【人事のホンネ】『Mama’s body salon』山本代表にインタビュー(前編)
ヘルスケア・介護業界の採用選考で採用側がどのような点に着目しているのか、気になる方も多いはず。「人事のホンネ」では、人事担当者に採用選考時の本音を聞き出し、面接のときに生かせるノウハウや情報をお届けします。
今回ご登場いただくのは、目黒と南大沢に店舗を構える産前・産後ケア専門サロンの『Mama’s body salon』代表、山本亜希子さん。働いている方の年齢やサロンの雰囲気、面接の際にチェックするポイントなどを本音で語っていただきました。
『Mama’s body株式会社』代表取締役 山本亜希子さん
東京都出身。3児の母。高校卒業後は美容部員として化粧品の販売業務を務める。第2子妊娠中にした経験をきっかけに、マタニティサロンの開業を決意。出産と同時にマタニティ整体の学校へと入学。その後にサロンを開業し、現在は『Mama’s body salon』や併設のスクールを運営する『Mama’s body株式会社』代表取締役。
—社員間の雰囲気を教えてください。
とにかくフラットな、明るい雰囲気ですね。私はこのお店の代表として、スタッフのみんなにはいつも楽しく働いて、楽しく子育てをしてほしいと思っているんです。そうでなければ、来ていただいたお客さまとお話したときにも、子育ての楽しさを分かち合えませんからね。
スタッフ同士で子育ての悩みを相談し合うこともありますし、お店に子どもを連れて出勤したり、スタッフたちの子どもも含めて忘年会を開いたりすることもあります。
—働いている方の年代と、バックボーンをお聞かせください。
ほとんどのスタッフが30代~40代半ばです。バックボーンは、ママであること以外バラバラですね(笑)。セラピストとして働いているスタッフは、基本的には未経験の状態で入店しています。
—応募から採用までの流れを教えてください。
夏頃に再開する可能性はあるんですが、実のところ、今はスタッフの募集を一旦ストップしているんです。ですので、オーナーに応募していただいたときの流れをお話させてください。
応募をいただいた方に助産師やセラピストとしての経験があったとしても、まずは当社が開いているスクールに通っていただくことになります。経験者の場合、だいたい3日か4日程度ですね。
その後に面接を行い、人柄や産前・産後ケアへの想いを確認します。どれだけ強い想いを持っているかを重視しているため、お金を稼ぐことだけが目的の方はお断りしていますね。技術は後から練習で身につけることができるので、今の段階で自信がない場合でも心配はいりません。年齢や出産経験の有無も問いませんので、ホームページを確認した上で、お気軽に電話・メールをいただければと思います。
—応募前に気をつけるべきところはありますか?
私たちの想いに共感していただけるかどうかは、事前に確認しておいていただきたいですね。身だしなみについては、清潔感さえあれば髪色などの細かい指定はありません。これは少し極端かもしれませんが、髪がピンクでも清潔感があるなら問題ないと思っています(笑)。
—「書類選考(履歴書・職務経歴書)」のときに重視しているポイントを教えてください。
経歴によって合否が変わることはほとんどありません。手書きの書類では、丁寧に書かれているかどうかを重視していますね。内容というよりは、字の書き方から人柄を推し量っています。とはいえ、実際には面接してみないとわからない部分も多いので、よほど雑に書かれていなければ問題ありません
—ズバリ、「面接」のときに重視しているポイントは何でしょうか?
先ほどお話ししたとおり、産前・産後ケアへの想いを何よりも重視しています。あとは、笑顔やコミュニケーション能力ですね。実際にお客さまを相手にしたときにコミュニケーションが取れるか、カウンセリングができるかを確認します。
—未経験者に求めるものはありますか?
仕事にかける情熱です。もともと私も未経験でしたし、スキルの部分は本人にやる気さえあればこちらがサポートできるので、まったく問題ありません。
—経験者に求めるものは何でしょうか?
経験者の場合には、柔軟さを持っていてほしいですね。経験があると「これはこう」といったふうに、いろんなことを型にはめて考えてしまいがちなんです。産前・産後のデリケートなお客さまを相手にするこの仕事では、時と場合に合わせて柔軟な対応ができなければいけません。
あまりに頭が固い人だと、お客さまを傷つけてしまう恐れもあります。例えば、お客さまと「母乳とミルクどちらがいいのか」という話をしているときに、「絶対に母乳のほうがいいですよ! なぜなら……」と持論をぶつけてしまうような人。そのお客さまが母乳について何かお悩みを抱えていたとしたら、とてもつらい思いをさせてしまいますよね。産前・産後ケアでは、必ずしも正しいことが正解であるとは限りません。そういう意味で、柔軟さはとても大切ですね。
「技術は後からでも身につけられる」と、人柄や産前・産後ケアへの想いを何よりも重視している『Mama’s body salon』の山本代表。後編では、身につけられるスキルや就職・転職を考えている方へのメッセージをお伺いします。