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特集・コラム 2022-05-10

介護福祉士の国家試験合格率や難易度はどれくらい?|おすすめの勉強法と受験対策講座を紹介

介護福祉士というのは、介護が必要な人に対して、スムーズな日常生活が送れるように食事や入浴、排せつ、歩行などの介助をおこなったり、アドバイスをしたりする社会福祉専門職のことです。

そんな介護福祉士になるためには、国家試験を受けて合格しなければなりません。今回は、介護福祉士国家試験の合格率や受験対策におすすめの講座についてご紹介します。

介護福祉士の資格をとるメリット

介護福祉士は、介護の知識・技能の習得を示す国家資格です。そのため、取得後は介護の現場で、より活躍できます。よりよい職場への転職はもちろん、正社員としての就職も狙えるようになるでしょう。

同じ職場で働きつづける場合も、現場のリーダーや管理職などへのキャリアアップが期待できます。また、多くの介護施設が設定している、介護福祉士への資格手当も見逃せません。

介護福祉士の資格は、取得後の更新がありません。一度取得すれば、介護の現場で働くのに一生涯役立ちます。

介護福祉士とはどんな資格?受験するための条件とは

介護福祉士は数ある介護系の資格のなかで唯一の国家資格であり、介護の知識・技術が一定水準以上であることを示すことが可能です。

介護福祉士国家試験の受験には、以下の3つのルートがあります。
・3年以上の実務経験+実務者研修
・養成施設の卒業
・指定の教科・単位を修得し、福祉系高校の卒業

養成施設の卒業までにかかる時間は2年以上、また福祉系高校の卒業までにかかる時間は3年以上。介護福祉士の受験資格を得るためには、2〜3年の期間がかかります。

介護福祉士国家試験の合格率はどれくらいなの?

過去5年の介護福祉士国家試験の合格率は、平均で70%を推移している状況です。そのため、決して低くないことがわかるでしょう。

ここでは、第35回の情報をもとに試験概要および合格率などをご紹介します。

第35回の試験概要|筆記試験・実技試験

第35回の試験は、これまでと同じく、筆記・実技の2部構成でおこなわれる予定です。試験日程は、筆記試験が2023年1月下旬、実技試験が2023年3月上旬。出題内容は、2019年度から見直された教育内容にあわせて、一部切り替わると予想されています。

申し込みは、2022年8月上旬から9月上旬にかけておこなわれる予定です。受験希望の方は、忘れずに申し込みましょう。

第34回の合格率は72.3%

2021年度の試験は、初回から数えて第34回目にあたります。2022年1月に筆記試験が、2022年3月に実技試験がおこなわれました。

8万3,082人の受験者のうち、6万99人が合格。合格率は72.3%となり、前年より1.3%上がりました。ここ数年の合格率と同じ水準を保っており、平均的な試験難易度だったと推測されます。

男女別の合格率を紹介

ここ数年の合格者割合は、男性が30%前後、女性が70%前後となっています。実際に、第34回合格者6万99人のうち、男性は1万7,447人、女性は4万2,652人。

合格者割合は男性が29%、女性が71%となりました。女性が男性の2倍以上を占めており、女性の合格者が多いことがわかります。

年代別の合格率を紹介

第34回の合格者割合を見ると、20歳未満が7.8%、21~30歳が24.4%、31~40歳が19.7%、41~50歳が26.6%、51~60歳が17.8%、61歳以上が3.7%です。

学校を卒業して試験取得に挑む21~30歳を抑えて、41~50歳がもっとも高い割合を占めています。介護福祉士は働きながら取得を目指す方も多く、年代別の合格者割合もそれを反映した数値になっているのでしょう。

合格率の推移を紹介|難易度はどれくらい?

1988年の試験開始以来、介護福祉士国家試験の合格率は、こまかい上下を繰り返しながら上がりつづけてきました。

それまで50%前後だった合格率が、第24回以降は60%前後に上がり、さらに第29回以降は70%前後に上がっています。実際に第34回の合格率は72.3%と、過去2番目の高水準を記録しました。

これらのデータから、介護福祉士は合格率が高く、比較的取得しやすい資格であることがわかります。

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介護福祉士国家試験にはどんな問題が出るの? 合格基準はどれくらい?

合格率などがわかったところで、つづいては介護福祉士国家試験には一体どんな問題が出るのかを確認しておきましょう。また、合格基準はどのラインになるのかもあわせてご紹介します。

国家試験の筆記試験にはどんな問題が出るの?

介護福祉士国家試験では、以下のような試験科目から出題されます。

・人間の尊厳と自立
・人間関係とコミュニケーション
・社会の理解
・介護の基本
・コミュニケーション技術
・生活支援技術
・介護過程
・発達と老化の理解
・認知症の理解
・障がいの理解
・こころとからだのしくみ
・医療的ケア
・総合問題

試験に受かるためには、傾向と対策をよく研究することが大切です。社会福祉振興・試験センターのホームページからは、試験問題を回答とあわせてダウンロードすることができますので、参考にするとよいでしょう。

社会福祉振興・試験センター 過去の試験問題

『福祉教科書 介護福祉士 完全合格過去&模擬問題集 2023年版』

効率的な筆記試験対策には、『福祉教科書 介護福祉士 完全合格過去&模擬問題集 2023年版』を利用するのがおすすめです。第35回の試験に向けた参考書であり、トップクラスの合格率を誇る国際医療福祉大学が作成しました。

