ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2024-08-21

特養と老健はどちらが働きやすい? それぞれの特徴と向いている人を紹介

介護を必要とする高齢者が利用する特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)ですが、両者の特徴や働き方、向いている人材にはどんな違いがあるでしょうか?

介護職として働こうと考えている方の中には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設で、高齢者向けの介護サービスに従事したいと考えている方も多いでしょう。

しかし、両者の具体的な違いや働くメリット・注意点についてはあまり知られていません。

本記事では、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の特徴や働き方、それぞれの施設に向いている方の特徴、自分に合った職探しと履歴書・面接でのポイントを紹介します。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設、どちらで働くべきか悩んでいる方は必見です。

特養と老健はどちらが働きやすい? 特養の特徴を紹介

特別養護老人ホームの施設は業務内容、給与体系の面で働きやすさにどのような特徴があるのでしょうか。具体的なポイントについてチェックしましょう

1. 施設の特徴

特別養護老人ホームは、日常的に介護が必要な要介護度3〜5の方向けに、身の回りの介護支援を提供する施設です。大人数で大部屋をシェアする多床型と、一人ひとりに個室が準備されたユニット型個室の2つのタイプがあり、要介護認定のカテゴリーや特別養護老人ホームのタイプによって、サービス費用が細かく設定されているのが特徴です。

引用元
厚生労働省:どんなサービスがあるの? – 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
厚生労働省:介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
東京都福祉局 ふくむすび:指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)|地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

2. 仕事の内容

要介護度3以上の方を対象として、入所者が社会に復帰できるように、入浴・排せつ・食事などの日常生活のサポートや機能訓練、療養に必要な世話などをするのが特徴です。

24時間365日体制で、利用者の生活スタイルに寄り添った介護サービスを提供します。

また、ただ介護をおこなうのではなく、利用者の意思や人格を尊重し、常に相手の立場に立ったサービス提供が求められる仕事です。

3. 平均給与

厚生労働省が公表している『令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果』によれば、介護老人福祉施設職員の平均月収は34万8,040円で、資格保有者の平均月収は35万2,580円。どちらも令和3年の32万9,090円と33万4,250円よりも平均収入が上昇傾向にあります。

引用元
厚生労働省:令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果

4. 特養で働くメリットと注意点

特別養護老人ホームでは、介護負担が大きい要介護度3以上の方を対象としているため、介護サービスを提供するスタッフとしての知識や技術が身につき、経験を積めます。経験豊富な介護スタッフに囲まれながら、認知症ケアや看取りケアを学べるのはメリットです。

また、研修が充実していることが多いため、未経験でも安心して就職しやすく、雇用と給与が安定している点も魅力だといえるでしょう。

一方で特別養護老人ホームで働く際の注意点は、肉体労働が多く、より高度な介護技術が求められる点です。また、終末期ケアに従事すると精神的にきついと感じるケースもあるでしょう。

特養と老健はどちらが働きやすい? 老健の特徴を紹介

特別養護老人ホームの概要について知ったところで、今度は介護老人保健施設の特徴や業務内容、平均給与などについて確認して、両者の違いは何かを考えてみましょう。

1. 施設の特徴

介護老人保健施設は、在宅復帰や在宅医療支援を目的として、要介護度1以上の高齢者が生活を送る老人ホームです。3〜6カ月間の期間を設けてリハビリ・医療・介護を提供し、最終的には利用者が在宅復帰ができるように24時間体制でサポートしていきます。

自宅と病院の中間にあるような立ち位置のリハビリ・療養施設だといえるでしょう。

引用元
厚生労働省:介護老人保健施設
厚生労働省:介護老人保健施設 (参考資料)

2. 仕事の内容

介護老人保健施設では、食事・入浴・排せつ・移動介助を基本として、在宅復帰を目標とした機能訓練のリハビリや医療ケアなどを実施していきます。医師の指導の下で医学的見地に基づいたリハビリと医療ケアをおこなうのが特徴です。

