せてもらえなかったり、毎日同じ仕事の繰り返しで、他の仕事をやりたくなったりしている方は、副業にチャレンジしてみるのがおすすめです。

副業であれば本業で実現できないような働き方や仕事を選ぶことも可能で、自分が希望する仕事の経験を新たに積むこともできるでしょう。

2.もっと収入を増やしたい人

副業をおすすめする看護師の特徴は、もっと収入を増やしたいと考えている方です。

看護師としての本業の収入が少ない場合は、夜勤や残業を増やして収入を増やす方法もありますが、その分、過剰なストレスを抱えてしまうことも考えられます。

しかし、本業が休みの時間に副業を組み込むことで、無理なく効率的に収入を増やすことができる可能性が高いでしょう。

3.本職で役職に就きたくない人

看護師として働いている職場で、昇進して責任ある立場になりたくない方で、副収入として本業の収入以外に稼ぎたいという方もおすすめです。

看護師として順調に昇進して役職に就くと、責任のある仕事を任され、残業が増えてしまうこともあります。そうなると、休みを十分にとれなかったり、ストレスで体調を崩してしまったりする可能性もあるでしょう。

本業でストレスを抱えることなく、副業で収入を順調に増やしたいという方は、看護師として働きながらの副業がおすすめです。

4.本業のストレスを緩和したい人

本業のストレスを解消したいと考えている方も、副業をはじめてみるのがおすすめ。

看護師として働いていると、仕事内容や人間関係から、ストレスを抱えてしまう方もいるでしょう。しかし、本業とは無縁な職場で働いてみることで、職場が原因で抱えているストレスを和らげられる可能性もあります。

「本業でこれ以上働きたくはないけど、収入は確保したい」と考えている方にとって、副業をはじめるのは、とても現実的な選択肢なのではないでしょうか。

看護師が副業を選ぶポイントと注意点とは?

看護師が副業を選ぶ際のポイントと注意点は、以下の5点にまとめられます。

・看護師の仕事に影響が出ない仕事を選ぼう
・看護師の資格や経験を活かせるものがベスト
・職場で禁止されている副業はしない方がいい
・副業で必ずしも収入がアップするわけではない
・確定申告が必要になるケースもある

これらのポイントと注意点を確認して、副業をはじめるかどうか判断しましょう。

看護師のお仕事に影響が出ない仕事を選ぼう

副業は、本職に影響が出ないものを選ぶのがポイントです。看護師はハードな仕事なので、体力を使う副業を選ぶと疲れてしまいます。本職にマイナスの影響が出ては、元も子もありません。1回の勤務時間の長さや働く頻度を考えて、自分に合う副業を決めましょう。
苦手な業務を避けるのも、ポイントといえます。週1~2回の勤務でも、苦手なことをするのはストレスが溜まるため、体力面だけでなく精神面にも悪影響をおよぼすでしょう。得意なことや自分にできることを活かせるかが重要です。

看護師の資格や経験を活かせるものが最適

副業で看護師の資格や経験を活かせると、費用対効果が高くなります。看護師の資格や経験がないとできない仕事は多く、需要があるからです。
たとえば看護師の資格や経験を活かして収入を見込める副業には、夜勤専従のアルバイト・パートなどがあります。1回の勤務時間が長く深夜帯に働くため、時給は高いです。ただし、夜勤専従のアルバイト・パートは、生活リズムが崩れるのがいやな人、ハードな仕事に精神的な影響を受けやすい人にはおすすめしません。

職場で禁止されている副業は行わないのが無難

民間の医療施設で看護師として働いている場合、雇用主が副業自体はOKしていても、特定の職種のみに限定していることもあります。

「副業が認められている職場だから、好きな副業をすればいいや」と確認せずに副業をして、実は禁止されていた副業をやっていたとなれば問題になってしまうでしょう。

「ばれないから大丈夫だろう」と思っていても、もしばれた場合には懲戒・停職処分を受けてしまう場合も考えられます。副業に関する規則を事前に確認して、禁止されている副業を行わないようにするのがおすすめです。

