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特集・コラム 2022-09-23

全身性ガイドヘルパーとは?どんな人が向いているの?|必要な資格や働ける場所も紹介

ガイドヘルパーの中でも、「全身性ガイドヘルパー」とはどんな職業か?と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

全身性ガイドヘルパーとは、全身にわたる体の麻痺や障害を抱えている方の、生活支援や移動支援を行う職業です。

本記事では、そもそもガイドヘルパーとはどのような職業なのか、ガイドヘルパーの種類別の特徴について詳しく紹介します。また、全身性ガイドヘルパーに向いている人の特徴や全身性ガイドヘルパーになるための方法、活躍できる場所についても解説。

ガイドヘルパーとはどのような職業で、その中でも全身性ガイドヘルパーの職業とは何かを知りたい方は、参考にしてみてください。

ガイドヘルパーとは?

ガイドヘルパーとは、何らかの身体的・知的障害を抱えている方の身の回りの世話や、移動時の支援を行う職業です。障害を持つ方が社会活動を営むためのサポートをします。

主な業務内容として、車椅子介助や公共交通機関における移動介助、外出するための着替えや日常生活を送るために必要な食事・入浴・排泄介護などが挙げられます。

このように、ガイドヘルパーの業務は幅広く、担当する業務内容によってガイドヘルパーの種類が異なるのが特徴です。

ガイドヘルパーの種類

ガイドヘルパーには、どのような種類があるのでしょうか?具体的には、ガイドヘルパーの種類は以下の3種類です。

・同行援護従業者
・行動援護従業者
・全身性障害者ガイドヘルパー

障害者が求めるサポートに応じて、身の回りのサポートが必要なのか、移動に同行して社会生活を営むためのサポートが必要なのか、車椅子の介護が必要なのかは異なります。

それぞれのガイドヘルパーの業務内容を知って、ガイドヘルパーという職業についての理解を深めましょう。

同行援護従業者

同行援護従業者は、視覚に障害がある方に対して、目的地に向かう上で必要な移動支援や身の回りの世話を行うガイドヘルパーです。

移動時に必要な情報を提供したり、必要なサポートを行ったりします。場合によっては、利用者の代読や代筆などを行うこともあります。

行動援護従業者

行動援護従業者は、知的障害や精神障害を抱えている方に対して、身の回りの世話や移動支援を行うガイドヘルパーです。

程度や障害の種類によって、提供しなければいけない業務は異なります。利用者一人ひとりに寄り添った支援の形を考えて、サービスを提供する必要があるでしょう。

全身性障害者ガイドヘルパー

全身障害者ガイドヘルパーは、身体に重度の障害があり、車椅子での移動を余儀なくされる方の生活支援・移動支援を行うガイドヘルパーです。

全身に身体障害を抱えている利用者は、過去に脳血管障害や交通事故などの病気や事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされた方々です。

本記事でメインとして取り上げているガイドヘルパーは、この全身性障害者ガイドヘルパー(全身性ガイドヘルパー)です。

1人で行うことが難しい身の回りの行動や移動支援を行い、車椅子の方の社会活動を支援します。

全身性ガイドヘルパーにはどんな人が向いているの?

全身性ガイドヘルパーは、全身に身体的な障害を抱えている方を支援するガイドヘルパーですが、どのような人物が全身性ガイドヘルパーに向いているのでしょうか。

・判断力があり柔軟な対応ができる人
・方向感覚が良い人
・社交性がありコミュニケーションをとることが好きな人

全身性ガイドヘルパーに向いている人の特徴や職業適性について知って、自分が全身性ガイドヘルパーに向いているのかを判断してみましょう。

1.判断力があり柔軟な対応ができる人

全身性ガイドヘルパーに求められるのは、トラブルに対して冷静に対応できる判断力と柔軟な対応力だといえます。

全身に身体的な障害を抱えている方の身の回りの介護や移動支援を行う際は、利用者の急な怪我や事故など、不測の事態に見舞われるケースも十分に考えられるでしょう。

トラブルに遭っても慌てずに、常に利用者の安心と安全を考えた行動をとれる冷静な判断力と対応力が求められます。

2.方向感覚が良い人

全身性ガイドヘルパーは、方向感覚が良い人が適任です。目的地まで利用者を無事に移動させるのが重要な業務なので、万が一、道に迷っても最終的には目的地まで利用者を送り届ける必要があります。

