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特集・コラム 2022-08-14

介護事務の仕事内容とは? どんな場所で活躍できる? 持っていると役立つ資格とは

介護職の仕事には、「介護事務」と呼ばれる、介護関連事務のスペシャリストがいます。しかし、具体的な仕事内容については、よく知らない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、介護事務の仕事内容や働く上でのメリット・注意点、持っていると仕事に役立つ3つの資格について紹介します。

介護事務の仕事に興味関心があって、自身の就職や転職に活かしたいと考えている方は、参考にしてみてくださいね。

介護事務の仕事内容とは?


介護事務の仕事は、介護関連の事務業務だけでなく、幅広い介護業務を担います。具体的には、以下のような業務を担当することになるでしょう。

・レセプト作成
・請求書・領収書作成
・来客対応
・労務管理業務
・現場のサポート業務

「介護事務」とは言っても、請求書作成や会計業務といった事務作業だけではありません。実際には、介護職員のマネージメントやケアプラン作成、受付業務まで幅広いです。

介護事務の仕事内容は、実際にどのような業務内容なのか、具体的にみていきましょう。

1. 介護報酬請求|レセプト作成

勤務先の介護現場における給付金申請書(レセプト)の作成が、介護事務としての最も重要な業務の中の一つです。

・各市区町村への給付金の申請(利用者負担は1割〜3割負担、残りは自治体負担)

毎月の月末に「介護給付費請求書」と「介護給付費明細書」を作成して、国民保健団体連合会に提出する必要があります。

2. 利用者対応|請求書・領収書の作成

介護施設で提供している介護サービスの料金を、利用者たちの家族や関係者に請求し、領収書を作成する業務も、介護事務の仕事の一つ。

給付金や補助金が関わってくるので、介護サービスの請求書や領収書は複雑です。

どのような介護保険が適用され、どれくらいの割合を利用者負担、自治体負担になるのかを計算して、間違いのないように請求書・領収書を作成しなければなりません。

3. 来客対応|窓口・電話

介護事務の仕事には、勤務している福祉施設における来客対応も含まれます。実際に福祉施設に訪れる方々の受付業務、電話対応、メール対応などが代表的な業務です。

また、介護サービスに関するお客様からのお問い合わせや疑問に答えられるように、介護サービスの詳細や、施設に関する情報も把握しておかなくてはなりません。介護事務の仕事には、受付・接客対応が含まれることは、おさえておきたいところです。

4. 労務管理業務|勤怠管理・経理など

介護事務の仕事には、以下のような労務管理業務もあります。

・介護職員の勤怠管理(シフト作成・調整・管理)
・介護職員の給与計算
・介護職員の福利厚生管理
・職場における規則管理

介護事務は利用者に対する対応だけでなく、介護現場で働く職員の労務管理も担当します。労働環境に関する、全般的な管理業務に携わることもあると覚えておきましょう。

5. サポート業務|介護職・ケアマネジャー

介護事務の仕事内容には、介護職員を統括するマネージャー業務が含まれていることも。ケアマネジャーなどのケアプラン作成・管理を請け負う資格保有者の方や、現場で職員を管轄する立場の方と協力して、介護職員のマネージメント業務をサポートします。

その他には、備品のチェックや利用者の送り迎え、施設の見回りなど、介護サービスを円滑にするような、業務上のサポートをすることもあるでしょう。

介護事務の一日の流れを紹介

介護事務の仕事は職場やその日の状況によっても変わることも多いですが、典型的な介護事務の1日のスケジュールを挙げると、以下のようになります。

タイムスケジュール 仕事内容
8:00 始業
8:30 職場に出社して、制服に着替える
8:45 始業の準備をする
9:00 利用者を車で迎えに行く
10:00 発注・在庫管理の事務業務
11:00 受付などの対応
12:00-13:00 昼休憩
13:00 利用者家族との面会
14:00 業者やお役様への対応
15:00 施設内で必要なサポートをする
16:00 1日の業務を振り返り、改善点を共有する
16:30 利用者を家まで送り届ける
17:00 終業

上記した1日のスケジュールは一例ですが、事務業務だけでなく、各種の業務サポートを幅広く担当するのが、介護事務の仕事だということがわかるでしょう。

介護事務はどんなところで活躍できるの?


介護事務の仕事は裏方の事務仕事から、介護職員をマネージメントする仕事に至るまで、幅広い業務をこなす点が特徴です。そのため、勤務先も以下のようにさまざま。

・介護老人施設
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・デイサービス
・グループホーム
・訪問介護・看護事業所
・居宅介護支援事業所

このように、一部の例を挙げただけでも、多くの選択肢があることがわかります。

介護事務の実際の勤務先や案件の詳細に関しては、リジョブケアの公式ホームページから知ることができます。くわしくは以下のリンクを確認してみてください。

リジョブケア|介護・看護・リハビリの求人

介護事務に向いている人とは?


