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特集・コラム 2022-10-06

ホームヘルパーとガイドヘルパーの違い|支援内容に合わせて資格を取得しよう

介護系の職種にはさまざまな種類があり、この業界に就職・転職する際には各々の職種の仕事内容などをしっかりと把握しておくことが大切です。

とくに混同されやすい介護系の職種として、「ホームヘルパー」と「ガイドヘルパー」が挙げられます。しかし、これらの職種にも明確な違いがあるので、資格取得を目指す際などにもその詳細を知っておくとよいでしょう。

ホームヘルパー、ガイドヘルパーとは?

ホームヘルパーとは「訪問介護員」ともいわれる職種です。この名称からもわかるとおり、ホームヘルパーの仕事は利用者の自宅などに訪問しておこなうことが基本となり、仕事は訪問介護に分類されます。

一方、ガイドヘルパーは「移動支援従業者」とも呼ばれる職種です。この仕事では、外出などの移動を支援することをおもな業務としています。
このように、訪問介護員(ホームヘルパー)と移動支援従業者(ガイドヘルパー)には、支援する内容に関して大きな違いがあります。

訪問介護員(ホームヘルパー)と移動支援従業者(ガイドヘルパー)の違い|内容と必要な資格の違い

訪問介護員(ホームヘルパー)と移動支援従業者(ガイドヘルパー)のふたつの職種の仕事内容には、前者が要介護者の自宅などを訪問して支援をする点、後者が要介護者の移動時やそれに付随する行動の支援をする点で明確な違いがあります。

また、訪問介護員(ホームヘルパー)と移動支援従業者(ガイドヘルパー)は就労するうえで必要な資格も異なることから、これらの仕事に就く際には資格取得が必要であることも覚えておきましょう。つづいては、これらのことを踏まえたうえで、職種ごとの詳細な仕事内容を解説します。

訪問介護員(ホームへルパー)の仕事内容は?

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事は、介護を必要としている人の自宅などを訪問しておこないます。しかし、おもな仕事のなかには自宅以外の場所でおこなうものもあることから、場合によっては移動手段の確保などが必要になることも覚えておきましょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事は「身体介護」と「生活介護」に分類でき、各々で提供する支援・サービスは大きく異なります。ここでは、そんな訪問介護員(ホームヘルパー)の詳細な仕事内容について見ていきましょう。

身体介護|直接体に触れる介護

訪問介護員(ホームヘルパー)がおこなう身体介護とは、直接体に触れる介護のことです。具体的には食事介助や入浴介助などが挙げられ、身体機能の低下がいちじるしい人に対しては着替えの補助などをおこなうこともあります。

生活介護|日常生活の援助

要介護者は、家事を主とする日常生活において欠かせない行動を自力でおこなえないこともあります。具体的には買い物や調理、洗濯などがこれに該当し、これらをサポートすることもまた訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事のひとつです。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)の仕事内容は?

要介護者のなかには、日常生活における移動に支障が生じてしまう方も少なくありません。移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、そのような要介護者の移動をサポートすることがおもな仕事です。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)が要介護者の移動サポートとしておこなう仕事の内容は、要介護者が抱える障害の種類や程度によって変化します。ここではそのことを踏まえて、自力での移動が困難になりやすい障害の種類ごとに、移動支援従業者(ガイドヘルパー)の詳細な仕事内容を見ていきましょう。

全身性障害者移動介護従業者|四肢に障がいのある方をサポート

四肢体幹や全身に渡って障害が生じている方は、「全身性障害者」に区分されます。このような方に対して移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、「全身性障害者移動介護従業者」として安全に移動するための総合的なサポートをおこなわなければなりません。

同行援護従業者|視覚に障がいのある方をサポート

視覚障がいを抱える方もまた、日常生活における移動を自力でおこなうことが困難であることも珍しくありません。移動支援従業者(ガイドヘルパー)は「同行援護従業者」として、視覚障がいを抱える方の外出や、目的地までの移動をサポートします。

行動援護従業者|知的・精神障がい者の方をサポート

知的障がいや精神障がいを抱える方もまた、日常生活における移動時に問題が生じてしまうことが少なくありません。移動支援従業者(ガイドヘルパー)はこのような方を対象に、移動支援や排泄支援、行動特性や性格による外出時の問題解決をおこないます。

ホームヘルパーとガイドヘルパーになるために必要な資格は?

訪問介護員(ホームヘルパー)、もしくは移動支援従業者(ガイドヘルパー)として働くためには資格の取得が不可欠です。それぞれで必要な資格は異なることから、まずはどちらの資格を取得するかよく考え、そのうえで試験対策などをおこなうとよいでしょう。

ここでは、それぞれの職種に就くうえで必要な資格の詳細や取得方法などを解説します。

ホームヘルパーに必要な資格と取得方法は?

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くには、この仕事に従事することが認められた介護系資格を取得することが必要です。

この条件を満たす資格には、国家資格から介護職未経験者でも取得可能な資格までさまざまなものがあります。

代表的なものは
・介護職員初任者研修
・実務者研修
・介護福祉士
・生活援助従事者研修
などです。

つづいては、4つの資格の取得方法を確認しておきましょう。

介護職員初任者研修の取得方法は?

