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特集・コラム 2024-03-06

未経験で介護事務は難しい?仕事内容ややりがいなどを紹介!

介護事務は、介護・福祉施設で主に事務作業をおこなう仕事です。また、勤務先によっては介護支援やマネジメントなど、介護現場のサポートにまわることもあります。

これから介護業界で働きはじめたいと考えている方の中には、業界未経験から介護事務に転職するのは難しいのだろうかと疑問に思っている人も少なくないでしょう。

この記事を読めば、介護事務の仕事内容や難しさ、未経験から介護事務として働きはじめる方法、介護事務に向いている人の特徴、仕事のやりがいについて理解できます。

未経験から介護事務の仕事に挑戦したいと考えている方は参考にしてみてください。

介護事務の仕事内容とは?

介護事務の主な仕事内容には、介護保険サービスの利用料を請求する介護報酬請求事務と、バックオフィスの事務作業があります。具体的な仕事内容について確認しましょう。

介護報酬請求事務

介護報酬請求事務は、利用者に提供した介護保険サービスの利用料金を計算し、申請書類を作成して、国民健康保険団体連合会(国保会)に介護報酬を請求する業務です。原則9割のサービス料金を国保会に対して請求し、残りの1割を利用者に対して請求します。

介護報酬を受けるのに必要な介護給付費請求書や介護給付費明細書を施設のデータを元に作成し、申請内容の誤りを指摘されれば請求書を再提出しなければなりません。

介護報酬請求は介護施設の収益を左右する重要な仕事なので、責任は重大です。

引用元
公益社団法人 国民健康保険中央会:会員(国保連合会)

事務作業

事務作業は、受付業務や電話対応、労務管理、経理、総務などのバックオフィスの業務を中心とする仕事です。勤務先や部署によって担当業務は異なります。

職員の給与計算や備品の発注、来客対応など、ありとあらゆる業務に対応します。

介護事務のお仕事はどう難しい? どうやって対応する?

「介護事務の仕事には、難しい部分もある」と聞いたことはないでしょうか?介護事務の仕事においては、介護保険や介護報酬に関する知識が必要であることはもちろんのこと、その他の介護業務をサポートする場面も多々あります。

責任がともなう業務も少なくないので、介護事務の仕事は難しいと思われているのです。難しいポイントを確認して、対応方法について考えてみましょう。

介護保険や介護報酬に関する知識が必要で、覚えることが多い

介護事務のメイン業務は、介護報酬請求書を行政機関に申請して、介護保険の適用条件をおさえながら、介護施設の利用者に対しても適切な金額で料金を請求をすることです。

介護保険について把握し、介護サービスの利用者ごとに適切な請求額を計算して、保険適用分に関しては、行政機関に申請しなければなりません。

そのため、介護保険に関する知識はもちろん、介護報酬における請求額の計算方法など、はじめに覚えなければならないことが多いです。

資格取得で仕事への理解度UP!

