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特集・コラム 2021-12-30

調理師免許は国家資格? 調理師免許の取り方を紹介|調理師免許の試験とは

調理師免許と聞くと、飲食店や給食施設で働いている調理スタッフのことを思い浮かべる人はおおいでしょう。しかし、そこで働く人すべてが免許を持っているわけではありません。そもそも、調理師免許とは一体どんな資格で、どうすれば取得できるものなのでしょうか。

今回は、この免許を取得すする2つのルートと試験の概要、資格を取得するメリットなどをご紹介します。

調理師免許は国家資格! 免許を取得するルートは2つ

調理師は、調理師法にもとづく名称独占の国家資格です。つまり、調理の業務は免許がなくてもおこなえますが、「調理師」であることを名乗るためには資格を保有している必要があります。つづいては、この資格を取得する方法を確認しておきましょう。

1. 調理師専門学校などの養成施設を卒業する

都道府県知事が指定した調理について学べる1年以上通える養成施設を卒業すると、必然的に試験は免除となり、卒業と同じタイミングで免許を取得することが可能です。

さらに、学校に在学期間中で技術考査に合格できれば、専門調理師の学科試験が免除されます。また、職業能力開発促進法にもとづく、調理技能士の試験を受ける場合にも同様です。

2. 調理師試験を受験し合格する|都道府県によって概要が違う

「多数の人に対して飲食物を調理して供与する」飲食店などで調理に従事した実務経験が2年以上ある場合は、都道府県が実施する調理師試験を受けられます。

受験申請は住所地を管轄する保健所へ提出しますが、試験の概要に関しては都道府県によって異なるのが特徴です。そのため、必ず住民票がある都道府県のホームページで規定をチェックしてみましょう。

調理師免許の試験とは?

調理師免許を取得するための調理師試験は、都道府県が実施されています。ここでは、2021年の調理師試験の情報から、調理師試験の受験資格の取得方法や試験の内容、合格率について確認しておきましょう。

調理師免許の試験についてはこちら:K-459公開後リンク貼る

調理師免許の受験資格は?

調理師免許の取得を調理師試験に合格して取得することを目指す場合には、まずは、受験資格を満たしているかどうかを確認しなければなりません。

調理師試験を受けるために必要なのは、中学卒業以上の学歴と、調理をおこなう仕事で2年以上働いたという職歴です。つづいては、どのような場合にこれらの要件が認められるのか、満たさないとされた場合にはどうすればよいのかを解説します。

1. 学歴|中学卒業以上など

受験資格に必要な学歴は、中学校卒業以上、または学校教育法57条にある高等学校の入学資格を満たしていなければなりません。

高等学校の入学資格は、海外の文部科学省が認定した日本人学校や海外の9年間の教育課程を修めていれば、「中学校を卒業したものと同等以上の学力があると認定されたもの」と認められます。

資格を保有していない場合には、文部科学省の実施する「就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定試験」に合格しなければなりません。

2. 職歴|指定の飲食店などで2年以上の調理業務従事

食歴の場合では、調理師法施行規則第4条によって定められている施設で、調理業務に2年以上従事していることが必要です。

上記で認められる施設は、飲食店、調理をともなう魚介類販売、そうざい製造業、1回に20食以上または1日50食以上調理している給食施設が含まれます。週4日以上で1日6時間以上勤務し、その多くが調理業務に従事していることが必要です。

複数の勤務先で異なる時期に調理業務に従事していた場合は、通算して2年となれば認められます。

【注意】職歴・調理業務と認められないものもある

週4日以上で1日6時間以上の勤務で、その多くが調理業務という条件を満たすためには、調理として認められるか、調理業務に従事していると認められるかというポイントでチェックが必要です。

<調理師試験受験資格の調理の職歴として認められない例>
・喫茶店などの簡易な飲食店営業や、食肉処理、食品製造など
・ケーキやデザート、パンの製造業務
・飲食店であっても接客業務や配達、食器洗浄や清掃など、調理に携わらない業務

