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特集・コラム 2022-07-04

介護福祉士のお給料・平均年収はどれくらい? 資格を取得するメリットとは

介護福祉士は、介護に関する専門性にお墨付きが与えられる国家資格です。この資格を取得することで仕事の幅が増えるのはもちろんですが、職場内でもさまざまなメリットがあるともいわれています。

しかし、具体的にどのような恩恵が受けられるのでしょうか。今回は、介護福祉士の給料や年収、さらに資格を取得するメリットをご紹介します。

介護福祉士のお給料・平均年収はどれくらいなの?

介護福祉士の有資格者は、資格を持たない人と比べ給料が高いとよくいわれています。しかし、ぼんやりとしたイメージだけでは、実態がよくわかりません。

まずは、介護福祉士はどのくらいの給料をもらっているのか、また平均年収はいくらなのか、具体的な数字をご紹介します。

平均月給は32万9,250円|厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

2020年度に厚生労働省がおこなった調査によると、介護福祉士の平均月給は32万9,250円となっていました。もちろんこれは全国平均で、地域により給料の額には差があるようです。

同じ介護福祉士でも、勤務形態により給料が異なる場合があります。フルタイムで勤務する職員は月額の給与計算になることが多いですが、パートやアルバイトとして勤務する介護福祉士は時給や日給計算になるため、欠勤したぶんは給与が支払われないからです。

なかには、派遣社員として介護福祉士として勤務する人もいるため、調査データはあくまで47都道府県や就労形態を平均した額であることを頭に入れておきましょう。

平均年収はどれくらい?

月収のデータを参考にすると、賞与を2カ月分と仮定した場合、介護福祉士の年収は、14カ月分換算で460万9,500円となります。

資格を持たない介護職の年収を同条件で試算すると385万4,060円になるので、介護福祉士の資格があると、80万円近く差ができるようです。

施設による給与の違い|介護老人福祉施設・通所介護事業所など

同じ介護福祉士でも、勤務する施設により給与額は異なります。たとえば、介護老人福祉施設である特別養護老人ホームで勤務する介護福祉士は、月収平均が36万1,890円です。

これが訪問介護事業所になると31万4,440円、通所介護事業所では29万4,890円と、事業所による差が大きいことがわかります。

保有資格による給与の違い|無資格・介護職員初任者研修・実務者研修

介護福祉士の平均給与は、月額32万9,250円です。つまり、保有資格なしの平均27万5,290円や初任者研修修了者の30万1,210円、実務者研修修了者の30万3,230円を上回っています。

介護支援専門員や社会福祉士などの有資格者と比較すると若干低いものの、介護の実務にあたる職種のなかでは最も高い給与です。このことから、介護福祉士の資格を得ることで大幅な収入増が見込めることがわかります。

介護福祉士のお給料はなぜ高いの?|介護職員処遇改善加算

介護福祉士の給料は、なぜほかの介護職より高めなのでしょうか。その理由として介護報酬の加算が設定されているというものがありますが、その制度の概要を以下でくわしくご紹介します。

介護職員処遇改善加算とは? 介護職員等特定処遇改善加算でどこが変わるの? 

介護職員処遇改善加算とは|介護職員の賃金改善策

介護職員の賃金がほかの職種や業界より低い傾向があることと2019年の消費税率アップにともない、介護職の賃金改善策として創設されたのが「介護職員処遇改善加算」という制度です。この制度を設置することで、収入面の改善を図ります。

2011年度まで交付金という形で事業所に支給されていましたが、2012年度から介護報酬に組み込まれました。

介護職特定処遇改善加算とは|勤続10年以上の介護福祉士が対象

「介護職員特定処遇加算」は、要件を満たす事業所が加算を算定できる仕組みです。加算額は2022年現在3段階にわかれおり、それぞれに要件が異なります。

加算対象となる職員は介護に関する経験や高い技術を持つ方で、目安は勤続10年以上の介護福祉士です。

この制度は給与面の待遇改善とともにキャリアアップの仕組みを構築するという目的もあり、介護職員のモチベーションアップにもつながっています。

介護福祉士の資格所持者が収入UPを目指すには?