介護事務としての仕事をはじめるのに、資格取得は必須ではありませんが、勉強をする過程で、介護事務の業務に必要な知識を獲得できるメリットがあります。

・給付金申請書の書き方とその手順
・介護保険の概要と実際の職場における活用方法
・介護職全体におけるサービスの概要や法規

介護保険や介護報酬に関する知識を資格取得で深めることで、介護事務に必要な事務知識だけでなく、介護職全体の業務に関する理解が進むでしょう。

介護事務が持っていると役立つ資格については、以下の記事でくわしく紹介しています。
介護事務の仕事内容とは? どんな場所で活躍できる? 持っていると役立つ資格とは

業務の責任が重め

介護事務の仕事の大変なポイントは、給付金申請の業務で手違いがあると、本来振り込まれるはずだったお金が振り込まれない状況に陥ってしまう点です。

介護事務は、介護サービスの利用者と国民健康保険団体連合会宛てに、それぞれ介護サービスに関して請求する必要があります。

利用者負担は1〜3割で、残りの分は各自治体が負担する仕組みになっています。

しかし、この請求書の内容にミスがあると、給付金が振り込まれず、介護施設の経営に悪影響を与えてしまうリスクがあるのです。

上司や先輩に相談・サポートを受ける

とくに給付金申請業務や請求書作成の業務は、慣れていない内は職場の同僚や先輩方の助言やサポートを受けて、わからない点を少しでも減らしていくことが大切です。

業務経験者と一緒に請求書の作成することで、未経験で資格を持っていなくても、1人で給付金申請や請求書作成業務をこなせるようになるでしょう。

介護業務と兼務することがある

介護事務の業務内容には、お客様を直接介護する業務を兼務する場合もあります。

・利用者を車で送迎する業務
・介護職員が足りない時の補助サポート
・ケアプラン作成やマネジメント業務

実際に介護サービスを提供する機会が少ないと思われがちな介護業務ですが、職場によっては、介護業務を兼務する可能性もあることはおさえておきましょう。兼務する仕事が増えると、それだけ事務作業に集中するのが難しくなるケースも想定されます。

募集要項の業務内容をしっかりチェックする

「事務方の作業を希望していたのに、実際に働いてみたら介護職員と変わらなかった」という事態を防ぐためにも、仕事の募集要項は事前に確認するのがおすすめ。

もしくは、求人に応募する際に「どのような業務内容が含まれているのか」を問い合わせて、就職・転職後に後悔しないようにしましょう。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の補助業務も

介護事務は、介護支援専門員のサポートをおこなうこともあります。介護給付金の管理や利用者のケアプランの作成、要介護認定の申請書類の作成など、本来であれば介護支援専門員が担当する仕事を、介護事務が代わりにおこなうケースもあるのです。

どれも責任重大な仕事なので、介護事務の仕事に集中するのが難しくなってしまうことも考えられます。兼務する可能性がある業務は事前にチェックしておきましょう。

未経験から介護事務員として働くには?

介護事務員として働くための必須資格はありませんが、取得していると就職しやすくなったり、現場で重宝されたりする資格はいくつかあります。余裕があれば取得しておきたい介護事務管理士やケアクラークの資格について知って、資格の取得も検討してみましょう。

介護事務管理士

介護事務管理士は、介護サービスを提供する居宅介護支援事業所などで、介護サービスにかかる費用の請求や介護支援専門の補助業務に対応できる能力を証明できる資格です。

受付や会計、レセプト業務に関わるスキルや知識を学べます。誰でも受験できる資格で、例年の試験合格率は70%前後なので、きちんと準備すれば合格できる試験です。

引用元
JSMA 技能認定振興協会:介護事務管理士技能認定試験

ケアクラーク

ケアクラークは、介護事務員として働く上で求められる社会福祉制度や介護報酬請求事務に関するスキルや知識を証明できる資格です。介護事務管理士の試験とは異なり、社会や福祉、医学、コミュニケーションに関する出題があるのが特徴だといえます。

誰でも受験できる試験で、在宅で受験する形式の試験です。

引用元
一般財団法人 日本医療教育財団:ケアクラーク技能認定試験(ケアクラーク)

介護事務の適性とは? 向いている人はどんな人?

介護事務の業務には向き・不向きもあります。事務作業が基本なので、パソコンスキルやスケジュール管理のスキルは必須となります。また、施設利用者や同僚との円滑なコミュニケーションがとれるスキルを持っていることが望ましいです。

1. 介護・福祉分野で働きたい|介護保険制度に興味がある

介護保険制度や介護・福祉の分野に興味関心があって、すでに知識を持っている方は、介護事務の仕事に向いているでしょう。

介護事務の仕事は、介護サービスの補助としての業務だけではありません。行政機関に送付する給付金申請や請求書作成など、専門性の高い業務も含まれています。

すでに知識や経験がある方や、介護・福祉の仕事に興味があって、介護保険について知っている方に、おすすめの職業だといえるでしょう。

2. パソコンスキルが高い

介護事務の作業の多くは、オンライン上で処理することが多いです。パソコンのエクセルやワードなどのソフトはもちろん、関係者とのオンライン上のやり取りで使用するツールに対して、理解のある人材が求められます。

