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介護・看護・リハビリ 2020-02-10

介護事務の就職活動とは?志望動機の書き方・面接の答え方も伝授!

履歴書は「この志望者と会ってみたいかどうか」採用側が最初に判断する材料のひとつになります。介護事務志望者にとっては、介護施設など施設の採用担当者が面接にあなたを呼ぶか呼ばないかは、この履歴書一枚にかかっているのです。そうすると、志望動機がやはり重要なポイントとなってきます。履歴書を書く段階でしっかりと志望動機を練っておけば、面接時にもしっかりアピールできるようになります。

「なぜ介護事務の仕事をしたいのか」の志望動機をしっかりと磨き上げるコツと、実際に面接で志望動機を話す際のポイントをご紹介します。

介護事務の需要とは?

今現在、日本は超高齢社会といわれており、介護に関連する施設は年を追うごとに増加している一方となっています。そして、これに伴って介護事務の必要性も増しており、介護事務としての存在に注目が集まっていることは確かです。しかしながら、介護事務としての求人は多い状況であるとはいえません。

比較的大規模な施設や事業所であれば、介護事務の業務を専任スタッフが請け負い、事務と介護職の業務が切り離されています。けれど、多くの事業所では、介護職を務めているスタッフが兼務というかたちで仕事の1つとして介護事務を行なっているケースが非常に多くなっています。

また、仮に介護事務の求人があったとしても、予定採用人数は1~2名といった場合が多く、1度にまとまった人数の募集があるということは滅多にありません。そのため、介護事務の資格を取得したからといって、そのまま介護事務のスタッフとし就職することは、残念ながら難しい状況であるといえます。

どのように就職活動を行えばいいのか?

先ほど、介護事務の現在の求人募集状況や就職状況をお話し、介護事務専門でのスタッフの採用は難しい状況であることをお話しました。それでも、介護事務の就職活動を行いたいと考える場合は、どのようにすべきなのでしょうか?

介護事務の未経験者の方は特に、すでにご紹介したような「介護事務管理士」や「ケアクラーク」といった資格を取得することがおすすめです。やはりこの資格があれば履歴書にもその旨を記載することができますし、面接の場でもアピールすることができ、資格を取得していない未経験者の方よりも優位にたつことができるからです。また、こういった資格以外にも、パソコンのスキルを身に付けておくといいでしょう。

介護事務ではオフィス系ソフトを使う場合が多く、こういったスキルをもっていれば即戦力となると判断されることがあるからです。もちろん、介護職以外の職場で事務としての経験がある場合は、そのこともアピール材料として活用しましょう。

介護事務の就職状況、そして求人募集状況についてお話しましたが、いかがでしたか? 介護事務のみの募集というのは非常に少ないのが現状で、今は介護職のスタッフが介護事務もこなしていることが多くなっています。そのため、就職活動は決して簡単なものとはならないでしょう。ですが、介護事務に関する資格を取得する、パソコンのスキルを身に付けるなど、少しでもアピール材料を増やす努力をすることは可能です。悔いのない就職活動を行いましょう。

志望動機に必須となる2つのポイント

介護事務の志望動機をまとめる際に、重要になってくるポイントが二つあります。ひとつは「どうしてこの施設で仕事をしたいと思ったか」、もうひとつは「介護事務という仕事を選んだ理由」です。まずは、なぜこの施設で仕事をしたいと思ったか、まとめる作業から始めましょう。「家が近い」「前から知っていた」「設備が綺麗だった」など物理的な理由ではなく、介護施設のサービスや、企業理念を調べ、それらを踏まえてここで働きたいと思ったと書くことが大切です。

また、注意しておきたいのは「事務職は介護職とは違う」という観点では書かないということ。介護事務スタッフは、あくまで介護サービス従事者の一員。介護に関わる仕事であると意識して書いたほうがベターでしょう。仕事をするなら、企業理念やビジョンに共感できるところのほうが、自分と価値観も近く、働きやすいもの。きっかけは家が近かったからというのが本当のところだったとしても、その施設についての情報収集をきちんとして、共感できる理念等をまとめておきましょう。

ではなぜ、介護事務という仕事につきたいのか

「事務経験がある人」と「事務未経験の人」で、介護事務の志望動機は変わってきます。どちらの場合も、まずはあなたが介護事務を目指すきっかけ思い出してみてください。どのようなことでも構いません。その出会いについて、詳細に書き出してみましょう。