介護事務の仕事は幅が広いことは紹介しましたが、どのような人が介護事務の仕事に向いているのでしょうか?介護事務に向いている人材の特徴は、以下の3点です。

・事務作業が好きでPC作業に慣れている
・人をマネジメントすることが得意
・他人の役に立つことが生きがい

ここでは、介護事務の仕事に向いている人の特徴について、紹介していきます。

1. 事務作業が好き・事務職経験者|PCスキルなど

介護事務の仕事に向いているのは、地道な事務作業を苦に感じず、経理処理や請求書を正確に作成できる人材です。また、PCのエクセルやワード、ネット上のプラットフォームを使って問題なく事務作業ができる人は、介護事務の仕事に向いています。

介護事務の仕事は、地道で正確性が求められることが多いです。また、給付金の申請や請求書の作成など、オンライン上で作成・確認する業務がほとんど。そのため、PCスキルを持っている人材の方が、介護事務の仕事に順応しやすいといえるでしょう。

2. マネジメント能力・コミュニケーション能力が高い人

介護事務の仕事では、その他の介護職員をマネジメントする機会もあります。そのため、コミュニケーションをとることが得意な方は、介護事務の仕事に向いているといえるでしょう。

事務職とはいえ、実際に現場に出て職員をサポートしたり、介護サービスを提供したりすることもあります。他人とのコミュニケーションを円滑にとれるという方は、介護事務の仕事をストレスなくこなせる可能性が高いです。

3. 人の役に立つ仕事がしたい人

介護事務の仕事は、人の役に立つ仕事をしたいと考えている方に向いています。介護事務は、他人をサポートする業務がメインです。介護職員の労務管理や職場における働きやすい環境、ルール作りをすることも。

また、他の職員の手が回らない部分を見つけて、自発的にサポートする必要もあるでしょう。介護現場で働く職員の一員、また足りない部分を補う要員として、他の人を気遣った行動が求められるのです。

介護事務として働くメリットとは?


介護事務として働くメリットには、主に以下の3点が考えられます。

・一般的な介護職員よりは肉体労働は少ない
・やりがいを感じられる仕事が多い
・介護サービスを通して利用者と関わりが持てる

介護事務の仕事は、事務仕事をする時間が多いです。そのため、一般的な介護職員のように、肉体労働がメインの介護サービスをする時間は相対的に短いというメリットも。

また、他業種の事務仕事とは異なり、利用者と関わる機会も多いです。そのため、他人との交流ができ、感謝される機会もあるというメリットもあります。

介護事務として働く注意点はある?

メリットも多い介護事務の仕事ですが、働く上では申請書や請求書作成など、行政に向けた公的書類を作成しなければならず、仕事上の責任が大きいという注意点もあります。

また、介護職員のマネジメントやケアプランを担当する場合は、職場の状況を正確に判断して、適切な判断を下すことが求められます。

このように、担当する業務によっては、大きな責任が伴う仕事もあることは覚えておきましょう。

介護事務のお仕事に持っていると役立つ資格とは?


介護事務として勤務する上で、必須となる資格はありませんが、持っていると役立つ資格はあります。具体的には、以下の3つが挙げられます。

・JSMA技能認定振興協会|介護事務管理士
・日本医療教育財団|ケアクラーク
・日本医療事務協会|介護報酬請求事務技能検定試験

介護事務として働きはじめるなら、仕事に役立つ資格取得も視野に入れましょう。

JSMA技能認定振興協会|介護事務管理士

介護事務管理士は、JSMA技能認定振興協会が認定する資格で、行政機関に向けた給付金・請求書の作成能力を証明します。とくに受験資格はなく、マークシート形式。合格率も7割ほどで取得しやすく、スキルの証明に効果的な資格だといえるでしょう。

レセプト業務に精通していることをアピールできるので、介護事務の就職や転職に活かしやすい資格です。

日本医療教育財団|ケアクラーク

ケアクラークは、一般財団法人 日本医療教育財団が認定する資格で、社会福祉制度や給付金の申請書・請求書作成に関する知識を証明します。

レセプト業務の能力だけでなく、介護全般の福祉知識も証明できるので、介護職の就職・転職に共通して役立つ資格だといえるでしょう。

日本医療事務協会|介護報酬請求事務技能検定試験

介護報酬請求事務技能検定試験は、日本医療事務協会が認定する資格で、レセプト業務の知識・技術を証明します。一般受験者だけでなく、介護事務講座を修了した方、高校・専門学校・大学などの、教育機関に在籍している方からの受験者を広く募っています。

レセプト業務や請求書作成業務のスキルを証明するのに、おすすめの資格です。

介護事務は介護業界で幅広く活躍できるお仕事!


この記事では、介護事務の仕事内容や向いている人の特徴、持っていると役立つ3つの資格について紹介しました。

介護事務の仕事は、レセプトや請求書作成、受付業務や介護サービス全体のサポートなど、事務仕事以外の業務を担当する機会も多いです。

他人とのコミュニケーションが得意で、仕事に強い責任感を持つことができ、人の役に立つ仕事がやりたいという方には、介護事務の仕事がおすすめだといえます。

また、就職や転職・職場での待遇改善を求めている方は、スキルを証明する資格取得を目指してみるのがおすすめです。

介護事務の仕事内容や向いている人、役立つ資格について確認して、介護事務としての就職や転職の選択肢をもう一度検討してみましょう。

引用元:
東京都国民健康保険団体連合会|介護事業所等の皆様
JSMA技能認定振興協会|介護事務管理士技能検定試験
一般財団法人 日本医療教育財団|ケアクラーク技能認定試験
日本医療事務協会|介護報酬請求事務技能検定試験とは

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