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特集・コラム 2022-07-10

未経験者には難しい?医療事務に挑戦するメリット・就職に有利に働く講座受講や資格について解説!

「未経験者にとって医療事務は難しい」と思っている方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。実際には実務未経験で、医療系の知識がゼロであっても挑戦することは十分に可能です。この記事では、その理由を詳しく解説していきます。

医療事務の仕事内容は、主に受付業務・会計事務・レセプト業務の3つ

病院やクリニックで働く医療事務の仕事内容は、大きく分けて下記の3つがあります。

いずれも医療保険制度や診療報酬点数表、各種ルールを正しく理解した上で正確に業務をこなすことはもちろん、患者様や医師との明るく丁寧な応対力が必要です。ここではそれぞれの業務内容について詳しく解説します。

医療事務の業務内容|受付業務

医療事務として一番イメージしやすい業務が受付です。受付窓口で保険証や診察券を患者様から預かって、期限切れがないか、本人のものかといった確認をした上で、内容を電子カルテへ登録し、診察室へ案内します。

そのため、医療保険制度を正しく理解して各種保険証を見て判断できるスキルが必要になります。

また、来院した患者様にとっては一番最初に接する存在のため、ここでの応対が良くも悪くも病院やクリニックの印象となってしまうことから、明るく愛想よく丁寧な応対が求められることも覚えておきましょう。

医療事務の業務内容|会計業務

医療事務の会計業とは、診療が終わり、待合室に戻られた患者様をお待たせすることなく、迅速に医療費を計算する業務です。

カルテと診療報酬点数表、医療保険から請求額を算出してお金を支払ってもらいます。そのためカルテの内容と差異がないかしっかりと確認できる正確さが必要です。

最近では電子カルテを導入している医療機関も多く、自動計算された内容をチェックするというのが主な業務といえるでしょう。

「機械的に計算されているから間違いがない」という先入観を持たず、人間の目による最終チェックを通すことで入力ミスなどの間違いをチェックするのが、医療事務における会計業務です。

医療事務の業務内容|レセプト業務

医療事務におけるレセプト業務とは、病院やクリニックなどの医療機関において最も重要な収入に関わる金額を計算し請求する業務です。

レセプト業務では、窓口で支払われた患者様の自己負担分(3割)を除いた金額(7割)を、保険者(健康保険組合、共済組合、市区町村など)に請求します。

医療機関では多くの場合電子カルテとなって自動化されているため、自動算出された金額のチェックをしていくことが主な作業です。

そのため、医療事務のスタッフは、金額を算出するためのルールを正確に理解して間違いのないように処理する能力が求められます。

レセプト業務において算出された金額が医療機関のメインとなる収入のため、間違いは許されないという責任感を持つことが大切でしょう。

未経験者が就職する上で有利に働く資格3選

医療事務として就職したいと思った時、有効に働くのが資格です。しかし、医療事務になるために必須とされている国家資格や公的な資格は存在しません。

医療事務に生かせる資格は、予備知識を得てから就職するという安心感を得たり、就職するのに有利になることが多いです。医療事務の資格にはいろいろな種類がありますが、その中から本記事では3つの代表的な資格をご紹介します。

未経験者が医療事務就職に役立つ資格①診療報酬請求事務能力認定試験

この資格は、診療報酬請求などを行うレセプト業務に特化しています。この試験はすでに現場で医療事務に従事する人のスキル一定化と向上が目的のため難易度が高いとされていて、レセプト業務のプロフェッショナルであることが証明される資格です。

年2回開催される公益財団法人日本医療保険事務協会の全国一斉統一試験を受験して合格する必要があります。合格率は医科で30%、歯科で40%前後。試験内容は学科と実技に分かれており、試験時間は全部で3時間です。

合格基準は医科と歯科で異なり、以下のように歯科の方が100点満点中の合格基準点が少し高めに設定されています。

未経験者が医療事務就職に役立つ資格②医療事務技能審査試験(メディカル クラーク(R))

