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特集・コラム 2023-07-07

柔道整復師と理学療法士の4つの違いとは? どんな人が向いているの?

柔道整復師と理学療法士は、競技や日常生活における運動機能の回復をサポートする職業です。しかし、両者の具体的な違いについて、よくわからない方も多いでしょう。

この記事では柔道整復師と理学療法士の違いや向き不向きについて紹介。柔道整復師と理学療法士、どちらの職業を目指すべきか悩んでいる方は、参考にしてみてください。

柔道整復師と理学療法士の4つの違いとは?

柔道整復師と理学療法士の二つの職業の間には、どのような違いがあるのでしょうか?資格や仕事内容、就職先、給与水準などの具体的な4つの違いについて紹介していきます。

1.資格が違う

柔道整復師と理学療法士は、取得する資格と履修するカリキュラムが異なります。ここでは、それぞれの資格の違いとカリキュラムの特徴について見ていきましょう。

柔道整復師の資格とは

柔道整復師になるためには、高校卒業後に専門学校・短大・大学において、解剖学・生理学・病理学・衛生学の知識に加え、柔道整復の技術を3年以上修得し、柔道整復師試験に合格する必要があります。

理学療法士の資格とは

その一方で、理学療法士になるためには、高校卒業後に専門学校・短大・大学において、解剖学・生理学・病理学・衛生学の知識に加え、臨床医学・地域リハビリテーション・理学療法を3年以上学ぶ必要がある点が特徴です。

理学療法士の資格内容や取得方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

理学療法士の資格を取得するには?試験内容や受験ルート、勉強法を紹介

2. 仕事内容が違う

柔道整復師と理学療法士では、仕事内容にも違いがあります。ここでは、それぞれの仕事内容の違いを明確にして、自分が目指すべき職業はどれか検討しましょう。

柔道整復師の仕事とは

柔道整復師とは、スポーツ競技や日常生活を送っている中で生じた打撲や骨折、捻挫などの損傷に対して、外科的処置や薬品の投与ではなく、手を用いた応急的処置や医療処置によって、一般的な動作の回復をはかる仕事です。

主な仕事の流れは、患者が受けた損傷の程度を評価し、処置を行い、患部を正常な状態に戻して固定します。その後も治療を施し、ケア後のアドバイスをしていくことが仕事です。ただし、脱臼や骨折をしている場合の処置は、医師の同意の元で行うことが求められています。

患者の受けた損傷を評価して、適切な応急処置・医療行為を行い、その後の患者の生活において問題が起きないように、アドバイスを行っていく職業です。

理学療法士の仕事とは

理学療法士は、何らかの原因で身体に障害がある患者の身体機能を改善し、日常生活に支障をきたさないよう動作の回復を目指します。理学療法士の対象患者は、事故による障害・脳性マヒなど、小さい子供から大人まで幅広い障害が含まれる点が特徴です。

理学療法のメイン業務は運動療法で、筋力増強練習や歩行練習などを通じて日常動作を獲得し、自立した日常生活を送れるようサポートします。他にも電波刺激や温熱刺激などを使う物理療法が行われることもあります。

理学療法士の具体的な仕事内容については、以下の記事も参考にしてみてください。

理学療法士の仕事内容とは?働き方や活躍の場所、資格取得までのルートを紹介

3. 主な就職先が違う

柔道整復師と理学療法士では、資格取得後の就職先が異なります。柔道整復師はスポーツに関わる仕事が多い一方で、理学療法士はリハビリ関連施設で働くことが多いです。

柔道整復師の就職先とは|開業権あり

柔道整復師の就職先には、下記のような職場が挙げられます。

・接骨院(整骨院)
・整形外科
・スポーツジムのトレーナー
・介護施設
・独立

スポーツに携わる現場もある一方で、介護現場や接骨院など、運動動作のリハビリに従事する場合もあり、就職先は幅広いです。中には、企業の福利厚生の一環として、契約社員という形で社員の整体を行う柔道整復師もいます。

独立開業権があるので、自分のビジネスを開業することもできます。

柔道整復師の主な就職先についての詳細は、下記の記事を参考にしてみてください。

柔道整復師の主な就職先を紹介! 病院勤務・整形外科で働く柔道整復師の仕事内容とは?

理学療法士の就職先とは|開業権なし

理学療法士の就職先には、下記のような職場が挙げられます。

・医療施設
・老人福祉施設
・児童福祉施設
・診療所
・身体障害者福祉施設
・教育施設

運動療法や物理療法を通して、日常生活を送るのが難しい身体障がい者に対して、身体的なサポートをする場所が主な職場。医療施設や福祉施設、教育施設が多いです。

4. 給与が違う

柔道整復師と理学療法士は、給与水準に違いがあります。ここでは、全国的に見た給与水準の違いについてチェックして、職業選択をする際の判断基準にしてみてください。

柔道整復師の給与はどれくらい?

『令和4年度 賃金構造基本統計調査』によれば、柔道整復師のほかに鍼灸師などの職種が含まれる「その他の保健医療従事者」の平均給与は下記の通りです。

引用元:厚生労働省:令和4年度 賃金構造基本統計調査

理学療法士の給与はどれくらい?

『令和4年度 賃金構造基本統計調査』によれば、理学療法士の平均給与は下記の通りです。下記のデータには作業療法士や言語聴覚士なども含まれます。

引用元:厚生労働省:令和4年度 賃金構造基本統計調査

向いている人に違いはある?

柔道整復師と理学療法士は、それぞれ仕事内容が異なり、向いている人とそうでない人もいます。ここでは、それぞれの職業に向いている人の特徴について見ていきましょう。

柔道整復師に向いている人とは?

柔道整復師に向いている人は、患者の身近でリハビリをサポートしたいと考えていて、ゆくゆくは独立開業も視野に入れている方です。柔道整復師は、医療機関だけでなく、整骨院や介護施設、スポーツ関連施設など、働ける職場が幅広いのが特徴。患者の身近にいながらリハビリサポートをし、回復するまでの道のりを一緒に歩んでいけます。

理学療法士に向いている人とは?

理学療法士に向いている人の特徴は、ケガや障害に悩んでいる患者が自立するサポートをして、患者の笑顔を見たい、他の職種の人と協力しながらリハビリサポートをしたい方です。理学療法士は、患者やその家族だけでなく、看護師や医師、介護福祉士などと連携しながら、患者にとってベストなリハビリプランを考え、アフターサポートまでフォローします。

患者と徹底的に向き合えて、他職種のスタッフと協力できる方に向いているでしょう。

違いを押さえて自分に合った方を選ぼう!

柔道整復師と理学療法士の違いは、前者はスポーツや日常生活における動作の回復、後者がケガ・障害を抱えている方に、日常生活への復帰サポートをする点が異なります。

就職先や給料などにも違いがあり、向き不向きもあるので、自分に合った職業はどれかを検討して、後悔のない職業選択をしていきましょう。

引用元
厚生労働省:柔道整復師-職業詳細
厚生労働省:理学療法士(PT)-職業詳細
厚生労働省:令和4年度 賃金構造基本統計調査

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