柔道整復師の主な就職先を紹介! 病院勤務・整形外科で働く柔道整復師の仕事内容とは?
柔道整復師にはどのような就職先があるのか、気になる人も多いでしょう。柔道整復師といっても、職場は整形外科だったり接骨院だったりします。また、スポーツトレーナーとして活躍している人もいますし、介護・福祉領域で仕事をする人もいます。
そこで本記事では、柔道整復師の主な就職先についてと実際の仕事内容について詳しく解説します。
柔道整復師の主な就職先を紹介! 病院勤務の仕事内容とは?
柔道整復師にはどのような就職先があるのでしょうか。ここでは柔道整復師の主な就職先について詳しく解説します。
実際に柔道整復師として活動している人の記事については下記をご覧ください。
わからないことは、全て患者さんに教わってきた 【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.52 柔道整復師 齋藤洋一郎さん #1】
自分の信念を忘れずに、目の前の患者さんと向き合うことを大切に【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.52 柔道整復師 齋藤洋一郎さん #2】
1. 接骨院・整骨院|保険診療&自由診療による施術
柔道整復師の就職先として基本的な進路になるのが接骨院・整骨院です。柔術の「殺法」と「活法」のうち、活法を用いて負傷者を蘇生したり治療を施したりします。
主な仕事内容としては、患者を観察したり、触診し患者の状態を評価する仕事があります。患者の状態を評価した後は、整復とよばれる技術で、関節のズレや骨の損傷などを正常な状態に戻し、リハビリテーションをしながら治療経過を観察します。
2. スポーツ分野|スポーツトレーナーなど
柔道整復師としての就職先としてスポーツ分野への就職もあります。特にスポーツトレーナーは主にプロのアスリートや実業団の選手を対象に、トレーニング指導・メンテナンス・健康管理の役割を担います。
日本スポーツ協会から公認アスレティックトレーナーと呼ばれる資格があり、医療資格者へ引き継ぐまでの救急対応までの役割は、アスレティックトレーナーが担えます。
現役で活動するスポーツトレーナーの9割は柔道整復師・鍼灸師の資格を保有していて、マッサージやストレッチの指導などの役割に柔道整復師の業務は大きく貢献できます。
スポーツトレーナーについての詳しい内容については下記の記事を参考にしてください。
スポーツトレーナーはどんな仕事をするの?|スポーツトレーナーを目指せる学校や資格を紹介!
3. 病院・医療機関|整形外科・リハビリテーション科など
病院・医療機関へ就職する柔道整復師は、多くの場合整形外科やリハビリテーション科で働きます。整形外科では、リハビリテーション・骨折からの整復・ギブスの作成および装着・テーピングなどがあります。
病院勤務の柔道整復師は、医師の診察をサポートしながら、医師の判断を仰ぎ施術を行います。整骨院・接骨院では学べない知識・技術に触れることもできるのが、柔道整復師として病院・医療機関へ就職するメリットでもあります。
4. 介護・福祉分野|介護施設など
柔道整復師の就職先として、介護・福祉分野もあります。日本は高齢化社会が進んでいるので介護業界で「機能訓練指導員」として活躍している柔道整復師も多くいます。
下記では機能訓練指導員について詳しく解説します。
柔道整復師は機能訓練指導員にもなれる!
柔道整復師は、機能訓練指導員にもなれます。機能訓練指導員とは、リハビリが必要な人に対してリハビリ指導・リハビリメニューを考案する職業です。
機能訓練指導員は、指定の国家資格を保有している必要があり、柔道整復師も指定されている国家資格に該当します。
また、特別養護老人ホームやデイサービスを提供している事業所では、規定人数以上の機能訓練指導員を配置する必要があるので介護業界においても需要が高いのが柔道整復師といえるでしょう。
もちろん、持っている国家資格によって機能訓練指導員としてのポジションは変わりますが、筋肉や骨といった運動器官への知見が深い柔道整復師は、介護施設でも重宝されます。
機能訓練指導員について詳しい内容は下記の記事を参考にしてみてください。
機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容とは|柔道整復師の機能訓練指導員は需要がある?
5. 独立開業|技術と経験を活かして開院
柔道整復師は、独立し開業する選択肢をとることもできます。開業するためには、柔道整復師としての技術はもちろんですが、経営に必要な知識・スキルも必要になります。
施設管理者としての要件や事業計画、店舗の内装や備品管理、保険の取り扱いなど柔道整復師としての業務よりも独立開業した場合は業務が多岐にわたります。
柔道整復師として独立開業は、開業してからがスタート。柔道整復師として開業するために必要なことについては下記の記事を参考にしてください。
柔道整復師が開業するために必要なこととは? 開業までの流れを解説!
柔道整復師の将来性は? 需要は高いの?
