ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2023-02-07

介護初任者研修をハローワークで受講する条件とは?受講の流れや書類選考に向けたコツについて紹介

介護職としてキャリアを積んでいくために、介護初任者研修を目指している方の中には、ハローワークを活用してお得に受講したいと考えている方も少なくありません。

しかし、ハローワークの求職者支援制度やその他の給付金制度について、よくわからないという方もいるのではないでしょうか?

本記事では、介護職員初任者研修の受講方法や制度の概要、メリットや注意点、志望動機の書き方やその他のお得な受講方法について紹介します。

介護職員初任者研修のお得な受講方法を探している方は、参考にしてみてください。

目次
  1. 介護職員初任者研修をハローワークで受講するには?
  2. その他の支援制度
  3. 介護職員初任者研修を受講するには?
  4. ハローワークで介護職員初任者研修を受講する3つのメリット
  5. 受講前に知っておきたい3つの注意点
  6. ハローワークでの取得が向いている人・向いていない人とは?
  7. 目指せ選考突破! 熱意が伝わる志望動機とは?
  8. 選考に落ちた場合はどうすればいいの?他に安く受講できる手段とは
  9. ハローワークで介護職員初任者研修を受講するなら条件についておさえておこう!

介護職員初任者研修をハローワークで受講するには?

ハローワークの「求職者支援制度」という枠組みの、「求職者支援訓練」という制度を活用することで、介護職員初任者研修をお得に受講できます。

この章では、求職者支援訓練の概要や対象者、対象コースについて見ていきましょう。

ハローワークの求職者支援制度とは?

ハローワークの求職者支援制度とは、雇用保険が受給できない求職者などを対象とした制度です。

求職者支援制度では、無料の職業訓練を受けることができ、一定の条件を満たせば給付金の支援を受けることができます。さらに、ハローワークの就職支援を受けることにより、安定した就職をするための制度です。

訓練を受けるための条件とは?|雇用保険被保険者・雇用保険受給資格者はNG

具体的な対象者は、パートや短期派遣などの非正規雇用で働いていて雇用保険の受給資格がない方や、雇用保険受給期間中に再就職ができないまま受給期間が過ぎてしまった方などです。就職訓練を受けるための条件は下記の通りです。

・ハローワークに求職の申し込みをしている場合
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない場合
・労働の意思と能力がある場合
・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークに認められた場合

条件を満たせば給付金の支給も受けられる!

求職者支援制度とは、求職者が職業訓練を受けることによってスキルアップをし、一日でも早く就職を目指すために設けられているものです。求職者支援制度の条件を満たしている場合には、給付金の支給を受けて介護職員初任者研修を受講できます。

受け取ることができる給付金は、訓練受講手当が月10万円。通所手当が月上限42,500円。寄宿手当が月10,700円支給されます。給付金支給の条件は下記の通りです。

・本人の収入が月8万円以下、シフト制で働く方などは月12万以下の場合
・世帯全体の収入が月40万円以下の場合
・世帯全体の金融資産が300万円以下の場合
・現在住んでいるところ以外に、土地・建物を所有していない場合
・訓練の8割以上に出席する病気や仕事などやむを得ない理由で訓練を欠席した場合(給付金は日割りで支給)
・同世帯のなかに、同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がない場合
・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない場合

対象になる方は?|離職者だけでなく在職者も受講可能

求職者支援制度の対象になるのは離職者だけではなく、在職者も対象です。
※ただし、上記で紹介したように、雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者は対象になりませんのでご注意ください。求職者支援制度の対象になる方は以下の通りです。

その他の支援制度

求職者支援制度には、雇用保険の対象外の方向けの「求職者支援訓練」だけでなく、雇用保険を受給している方向けの「公共職業訓練」や、公益財団法人 介護労働安定センターが実施している「介護労働実習(実務者研修を含む)」もあります。

この章では、これらの求職者支援制度について詳しく見ていきましょう。

公共職業訓練の概要

公共職業訓練は、雇用保険に加入し失業保険を受給している求職者が、介護職員初任者研修を含めた介護などに関する職業訓練を無料で受講でき、失業手当の受給期間の延長や基本手当、技能手当を受給できる制度です。

介護サービス科では、そのほかに介護事務管理士や実務者研修などの福祉系資格も取得できます。

介護労働講習の概要

介護労働講習は、介護労働センターが実施している、雇用保険の受給者である求職者を対象とした介護実務者研修の職業講習です。450時間の研修に加え、現場実習や実践講習、就職支援を含めた計105日間の講習となっています。

受講料は無料ですが、テキスト代として12,650円、講習保険料として3,150円、その他、健康診断にかかる費用や通信費などが実費となる点に注意が必要です。

介護職員初任者研修よりも専門性の高いスキルや知識を身につけて、介護福祉士へのキャリアアップを目指したいという方におすすめの制度です。

介護職員初任者研修を受講するには?