医療事務技能審査試験(メディカル クラーク(R))とは、受付、診療報酬請求事務、患者様との接遇など、総合的なスキルをチェックするための資格です。レセプト業務特化型の診療報酬請求事務能力認定試験とは少し違いがあります。

試験内容は実技が2種類、学科1種類の合計3つに分かれており、実技は患者接遇と診療報酬請求と診療報酬明細書の試験。学科は医療事務の筆記試験で、試験時間は合計3時間です。

学科と実技の両方において正解率が70%に達した場合に合格という基準に設定されています。もし学科もしくは実技で70%を下回ったとしても6ヶ月間は70%を超えた科目の再試験は免除されます。

この資格は業界内でも認知度と信頼度が高いので人気のある資格です。試験の開催頻度として毎月開催されているにもかかわらず多くの人が受験している資格でもあります。

未経験者が医療事務就職に役立つ資格③医療事務検定試験

医療事務検定試験は、医療保険制度や患者様への応対、医療費算定・請求事務といった医療事務をする上で基本になる内容の知識を兼ね備えているかどうかが問われる資格です。

未経験から医療事務に就職・転職する場合、こうした「基本を押さえることができる資格」を活用するとよいでしょう。

合格率は90%前後で試験も毎月第4日曜日に開催されています。合格基準については非公開となっているため、事前にしっかりと学習してから受験するようにしておくことを心がけましょう。

医療事務検定試験にも実技と学科がありますが、試験時間は2時間と短めになっています。初心者にも優しく、難易度もそこまで高くないので初めて受けるには適している資格です。

未経験者が医療事務で働く3つのメリット

ここまでは医療事務の業務内容と就職・転職に役立つ資格について紹介しました。ここからは、医療事務で働く3つのメリットについて詳しく解説します。

初心者でも挑戦しやすい仕事である

医療系の他の仕事と異なり、医療事務として働くために特別な国家資格や公的資格が必要ないため、未経験かつ初心者でも挑戦しやすい仕事であることはメリットといえるでしょう。

医療事務において重視されるのは資格よりも現場経験であることが多く、医療事務としての経験が長くなるほど医療機関では重宝されることが多いです。

医療事務として経験を積むことで「診療情報管理士」などへのキャリアアップの道も見えてきます。「診療情報管理士」では、データ管理をメインで扱う専門職であるため、医療事務の経験を活かしながら医療関係の異業種に転向できるのもメリットの1つです。

ブランクがあっても働きやすい

医療事務で重要視されるのは実務経験であることから年齢制限も設けられていない場合が多く、何らかの理由で離職していたとしても再度医療事務に復帰しやすい業種でもあります。

子育てやパートナーの転勤、家族の介護などで離職、休職していたとしても、再就職先を探したときに求人の数も多く、離職・休職前の実務経験が長いほど就職しやすいです。

ただし、医療業界は制度や法律が改正されることも多いため、再度復帰したいと思ったときには情報をキャッチアップし、知識や技術をバージョンアップすることも大切です。

業務の幅が広いため様々なスキルが身につく

医療事務は、患者さんの受付・事務管理・医療費計算・医師を含む多くの人との応対など、対応する業務範囲がとても広いことが特徴です。

そのため、医療事務を通して全くの異業種・異分野でも活躍できるだけの複合的なスキルを知らず知らずのうちに習得できていることが多く、実務経験があればそれらのスキルを持っているとみなされることもあります。

一般事務はもちろん、接客や看護師といった多種多様な分野でも活躍することができるでしょう。多種多様な分野へ転職しやすいというのは大きなメリットではないでしょうか。

まとめ|医療事務の仕事は未経験者でも挑戦できる

医療事務は未経験者からでも挑戦しやすい上に、キャリアアップも目指しやすい職業です。自分自身の努力でさまざまなキャリアパスを描きやすいというのが、医療事務のメリット。

もし未経験でも「医療事務を目指してみたい」と思った方は、各種資格試験の内容を調べたり、求人に応募し医療事務を目指してみてはいかがでしょうか。

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