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特集・コラム 2023-05-25

介護支援専門員に届くお礼状はどんなもの?利用者や家族とのかかわり方と家族への手紙の例文も紹介

介護支援専門員(介護支援専門員)は、介護を必要とする人が介護保険サービスを利用できるようケアプランを作成したり、適切な事業者と連絡調整をしたりすることが主な仕事です。たずさわった利用者やその家族から感謝されることも多く、お礼状が届くこともあります。

この記事では、介護支援専門員の役割や、利用者の家族から届くお礼状とあわせて、利用者家族への手紙の書き方を紹介します。

介護支援専門員の役割


まずは、介護支援専門員の役割について紹介します。介護支援専門員の働く場所は、居宅、施設、地域包括支援センターなどさまざまです。

勤務先によって果たす役割や、業務の範囲が異なるため、ここでは利用者やサービス提供者に対する役割を3つ取り上げます。

要介護者や要支援者の相談に乗る

要介護者や要支援者、その家族の相談に乗ることは、介護支援専門員の役割です。さらに、必要なサービスを提供してくれる事業者などを提案する役割も担っています。

適切なケアプランを作成するために、生活環境や家族のことなどあらゆる情報を聞き取り、課題の分析や評価をおこないます。

ケアプランを作成し利用者と必要なサービスや施設とをつなぐ

課題の分析や評価をもとに、必要な支援や課題解決に向けた方針や目標、提供するサービスなどをまとめたケアプランを作成します。

利用者や家族の同意のもと、サービス担当者会議で最終決定されますが、会議について関係各所への連絡や、日程調整をおこなうのも介護支援専門員の役割です。ケアプランが決まったら、サービス提供者に交付することでサービスが開始されます。

経過観察や評価をおこなう

サービスを開始してから、利用者やその家族、サービス提供者とも密に連絡をとり、経過観察をおこないます。ケアプランが適切であるか、計画通りにおこなわれているかを評価する役割も担っています。

介護支援専門員へ利用者の家族から届くお礼状


介護支援専門員は利用者の家族から手紙を受け取ることがあります。届く手紙は、お礼の言葉がほとんどです。介護支援専門員の仕事に対し、どういったことに感謝されているのかを紹介します。

介護支援専門員あての手紙に書かれていたこと(要約)

神奈川県では、介護サービスにまつわるエピソードを募集しています。そこに寄せられた、介護支援専門員へのお礼の手紙の内容を簡潔にまとめます。

骨折によって手術を受け、退院後も通常歩行が困難な状態。ケアマネジャーは、あたたかく寄り添い、適切なアドバイスをしてくれました。

1年後には、歩行車を押しながら外で1時間以上歩けるようになり、家の中では何も使わず、家事もできるようになりました。

ケアマネジャーのアドバイスのおかげで回復し、さらにがんばれるようになったので、心からお礼を言いたいです。

引用元
神奈川県:かながわ感動介護大賞 ありがとうカード感動推奨事例の紹介(平成24年度から30年度)

助言や励まし、できるようになったことへの感謝

お礼の手紙には、介護支援専門員の助言や励ましに対する嬉しさや、アドバイスによってできるようになったこと、回復できたことへの感謝が述べられています。

家族からの手紙は、日々に対する感謝の言葉が多く、利用者が亡くなってしまったあとでも、これまでの感謝の思いを伝える内容がほとんどです。

利用者の気になる点や体調への不安について書かれていることもある|対応を検討する

手紙には利用者の気になる点や体調への不安が書かれていることもあります。そういった場合には、家族の不安を解消するために、電話などで詳しく話を聞き、施設と対応を検討することが大切です。

利用者の家族へ手紙を出す目的は?


ときには介護支援専門員や施設の職員が、利用者の家族に手紙を出すこともあります。手紙を出す目的は次の3つです。

1. 日々の様子を伝える
2. 家族との連携や信頼を深める
3. イベントや広報

1. 日々の様子を伝える

施設の様子を見る機会が少ない家族に、日々の様子を伝える目的で手紙を出します。利用者が楽しく過ごしている様子などを伝えることで、安心して施設やスタッフに任せることができるでしょう。

2. 家族との連携や信頼を深める

手紙を通じてコミュニケーションを取ることで、家族との連携を図ったり、信頼を深めたりすることも目的の1つです。

面会のときや送迎のとき以外でのコミュニケーションを通じて、施設や職員の存在を身近なものだと実感してもらうことで、家族の要望なども聞き取りやすくなります。

3. イベントや広報

施設全体でおこなわれるイベントや、サービスの広報を目的とした手紙を送ることもあります。利用者がイベントに参加する際に、どういったサポートや介助をするのかという内容を添えると、家族の理解も得られやすいです。