柔道整復師の需要と将来性について気になっている人も多いでしょう。ここでは柔道整復師の需要と将来性について詳しく解説します。
柔道整復師は需要が高い!|活躍できる場所が多い
柔道整復師は、就職先について紹介したように幅広い業界で活躍できます。その一つの理由として手術を行わない施術ができるからです。高齢者や体に傷が残るのを嫌がる人には、柔道整復師の持つ技術はとても役立ちます。
そのため、どの業界にいっても重宝されることが多く需要が高い職業といっても過言ではないでしょう。
これからはどうなる? 柔道整復師の将来性
柔道整復師は、日本人口の高齢化にともなって、福祉分野でも活躍できる地域医療の担い手としても活躍できるようになりました。
他にもスポーツトレーナーとしての需要も高まりつつあり、分野に通じた資格を併せ持つことで柔道整復師よりも活躍できる可能性が広がるでしょう。
押さえておきたい医療系資格の違いを紹介! ダブルライセンス取得を目指すなら?
柔道整復師には似たような資格がいくつかあります。ここでは他の医療系資格との違いについて解説しながら、柔道整復師と併せ持つとおすすめの資格について紹介します。
理学療法士との違いとは|開業権アリ・ナシ
柔道整復師と理学療法士の違いは、怪我をした人の治療や機能を回復させるという点において共通ですがやり方に違いがあります。
柔道整復師の場合には、自分の手技を使って捻挫・脱臼・骨折などを治療する一方で、理学療法士は運動療法と物理療法(電気刺激や温熱など)を組み合わせて運動能力を回復させます。
また、理学療法士の場合は独立開業権がありませんが、柔道整復師は独立開業権を持っているので自分で店舗を開業することができます。
理学療法士についての詳しい内容については下記の記事を参考にしてください。
整体師との違いとは|民間資格・国家資格
柔道整復師と整体師の違いは、資格区分の違いと施術内容の違いがあります。柔道整復師は国家資格なので3年以上養成施設で知識と技能を修得することで受験資格を得られます。
整体師は民間の資格なので各団体が定めた条件や試験をクリアできれば資格をもらえますし、資格がなかったとしても整体師を名乗ることができます。
施術内容としては、整復法・固定法・後療法といった施術を行うのが柔道整復師で、慢性的な疾患の施術を覗いて保険診療が適用されます。
一方で整体師は、回路プラティックやリフレクソロジーといわれる民間療法で施術を行うため、保険診療はできません。
また、柔道整復師は、接骨院・整骨院・介護福祉施設・医療施設で働くことができ、整体院に就職・転職することもできますが、整体師は整体院・リラクゼーションサロン・カイロプラティックサロンなどの資格が不要な場所でしか働くことができません。
整体師と柔道整復師の違いについては下記の記事で詳しく解説しています。
柔道整復師と整体師の違いとは? 柔道整復師の資格を取得するメリットを解説!
鍼灸師との違いとは|ダブルライセンスにおすすめ
柔道整復師と鍼灸師の違いは、手技を使って捻挫・脱臼・骨折を治すのか、身体の不調を治すのかという違いがあります。
鍼灸師は、鍼(はり)や灸(きゅう)その他赤外線レーザーや低周波通電などを用いて、経穴(いわゆるツボ)を刺激し身体の持つ力を活性化させることを専門としています。
鍼灸師は国家資格でもあり、資格は「はり師」「きゅう師」に分けられています。柔道整復師と併せ持つことで仕事の幅が大きく広がるのでダブルライセンスにはおすすめです。
鍼灸師と柔道整復師の違いについて詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
鍼灸師と柔道整復師はどこが違うの? 仕事内容や資格・お給料の違いを紹介!
あん摩マッサージ指圧師との違いとは|ダブルライセンスにおすすめ
あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師の違いは、捻挫・脱臼・骨折を治療するのか、手技で身体を整えるのかに違いがあります。
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩術・マッサージ術・指圧といった技術を用いて、血液の循環を促したり、ツボを圧迫し体が本来持っている力を引き出したりといった施術をします。
このあん摩マッサージ指圧師は、医療系の国家資格でもあり、柔道整復師と併せて持つことで自信のキャリアの幅を広げられるでしょう。
あん摩マッサージ師についての詳しい仕事内容については下記の記事を参考にしてください。
あん摩マッサージ指圧師の仕事内容が知りたい! 柔道整復師や鍼灸師との違いとは? 資格は必要なの?
柔道整復師は活躍できる職場が多い!
柔道整復師には主な就職先として接骨院・整骨院があります。しかしそれ以外にもスポーツ分野や整形外科などの病院、介護福祉施設といった幅広い就職先が考えられます。
柔道整復師以外の資格も併せ持つことで自分自身のキャリアや活躍の場が広がるので、自分の目指している業界・やりたいことに併せて未来を切り拓いてくださいね。
引用元サイト
JSPO(日本スポーツ協会):アスレティックトレーナー