パソコンに精通している必要性はありませんが、最低限のパソコンスキルを持っている人材が望ましいでしょう。

3. コミュニケーション能力が高い|人と接するのが好き

介護事務の仕事は、一般的な介護業務と兼務する機会も多いといわれています。職場の人材が足りないときや、受付業務や請求書作成業務がないときなどは、実際に介護施設の利用者と交流したり、介護サービスを提供する機会もあるでしょう。

他人とコミュニケーションを取ることが得意で、利用者一人ひとりの気持ちに寄り添った介護・福祉サービス提供をできる方が、介護事務の仕事に向いているといえます。

4. スケジュール管理が得意

介護事務の仕事で重要な給付金申請業務や請求書作成には、毎月10日までという期限が定められています。期限までに請求書を送付する必要があるので、計画的に仕事を進められる方に向いている職業だといえるでしょう。

5.数字や計算が得意

介護事務は介護報酬請求事務や給与計算、労務管理など計算する機会も多いので、数字や計算に苦手意識がない方に向いています。また、介護報酬請求は正確な金額を計算して請求することが求められる業務なので、ミスなく事務作業するのが得意という方にもおすすめの仕事です。

介護事務のやりがい・魅力とは?

介護事務のやりがいは、利用者やその家族から感謝されやすく、心身への負担が少ない働き方を実現できる点にまとめられます。働きながら介護の知識も身につくので、ゆくゆくは現場で働きたい方のキャリア形成にも役立つでしょう。

介護事務として働く魅力を再確認して、自分が働くイメージをしてみましょう。

1. 利用者やご家族に感謝してもらえる

介護事務をやっていてやりがいを感じる瞬間は、提供している介護サービスの利用者やその家族から、感謝の言葉をもらえることです。

介護事務とは言っても、一般の介護職員と一緒に、利用者をサポートすることも。そのため、普段から介護している利用者から感謝や労いの言葉をもらうことがあり、それが介護事務職員として、やりがいを感じる瞬間だと思う方も多いです。

2. 働きながら介護の知識が身につく

介護事務には資格は必要ありませんが、日々の介護経験や業務経験から資格への挑戦、福祉・介護サービスの関わりの中で、さまざまな知識やスキルが身につきます。

介護保険や請求書、介護受付業務やサポート業務など、キャリアアップや介護・福祉業界の別職種の仕事にも役立つスキルが手に入るのは魅力でしょう。

3. 体への負担が少ない

介護事務の仕事は、肉体労働の時間が限られていて、体への負担が少ないのが魅力です。

介護事務の業務は、事務作業もあれば、サポート業務もあります。しかし、長時間肉体労働を迫られるケースは少なく、あくまでも補助的な介護サポートが多いです。

そのため、体への負担を心配している方にとっては、魅力的な仕事だといえます。

4. 残業が少ない・休みが取りやすい

介護事務の仕事は、事務作業がメインの業務なので、比較的残業が少ないです。請求書の提出期限である毎月10日前後をのぞけば、定時に仕事が終わりやすく、休みもとりやすい点が魅力だといえます。

5. 社会への貢献度が高い

介護事務の仕事は、介護・福祉サービスを提供している施設にとって、なくてはならない存在です。とくに介護事務管理士などの、介護事務の給付金申請業務・請求書の作成業務に関するスキルが認められた人材は、介護・福祉サービスの経営には必要不可欠です。

介護・福祉サービスの需要が高まりつつある中、社会貢献度の高い仕事だといえます。

介護事務は難しいけど未経験でも大丈夫!

この記事では、介護事務の仕事内容や業務が難しいと言われている理由、取得しておくと就職や転職に役立つおすすめの資格、向いている人の特徴、仕事のやりがいについて紹介しました。

介護事務は現場の仕事を兼務することもあり、業務範囲が多岐にわたるケースもあります。介護報酬請求や給与計算など、責任をともなう仕事をミスなくこなすためには、介護事務管理士やケアクラークの資格取得を目指すのもおすすめです。

未経験から介護事務にチャレンジする場合は、パソコンは問題なく使えるか、コミュニケーションをとるのは得意か、計算は得意かなどで相性の良し悪しを考えてみましょう。

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