ここまで、ハローワークの求職者支援制度やその他の支援制度についてご紹介してきました。ここからは、介護福祉コースの中にある初任者研修を受講するにはどうすればいいのか、手続きの流れをご紹介します。

1. ハローワークで求職者登録をして相談する

介護職員初任者研修をハローワークで受講する手続きでは、ハローワークで求職申込み手続きをする必要があります。

求職申込み手続きでは、下記のようにハローワークに出向いて直接手続きを行う場合と自宅のパソコン等から手続きをする場合があります。

なお、ハローワークに出向き直接手続きをする場合で待ち時間を短縮したい人は、平日の早い時間や夕方、土曜日を狙って足を運んでみるのがおすすめです。

2. 受講コース(介護職員初任者研修)を選択して申し込む

ハローワークの手続きが完了したら、介護職員初任者研修を選んで申込書を提出しましょう。ハローワークで受講申込書に必要事項を記入し、応募期間内に手続きをします。受講申込書は、訓練機関に直接持っていくか、郵送する方法があります。

3. 選考を受ける|筆記試験・面接

手続きが完了したら訓練機関で選考を受けましょう。内容は筆記試験と面接です。面接は志望動機や介護職で働きたい理由などを聞かれますので、あらかじめ練習しておきましょう。

面接対策として、「介護職で働きたい理由」「介護職で働きたいと考えたきっかけ」「介護職で働くために準備していること」を伝えられるように整理しましょう。

介護職員初任者研修は人気のある講座ということもあり、自治体によっては高倍率な場合もあります。筆記試験対策はもちろんですが、面接対策として志望動機を明確にしたり意欲をアピールしたりといったことが求められます。

4. 選考に合格したら就職支援計画を作成してもらう

合格したら訓練開始日前日までにハローワークへ行き、就職支援計画を作成してもらいましょう。就職支援計画書は、ハローワークが支援機関を通じて就職支援をする上で大切な書類です。

ハローワークや訓練実施施設へおもむく際には、必ず持参し場合に応じて提示する必要があります。

5. 受講開始|受講中もハローワークへの報告を行う

上記の手続きが終われば介護職員初任者研修の受講を開始できます。受講中もハローワークへ報告・相談を行うために向かう必要があります。

受講期間中にも就職活動をし、月1回の来所指定日にハローワークへ行き、活動内容を記入した就職支援計画書を提出し、職業相談を受けましょう。

リジョブケアでは、介護職の求人を掲載しています。下記URLよりご覧ください。

リジョブケア:介護・看護・リハビリの求人ページ

ハローワークで介護職員初任者研修を受講する3つのメリット

ハローワークの求職者支援制度を活用して、介護職員初任者研修などの介護系資格を受講するメリットには、コスパのよさや就職・転職サポートの充実度の高さが挙げられます。

この章では、これらの具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。

1.テキスト代以外は無料でコースを受講できる

ハローワークで介護職員初任者研修を受講すると自己負担を抑えることができます。ハローワークで受講する際の費用はテキスト代などの実費です。さらに、給付金が得られる場合には、給付金を支給されつつ学ぶことができます。

一方、スクールで介護職員初任者研修を受講する場合には、10万円前後の受講料を支払うことになります。

2.給付金や手当をもらえる

求職者支援制度を利用すれば、追加で給付金や基本手当・技能手当などをもらえる可能性もあります。ただし、受給要件が厳しかったり、提出書類が多かったりと、確認しなければいけないことや手続きの量が多くなってしまう点には注意したいところです。

3.仕事を紹介してもらえる

介護職員初任者研修を受講する一方で、ハローワークのサポートにより就職先を探すことができ、受講後に介護業界へスムーズな就職が可能となるのが、ハローワーク。

ハローワークで介護職員初任研修を受講すると、介護事業所などへの就職斡旋を受けることができます。求職支援制度を利用することで、受講内容や取得した資格にマッチした介護事業所関連への就職のサポートを受けることができます。

