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特集・コラム 2024-08-21

医療事務は未経験だと難しい? 仕事内容と未経験から目指す方法を紹介

医療事務は、高度な専門資格を取得していなくてもチャレンジできる事務職です。日本全国にある医療機関すべてで需要のある職種で、首都圏に限らず地方にも求人があるため、未経験から医療事務の仕事に挑戦してみたいと考える方も多いのではないでしょうか?

ただし、未経験では難しい点もあるのではないかと心配している方もいるでしょう。

この記事では、医療事務の主な業務内容や難しいポイント、未経験者が医療事務で働く3つのメリット、取得しておくと有利に働く3つの資格、職探しのポイントを紹介します。

また、履歴書を書くポイントや面接で好印象を与えるポイントも解説します。

未経験から医療事務としての就職を目指している方は参考にしてください。

どんなところが難しい? 医療事務の仕事内容を紹介

病院やクリニックで働く医療事務の仕事内容は、大きく分けて下記の3つがあります。

・受付業務・・・窓口で保険証の確認と診察券の内容確認など
・会計業務・・・診療報酬の計算とその確認など
・レセプト業務・・・診療報酬明細書を作成・点検など

いずれも医療保険制度や診療報酬点数表、各種ルールを正しく理解した上で正確に業務をこなすことはもちろん、患者や医師との明るく丁寧な応対力が必要です。ここではそれぞれの業務内容について詳しく解説します。

受付業務

医療事務として一番イメージしやすい業務が受付です。受付窓口で保険証や診察券を患者から預かって、期限切れがないか、本人のものかといった確認をした上で、内容を電子カルテへ登録し、診察室へ案内します。

そのため、医療保険制度を正しく理解して各種保険証を見て判断できるスキルが必要になります。

また、来院した患者にとっては一番最初に接する存在のため、ここでの応対が良くも悪くも病院やクリニックの印象となってしまうことから、明るく愛想よく丁寧な応対が求められることも覚えておきましょう。

会計業務

医療事務の会計業とは、診療が終わり、待合室に戻られた患者をお待たせすることなく、迅速に医療費を計算する業務です。

カルテと診療報酬点数表、医療保険から請求額を算出してお金を支払ってもらいます。そのためカルテの内容と差異がないかしっかりと確認できる正確さが必要です。

最近では電子カルテを導入している医療機関も多く、自動計算された内容をチェックするというのが主な業務といえるでしょう。

「機械的に計算されているから間違いがない」という先入観を持たず、人間の目による最終チェックを通すことで入力ミスなどの間違いをチェックするのが、医療事務における会計業務です。

レセプト業務

医療事務におけるレセプト業務とは、病院やクリニックなどの医療機関において最も重要な収入に関わる金額を計算し請求する業務です。

レセプト業務では、窓口で支払われた患者の自己負担分(3割)を除いた金額(7割)を、保険者(健康保険組合、共済組合、市区町村など)に請求します。

医療機関では多くの場合電子カルテとなって自動化されているため、自動算出された金額のチェックをしていくことが主な作業です。

そのため、医療事務のスタッフは、金額を算出するためのルールを正確に理解して間違いのないように処理する能力が求められます。

レセプト業務において算出された金額が医療機関のメインとなる収入のため、間違いは許されないという責任感を持つことが大切でしょう。

医療事務の仕事が大変だと思われる理由とは?

未経験でも働ける医療事務ですが、大変なポイントや事前に知っておきたい注意点がいくつかあります。ここでは、医療事務が大変だといわれる理由をチェックしましょう。

収入が低め

医療事務の仕事が大変だといわれる最も大きな理由のひとつが、平均収入が低い傾向にある点です。厚生労働省が公開している「職業情報提供サイト jobtag」によると医療事務の平均年収は全国平均で478万3,000円で、求人賃金の全国平均は20万5,000円となっています。

その一方で、一緒に働く機会も多い看護師の平均年収の508万2,000円、求人賃金の全国平均の25万3,000円と比較すると、医療事務の給与は低めであることがわかるでしょう。

またjobtagによれば、正社員として働く医療事務は68.6%で最も多い一方で、パートタイマーとして働く方も54.9%と多くなっています。年収・月収が低いという意見が上がる背景には、正規雇用だけでなく非正規雇用も多い点があるようです。