家族への手紙の書き方


つぎに、利用者の家族への手紙の書き方について順を追って紹介します。

書き方①時候の挨拶|季節に合った言葉と家族を気遣う書き出し

書き出しは、時候の挨拶とあわせて、家族を気遣う言葉を添えましょう。季節ごとに一例ずつ紹介します。

春:春の日差しが心地よい季節となりましたが、お元気でお過ごしのことと存じます。
夏:梅雨も明け暑い日が続いておりますが、お変わりありませんでしょうか。
秋:秋も深まり追々寒さに向かいますが、いかがお過ごしでしょうか。
冬:早いもので師走を迎え、寒い日が続いていますが、お元気でしょうか。

書き方②利用者の日々の様子|具体的な内容や写真を添える

利用者の日々の様子は、具体的な内容や写真を添え、利用者の取り組みやその場面が思い浮かぶような文章にすることがポイントです。

例:リハビリを楽しみながら頑張っている様子を伝えたいとき

リハビリではときおり笑顔を見せながら、一つひとつていねいに取り組んでいらっしゃる姿がとても頼もしく感じられました。

書き方③結び|家族へのお礼の言葉

最後は、家族を気遣う言葉やお礼を添えます。困っていることや、聞きたいことはないかなどをうかがい、感謝の言葉とあわせて次のような文で簡潔にまとめましょう。

・今まで以上にどうぞご自愛下さいませ。
・暑い日/寒い日が続いておりますので、体調にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

手紙を書く時の注意すべきポイント


利用者の家族へ手紙を書くときには、マナーや注意すべきポイントがあります。

言葉遣い|ていねいで正しい日本語を使う

家族に不信感や不快感を与えないために、言葉遣いには注意が必要です。くだけた文章にしたり、フランクにしすぎたりせず、ていねいで正しい日本語を使いましょう。

手紙の内容は、利用者の印象が悪くなるようなことは避け、家族の気分を害さないようにも注意します。

家族の心配を解消する

食事の様子や、睡眠時間、体調面など、家族が心配していることについて、現状の説明をすることも大切です。食事の内容や食べている量、何時に寝ていて、夜起きたりしないかどうか、体調の変化などなるべく詳しく伝え、心配を解消するよう心がけましょう。

重要・緊急な場合は手紙ではなく電話

病院への通院が必要になった場合など、緊急時は手紙ではなく電話で伝えます。手紙は届くまでに日数がかかり、いつ読まれるかも分からないもの。なぜ早く伝えなかったのかと不満につながる恐れがあるため、電話で伝えることが大切です。

利用者やその家族とのかかわり方


介護支援専門員は利用者やその家族と信頼関係を築き、適切なサービスが受けられるようにしなければなりません。そのためにはどのようにかかわるとよいのか、具体的に紹介します。

誠意を持ち親身な対応を心がける|信頼関係を構築する

利用者やその家族にとって、介護保険のプロである介護支援専門員は頼れる存在であってほしいもの。信頼関係を構築するためには、誠意を持って話を聴く姿勢や共感を示し、相手の気持ちに寄り添ったアドバイスや、親身な対応を心がけることが大切です。

利用者の要望だけでなく人柄なども知る

適切なケアプランやサービスを提供するためには、利用者やその家族が、困りごとについてどうしたいのか要望を聞くことが大切です。

ほかにも、人柄やくせ、得意なことや不得意なこととあわせて、担当医など利用者に関係する専門職からも話を聞きましょう。

利用者や利用者が置かれている環境についてたくさんの情報を得ることで、より確かな心身の状態を把握することができます。

家族と密に情報を交換し理解を得る|家族によって事情はさまざま

介護は利用者家族の理解や協力が不可欠です。

居宅介護であれば利用者の自立した生活をサポートするために、施設介護であれば利用者の精神面のサポートや代弁者として、家族の協力をあおぐ必要があります。日頃から密に情報を交換し、理解を得られるよう心がけましょう。

しかし、人によって事情はさまざまで、家族とコミュニケーションがうまく取れないこともあります。そういったときには、地域包括支援センターなど必要な機関と協力することも必要です。

利用者やその家族に寄り添い、適切な機関とケアプランを決めよう


介護支援専門員は、ひとりひとりに合ったケアプランを作成し、必要なサービス提供者へつなぐことによって、利用者やその家族をサポートします。適切なケアプランとサービスを提供することができれば、感謝されることも多くやりがいのある仕事です。

利用者やその家族に寄り添う姿勢を大切にし、サービス提供者や関係機関との密な情報交換をおこないながら、適切な機関とケアプランを決めましょう。

引用元
神奈川県:かながわ感動介護大賞 ありがとうカード感動推奨事例の紹介(平成24年度から30年度)
厚生労働省:介護支援専門員(ケアマネジャー)
厚生労働省:介護保険法(◆平成09年12月17日法律第123号)

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