ここまで、介護福祉士の給与がほかの介護職より高いこと、給与UPのための加算制度などを紹介しました。

しかし、介護報酬の加算は事業所に対して支払われるものです。そのため、介護福祉士の有資格者自身が収入UPを目指すためにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な方法をご紹介します。

1. 手当てを取得する|夜勤手当・役職手当など

手っ取り早く収入を増やすには、給与以外の手当てをもらう方法が有効です。時間外手当や夜勤手当は、勤務時間に応じて支給されます。自分の都合で夜勤や時間外勤務を増やすわけにはいきませんが、時給換算で通常の賃金より割増された額の手当てがつくでしょう。

介護福祉士の資格を保有している方はリーダーや管理職などの役職に就くこともあり、その場合は役職手当の支給も見込めます。

2. 資格を取得する|認定介護福祉士・ケアマネジャー

介護福祉士が収入UPを目指す方法として、より多くの資格を取得するということも考えられます。たとえば、ケアマネジャーの国家試験は勤務経験などの要件を満たせば受験でき、今後設置が予定されている認定介護福祉士の資格取得を目指すことが可能です。

新たな資格を取得すれば給与などの条件改善に加え、さらなるキャリアアップを図れる可能性があります。

ケアマネジャーになるにはどうすればいいの?|受験手続きについて紹介! 

3. より条件のよい職場に転職する

介護の専門家と認められた介護福祉士の資格は、多くの介護現場で重宝されています。現在の勤務条件の改善が見込めない場合は、思い切ってほかの職場を探すという選択をするのもひとつの方法です。

介護福祉士ならその資格を活かせるさまざまな事業所からの求人があるため、給与だけでなく勤務地や時間などより条件のよい職場に転職できるでしょう。

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これから介護福祉士を目指すには? 資格を取得するメリット

ここまで介護福祉士の給与や給与UPの方法など、収入面の特徴をご紹介しました。ここからは、これから介護福祉士を目指す方法と資格を取得するメリットをご紹介します。

介護福祉士になるにはどうすればいいの?|実務経験を活かせる

介護福祉士は国家資格となるため、年に1回おこなわれる国家試験に合格することで資格を取得できます。

この試験には受験資格がいくつか定められていますが、介護に関する専門的な学習をしてこなかった方でも、一定の実務経験や介護職員としての研修を修了することで受験資格を得ることが可能です。

【2022年】介護福祉士国家試験の概要を紹介|おすすめの勉強法とは

介護福祉士の受験資格と国家試験の概要を解説|介護福祉士の仕事内容&勤務先とは?

資格を取得するメリットとは?

介護福祉士の資格を取得すれば、給与UP以外にもさまざまなメリットが受けられます。つづいては、給料UP以外にもある資格を取得するメリットをご紹介します。

仕事の幅が増える|管理職へのキャリアアップも

介護福祉士は豊富な介護経験を持っているため、介護現場のリーダー的役割が期待されたり、現場をより客観的な立場で見られたりします。

そのため、仕事の幅が増えると同時に、事業所の管理職に抜てきされるなど、キャリアアップの道も拓けるでしょう。

転職で有利になる|介護福祉士は需要が高い

介護事業所によっては経験が浅い介護職員もいるなかで、実務経験や専門知識が豊富な介護福祉士は貴重な即戦力として高いニーズがあります。

そのため、介護福祉士の資格は転職時も有利です。勤務条件や仕事内容などの点で職場の選択肢が広がります。

介護福祉士は需要の高いお仕事!

介護業界の賃金は低いといわれていましたが、介護福祉士は介護の専門家として、資格取得が収入UPに直結します。今回ご紹介したとおり、資格の有無で給料に大きな差があるからです。

また、介護福祉士は介護現場からの需要も高い仕事でもあります。そのため、少子高齢化社会である日本では、今後ますます重要な役割を担っていくでしょう。

ほかの資格を取得したり、勤務時間や場所を変えてみたりするなど、自分に合った方法で給与UPを目指してみてくださいね。

引用元サイト
厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)

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