グループホームで働く看護師の仕事内容とは？気になる給与や魅力・大変なことなどもまとめて紹介！

看護師の就職先は、医療機関以外にも介護施設などがあります。介護施設にも多くの種類があり、働き方や仕事内容もさまざまです。

この記事では、介護施設のひとつであるグループホームで働く看護師の仕事内容や給与、魅力・大変なことなどをまとめて紹介します。

グループホームとは？

グループホームとは、認知症対応型共同生活介護施設とも呼ばれる、認知症高齢者が共同生活を行う介護福祉施設のことです。

利用者に対して、専門の職員が日常生活のサポートや機能訓練を行い、ひとりひとりの能力に合わせて自立した日常生活が営めるようにすることを目的としています。

家庭的な環境のもとで生活し、地域住民との交流も行われるのが特徴です。施設と利用者にも特徴があるので詳しく見ていきましょう。

施設の特徴｜ユニットで生活

施設は原則、個室の居室・居間・食堂・台所・浴室などがある「ユニット」で、1ユニットあたり5～9人が生活できるよう設計されています。1事業所あたり3つまで運営可能です。

グループホームでは日中は利用者3人に1人の介護職員を、夜間はユニットごとに1人の介護職員を配置する義務があります。

看護師の配置義務はありませんが、入居者の状態に適した医療ニーズに対応できるよう、看護師を配置するところが増えつつあるようです。看護師を配置した場合は、医療連携体制が加算されます。

引用元
厚生労働省＊資料4 認知症対応型共同生活介護

利用者の特徴｜要支援2以上など

グループホームは次の要件を満たすことで利用できます。

・65歳以上
・要支援2以上
・認知症の診断を受けている
・施設がある場所と同じ市町村に住民票がある
・集団生活を行うことに支障がない

また、施設によってさらに入居条件が追加されることもあります。ほかの介護施設と違い、家事は利用者で分担するのが特徴です。

グループホームにおける看護師の役割｜入居者の健康面のサポート

看護師のおもな役割は、健康管理や健康面のサポートです。医療機関のような高度な医療行為は行いませんが、医療に関する専門的な知識があるため、ちょっとした変化に気づくことが求められます。

また、医療的な面では介護職員や家族に助言を行うことも。高齢者は体調を崩しやすいだけでなく、認知症によって意思疎通が難しいこともあるため、日ごろから言語以外に顔色や生活の様子などを観察し、利用者の状態を常に把握しておくことが大切です。

急変があれば応急処置を施すだけでなく、ほかの職員に指示を出したり医療機関と連携をしたりといった役割も担っています。

グループホームでの看護師の仕事内容｜健康管理・医療行為・日常生活援助

グループホームでの看護師の仕事は、おもに健康管理や医療行為です。介護職員や利用者と協力して、家事などの日常生活を一緒に行うこともあります。利用者の話し相手としてじっくり話を聞いてあげることも仕事のひとつです。

それぞれの具体的な仕事内容を紹介しますので、参考にしてくださいね。

健康管理に関すること

バイタルチェックや服薬管理、必要に応じて医療機関や家族との調整などを行います。認知症の人のなかには、自分の体調の変化や不調を伝えられない人もいるため、看護師が細心の注意を払い、入居者の健康管理を徹底することが大切です。

医療行為

施設にいる職員で医療行為が行えるのは、看護師だけです。ひとりひとりの状態に合わせた医療行為を行います。

・たん吸引
・在宅酸素の管理
・導尿やバルーンカテーテルの管理
・経管栄養や胃ろうの管理
・インスリン注射
・褥瘡（床ずれ）の処置
・ストーマ装具の交換
など

日常生活援助｜介護職員や利用者と共同

医療機関で働く看護師と違って、家事・洗濯・調理・掃除などの日常生活に関することは、介護職員や利用者と共同で行います。着替えや排泄、入浴の介助は基本的には介護職員が任されるため、身体的な負担は少なめです。

看護師の1日のスケジュール

グループホームで働く看護師が健康管理や医療行為、家事などの業務をどのようなスケジュールで行っているか、おおよその1日のスケジュールを見てみましょう。

1日のスケジュール｜施設によって異なる

施設や勤務体制によってスケジュールには違いがありますが、おおまかには次のようなスケジュールで仕事を行います。

グループホームで働く看護師の給与

厚生労働省の「令和4年度介護事業経営実態調査結果」によると、グループホームで働く常勤の正看護師は約38万円、准看護師は約33万円です。非常勤の場合は正看護師が約31万円、准看護師は約29万円となっています。