ただし、これは言い換えると、さまざまな働き方に柔軟に対応できるともいえます。経験を積んでスキルを身につけることで、大幅な収入アップも目指せるでしょう。

引用元
職業情報提供サイト jobtag:医療事務
職業情報提供サイト jobtag:看護師

知識やスキルを磨き続ける必要がある

医療事務は、窓口で医療機関の利用者と医療機関で働く人とをつなげる重要な仕事です。薬剤名や病名、レセプトの仕様などを覚え、法改正や世間の状況の変化によって新しい技術や知識を身につけていく必要があり、大変だと感じる方も少なくありません。

未経験者が医療事務で働く3つのメリット

未経験者が医療事務として働いていく中で、給与面や覚えることが多いといった点で大変に思う瞬間がありますが、無資格・未経験で挑戦でき、妊娠・出産・介護などの理由で離職していても復職しやすく、スキルや知識が身につきやすいという魅力もあります。

医療事務として働くメリットを再確認して、就職を目指すべき理由を明確にしましょう。

初心者でも挑戦しやすい仕事である

医療系の他の仕事と異なり、医療事務として働くために特別な国家資格や公的資格が必要ないため、未経験かつ初心者でも挑戦しやすい仕事であることはメリットといえるでしょう。

医療事務において重視されるのは資格よりも現場経験であることが多く、医療事務としての経験が長くなるほど医療機関では重宝されることが多いです。

医療事務として経験を積むことで「診療情報管理士」などへのキャリアアップの道も見えてきます。「診療情報管理士」では、データ管理をメインで扱う専門職であるため、医療事務の経験を活かしながら医療関係の異業種に転向できるのもメリットの1つです。

ブランクがあっても働きやすい

医療事務で重要視されるのは実務経験であることから年齢制限も設けられていない場合が多く、何らかの理由で離職していたとしても再度医療事務に復帰しやすい業種でもあります。

子育てやパートナーの転勤、家族の介護などで離職、休職していたとしても、再就職先を探したときに求人の数も多く、離職・休職前の実務経験が長いほど就職しやすいです。

ただし、医療業界は制度や法律が改正されることも多いため、再度復帰したいと思ったときには情報をキャッチアップし、知識や技術をバージョンアップすることも大切です。

業務の幅が広いため様々なスキルが身につく

医療事務は、患者さんの受付・事務管理・医療費計算・医師を含む多くの人との応対など、対応する業務範囲がとても広いことが特徴です。

そのため、医療事務を通して全くの異業種・異分野でも活躍できるだけの複合的なスキルを知らず知らずのうちに習得できていることが多く、実務経験があればそれらのスキルを持っているとみなされることもあります。

一般事務はもちろん、接客や看護師といった多種多様な分野でも活躍することができるでしょう。多種多様な分野へ転職しやすいというのは大きなメリットではないでしょうか。

未経験者が就職する上で有利に働く資格3選

医療事務として就職したいと思った時、有効に働くのが資格です。しかし、医療事務になるために必須とされている国家資格や公的な資格は存在しません。

医療事務に生かせる資格は、予備知識を得てから就職するという安心感を得たり、就職するのに有利になることが多いです。医療事務の資格にはいろいろな種類がありますが、その中から本記事では3つの代表的な資格をご紹介します。

診療報酬請求事務能力認定試験

この資格は、診療報酬請求などを行うレセプト業務に特化しています。この試験はすでに現場で医療事務に従事する人のスキル一定化と向上が目的のため難易度が高いとされていて、レセプト業務のプロフェッショナルであることが証明される資格です。

年2回(7月・12月)開催される、公益財団法人日本医療保険事務協会の全国一斉統一試験を受験して合格する必要があります。合格率は医科で約31%、歯科で38%前後。試験内容は学科と実技に分かれており、試験時間は全部で3時間です。

引用元
公益財団法人 日本医療保険事務協会:診療報酬請求事務能力認定試験の概要

医療事務技能審査試験|メディカル クラーク(R)

医療事務技能審査試験(メディカル クラーク(R))とは、受付、診療報酬請求事務、患者との接遇など、総合的なスキルをチェックするための資格です。レセプト業務特化型の診療報酬請求事務能力認定試験とは少し違いがあります。

試験内容は実技と学科に分かれており、実技は患者接遇と診療報酬請求と診療報酬明細書の試験。学科は医療事務の筆記試験で、試験時間は合計2時間です。

学科と実技の両方において正解率が70%に達した場合に合格という基準に設定されています。
引用元
日本医療教育財団:試験概要|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)

