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介護・看護・リハビリ 2021-10-10

生活相談員とケアマネジャーの違いとは? 仕事内容や資格の違いを紹介

高齢化が進む日本では、介護の仕事は今まで以上に重要な存在です。介護にはケアマネジャーや生活相談員、ヘルパー、医師、看護師などさまざまな職種が関わっています。介護職には多くの資格が存在していますが、それぞれの違いについてご存じでしょうか。

今回は、介護職のなかでも重要な役割を担っている生活相談員とケアマネジャーの仕事に注目し、それぞれの違いをくわしくご紹介します。

生活相談員とケアマネジャー(介護支援専門員)はどこが違うの?

介護に関わる職業として知られている生活相談員とケアマネジャー。高齢者や障害を持った方が介護サービスを利用するうえで重要な役割を担う職業です。

ここでは、生活相談員とケアマネジャーの業務内容や資格の違いについてご紹介します。

1. 仕事内容の違いを紹介!

まずは生活相談員とケアマネジャーの仕事内容の違いについてご紹介しましょう。外から見ていると同じような仕事をしているように見える生活相談員とケアマネジャーですが、それぞれの仕事内容は実は大きく違っています。

生活相談員の仕事|利用者さんの自立的な日常生活をサポート

生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれており、特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイなどの介護施設がおもな職場です。その仕事内容は、利用者さんの日常生活のサポート。加齢や障害を理由に介護が必要となった利用者さんやご家族の相談に乗ったり、サービス内容の説明などをおこなったりします。

生活相談員は法律や制度で仕事内容が定められていないため、施設によっては施設との調整や手続き、地域やそのほかのコミュニケーションの連携など、幅広い仕事内容を担当する場合もあるのが特徴です。また、介護福祉サービス全般の連携・調整をおこなう仕事といえるでしょう。そのため、どのような業務を担当するのかは就職前に求人を確認する必要があります。

生活相談員についてはこちら:生活相談員の仕事内容や、その施設ごとの役割、1日の流れとは?

ケアマネジャーの仕事|介護サービス提供に携わる

ケアマネジャーとは介護支援専門員のことで、ケアマネと呼ばれることも。ケアマネジャーは介護保険制度にもとづき、ケアマネジメントをおこないます。ケアマネジャーのおもな仕事内容は、介護支援が必要な人が適切に支援を受けることができるようにサポートをすることです。

具体的には、利用者さんの身体的な状態や生活環境をふまえたケアプランを作成・修正をします。この際、利用者さんや事業者の悩みや問題に対してアセスメントする能力が不可欠です。ケアプランを作成する際には、生活相談員や事業者との関係が大切となります。

また、介護サービスを適切に受けることができるように、訪問介護や通所介護などへの連絡をおこなうことも重要な業務のひとつ。利用者さんがよりよいサービスを受けられるように、事業者と利用者さんとの橋渡しをおこないます。

そのほか、生活相談員と同様に事業者や利用者さんからの相談に乗ったり、ご家族へアドバイスをおこなったりする場合もあるでしょう。

ケアマネジャーについてはこちら:ケアマネジャーの仕事内容が知りたい! ケアマネジャーになるにはどうすればいい?

2. 資格の違いを紹介!

つづいては、生活相談員とケアマネジャーの資格の違いをご紹介します。それぞれどんな受験資格を満たすことで、取得できるのでしょうか。また、取得の際に実務経験が必要となるのかどうかも、あわせて確認しておきましょう。

生活相談員の資格|社会福祉士・社会福祉主事などの資格が必要

生活相談員という資格は存在せず、これは職業の名称を表しています。生活相談員として仕事をするには、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事などの資格が必要です。どの資格が必要かは各自治体によって定められており、介護福祉士や介護支援専門員、ケアマネジャーの資格が対象になる場合もあります。

また2年以上の介護業務経験といったように、実務経験のみで働ける場合もあります。生活相談員としての仕事を希望している場合、まずは自治体の募集要項をしっかりと確認しましょう。

生活相談員の資格要件についてはこちら:生活相談員になるには資格が必要なの? 生活相談員の資格要件を解説!

