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介護・看護・リハビリ 2020-02-06

グループホームの志望動機・職務経歴書の例文も!行うべき面接対策とは?

日々高齢化が進む日本で、多様化する高齢者向けの介護施設。各施設の入居者が必要とする介護レベルに応じて、入居対象となる施設も異なってきます。中でも認知症を患った高齢者へ特化し、普通の生活を共同で送りながら症状の進行を遅らせることが目的の「グループホーム」は、通常の老人ホーム・介護施設には無い特徴があります。グループホームへの就職の面接では、その特徴を十分に把握しておくことが重要です。

グループホームの特徴

グループホームは認知症の高齢者に特化した介護施設です。少人数で家族のような共同生活を送ることで、病気の進行を遅らせることが目的のため、比較的軽度の認知症患者が入居します。スタッフの役割は、高齢者が主体となって生活することをサポートし、緊急時には認知症に対して正しい知識をもって対応することが求められます。

この他にも機能訓練や食事・掃除などのサポートなどが挙げられますが、グループホームは医療処置を前提とした施設ではないため、重度の認知症患者は基本的に受け入れていません。また、患者の入所基準には「施設のある自治体に住民票があること」が条件となっているため、地域密着型のサービスであることも大きな特徴です。

そして、介護というよりは認知症の機能訓練として「レクリエーション」に主眼を置いていることが多いため、少人数で家族のようなアットホームな雰囲気です。これらの特徴を十分に理解したうえで面接に臨みましょう。

志望動機は体験を交えて書こう

志望動機を作成する際はよくある例文を、そのまま記載してはいけません。採用担当は月に何十人も面接を行っているので、一般的な面接対策本に載っているような志望動機を記載すると、簡単にばれてしまうからです。

実際に自分自身が採用担当になったと想像して考えていただきたいのですが、就職の参考書に掲載されているようなありきたりな志望動機を見ても、興味を持ちにくいですね。だから志望動機は自分自身の言葉で書かなければなりません。では一体どうすれば、自分自身の言葉で表現することができるのでしょうか。

そのポイントは自分自身の体験を交えて書くことです。体験を交えたものであれば、オリジナリティーのあるものとなり、しっかりと考えたものだと伝わります。そして採用担当の印象にも残りやすくなるのです。当然ですが採用は複数の候補者の中から比較検討された上で決定されます。だから採用担当の印象に残っていた方がより、受かりやすくなるのです。

何故グループホームで働きたいのかを明確にしよう

しっかりとした志望動機を作るためには、その前提として、グループホームで働きたい理由を明確にしなければなりません。これは採用担当者の目線に立てばわかることですが、なぜ有料老人ホームではなく、特別養護老人ホームでもなく、グループホームで働きたいのか。採用担当者はその理由を知りたいのです。

漠然と介護の現場で働きたいと考えているだけでは、こういった具体的なところに答えるのは難しいかもしれません。グループホームと他の介護施設との違いを理解した上で、なぜグループホームで働きたいのか、それを明確にすることが大切です。それができれば、介護業界について、ある程度の理解あることをさりげなく伝えられることができます。また深く考えている人、もしくは勉強熱心だという印象も残すことができるでしょう。

介護業界での仕事は日々の勉強が何よりも重要になります。勉強することで資格取得につながり、資格が取得できれば昇給や昇格もできる可能性が拡がります。だから採用担当者には、極力勉強熱心な印象を与えた方が、採用される可能性を高めることができるのです。

介護職員としてグループホームへ就職する際の志望動機・例文

では以下に、グループホームに就職する際の志望動機・例文を紹介します。

「私が御社で働きたいと思った理由は、学生時代にグループホームでボランティアした経験からきています。私は大学在学中に、夏休みを使って近所のグループホームでボランティアをしていました。その時に献身的に働いている職員の方を見て、自分もこのような働き方がしたいと感じたのです。前職は全く別の業界ではありますが、今回転職するにあたり、過去のボランティア経験を思い出し、今回御社への入社を志望させていただきました。」

この例文のポイントは、実際に自分が体験したボランティア経験を書いていることです。
ありきたりの志望動機を書くのではなく、このように体験を交えることで、志望動機がより真実味のあるものとなるのです。この例文は前職が介護職以外だった場合のものですが、直前の仕事が介護業界だった場合は、ボランティア経験ではなく、前職の経験を具体的に書けばいいわけです。ポイントは体験に基づいて志望動機を考えることです。

ここまでグループホーム就職に向けた志望動機・例文についてお伝えしましたがいかがでしたか。グループホームで採用されるためには志望動機だけではなく、履歴書、職務経歴書の他の項目も、しっかりとしたものを用意する必要があります。そして志望動機を含めた履歴書・職務経歴書は、自分以外の第三者にチェックしてもらうことで、より完成度を高めることができるのです。あなたがもしグループホームへの就職を考えている場合は、まずは志望動機を作り込むこのことからはじめてみてはいかがでしょうか。

履歴書と職務経歴書は必ずセットで提出しよう

グループホームなど、介護福祉業界の就職となると職務経歴書を準備しない人がいますが、就活としてエントリーする際は、必ず履歴書と職務経歴書はセットにして提出しなければなりません。一般企業へのエントリーとなると、職務経歴書を省くケースはほとんどありません。しかしながら介護業界を希望する人は、パソコン操作が苦手な人が多いからかもしれませんが、職務経歴書を作成していない場合が少なくないのです。