医療事務検定試験

医療事務検定試験は、医療保険制度や患者への応対、医療費算定・請求事務といった医療事務をする上で基本になる内容の知識を兼ね備えているかどうかが問われる資格です。

未経験から医療事務に就職・転職する場合、こうした「基本を押さえることができる資格」を活用するとよいでしょう。

日本医療事務協会の公式サイトによれば、学科試験は正誤問題が20問、記述問題5問で、実技試験は会計欄作成が外来・入院で1問ずつ出題されます。合格率は90%前後で試験は毎月第4土曜日に開催されています。合格基準については非公開となっているため、事前にしっかりと学習してから受験するようにしておくことを心がけましょう。

医療事務検定試験にも実技と学科がありますが、試験時間は2時間と短めになっています。試験結果は試験後約2週間後に送付されます。初心者にも優しく、難易度もそこまで高くないので初めて受けるには適している資格です。

引用元
日本医療事務協会:医療事務検定試験

自分にぴったりの職場を探すには

未経験者でも働きやすい医療事務ですが、業界未経験の人が自力で職場探しをするのは難しいでしょう。ここでは、おすすめの求人のリサーチ方法を紹介します。

1. 転職エージェントを利用する

医療業界に特化した転職エージェントを活用すれば、自分に合った条件の求人が見つかりやすいでしょうも。担当者に相談すれば、未経験からでもスタートできる求人も見つけてくれるはずです。

雇用形態・給与形態・福利厚生などを事前に確認できるのも大きな魅力です。

2. 求人サイトで探す

自分で医療事務の求人を探すなら、医療業界に特化した求人サイトを利用するのがおすすめです。転職エージェント経由では出てこないような中小の医療機関や、希望する給与形態、雇用形態の求人が見つかる可能性があります。

また、医療機関がアップロードした職場の雰囲気がわかる写真や働いている人の声が確認できるものもあり、希望に沿った職探しにはぴったりでしょう。

医療求人に特化したリジョブなら、豊富な求人の中から詳細検索機能を使い、自分に合った職場を探すことができます。就職満足度は98%※と非常に高いサービスです。

数多くある求人の中から、本当に自分に合った職場を探したい方におすすめです。

リジョブ:医療事務の求人・転職・募集

※ リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

医療事務の履歴書で押さえておきたいポイントとは

医療事務の就職活動で使う履歴書には、以下の内容を必ず記載しましょう。

・医療事務を志望する理由
・その医療機関で働きたい理由
・もっている経験やスキル
目標やキャリアプラン

まずは医療事務として働きたい理由と志望する職場で働きたい理由を採用担当者に伝わるように、具体的なエピソードを交えながら明確に書くことが大切です。

そして、今までの経験や身につけたスキル、知識をどのように活かせるのかをアピールします。こうすることで、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

医療事務の面接で好印象を与えるには

面接試験を突破するためには、業界・企業リサーチをおこない、志望動機や就職後の将来像を明確にし、面接で聞かれるであろう質問に対する答えを準備することが大切です。

面接当日には清潔感のある髪型や身だしなみを心がけ、明るくハキハキと応答しましょう。必ず結論から答えるようにすることで、相手に自分の意図が明確に伝わります。

入念に事前準備をして、面接当日には明るく明瞭に答えるようにしましょう。

医療事務の面接で好印象を与えるためのより詳しいポイントについては、以下の記事も参考にしてみてください。

医療事務の面接で受かるコツとは?事前準備と当日に必要なことについて詳しく解説!

医療事務の仕事は未経験者でも挑戦できる

この記事では、医療事務の業務内容や大変な理由、未経験から医療事務として働くメリット、就職に役立つ3つの資格、自分に合った職場探しのポイントを紹介しました。

医療事務の求人には正社員だけでなく、アルバイトやパート、非正規雇用などのさまざまな雇用形態があります。収入が低いと感じるケースや日々学ばなければならない点も多くあり、大変に感じる瞬間があるかもしれません。

ただし、未経験や無資格からでもはじめやすく、ブランクがあっても業務経験があれば復職しやすい仕事で、幅広いスキルや知識が身につきやすいという魅力もあります。

将来的には職務経験や資格取得をへて、キャリアアップを目指すこともできます。

自分に合った医療事務の職場を探すなら、医療業界に特化した求人サイトのリジョブがおすすめです。働きたいエリアや雇用形態・給与形態・福利厚生・駅近か否かなど、医療事務の職場を探す上で重要な条件に沿って、職場探しができます。

ぜひリジョブで自分に合った求人を探して、医療事務になるという夢を叶えてください。

リジョブ:医療事務の求人・転職・募集

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