訪問介護員(ホームヘルパー)志望者の多くが取得するのが介護職員初任者研修です。この資格は専門のカリキュラムを受講し、修了試験に合格することで取得できます。

かつてこの資格はホームヘルパー2級と呼ばれており、実際の介護現場での研修などが用意されていました。
この資格の具体的な取得方法に関しては、以下の記事を参考にしてください。

無資格からでも取得できる介護職員初任者研修とは|資格の内容やメリットについて解説

実務者研修の取得方法は?

実務者研修もまた、訪問介護員(ホームヘルパー)志望者が取得するケースが多い資格です。この資格は介護職員初任者研修の上位資格にあたり、専門のカリキュラムを受講したあと、医療的ケアの演習を受講することで取得できます。

介護職員初任者研修と同様に、訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事で活かせるスキルなどを学ぶことが可能です。

いきなりこの資格を取得することも可能ですが、介護職員初任者研修を修了していると、一部免除される受講内容もあります。

この資格の具体的な取得方法に関しては、以下の記事を参考にしてください。

介護福祉士実務者研修とは? 取得するメリットや初任者研修との違いを解説

介護福祉士の取得方法は?

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くにあたり、より本格的なスキルや知識を身につけたいのであれば介護福祉士の資格を取得するのもよいでしょう。

まず受験資格として、「実務者研修」の受講が必須です。

この資格は国家資格として認定されていることから、取得するためには受験資格を満たしたうえで国家試験を受け、合格する必要があります。

この資格の具体的な取得方法に関しては、以下の記事を参考にしてください。

介護福祉士の資格取得は意味がない? 取得のメリットと目指せる方法を解説

生活援助従事者研修の取得方法は?

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くために資格取得を目指すのであれば、介護の基礎を知るための入門編として生活援助従事者研修を取得するとよいでしょう。

介護職員の養成を目的として実施されているこちらの研修では、訪問介護員(ホームヘルパー)に限定されない幅広いスキルや知識を身につけることが可能です。

たとえば、掃除や洗濯、調理、買い物代行などの生活援助に関するサービスを提供できるようになります。ただし、入浴や食事などの身体に直接触れる身体介護は提供できません。

また、この資格を取得するためには各都道府県から指定を受けた事業者で受講したのち、修了試験に合格する必要があります。

ガイドヘルパーに必要な資格と取得方法は?|目指すガイドヘルパーに合わせた資格が必要

移動支援従業者(ガイドヘルパー)として働くうえでは、3種類の介護系資格のうちのいずれかを取得する必要があります。この3種類の資格とは、
・全身性障害者ガイドヘルパー養成研修
・同行援護従業者養成研修
・行動援護従業者養成研修
のことです。

これらの資格は、都道府県・市町村・介護系専門学校が開催する養成講座・研修を修了することで取得できます。まずは近隣での実施スケジュールなどを確認してみるとよいでしょう。また、すでになんらかの介護系資格を取得している場合、研修の一部が免除されることもあります。

全身性障害者ガイドヘルパー養成研修(全身性障がい者ガイドヘルパー)

移動支援従業者(ガイドヘルパー)志望者が取得するケースの多い資格のひとつが、全身性障害者ガイドヘルパー養成研修です。おもに、機能障害を抱える方の車椅子を使用した介助などを支援します。

この資格を取得するためには、市区町村地域支援事業として実施されている養成研修に参加する必要がありますが、その要件は自治体によって異なるため確認が必要となります。

同行援護従業者養成研修(視覚障がい者ガイドヘルパー)

同行援護従事者養成研修もまた、移動支援従業者(ガイドヘルパー)志望者が取得することの多い資格のひとつです。

視覚障害により、移動が困難な利用者に対し、外出時に同行する、代読や代筆などの介助をおこないます。
この資格を取得する際に参加が必須となる研修では、同行援護をおこなううえで必要なスキルや障害についての知識を身につけられます。

行動援護従業者養成研修(知的・精神障がいガイドヘルパー)

行動援護従業者養成研修もまた、移動支援従業者(ガイドヘルパー)志望者の選択肢となる資格です。

知的・精神障害により、介助を必要とする障がい者の方に対して、行動するときに生じる危険を回避するために必要な援護をします。

この資格を取得するうえでも研修への参加が必須となり、こちらでは具体的な介護の方法や行動障がい全般についての知識を身につけられます。

これらの研修については、以下の記事も参考にしてください。

ガイドヘルパーになるにはどんな資格が必要? おすすめの学校・スクール5選を紹介!

自分の手助けしたい内容に合わせて資格を取得しよう

訪問介護員(ホームヘルパー)と移動支援従業者(ガイドヘルパー)は、具体的な仕事内容や役割に明確な違いはありますが、介護を必要とする人の生活を支えるという点は共通しています。

いずれかの仕事に従事することを希望される場合、まずは仕事内容の特性をよく理解し、自分が支援したい内容に合わせて、ぜひ資格取得を目指してみてください。

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