過去8年以上の実際の試験からよく出る問題をピックアップしているほか、第31~34回の本試験にも挑戦できます。大学の先生がわかりやすく全問解説しているため、間違えた問題で時間を取られることもありません。

最新の傾向や苦手分野の把握、弱点の克服から本番前の腕試しまで、筆記試験の対策がおこなえます。

合格基準はどれくらい?|60%+11科目すべてで得点が必要

試験に合格するには、筆記・実技それぞれ試験の合格基準を満たさなければなりません。ただし、福祉系高校で指定の科目を修了したものなど、一部の対象者は実技試験が免除されます。

筆記では、問題の総得点の60%程度を基準に難易度によって補正した点数以上をとったうえで、11科目すべての得点が必要です。一方、実技では課題の総得点の60%程度を基準に難易度で補正された以上の得点が必要となります。

介護福祉士の試験合格!効率のいい勉強法とは?

介護福祉士国家試験への挑戦者のなかには、働きながら資格の取得を目指す方もいるでしょう。働きながら合格するためには、限られた時間で効率的に勉強する必要があります。独学か講座かで迷われた場合は、講座の受講がおすすめです。

独学は費用こそかかりませんが、学習にかかる時間が長くなりやすく、モチベーションを保つのもかんたんではありません。一方、講座は通学以外にも通信という選択肢があり、講師や教材の力を借りて効率的に勉強できます。

受験対策におすすめの講座を紹介!

介護福祉士国家試験の受験対策をする際に、おすすめの講座をいくつか集めてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

これからご紹介する対策講座を受けることで、頻出問題や間違えやすいポイントをしっかりと押さえることができるため、より合格に近づくことができるでしょう。

資格の大原|介護福祉士講座 受験対策

通学コースと通信コースが用意されており、通学コースでは教室講座か映像通学のどちらかを、通信コースではWeb通信かDVD通信のどちらかを選択できます。

コンパクトなカリキュラムは働きながらでも受講しやすく、アプリにダウンロードした講義映像で隙間時間にも効率的に勉強を進めることが可能です。

三幸福祉カレッジ|介護福祉士 受験対策講座

通学コースと通信コースのほかに、全国統一模擬試験や直前対策講座、よく出るキーワード解説動画などのオプションが用意されています。

高い合格実績を誇っており、2020年度の合格率は92.0%と、全国平均を21.0%も上回りました。実務者研修とセットの20%割引もおすすめです。

ニチイ|ニチイの介護福祉士国家試験対策講座

通学と通信の併用コース、通信のみのコースの2種類から選べます。ニチイの強みはなんといっても、45年以上の経歴にもとづく現場数と教室数の多さ。

全国300カ所から自宅近くの教室が選べるうえ、コース修了後の就業サポートも充実しているのが特徴です。

日本キャリアパスアカデミー|介護福祉士国家試験受験対策講座

通信講座と通学講座の両方が用意されており、とくに通学講座は一般教育訓練給付金の対象となっています。条件を満たしている方は、ぜひ利用を検討してみるとよいでしょう。

また、通信講座についても、実務者研修とセットの申し込みで半額になるサービスがあります。

介護福祉士に合格しただけでは介護福祉士と名乗れない

介護福祉士国家試験の合否は、厚生労働省や社会福祉振興・試験センターから発表・掲示されます。合格発表日に通知が郵送されるので、そちらもあわせて確認しておきましょう。

しかし、合格したからといってすぐに「介護福祉士」を名乗れるわけではありません。ここでは、合格後の手順をくわしく解説します。

介護福祉士登録のための必要書類

合格後に介護福祉士を名乗るには、社会福祉振興・試験センターへの資格登録が必要です。登録免許税と登録手数料の支払いを済ませたうえで、必要書類を郵送しましょう。

また、実務経験見込み扱いで受験した方は、資格登録の前に実務経験証明書・従事日数内訳証明書の提出が必要です。提出を怠れば、受験資格がないとして合格が無効になってしまいます。できる限り速やかに、期日内に提出を済ませましょう。

なお資格登録に必要な書類は、以下のとおりです。

・登録申請書(登録免許税の収入印紙を貼りつける)
・貼付用紙(登録手数料の振替払込受付証明書を貼りつける)
・戸籍抄本・戸籍の個人事項証明書・本籍記載の住民票のいずれか(原本)

そのほか、介護福祉養成施設を卒業した方は、卒業証明書の原本が必要です。

介護福祉士の登録が済んだら、よりいい条件の求人を探そう

介護福祉士国家試験の合格率は70%前後であり、ほかの国家資格と比べるとそれほどむずかしくありません。

ただし、合格のためには筆記試験・実技試験ともに60%程度を超えたうえで、筆記試験の全科目での得点が必要です。合格をより確実にするために、講座などを利用して効率的に勉強をおこないましょう。

資格登録が済むと、正式に介護福祉士を名乗れるようになります。ぜひよりいい条件の求人を探して、キャリアアップや給与アップを目指してください。リジョブでは介護福祉士の求人を、数多くご紹介しています。

引用元サイト
厚生労働省 介護福祉士資格の取得方法について

厚生労働省 第34回介護福祉士国家試験合格発表

厚生労働省 介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移

社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 試験概要

社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 合格基準

資格の大原 介護福祉士講座 受験対策

三幸福祉カレッジ 介護福祉士 受験対策講座

ニチイ ニチイの介護福祉士国家試験対策講座

日本キャリアパスアカデミー 介護福祉士国家試験受験対策講座

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