受講前に知っておきたい3つの注意点

ハローワークで介護職員初任者研修を受ける際の注意点は下記の通りです。

・最低でも3ヶ月以上受講しなければならない
・応募選考に落ちるケースもある
・受講スケージュールが決められないことも

この章では、これらの注意点について詳しく見ていきましょう。

1.最低でも3カ月以上受講しなければならない

ハローワークを利用し介護職員初任者研修を受講するコースは概ね3か月ほど期間がかかるので、一般的なスクールの最短コースより時間がかかってしまうのが一般的です。

一般的なスクールでは約1か月~1か月半程度で介護職員初任者研修の資格を取得することができます。加えて、ハローワークの研修は常に開催しているわけではありません。基本的に、平日の日中に講習があり土日や曜日を指定してコースを選択することはできません

このように、ハローワークを利用して介護職員初任者研修を受講する場合は、最短で取得することが難しいので、最短コースで就職したいと考えている方にとっては、デメリットを感じられる可能性もあるでしょう。

2.選考に落ちるケースもある

ハローワークで介護職員初任者研修を受講する際の注意点として、選考に落ちる可能性もあります。そのため、自分で介護職員初任者研修の面接対策や筆記試験対策などをしておくことが大切です。

介護職員初任研修には定員があるため、希望者全員が支援制度を受けられるわけではありません。筆記試験では、下記の3点が問われます。

・社会問題や時事問題などの一般常識に関する問題
・中学卒業程度の学力問題
・介護ヘルパーの資格をとりたい理由

上記の問題に加えてさらに、資格取得後の目的や就職に対しての熱意などが題材になる作文が出題内容です。

面接では、介護職員初任者研修を受講することで就職できる可能性が高まるか、受講希望者本人が真剣に介護を仕事として考えているかなどを確認されます。

介護職員初任者研修は倍率が高いため、「興味があるから」「好きだから」という理由では、面接に通らない可能性があります。面接に失敗してしまえば、いくら筆記試験の点数が高くても、選考で落とされてしまうケースも考えられるのです。

そのため、熱意の伝わる志望動機を考えておくことが大切です。志望動機のポイントについては後述しますので、そちらをご覧ください。

3.受講スケージュールが決められないことも

ハローワークの求職者支援制度で受講できる介護職員初任者研修は、平日の9時から17時といったスケジュール感で開講されているケースが多いです。

夜間や土日に受講したい方にとっては、デメリットに感じることも考えられるでしょう。また、振替授業についても、実施していない場所も少なくありません。

柔軟なスケジュールで介護職員初任者研修を受講したいという方は、ハローワークの求職者支援制度だけでなく、その他の支援制度も検討してみましょう。

ハローワークでの取得が向いている人・向いていない人とは?

ここまでご紹介したメリットや注意点を踏まえて、ハローワークでの受講・取得が向いている人・向いていない人をご紹介します。

まず向いている人は、失業中の人、資格をひとつも持っていない人や、介護業界未経験の人などがあげられます。また、じっくり時間をかけて資格取得に取り組みたい人にも向いているでしょう。
さらに一定期間雇用保険に加入していた人は失業保険を受けながら研修を受けることができます。しかし雇用保険に加入していなかった人でも、収入が少ないと給付金を受け取れる可能性があります。

ハローワークの介護職員初任者研修では指定された場所で研修を行うため、仲間と励ましあいながら資格所得を目指したい人にも良いでしょう。

一方、ハローワークで介護職員初任者研修の受講に向いていない人は、給付金を受け取れない人・早く資格を取得したい人・自分の予定を優先したい人があげられます。給付金を受け取ることができない場合には、自己負担額が増えるので金銭的に負担に感じてしまうかもしれません。

また、ハローワークで受講する介護職員初任者研修は資格取得までに時間を要するので、早く資格を取得したい人にとっては不満に感じるかもしれません。

さらに、ハローワークの研修は基本的に平日に開催されており、遅刻や欠席が認められていない場合がほとんどです。そのため、希望する日時に受講ができない場合があります。平日に予定を空けることが難しい方には向いていないでしょう。

目指せ選考突破! 熱意が伝わる志望動機とは?

求職者支援制度の選考に通るためには、自分自身の熱意を具体的にアピールしていくことが大切です。この章では、選考でアピールしたいポイントや、志望動機についての例文について見ていきましょう。

熱意を伝えるには?|介護業界で働きたい理由をアピール

熱意を伝えるには、なぜ受講したいのか、資格をいかしたい理由、介護業界で働きたい理由や就きたい仕事をアピールすることが大切です。

ただ資格を取得したいのであればハローワークである必要はありません。ハローワークは多くの人が利用しており、求職者支援制度は人気が高まっています。

ただ資格だけほしい人と、資格を取得してから介護業界への就職を考えている人では、後者が選考される可能性が高いです。そのため、資格を得て介護業界でどのように活かしたいのか明記することが重要です。

