ケアマネジャーの魅力・やりがい・適性について迫る!
介護支援には必要不可欠となっているケアマネジャー。介護支援専門員実務研修試験を受け、介護支援専門員証を取得した後、実務研修を終了してケアマネジャーの資格を取得し働く方が増えています。ケアマネジャーになった後の道も実務をこなしつつも勉強をしていかなければならない、という険しい道ですが、その魅力とやりがいについて詳しくしていきます。
ケアマネジャーの資格と仕事内容
ケアマネジャーとは、介護計画や介護方法など、介護に関するコーディネートを行う人のための資格のこと。介護に関する専門職であり、福祉や保健医療の分野での実務経験がないと取得できない資格です。医療・福祉のさまざまなサービスを理解し、介護を必要としている人が適切なサービスなどを利用できるよう、相談に応じて関係機関への連絡や調整を行ったりすることが主な業務内容になります。
具体的には、利用者との面談・相談をし、ケアプランを作成、介護のサービスを提供する施設・業者との調整などをケアマネジャーが行います。在宅で暮らしている、または介護施設で暮らしている、デイサービスなどで施設を利用している高齢者がケアマネジャーを利用する対象です。また、ケアプランを作成した後も、そのケアプランに基づいて開始されたサービスのその後の状況を把握・評価するモニタリング調査もケアマネジャーの仕事です。
ケアマネジャーの魅力に迫る!
ケアマネジャーは介護施設には必要不可欠な存在で、介護を必要とされる利用者に喜んでもらえることが魅力のひとつとなっています。また、家族介護の問題を解決に向かわせるお手伝いもするので、利用者の家族からも喜ばれることでしょう。自分の存在が、言葉が、助けを求めている人に影響を与え、より良い方向に向かっていく……というひとつの達成感が魅力的だという方も多数おられます。
そんな実務の中でその面白さを身につけ、力にしていく人も少なくありません。自分の立てたケアプランで、利用者やその家族の介護に関する問題なども、モニタリングを行うことで確認して改善が見られたとき、自分のことのように嬉しく思えるはずです。仕事の中での良い出会いも大切にしていきたい要素となります。
また、先述したように人と人との関わり合いが多い仕事ですから、コミュニケーションがうまくいかない時もあります。しかし、それを乗り越えて利用者・家族の悩みを聞き、最善の方法が取れたときの感動は、ひとえに語り尽くせない魅力となります。
ケアマネジャーが自らやりがいを見出すこと
ケアマネジャーが活躍できる職場はさまざまです。自分の家で暮らしたい方のための支援をする「居宅介護支援事業所」、介護施設に所属して仕事をする……需要に反して、ケアマネジャーの数は少なく、一人で何人も受け持つことも多々あります。
大事なことは利用者とその家族との信頼関係。利用者と初めて面接・相談をする際から、利用者の方や家族があなたに話しやすいように、信頼関係を築いて仕事をするうち、必ず自分でやりがいを見つけることができます。ケアプランなどの作成の際も、自分ひとりで悩んでいるだけでは解決しません。
困った際、同じ職場にほかのケアマネジャーがいれば相談をし、また在宅専門で仕事をしている場合は居宅介護支援事業所で相談するなど、一人で悩み、思いを抱えないようにすることも大切です。ケアマネジャーと利用者、という前に人と人ですから、ケアマネジャー自身も自分だけで悩みを抱えないように行動すれば、やりがいを見失わずに進んでいくことができるでしょう。
ケアマネジャーの仕事にこれという正解はありません。もちろんやりがいや、面白さの中にも「人の命を扱う」というプレッシャーも存在し、なかなか思うようにいかない仕事であることも事実です。その苦労を乗り越えた先には、必ずやりがいを感じられる仕事ですから、それを見極めるまであきらめず、努力し続けることが成功につながるでしょう。
求められるコミュニケーション能力と交渉力
ケアマネジャーは、人と関わることが非常に多い仕事です。介護支援利用者とその家族、行政の担当者、病院関係者、地域包括センターなどの機関から、福祉関連商品の営業担当者まで、ケアマネジャーが窓口となり、様々な問題に取り組んでいく必要があります。
円滑な業務遂行のためにも、相手によって的確なコミュニケーションを取ることができる力というのは必要不可欠といえるでしょう。また利用者の生活環境向上のためにも、各種関係者に向けての交渉力も大切です。
コミュニケーションに関しては、相手に発信する能力以上に重要なのは「ヒアリング能力」です。利用者の希望や相談事など、相手に寄り添い、親身になって聞き入れることができる、いわば「包容力」がケアマネジャーとしての大きな強みとなるでしょう。総じて、人付き合いが苦にならず、人との関わりが好きな人、明朗快活である人、前向きな人はケアマネジャーに向いているといえるのではないでしょうか。
同時に複数の業務をこなす柔軟性
快適な介護生活においてケアマネジャーは欠かせない存在です。利用者の希望を聞き、生活環境の質を高めるため、介護事業所や病院、各機関と連携を取り、さらにはケアプラン作成や、各種申請書類の作成など、非常に多くの仕事を抱えています。利用者やその家族への対応、各機関との交渉、事務処理といったそれぞれ性格の異なる業務を同時に進行していく必要があり、これらを日々器用にこなしていく力が必要です。
ケアマネジャーのなかには「介護支援専門員とは、介護のなんでも屋だ」と表現する人もいます。それだけケアマネジャーの求められる資質も多岐にわたるということであり、それぞれの業務に的確に対応するだけの柔軟性を求められることとなるでしょう。また、様々な業務に奔走しながらも、自身の作成したプラン通り、介護対応が進行しているか、次回のケアプラン作成時に反映するべき改善点はないか、常に利用者や家族に寄り添い続ける余裕も持っていることが大切です。
向上心があり、学ぶ喜びを感じられる人
事務作業にはパソコンを使用した書類作成が欠かせません。Word やExcel などを使えるだけのスキルはあったほうがいいでしょう。多くの業務を進行する上で、パソコン操作や入力などに不慣れであっては事務処理作業の効率は著しく下がります。また、介護保険制度は5年ごとに見直しされるため、その都度新しい情報を取り入れ、業務に反映していく必要があります。
その他にも、ケアマネジャー人員の質向上のため、研修に参加する機会も多くなります。そして利用者と介護サービスとの橋渡しをするには、専門的な医療知識も求められます。病院関係者から利用者の疾患について説明された際に、ある程度の理解を持って対応できないことには、ケアマネジャーとしては頼りない印象です。
このように、ケアマネジャーは一度資格を取得してしまえば、そこで終わりというわけではなく、常に学び続けることが不可欠であり、それが苦痛とならず、学ぶ喜びを感じられる人、向上心のある人であれば、非常にやりがいを感じるポイントであるでしょう。
利用者の生活はケアマネジャーの力量にかかっているといっても過言ではありません。それだけ責任のある仕事であり精神的な負担も少なくはないでしょう。しかし、上記で述べたように、コミュニケーション能力や交渉力に長けている人、複数の業務をこなす柔軟性のある人、向上心のある人にとっては、いかんなく力を発揮できる活躍の場となるのではないでしょうか。