試験にはどんな問題が出るの?|マークシート問題

試験は60問、マークシートによる四肢択一方式のみの試験です。実技試験はなく、記述しての回答が必要な問題がない試験ですので、出題範囲を理解して、くりかえし過去の問題などで練習をしておけば回答しやすい試験だといえるでしょう。

合格者を絞るための試験ではなく、「調理を仕事とするために、必要な知識を備えているかどうか」をチェックするためにおこなわれているので、必要な点数を取れれば合格できます。

出題科目|公衆衛生学・食品学・栄養学・食品衛生学・調理理論・食文化概論

調理師の試験科目は、食品を調理して食事を提供するために必要な知識、役に立つ知識などです。

具体的には、実際に調理する際や食品を選ぶ際に必要な調理理論や食品学。仕事として安全な食事を提供するために知らなくてはならない食品衛生学、公衆衛生学、給食など特定の人たちに継続して食事を提供する際に求められる、健康を維持するための栄養学。

そして、食の歴史などを含む食文化概論です。これらの6科目が調理師試験の出題科目となります。

合格基準はどれくらい?

調理師試験では、6割以上を理解していれば合格となります。つまり、36問正解すれば合格するということです。しかし、科目ごとの正解数に著しく偏りがある場合、具体的には科目別の平均点を大きく下回ってしまった場合に不合格となってしまうことがあります。

試験勉強で過去問や模試を解いてみる際には科目別の正答数を確認し、苦手な科目もある程度点数が取れるように対策をとっておきましょう。

調理師免許を取得するメリットとは?

調理師免許は、調理スタッフとして働くための必要条件ではありません。しかし、取得しておいて損はない資格でしょう。

ここでは、調理師の免許を取得することで、収入面と仕事の選択肢などが、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

1. 就職・転職に有利になる

無資格未経験でも応募が可能な職場はありますが、調理師免許が必要な職場と不要な職場の間に、「調理師有資格者歓迎」の職場がありますので、調理師免許を持っていると、就職や転職に有利に働きます。つまり、職場や調理の仕事内容の選択肢が広がるということです。

具体的には、食事が健康に密接にかかわる医療機関での調理スタッフを目指す場合。病院の調理スタッフの求人を確認すると、調理師免許必須となっている場合が少なくありません。

2. 給与UPに繋がる|資格手当

無資格未経験でも応募が可能な職場でも、調理師免許を持っていることで給与などの待遇が上がる場合は少なくありません。資格手当が加算されたり、資格があることで昇格・昇給してもらえたりするからです。

さらに、それまでは調理以外の雑用があった場合などでは、仕事の内容を調理中心にしてもらえるようになる場合もあります。同じ職場にいても、調理師資格を取得することで給与アップやキャリアアップが見込めるでしょう。

3. 信頼度が高まる|より安全なものを提供できる

とくに中小の飲食店では、調理師免許を掲示している場合が少なくありません。これは、法律にもとづいた「調理師」という国家資格を持っている人が調理スタッフにいることを示すことで、安心感をお客様に与えるためです。

実際に、調理師の資格を取得する際に身につけた知識や技術で自信を持つことができますし、自分のお店を持つ際にも役立ちます。

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調理師免許は国家資格! 自分に合ったルートで調理師を目指そう

調理師は調理師法にもとづいた国家資格であり、指定の調理師学校を卒業する、もしくは調理師試験に合格するかのいずれかの方法で取得できる資格です。試験は60問のマークシート式で、事前にしっかりと準備さえすれば合格しやすい試験といえます。

調理師免許を取得することで就職しやすくなったり、待遇がよくなったりというメリットは多いです。将来へ向けてのキャリアアップとして、調理師免許の取得を目指してみることをおすすめします。

引用元サイト
全国調理師養成施設協会 調理師になるには
調理技術技能センター 令和3年度調理師試験

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