夜勤がないところも多いため、ほかの介護施設よりは少なめです。

引用元
厚生労働省：令和4年度介護事業経営概況調査結果 厚生労働省老健局老人保健課

グループホームで働くことの魅力

ユニット単位で生活したり、認知症の高齢者に利用を限定していたりといった特徴があるグループホーム。そこで看護師として働くことに、どんな魅力があるのでしょうか。ここからは、グループホームで看護師として働く魅力を紹介します。

認知症ケアについて深く学べる

入居者がすべて認知症を発症している人であるため、そこで働く看護師は認知症ケアを専門的に深く学ぶことができるという魅力があります。一緒に働く介護職員も認知症ケアに詳しいため、介護職員から学ぶことも多いでしょう。

そのため、認知症ケアを身につけたいという看護師にはピッタリだといえます。また、将来ほかの施設で働く場合も認知症ケアのスキルを役立てられるでしょう。

ほかの職員と協力して働ける

グループホームでの業務は、看護師しかできない医療行為を除いて、ほかの職員と協力できる機会が多いです。健康面のサポートがメインの仕事であるため、日常生活援助はほかの職員と一緒に行うのが一般的で、看護師だけで行うことはあまりありません。

ひとりで仕事を任されることや体力面に不安がある人でも働きやすく、医療行為を除いた業務の負担が少なめであることも魅力といえるでしょう。

ワーク・ライフ・バランスが保ちやすい

夜勤やオンコールがない施設であれば、急変対応がない限り基本的には定時で上がれるため、ワーク・ライフ・バランスを保ちやすいです。施設によって勤務体制や勤務時間に違いがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

グループホームで働くときに大変なこと

グループホームで働く際、魅力がある一方で大変な一面もあります。ここからは、グループホームで働くときに大変なことを紹介します。

急変時の対応

基本的には容体の落ち着いた利用者が入居しているため、それほど高度な医療技術は必要とされませんが、体調不良や急変時には看護師の判断が求められます。最終的には施設長の指示に従うことになりますが、施設によっては介護と看護の連携が難しいことも。

入居者の生活に重きを置いている分、医療的な側面が薄れてしまう場面を目の当たりにしてしまうこともあるかもしれません。

認知症によって意思疎通が難しいことも｜暴言や暴力など

これまで何度かお伝えしたように、利用者は認知症によって意思疎通が難しいことも多く、なかには興奮して処置の際に暴れたり、利用者から暴言や暴力を受けてしまったりする可能性もゼロではありません。

しかし、利用者は共同生活に支障がない人という条件のもと入居しているため、暴言・暴力などの迷惑行為を行う入居者は退去になることも。もし、暴力や暴言などで悩みを抱えているのであれば、上司に相談してみるとよいでしょう。

グループホームの看護師に向いている人

グループホームで働くのに向いている看護師の特徴としては、次のような人が挙げられます。

・利用者ひとりひとりとじっくり関わりたい人
・認知症高齢者やほかの職種の人とのコミュニケーションに抵抗がない人
・ルーティンワークが好きな人
など

グループホームは、入居者の入れ替わりが少なく高度な医療行為が必要となる場面も少ないため、決まった仕事を毎日行うことが多いです。利用者とじっくり関わり、認知症ケアに特化したスキルを習得したいという人には向いていると言えます。

グループホームの看護師は利用者の健康面をサポートできる！自分に合った施設を見つけよう

グループホームで働く看護師のおもな仕事は、利用者の健康面をサポートです。バイタルチェックや胃ろうなどの管理・痰吸引といった医療行為も任されます。また、介護職員と協力して日常生活援助をするのも仕事です。

グループホームは認知症の高齢者が利用しているため、意思疎通が難しいこともあるのが特徴で、些細な変化にも気づけるよう、日ごろから入居者の様子を観察することが求められます。

入居者の入れ替わりが少なく、決まった仕事を行うことが多いので、利用者ひとりひとりとじっくり関わりたいという人にはおすすめの職場です。

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