日本の高い技術力を世界に広めるために、何事にも120%の気持ちで挑む【整体師 石田一平さん】#2
日本の高い技術力を世界に広めるために、何事にも120%の気持ちで挑む【整体師 石田一平さん】#2
地方でヘルスケア事業に携わっている方に、都内とは異なる集客方法や売上アップのための取り組みについてインタビューする本企画。
今回お話をお伺いしたのは、愛知県名古屋市で整体院を経営する院長の石田一平さん。
前編では、理学療法士から整体師に転身して開業するまでに至った経緯や、経営を安定させるための惜しみない努力についてお話しいただきました。後編では地方で成功する秘訣や今後の目標とともに、地方で開業を目指す方へのアドバイスとして、その心構えをお伝えします。
教えてくれたのは…
颯整体院 石田一平さん
愛知県内の病院の整形外科にて理学療法士として約10年勤務。開業を目指して整体のことを学び始め、3ヶ月で週末のみ施術を行う整体院からスタート。その半年後、名古屋市で本格的に整体院を開業し、2年あまりにも関わらず地域の方々から絶大な信頼を受ける整体師として活躍中。
施術以外の個人的な要望にも臨機応変に対応。地域との繋がりを強固なものに
――石田さんは技術面で高い評価を得ているとお見受けしましたが、施術をする際にお客様にどのようなことを心がけているのでしょうか?
やると決めたら必ずやりきること。当たり前のことではありますが、お客様のお悩みをなるべく早く改善できるように尽くすことを心がけ、「求められていること以上に応える」という心構えで向き合っています。そのためには、「以前と比べて様子がおかしいな」「いつもと反応が違うな」など、僅かな変化にも「気づく」ことが大切です。カウンセリングをしているときから注意深く観察して、いつもと違うところはないかどうかを注視するようにしています。その僅かな変化をいち早く察知するには現状に慢心せず、常に原点に立ち戻って考えることが上を目指すために重要なことと思っています。
――「お客様の求められていること以上に応える」ために、特にどんなことを意識していますか?
細かい気配りができるようにしています。以前、ご利用いただいたお客様のご家族の方が病気を患い、「病院や施設を探している」と相談をされたことがありました。そこで、僕から病院や施設を探して紹介させていただいたところ、とても喜んでいただいたことが印象に残っていて…。今後はより長く関わっていくことを踏まえ、体のケアと心のケアは表裏一体と捉えて心の面での相談や悩み事にもできる限り応えてお客様に寄り添いたいと思っています。
――お客様との距離を縮めることで、長く利用いただける。「地方ならでは」の強みだと感じます。
そうですね。施術は施術で誠心誠意努めていますが、お客様に寄り添う気持ちを持ちながら、その人ごとの要望に応えられるように向き合っていきたいです。
信頼できる1人からアドバイスをもらうことが成功へのカギ
――そこまで思えるようになったのは何がきっかけだったのでしょうか?
相談できる人をつくったことです。僕の場合はSNS等も含め単にたくさんの人の意見を取り入れたいと思ったことはありません。この人!と思った方一人にアドバイスをいただく。確かに経営している知り合いはたくさんいますが、アドバイスを受けようと思った人はこの人だけと決め、その方のアドバイスに対しては120%の力で実現しようと行動していました。
いろんな人からアドバイスをもらっても、自分にとっての正解を見つけることは情報が錯綜して案外難しいんです。この人なら信頼できるな、間違いない!と感じる人のアドバイスを取り入れれば正解にたどり着きやすいのではないかと思いました。
――その方は石田さんにとって「信頼できる人」だったのですね。
そうですね。僕が今教えていただいている方は、自分の身を削ってでも親身になってアドバイスをしてくれる方です。「他者のために自己犠牲できる人」というのが、僕自身が人と関わる上で最も譲れないところ。
考えが全く一緒、というわけにはいかなくてもその人のことが信頼できると思えば、アドバイスをもらった時に自分の中で落とし込みやすいと感じます。自分の中で譲れない部分を明確にすることが、どういう人からアドバイスをもらいたいかのポイントになると思います。
――まずは、自分の譲れないことを確認することが大事ですね。
そう思います。あと、真似をすることも大事です。成功してきた人って真似が上手なんです。真似をすることって簡単なように見えて、難しい。どうしても自分の主観が入ってしまうので、どれだけそれを省いて真似できるかが大事です。僕も最初はいいと思ったことはとことん真似をしていました。
今まで真似をしてきた例を挙げると、接客態度や気配り会話の構成・進め方、広告の仕方・業者の選定、院の内装など。いかに「自分なり」をなくして真似に徹するかを意識していましたね。
最近では、ようやく真似だけではなく自分なりのオリジナリティを出せる余裕も生まれきていて。自分の傾向がやっとわかってきはじめたところです。
「颯整体院」を軸に日本の高い技術力を県外に、そして世界に広めたい
――徐々に現在のスタイルを形成されたのですね。これからの目標をお聞かせいただけますか?