業務内容は多岐にわたり、介護職員・看護師・医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・栄養士・調理師・介護支援専門員・支援相談員などの職種がチームで働いています。

3. 平均給与

介護老人保健施設で働いている職員の平均月収は33万9,040円で、資格保有者の平均月収は34万3,310円でした。令和3年度調査の32万830円、32万5,440円と比較すると、平均月収は上昇傾向にあり、特別養護老人ホームと同様に給与面の待遇は改善しつつあります。

引用元
厚生労働省:令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果

4. 老健で働くメリットと注意点

介護老人保健施設で働くメリットは、軽度の要介護者に対するリハビリがおもな業務内容なので、身体への負担は特養と比較すると軽い点です。寝たきりの利用者の身の回りの世話をするというよりも、最低限のサポートで利用者が在宅復帰することを目指します。

リハビリで利用者が徐々に回復していく姿や前向きに変わっていく姿をみて、やりがいや元気がもらえるのも、介護老人保健施設で働くメリットでしょう。

ただし、数カ月間のリハビリが主なので利用者の入れ替わりが激しいため、信頼関係を築きにくく、その都度利用者の情報や状態を把握する必要があるのが注意点です。

特養と老健、向いているのはどんな人?

特別養護老人ホームと介護老人保健施設にはそれぞれ特色があり、人によってどちらで働いた方がいいのかは異なります。双方に向いている人の特徴をチェックしましょう。

特養に向いている人

特別養護老人ホームの利用者は要介護度3以上で、長期的で高度な介護を必要とするケースがほとんどです。そのため、長期にわたって一人の利用者と向き合って介護サービスを提供したいと考えている方や、じっくりと介護技術や知識を身につけたい方におすすめです。

認知症ケアや終末期ケアの経験も積めるので、老人介護における幅広いスキルと知識を身につけて、その後の自分の介護職員としてのキャリアにつなげたい方にも向いています。

老健に向いている人

介護老人保健施設の業務は、在宅復帰を目的としたリハビリサポートです。そのため、担当する利用者の日々の変化にやりがいを感じる方に向いています。短期間で利用者が入れ替わるのが常なので、初対面の方ともすぐに打ち解けられるような方にもおすすめです。

また、医師や看護師、リハビリケアを専門的におこなうスタッフ、栄養管理士など、職種や業種の垣根を越えておこなわれるチームでのケアに興味がある方に向いているでしょう。

自分に合った職場を探すには?

特別養護老人ホームと介護老人保健施設、どちらの介護施設で働くにしても、自分に合った職場に就職できるかどうかは、その後の自分のキャリアを大きく左右します。

ここでは、自分とマッチした職場をうまく見つけるのにおすすめの方法を紹介します。

転職エージェントを利用する|介護福祉分野に強いエージェントがおすすめ

介護職の求人を見つけるのによく活用されるのが、転職エージェントです。自分が求めている労働環境や給与水準、雇用形態などを伝えることで、担当者が求人を探してくれます。

ただし、転職エージェントは担当者のさじ加減による部分が大きいため、本当に自分にマッチした求人が見つかるかどうかは担当者との相性と運しだいです。

介護福祉業界に精通した転職エージェントを選ぶと、細かい要望を聞いてくれて、より自分の理想に近い求人が見つかる可能性が高まるでしょう。

求人サイトで探す|介護福祉分野に強い求人サイトがおすすめ

もっともおすすめの求人探しの方法は、介護福祉分野に特化した求人サイトを使うことです。

雇用形態や給与体系、福利厚生はもちろん、未経験歓迎やWワークOKなど、詳細な条件で検索できる求人サイトを選ぶのがポイントだといえます。

求人サイトのリジョブは豊富な求人数の中から、詳細検索機能で自分に合った職場を見つけられます。ユーザーの転職満足度は98%※を記録しているサービスです。

希望通りの介護職の求人を見つけたいなら、ぜひリジョブをチェックしてみましょう。

リジョブ:介護職の求人・転職・募集

※ リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

介護職の履歴書で押さえておきたいポイントとは?