ケアマネジャーの資格|介護支援専門員実務研修受講試験に合格+実務研修

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を取得するには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了する必要があります。

この受講試験を受けるには、福祉、保健、医療に関係する指定の資格を持っており、実務経験が5年以上かつ900日以上必要です。または、特定の福祉施設、介護施設、障害者支援における相談援助業務経験が5年以上かつ900日以上が必要となります。

さらに、この資格には5年ごとの更新が必要となるため、5年ごとに研修を受けて申請手続きをおこなわなければなりません。

ケアマネジャーの受験資格についてはこちら:ケアマネジャーの受験資格に必要な実務経験とは?|実務経験証明書について解説

3. 職場の違いを紹介!

生活相談員とケアマネジャーは、それぞれ介護施設で働く場合もあります。それぞれの違いについて見ていきましょう。

生活相談員の職場|特別養護老人ホームやデイサービスなど

生活相談員は特別養護老人ホームやデイサービスなど、さまざまな介護施設で活躍でき、それぞれの介護施設に設置基準が設けられています。

デイサービスセンターでは常勤で1人、老健などの施設では利用者さん100名につき1人と、介護現場で需要の高い仕事です。なお、訪問介護はおこないません。

ケアマネジャーの職場|居宅介護支援事業所や介護老人保健施設など

ケアマネジャーは居宅介護支援事業所などの事業所で仕事をしているイメージがあるかもしれませんが、介護老人保健施設やほかの介護施設でも活躍の場は広くなっています。

職場によって、対象とする利用者さんが異なり、居宅介護支援事業所では地域の利用者さん、介護施設では施設を利用している利用者さんが対象です。なお、生活相談員と同様に訪問介護はおこないません。

ケアマネジャーとして仕事する場合には、どのような利用者さんを対象にして活動したいかなどについても考えてみましょう。

4. 年収の違いを紹介!

生活相談員とケアマネジャーは、一般の介護職に比べると年収は高めに設定されています。一般の介護職員の年収は約360万円に対して、生活相談員とケアマネジャーはそれぞれ400万円程度です。

生活相談員とケアマネジャーは資格を持ち、専門的な仕事をしているため、一般の介護職員よりも高収入を得ています。

生活相談員の年収|約398万円

生活相談員の年収は、約398万円です。働く施設や働く場所にもよりますが、資格を持って責任のある仕事をしているため、ほかの介護職の年収よりも給与は高くなっています。

また、生活相談員から施設の管理者になるなどのキャリアアップの可能性も大いにあるでしょう。

ケアマネジャー年収|約399万円

ケアマネジャーの年収は、約399万円です。生活相談員の年収と一見それほど変わりませんが、平均月収で見ると1~2万円程度ケアマネジャーの方が高収入となっています。

ケアマネジャーは生活相談員よりも資格取得がむずかしく、生活相談員からケアマネジャーになる方も多いため、このような結果になっているようです。

生活相談員とケアマネジャーはキャリアアップにおすすめのお仕事!

生活相談員・ケアマネジャーの仕事は、介護サービスを提供するうえで重要な仕事です。また、資格を取得すると一般の介護職の方よりも給料アップも見込めるためプライベートにも余裕ができます。生活相談員とケアマネジャーは、それぞれ実務経験が重要なカギとなります。そのため、働きながらキャリアアップを考えている方には、おすすめの資格といえるでしょう。

介護職にやりがいを感じていて、今以上に利用者さんに寄り添い、責任のある仕事に興味がある方は、ぜひ生活相談員やケアマネジャーを目指してみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 職業情報提供サイト 老人福祉施設生活相談員
厚生労働省 職業情報提供サイト 介護支援専門員/ケアマネジャー
厚生労働省 職業情報提供サイト 施設介護員

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