これは逆説的に捉えるとチャンスでもあります。しっかりとした職務経歴書を作成して提出するだけで他の求職者と差別化ができる可能性があるからです。これは自分自身が採用担当者だったらと考えてみていただきたいのですが、履歴書だけを送ってくる求職者と履歴書と職務経歴書、両方をしっかりと作成して送ってくる求職者、いったいどちらの求職者と会ってみたいと思うでしょうか。それは当然後者ですよね。だから職務経歴書を作成すれば、履歴書の中でOAスキルがありますと記載するよりも、説得力のあるパソコンスキルのアピールにもなるのです。

職務経歴書には具体的な実績と数字を書き込もう

グループホームへ職務経歴書を提出する際は、実務経験を詳しく記載しましょう。特に以前介護業界で働いた経験がある場合はどれぐらいの入居者がいたのか、1日に介助していた人数は何人ぐらいなのか、夜勤は月に何回ぐらい勤務していたのか、そういった数字を詳しく記載していきましょう。そうすることで論理的で説得力のある職務経歴書となるからです。

これは客観的に2つの職務経歴書を並べてみるとわかることですが、数字が記載されているものとそうでないものとでは全く印象が変わります。数字が含まれていたら、暗黙のうちに、この求職者は数字のことをしっかりと考えて働ける人なんだということを伝えることができます。グループホームで介護職として就職するとなると、長く勤務していれば必ずリーダー的なポジションの業務が回ってきます。その時に必ず数字を意識した仕事の取り組み方は必要となってくるのです。

なのでもし採用枠が、正社員や、長期的な雇用を目的とした枠であれば、職務経歴書における数字の記載、というのはかなり重要なポイントとなるのです。

コミュニケーションスキルと介助の実務経験をアピールしよう

グループホームでの就職を目指すなら、職務経歴書にはコミュニケーションスキルと介助の実務経験のアピールも忘れてはいけません。特にコミニケーションスキルのアピールをする場合は、過去の仕事でどのようなトラブルを乗り越えたのかも説明できるようにしておきましょう。そのトラブルを乗り越えた経験から身につけたスキルや、考え方を職務経歴書に記載するのです。

それは必ずしも介護業界である必要はありません。
例えば前職がスーパーのレジ打ちであったとしても、レジが故障してしまった際や、スーパーが停電になってしまったなど、何かしらのトラブルに遭遇した経験があるのではないでしょうか。そういったトラブルにぶつかった時どのように乗り越えたのか、そしてそこから何を学んだのか、そういったことを記載するのです。

そうすることで、コミニケーションスキルと、仕事から学ぶ姿勢があること、つまり学習能力をアピールできますよね。このコミュニケーションスキルは、グループホームの業務で必ず必要なスキルとなります。

ここまでグループホームで就職するために、好印象な職務経歴書を作成する方法についてお伝えしましたがいかがでしたか。職務経歴書を作成する際は、漠然と作るのではなく数字を入れることや、アピールするポイントを意識するなど、重要なポイントをご理解いただけたのではないでしょうか。グループホームへの就職活動はしっかりとした履歴書と職務経歴書を作成するだけでかなり書類選考の通過率を高めることができます。あなたがもしグループホームに就職したい場合は、職務経歴書作成のポイントを意識してみてはいかがでしょうか。

グループホームへの就職面接で気をつけること

通常の老人ホームや介護施設とは違い、グループホームの目的は「生活の支援」です。そのため、あまり堅い雰囲気を出すよりは、物腰が柔らかい雰囲気のほうが印象は良くなるでしょう。「献身的に介護して患者の皆さんの役に立てるように」という意気込みよりも、「一人一人の患者さんの個性に合わせて対応したい」とか「認知症について勉強しながら、患者さんの力になりたい」といった表現をすることで、大きく印象も変わってくるはずです。

何よりも大切なのは、患者さんに寄り添う心であり、自分も一緒に成長していきたいという前向きな姿勢をアピールすることです。面接官も現場出身者だったり現役のスタッフであることが多いため、グループホームの特徴をよく理解したうえで面接官が共感できるような受け答えができれば有利といえます。

そして認知症に対しての理解が十分に伝わるようにアピールすることを忘れないようにしましょう。転職の場合は、今まで認知症患者に対してどのように対応してきたか、できるだけ詳しく伝えることで、面接官はあなたに対して興味を持ってくれるはずです。

ある程度の想定質問には準備しておく

やはり面接は緊張するもの。マニュアル通りの返答のようなテンプレートを用意するまではしなくても、頭の中が真っ白になって答えられない、といったことがないように、ある程度の質問は想定しておきましょう。志望動機、前職を辞めた理由、前職の経験、残業・夜勤について。これらはグループホームに限らず、どんな職種でも聞かれることではあるため、ある程度の返答は固めておきましょう。

前職で介護職などの経験がなく、今回が初めての介護業界だった場合はボランティアや身内の介護経験も一つの大きな武器になります。緊張して早口にならないように、ゆっくりでいいので相手に伝わる大きな声で話すようにしましょう。

面接では返答の内容はもちろんですが、あなたの人柄も見られていることを意識しておきましょう。面接官も一人の人間なので、質問に対してうまく答えられなかったことが多少あったとしても、その人の人柄や個性が目に止まれば良い結果に結びつくことも大いにあります。あまり気取りすぎず、普段通りの自然な姿でリラックスして臨んでください。

グループホームは2008年に始まった、比較的新しい介護の形態です。そのため、介護職経験者でもグループホームは初めて勤務するといった方が多く、認知症に特化した施設という特性上、面接では認知症患者に対する介護経験を聞かれることが多いです。「介護する」というよりも、生活の主役はあくまでも患者さんで、それを手助けしながら自分も一緒に成長していくという姿勢を見せることが何よりも大切であるといえます。

 

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