また、目的地までの経路を調べたり、トラブルが起きた場合を想定したプランを事前に計画したりして、不測の事態に備えておく計画性も重要です。

方向感覚や計画性があり、利用者を目的地まで間違いなく移動支援できる人材こそ、全身性ガイドヘルパーに向いている人材だといえるでしょう。

3.社交性がありコミュニケーションをとることが好きな人

全身性ガイドヘルパーは、社交性があってコミュニケーションをとることが好きな人が適任だといえます。

全身性ガイドヘルパーは、身体をうまく動かせずに、意思疎通が難しい利用者とコミュニケーションをとる必要があることも。利用者の顔の表情やジェスチャー、微妙な行動の変化から、利用者が本当に求めている支援は何かを汲み取り、それを提供できるコミュニケーション能力が重要です。

全身性ガイドヘルパーになるには?

全身性ガイドヘルパーになるためには、全身性障害者移動介護事業者の資格が必要です。具体的には、全身性障害者ガイドヘルパー養成研修を修了しなければなりません。

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修のカリキュラムには、以下の特徴があります。

・全身性障害者の支援に関する基礎知識や実践的な介護スキルを学ぶ
・各都道府県指定のスクールでカリキュラムを受講できる
・数日間のカリキュラムで筆記試験・実技試験なしで取得

各都道府県によって指定された、全身性障害者ガイドヘルパープログラムを受講して、全身性ガイドヘルパーになるための要件を満たしましょう。

ちなみに、介護初任者研修や実務者研修、介護福祉士等の資格保有者は、カリキュラムの一部が免除されます。そのため、これらの有資格者は、より短期間でカリキュラムを修了できる仕組みです。

ガイドヘルパーになるための要件や、おすすめのスクールについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

ガイドヘルパーになるにはどうすればいいの?|ガイドヘルパーを目指せるスクールを紹介

全身性ガイドヘルパーが活躍できる場所

全身性ガイドヘルパーが活躍できる場所には、以下のような場所が挙げられます。

・訪問・居宅介護事業所
・障害者支援施設
・移動支援事業所

それぞれの事業所や支援施設ごとの特徴を知って、全身性ガイドヘルパーがどのような現場で活躍できるのかを知っておきましょう。

訪問・居宅介護事業所

訪問介護事業所は、介護保険に基づいて訪問のガイドヘルパーサービスを提供する事業所で、日常生活の支援を希望する方が利用するケースが多いです。

全身性ガイドヘルパーは、訪問介護で全身に身体的な障害を抱える利用者が、日常生活を円滑に営むための支援を行います。

居宅介護事業所支援事業所は、ケアマネージャーが常駐して、要介護認定された利用者にとって適切なプランを作成・実行する事業所です。

全身性ガイドヘルパーはケアプランに沿って、要介護者に対しての支援を行います。

障害者支援施設

障害者支援施設でも、全身ガイドヘルパーが活躍しています。知的・身体・精神的な障害を抱えている方が利用する福祉施設で、全身にわたる身体的な障害を抱える利用者に対して、施設内における日常生活支援を行うのが主な業務内容です。

移動支援事業所

移動支援事業所は、ガイドヘルパー事業所とも呼ばれ、全身に障害を抱える方の目的地への移動を支援するのが目的の事業所です。

車椅子生活を余儀なくされる方を目的地まで問題なく送り届ける業務で、全身性ガイドヘルパーの就職先として一般的だといえます。

全身性ガイドヘルパーを含む、介護・医療の仕事の案件を探すなら、以下のサイトがおすすめです。

リジョブケア

全身性ガイドヘルパーは障害者の外出・移動を介助する大切な仕事!

この記事では、ガイドヘルパーとはどのような職業で、どのような種類があり、その中でもとくに全身性ガイドヘルパーの仕事内容について解説しました。

ガイドヘルパーは何らかの障害を抱え、日常生活や移動が困難な方に対して、社会活動を行うための適切な支援を行う職業です。そのなかでも全身性ガイドヘルパーは、全身にわたる身体的な障害を抱えていて、車椅子での生活を余儀なくされている方を支援するガイドヘルパーです。

ガイドヘルパーの仕事には、とっさの判断力や対応力がある人や、移動支援を問題なく行える方向感覚の良い人、コミュニケーション能力の高い人が向いています。

自分に向いている職業だと感じたら、各都道府県が指定しているスクールで、全身性障害者ガイドヘルパー養成研修を修了して、全身性ガイドヘルパーを目指してみましょう。

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