個人的には人に教えたりすることが好きなので、セミナーや講習ができたらいいなと思います。技術はもちろんですが、これから独立して開業を目指す方を応援することにも興味があります。今まで自分が教わってきたことを次の世代に伝えていけたらいいなと考えていますね。
そのために取り急ぎ院としての目標は、愛知県以外への店舗展開です。
――なぜ、愛知県外で店舗展開を?
愛知県に限らず、「颯整体院」を広めていきたいからです。遠方から通っていただいている方もいらっしゃるのですが、通いやすいで開業してほしいというお声もあって…。まずは、東海地方を中心とした他県への店舗展開も視野に入れています。どんな形でもいいのでいろんな方に「颯整体院」を知っていただき、頼っていただけたら嬉しいです。
ゆくゆくは日本国外にも広めていきたいと思っています。日本の技術って世界から見ても高いらしいんです。日本の技術を海外に発信して店舗を構えることができたら嬉しいですね。
――県外で開業することに不安はないですか?
不安よりも広めていきたいという気持ちが大きいですね。
実は「愛知県名古屋市」という土地柄が昔から古き良きを大事にする風潮があるため、職種に限らず新しい商売を始めるには難しいと言われているんです。そこで経営していることを強みにすれば、他県でも打ち出せるのではないかと考えています。
――「古き良き」を大切にする風潮の中で新しい旋風を巻き起こしたのですね。次のステップに進むために取り組もうとしていることは?
現在は僕1人しかスタッフがいないので、新たにスタッフを募集するところから…と考えています。
――では、どんな方が石田さんの想いに共感いただけると考えていますか?
向上心があること。そして、自分のことだけではなく相手の気持ちに寄り添った考え方ができることですね。仕事柄、自分より何より、お客様の思いや気持ちを尊重することが求められます。求められていることをいかに体現できるかどうかがとても重要なので、そこは重要視したいポイントです。
信頼を得られれば利益は後からいくらでもついてきます。得をするには損をするべきとまでは思いませんが、損得勘定基準で動くのではなく、人のために何ができるのか、そういった気遣いが一番の動機の理由であってほしいですね。
――これから地方で経営を目指す方へアドバイスをお願いします。
僕は、もともとネガティブでした。辛い出来事があると落ち込むことを繰り返していて…。ですが、その辛い出来事は自分が上に上がっていくための壁だと気づいたんです。過去の自分では乗り越えられなかった壁ですし、乗り越えられた今の自分は確実に過去よりも次のステージに向かえているということ。それに気づいた時から、大変なことがあってもポジティブを心がけるクセがつきました。急にはできないと思うので、少しずつプラスに考えられるように意識するといいと思います。
経営を軌道にのせた3つのポイント
1.今の技術に慢心せずに「求められていること」を意識する
2.信頼できる人からのアドバイスには120%で実行する
3.他者の成功体験に自分らしさをプラスしながらポジティブ思考を身につける
石田さんご自身の経験から、経営していくために必要なことを教えていただきました。今後考えている方は参考にしてみてください!
取材・文/東菜々(レ・キャトル)