介護職員初任者研修を活かせる仕事とは?概要やメリット、活躍できる介護サービスを紹介
介護職員初任者研修は、介護職としてのキャリアアップを目指す方が目指す最初の資格です。しかし、資格を活かせる仕事について、よくわからないという方もいるでしょう。
本記事では、介護職員初任者研修の概要や研修を履修するメリット、実際に活躍できる仕事や職場について紹介します。
介護職員初任者研修の履修を検討していて、研修の修了後にどんなキャリアの選択肢があるのか気になるという方は、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修とは?概要と取得方法
介護職員初任者研修は、介護職としての基礎的な知識やスキルを証明できる研修制度です。この章では、概要や制度の背景、資格を取得するためのルートについて紹介します。
介護職員初任者研修の概要について確認したい方は、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修の概要
介護職員初任者研修は、介護職としての基礎的な知識やスキルを証明し、訪問介護事業所における人材確保をするために実施されている研修制度です。
短ければ3週間、長ければ3カ月の学習スケジュールで修了できるカリキュラムで、3万円から10万円といった費用感で履修できます。
資格の詳しい概要や難易度については、下記の記事も参考にしてみてください。
ホームヘルパー2級は現在介護職員初任者研修に|旧資格の違いと受験資格・合格難易度について詳しく解説!
介護職員初任者研修が成立した背景
介護職員初任者研修が成立した背景には、少子高齢化に伴う介護ニーズを満たすために、質の高い介護人材を育成することとキャリアパス簡素化の目的があります。
元々は介護職員基礎研修やホームヘルパーなどの資格が複数あり、資格ごとに履修内容が重複したり、キャリアパスが複雑でわかりづらかったりする点が問題でした。
そういった問題を解決するとともに、介護人材の質は担保しつつ、専門知識をもった介護人材を育成して介護ニーズを満たしたい、という政府の考えから、介護職員初任者研修が制度化されました。
資格の取得ルート
介護職員初任者研修は、10科目を合計130時間かけて履修することで修了できる研修制度です。研修を受けるにあたっての要件はなく、誰にでも受けられる研修となっています。
履修科目と時間は下記のように定められています。
具体的な研修の終了の仕方や旧ホームヘルパー2級からの変更点などについては、下記の記事も参考にしてみてください。
ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)の取り方とは?受験資格や制度変更についてなどをまとめて解説
介護職員初任者研修を履修する3つのメリット
介護職員初任者研修を履修するメリットは、就職できる職種が広がったり、待遇が良くなったりと、将来的なキャリアアップが見込める点にあります。
この章では、これらのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.就職できる職場が増える
介護職として働く上で、介護職員初任者研修は必須資格ではありませんが、介護職員初任者研修の保有者を募集要件にしている仕事も見られます。
また、有資格者として志望動機をアピールする際の武器になり、結果として就職・転職の際に有利に働く可能性が高いでしょう。
介護職として自分が希望する条件や職場の仕事を見つけたいと考えた場合に、基礎的な知識やスキルを証明できる介護職員初任者研修の資格保有は、大きなメリットになります。
2.将来的なキャリアアップにつながる
介護職員初任者研修は、介護職が最初に取得する公的な資格です。介護福祉士実務研修・介護福祉士といった、より専門性の高い介護系資格を目指す上での足がかりになります。
将来的に介護職としてキャリアアップしていきたいと考えている方は、介護職員初任者研修を修了して、その後の上位資格を目指すキャリアパスを検討するのがおすすめです。
3.給与がアップする
介護職員初任者研修を修了していると、無資格の介護職よりも高い給与がもらえます。たとえば、厚生労働省のデータを基にすると、下記のようなデータがわかります。
出典:厚生労働省:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
資格なしの介護職と介護職員初任者研修を修了した介護職の方の平均月収を比較すると、約3万円の差があり、資格を保有していると月収がアップすることがわかるでしょう。
そのため、給与アップを目指すなら、介護職員初任者研修を取得するのがおすすめです。
介護職員初任者研修を活かせる仕事
介護職員初任者研修の専門性を活かせる仕事は、とても幅広いです。この章では、その中でもとくに就職先になることが多い3つの仕事を紹介します。介護職員初任者研修を修了したあとに、自分がどんな仕事に就こうか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
訪問介護
訪問介護の仕事は、介護職員初任者研修で学んだことを活かせる業務内容です。要介護・要支援と認定された高齢者の家を訪問して、掃除や洗濯、整理整頓などの生活援助、排泄や食事、入浴といった身体介護のサポートを行います。
基本的に1対1で介護サービスを提供するので、介護職員初任者研修の修了者が業務にあたることが求められている点が特徴です。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、要介護度3以上で介護サービスが必要とされる高齢者が入所できる施設です。身体介護サービスを提供するのが基本で、高齢者の家族と相談しながらケアプランを作成し、それに沿った適切な介護サービスを提供します。
介護職員初任者研修で学ぶような、訪問介護の基礎的な知識やスキルが役立つ職場がほとんどなので、資格保有者が働くのに適した勤務場所だといえるでしょう。
デイサービス
デイサービスは、要支援・要介護が認定された高齢者に対して、日中の間ケアを行うサービスです。介護サービスのほかに、高齢者の送迎や楽しく過ごすためのレクリエーションやイベントなども実施していきます。
介護職員初任者研修を修了している方が行うのが望ましい身体介護の業務がメインなので、資格を有効活用してキャリアップを目指すのに最適な仕事場でしょう。
介護職員初任者研修を修了して活躍できる仕事を知ってキャリアプランを立ててみよう!
介護職員初任者研修は、訪問介護や特別養護老人ホーム、デイサービスなどで、介護職員として幅広い業務に従事し、キャリアアップしていく上で有効活用できる資格です。
また、資格をもっていることで、就職先やキャリアの選択肢が広がり、給与水準もアップします。
満足度の高い身体介護・生活支援を実施するためにも、介護職員初任者研修を修了しておくことはとても重要と言えるでしょう。
介護職員初任者研修を修了して活躍の幅を広げ、キャリアプランを実行してみましょう。
引用元
厚生労働省|介護員養成研修の取扱細則について
厚生労働省:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要