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介護・看護・リハビリ 2021-11-13

【福祉現場のコロナ対策、どうしてますか? vol.10】子どもたちとのコミュニケーションと感染対策、どちらも強化!#1

Withコロナ時代の今、介護現場に求められている感染対策と働き方を深掘りしてお届けする連載企画。今回お話を伺ったのは、様々なケアサービスを手がける有限会社ライフケアで、発達が気になる就学前~学齢期のお子さんを対象に、運動療育を主軸とした発達支援を行う「児童発達支援 放課後等デイサービス こどもプラス1 北区教室」の内田ひとみさんです。

前編では、教室で行っている感染対策や、発達支援事業におけるコロナ禍の影響についてお聞きします。

お話を伺ったのは…

児童発達支援 放課後等デイサービス こどもプラス1 北区教室
内田ひとみさん

有限会社ライフケアが運営する「児童発達支援 放課後等デイサービス こどもプラス1 北区教室」勤務。発達に気になるところがある子どもたちの療育および発達支援に20年近くのキャリアを持つ、ベテラン指導員

コロナ禍であっても療育の流れは止めてはいけない

──こちらの「こどもプラス1 北区教室」ではどのような業務を?

午前は就学前のお子さんを対象にした児童発達支援事業、午後は学齢期のお子さんを対象にした放課後等デイサービス事業を行っています。午前と午後の仕事内容は、子どもの年齢層に違いがあるくらいで、ほぼ同じ。どちらも発達に気になるところがあり、受給者証を交付されたお子さんに対して、運動療育・言語指導・ソーシャルスキルに力を入れた療育プログラムを提供しています。

──コロナ禍で休業などはあったのでしょうか?

東京都福祉保健局から積極的に受け入れてほしいと通達があり、2020年の初春にコロナが発生してから現在まで、休まず営業しています。一回目の緊急事態宣言が出た時は近隣の学校や幼稚園が一斉にお休みになったので、利用者が減るかなと思ったのですが…学校がお休みだからこそ利用したいという声が多かったですね。

──逆に需要が高まったのですね?

指導員としては、お休みすることで療育や発達の支援が滞ってしまことを心配していましたが、保護者の皆さんも同じ考えだったようですね。

それから、発達が気になるお子さんは、行動やコミュニケーションに特性のある場合が多く、そういうお子さんと家の中にずっとこもっていると、家事も仕事もなかなかはかどらないんです。毎日決まった時間にうちにお子さんを預けることが、保護者にとっても気持ちに余裕を持つうえでとても大切なんですよね。

発達が気になるお子さんを育てている親御さんに面談させていただくと、誰かに悩みを相談できる、誰かと不安を分かち合えるという場があることが、こんなにも貴重なのだと痛感させられます。ところが、コロナ禍で親御さんと対面してお話しする機会も減ってしまいました。保護者のお話からそういう制約もストレスの原因になることが分かったので、親御さんとは連絡ノート以外でもこまめに連絡するようにして、ちょっとした悩みでも私たちにお話ししてくださいねと伝えています。

コロナ禍で生まれた新たな基本行動は収束後も継続したい

室内遊びを楽しむ未就学のお子さんたち

──現在、こちらの施設で実施しているコロナ対策は?

まず午前・午後の両方で徹底していることは、登室後や食事の前の手洗いとアルコール消毒。そして、登室時・退室時と食事前の検温です。検温は対外的にもお伝えできるようきちんと記録に残すようにしています。体温測定と記録は子どもの体調管理の基本行動として、コロナが収束しても続けていきたいですね。

食事や遊びでテーブルに座るときの席配置もソーシャルディスタンスを意識して、はす向かいになるようにしています。食事やおやつの場面では、心苦しいですがおしゃべりりも我慢してもらっています。

また、車での送迎を基本としているので、車の清掃・消毒と、窓を数センチ開けての換気を欠かしません。

感情・表情が大切な仕事だから、距離を取るのが難しい

感染対策事項をまとめたファイルや対策グッズの数々

──コロナ禍で支援内容に変化はありましたか?

未就学児の療育支援では、カードを使っての発音発語の練習や、運動遊びとして平均台やダンスなどで体を動かす楽しさを覚えてもらっています。言葉や表情を用いたコミュニケーションが苦手な子どもたちの成長を促すためのカリキュラムなので、指導員である私たちが常にマスクをしていると、表情が子どもに伝わらず、「外してよ!」と言われてしまうことも度々あります。

フェイスガードも用意しているのですが、子どもを抱える際に顔にぶつかってしまったり、フェイスガードが気になって体を支えるのがおろそかになったりする危険性もあるので、常に着用するのは難しいです。

──マスクはどうしていますか?

厚生労働省から未就学児のマスク着用は健康上、注意が必要とされているので、必ず全員着用とはしていません。癖でマスクを噛んでしまったり、口を覆うのが苦手な子どももいますし、保護者の方には可能な限りということで協力していただいています。

児童発達支援 放課後等デイサービス こどもプラス1 北区教室
内田ひとみさんの「コロナ禍の福祉現場に求められる感染対策方法と働き方」

1.感染対策の徹底と療育の質を両立させる

2.複数回の検温と記録を行動基本に

3.保護者と緊密に連絡を取り心のケアも心がける

感染対策の基礎徹底に加え、子どもたちと保護者のメンタルケアにも力を入れながら、療育支援に勤める内田さん。後半では、小学生以上を対象とした放課後デイサービスの変化と、子どもたちの療育を続ける魅力についての話をお届けします!

取材・文/杉本 陸
写真提供/ライフケア

Information

有限会社ライフケア

児童発達支援 放課後等デイサービス こどもプラス1 北区教室

住所:東京都北区田端新町3-34-1広瀬ビル1階
電話:03-3800-7774

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