副業で必ずしも収入がアップするわけではない

看護師として本業で働きながら副業をするのは、本業に割ける時間と休み時間を削って別の仕事をすることを意味します。本業に集中したほうが稼げるケースを避けるために、副業を始める場合は、効率的に収入がアップするような副業選びと働き方を考えましょう。

確定申告が必要になることもある

給与以外の収入が年間20万円を超える場合は確定申告が必要で、確定申告をしないと副業分の税金を納付していないとみなされ、罰金を科される可能性があります。副業をはじめる場合は、確定申告についてあらかじめ学んでおくことが大切です。
確定申告は毎年2月中旬から3月中旬の間におこなうことが決められていて、規定の申告書を作成しなくてはなりません。申告書の提出は、e-Tax申告・税務署へ送付・税務署に持参の3つ方法があります。

看護師が副業をするならどんなものがある?

看護師に適した副業は、どんなものがあるのでしょうか。ここでは、看護師が副業をする場合に相性がよいものをご紹介します。

夜勤専従看護師のアルバイト・パート

夜勤専従のアルバイト・パートは、1時間あたりの金額が高いため、収入アップを目指す人と相性がいいです。勤務時間は16時から翌朝9時と長く、仕事はハードですが、看護師の資格と経験を活かしやすいでしょう。
全国的にみて、夜勤専従のアルバイト・パートは、全国で多く求人募集が出されているのが特徴です。仕事内容は患者の食事介助や睡眠のサポートなどで、ナースコールの対応のほか翌朝の検温・記録も業務に含まれます。

健診・検診センター看護師のアルバイト・パート

健診のアルバイト・パートは、看護師として検診のサポートをするのが仕事です。検診で看護師がおこなうのは、血圧の測定や採血など本職でしている仕事がメインなので、スムーズに仕事をはじめられる可能性が高いでしょう。

訪問看護師のアルバイト・パート

訪問看護師のアルバイト・パートは、患者の自宅に訪問してケアをおこないます。看護師だけで訪問することはなく、医師や保健師に同行する立場です。
働く場所や働き方がイレギュラーなため、本職が病院勤務の場合最初は戸惑うことがあるかもしれません。しかし、本職とは違った視点で仕事に向き合える点はメリットです。
訪問看護ステーションについてはこちら:訪問看護ステーションとは? 訪問看護ではどんな風に働くの?

イベントナース

イベントナースとは、イベント会場の救護室で患者のケアをする仕事です。単発で働くことができるため、副業として選択しやすいでしょう。

ツアーナース

ツアーナースは、ツアーに同行して働きます。ツアー参加者が体調を崩した場合などに対応し、医療機関に連絡をとることも。
イベントナースと同じく、単発で働ける仕事です。仕事ではありますが、ツアー参加者と一緒に観光地を巡ることができます。

クラウドソーシング|医療記事のライティングなど

看護士として働くのではなく、看護師の経験を活かして医療記事の作成をおこなうのも、副業の選択肢のひとつです。
クラウドソーシングを利用すると仕事が見つけやすく、看護師ならではの経験を活かせます。スキマ時間で記事の執筆ができ、在宅ワークが可能なため副業に選びやすい仕事です。

投資|副業禁止でもできる

不動産投資や株式投資は、副業禁止でもできます。ただし、公務員の場合は、不動産投資には規定があるので注意してください。

求人募集をチェックして自分に合った副業を探そう!

この記事では、そもそも看護師が副業できるのかどうか、副業をおすすめする理由や注意点、副業の具体例について紹介しました。

公務員や副業を公に禁止している職場でなければ、看護師が副業をすることは可能です。副業をはじめることで、自分のやりたい仕事を経験できたり、収入が増やせたりする可能性があります。

求人情報をチェックして、自分に合った副業を探してみましょう。

引用元
国家公務員法|第103条『私企業からの隔離』
地方公務員法|第38条『営利企業への従事等の制限』
厚生労働省|モデル就業規則

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