介護職として働くためには、まず面接に進むための履歴書を作成しなければなりません。

学歴・職歴の欄では、大学名や学部名・会社名・部署名などは省略せず、入学・退学時期・職歴・勤務歴・雇用期間・雇用形態を記載します。

誤字脱字略字がNGなのはもちろんのこと、書いた文字が消えてしまうおそれがある鉛筆やシャープペンシル、消えるボールペンも使わないようにするのが基本的なマナーです。

志望動機にはどんなことを書けばいいの?

履歴書の志望動機の欄には、以下のようなポイントを必ず盛り込むようにしましょう。

・これまでの経験と実績
・介護職に就きたい志望動機
・自分の強みと就職後の展望

介護職としての職務経験がある方は、これまで積み重ねてきた経験や知識、スキルをアピールすることが大切です。未経験の方は介護職に向いている理由と志望動機を、エピソードを交えながら履歴書にまとめると、採用担当者に誠意が伝わりやすいでしょう。

また、自分の強みを伝えるのと同時に就職後の展望を伝えることで、あなたがどのように職場に貢献できるのかを採用担当者に効果的にアピールすることができます。

介護職の志望動機については、以下の記事もチェックしてみましょう。
介護職の志望動機とは? 考え方のコツを解説|思い浮かばない時の考え方と例文を紹介

介護職の面接で好印象を与えるには?

介護職の面接では履歴書に書いてある自己PRや志望動機の内容が主に質問されます。

面接の場でしどろもどろになってしまうのは心象がよくありません。

自己PRと志望動機の根本の部分をしっかりと押さえた上で業界や職場リサーチをし、どのような質問が来ても一貫性をもって受け答えできるように準備しておきましょう。

介護職の面接でよく聞かれる内容と回答例については以下も参考にしてください。
介護職の面接で必ず聞かれることとは?よくある質問と回答例|面接で受かるためのポイントも紹介

押さえておきたいマナーと身だしなみ

介護職の面接では、清潔感のある服装と身だしなみを心がけましょう。介護職は多くの現場スタッフやほかの施設の関係者、利用者、その家族と頻繁にコミュニケーションをとる仕事です。働くことをイメージした清潔感のある服装で面接にのぞみましょう。

基本的にはリクルートスーツで面接におもむくようにし、サイズ感がぴったりでシワがないシャツを着ていくと、面接官に好印象を与えられる可能性が高いです。

介護職の面接で合格しやすい方の特徴については、以下の記事も参考にしてください。
介護職の面接で合格率を上げるには?採用・不採用になりやすい人の特徴

特養と老健の特徴を把握して自分に合った職場を選ぼう

この記事では、特別養護老人ホームと介護老人保健施設を施設の概要・業務内容・給与体系・メリット・注意点の面で比較し、それぞれに向いている人材の特徴も紹介しました。

特別養護老人ホームは要介護度3以上の老人を対象にしており、長期的なリハビリ・医療ケアを想定している施設です。その一方で、介護老人保健施設は要介護度1~5で軽度の介護を必要とする方向けのリハビリ施設で、短期間での在宅復帰を目指します。

高度な介護現場で長期的に利用者と向き合いたい方は介護老人福祉施設、身体負担が軽度な介護現場でチームでリハビリサポートしたい方は介護老人保健施設に向いています。

自分に合った求人を見つけるなら介護福祉業界に特化したリジョブがおすすめです。

雇用形態・給与体系・福利厚生などのほか、未経験歓迎やWワークOK、週休二日制などの詳細条件を設定した上で、より自分の理想に近い職場をリサーチできます。

ぜひリジョブで自分に合った求人を探して、介護職になるという夢を叶えてください。

リジョブ:介護職の求人・転職・募集

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事