志望動機の中で軸になるのが、「介護業界で働きたい意思」です。介護業界で働きたい理由を述べる際には、なぜ介護業界でなければいけないのかを伝えることが大切です。「他の業種でも良いのでは?」と思われないよう、介護業界で働きたい理由を明確に伝えましょう。

こんな志望動機はNG!|介護職員初任者研修を選んだ理由があいまい

ハローワークで介護職員初任者研修を受講する際の志望動機において大きく分けて2つのNGポイントがあります。一つは、志望動機が曖昧な場合でもう一方は介護業界で働く理由が分かりづらいことが挙げられます。

まず、介護職員初任者研修を選んだ理由があいまいなことです。ただ「資格がほしいから」という理由では担当者の人はこの研修でなくてもよいのでは?と感じてしまいます。

資格所得をしたいことは伝わりますが、ハローワークの就職支援制度を利用する必要性がわからないので介護職員初任者研修資格取得への志望動機は明確にしましょう。

次に、介護業界で働きたい理由が伝わりづらいことが挙げられます。「介護に興味があるから」という理由だと、介護職員初任者研修への興味は伝わりますが、就職を考えての資格所得であるのかが曖昧です。あくまでも、就職のために研修を受けたいことが伝わるようにしましょう。

志望動機例文を紹介!

下記にポイントを抑えた志望動機例文をご紹介しますので参考にしてみてください。

例文1
私は将来介護業界に就職したいと考えています。そのためには資格の取得と経験が必要だと考えています。半年前から介護業界を中心に就職活動を行ってまいりましたが、採用までには至りませんでした。その原因として、資格がないことや経験がないことが考えられます。資格を取得し、スキルを獲得することで、就職活動に大きな力となるのではないかと考えました。受講中にも積極的に就職活動をして、介護職員を目指します。

例文2
今回、介護職員初任研修に応募した理由は、介護に関する資格を取得することと資格をいかした就職をしたいと考えたからです。3か月前に就職活動をしましたが、就職は叶いませんでした。就職に至らなかった理由は、未経験ということが大きかったと考えています。介護に関する資格をとり、知識やスキルを身に着けることが就職活動に役立つと考えました。受講中にも積極的に就職活動をして、介護職員を目指します。就職活動をしながら講座受講をし、介護職員になりたいと思います。

選考に落ちた場合はどうすればいいの?他に安く受講できる手段とは

ハローワークの求職者支援制度に、落ちてしまう可能性もあります。その場合には、以下で紹介する支援制度や給付金制度を活用することも検討してみましょう。

教育訓練給付制度を活用する

厚生労働省が実施している教育訓練給付制度は、求職者の再就職やキャリア形成が目的の制度です。雇用保険の加入者である方が、厚生労働大臣指定の講座を修了した後に、受講料のうちの最大50%(年間上限50万円)金額が支給される制度となっています。

介護職員初任者研修を受講する場合は、受講料のうちの40%(最大20万円)が支給される特定一般教育訓練の枠組みが適用されることになります。

母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業を利用する

母子・父子家庭の母、もしくは父の主体的な能力開発を目的として発足した支援制度で、対象の教育訓練を修了した後に、最大60%が支給されるのが特徴です。支給される給付金の下限金額は12,001円で、介護職員初任者研修が対象となる特定一般教育訓練においては、支給される給付金の上限金額は20万円までと定められています。

スクールの制度やキャンペーン

介護職員初任者研修を受講するスクールの支援制度やキャンペーンなどを有効活用する手もあります。スクールによっては、無料で受講できたり、就業サポートを提供していたりする場所もあるので、お得に受講できるスクールやコースを自分で探してみましょう。

ハローワークで介護職員初任者研修を受講するなら条件についておさえておこう!

求職者支援制度や給付金制度を有効活用すれば、介護職員初任者研修の受講料負担を軽減できたり、就職サポートを受けられたりします。ただし、支援制度を活用するためには、受給要件を満たし、所定の手続きをしなければなりません。

求職者向けの支援の受給要件や必要な手続き、選考を突破するためのポイントについて確認して、介護職員初任者研修をお得に受講しましょう。

引用元
厚生労働省:求職者支援制度のご案内
厚生労働省:あなたの仕事探しに、役立つスキルを。ハロトレ特設サイト
厚生労働省:東京労働局:公共職業訓練について
公益財団法人 介護労働安定センター:介護労働講習(実務者研修を含む)
厚生労働省:教育訓練給付制度
厚生労働省:母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの介護福祉士求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