例えば、祖父が介護施設に入所した際に、介護事務という仕事を初めて知ったとします。介護の仕事に興味はあっても、体力的な不安など、さまざまな事情で直接的なケアに携わるのは難しいと考えていたけれど、影でご利用者様を支える仕事につけたらと思った…というように、きっかけをベースに膨らませていきます。事務経験がある場合は、そのキャリアと介護事務の仕事を上手く絡ませてアピールしましょう。

では、事務未経験、または新卒での就職活動で介護事務を選んだ場合は、どのようにアピールすればいいのでしょうか。大切になってくるのは、介護事務としてのビジョンです。どのようなことに積極的に取り組んでいきたいか、情熱を伝えることがポイントとなるでしょう。介護関連の仕事は、今後さらに需要が増していくことが予想されます。そのような時代背景を受けて、どうしてこの業界を志したのか、明確にしておきましょう。

面接では、どう答える?

履歴書審査を通過し、いざ面接となった時、やはり志望動機は質問されます。この時、履歴書に書いたことをそのまま答えるのは避けなくてはなりません。逆に言うと、面接を想定し、履歴書ですべてを出し切ってはいけないとも言えます。履歴書に書いたことをベースに、そこから膨らませて答えることができるように準備しておきましょう。

面接は、自分をアピールする最大のチャンスです。せっかくの機会ですから、自分の情熱や思いをきちんと伝えられるようにしておく必要があります。「社会福祉」や「介護」に関する姿勢も、やはり大きな評価対象となります。ただし、注意したいのは言いたいことをすべて盛り込み、話が長くなりすぎないこと。

自分が一番伝えたいことをよく考え、それを軸に話を展開できるよう、考えをしっかりとまとめておきましょう。この時、スピーチのように原稿を用意すると、変に緊張してしまったり、忘れてしまうと余計に動揺してしまうこともあるので、おすすめなのは箇条書き程度にまとめておくことです。面接のその場で本当の想いが口をついて出てくるように、しっかりと考えておきましょう。

介護事務の仕事において重要なのは「安心して仕事を任せられる」という信頼感と、人柄が挙げられます。履歴書を書く時でも、面接でも、自分を知ってもらえるチャンスを大切に、熱意を伝えることを目指しましょう。また、自分を大きく見せようとしてしまうと、採用された後に不都合が生じることもありますので、ありのままの自分を、きちんと見てもらうことが大切です。

全体的に人手不足な介護業界ならではの問題も

介護事務は今後、さらなるニーズ拡大により、人材不足が心配されています。しかし、人手不足は介護事務に限らず、介護業界全体の問題。高齢者増加にともない、介護を必要とする人も当然ながら増えていくことが予想されており、介護サービスの需要は高まっています。

それに対応するために、施設なども増えていくことが考えられますが、残念ながら、正しい知識を持って介護できる人の数は足りていません。そうなると、どうしても介護事務専任スタッフを雇うよりも、ケアマネジャーや介護福祉士が介護事務を兼任する形で対応するケースが多くなってしまうのです。

新規採用だったとしても、介護事務プラス現場の仕事を期待されているケースが多く見られます。ただし、大規模施設の場合は介護事務の仕事だけでも相当量となるので、介護事務専任スタッフが多く活躍している所もあります。介護事務の採用といっても大規模施設、小規模施設で担当する業務が大きく変わる可能性もあるのです。

介護事務として転職するには

介護事務への転職、未経験求人は、さまざまな事情から簡単とは言えません。しかし、介護事務として転職するには、資格を取るのが一番の近道と言えそうです。現在、介護事務の資格として扱われるものには「ケアクラーク」「介護事務管理士」「介護事務実務士」「介護保険事務士」「介護保険事務管理士」「介護管理専門秘書検定資格」があります。

これらの資格を取得し、そのうえでワープロ検定やエクセル検定、会計システムに関する資格など、他の事務スキルを磨いておくことも、転職に役立ちます。大きな老人ホームや特別養護老人ホーム、小規模デイサービスなど、介護施設は年々増加し続けています。

転職を目指して活動する際に、新しい施設の求人を見つけたら、ぜひ挑戦してみてください。スタートスタッフとして仕事を始めると、介護保険請求の手続きだけではなく、運営に携わる事務を任される場合も多くあります。そういった意味でも、介護事務としてだけでなく一般の事務系資格や、事務経験があると有利になるのです。

現在、介護事務の求人は決して多いとは言えない状況です。しかし、今後事業としても拡大が見込まれる業界ですので、介護事務資格を活かせる場は増えていくでしょう。資格を保有している人はまだそれほど多くないので、狙い目の資格と言えます。将来的に結婚や出産などで一時的に仕事を離れても、資格という分かりやすい評価基準を持っていると、再就職もしやすいでしょう。

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