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介護・看護・リハビリ 2020-04-13

介護福祉士国家試験で行われていた実技試験とは

介護福祉士国家試験では、受験者の介護技術の習得状況を確認するため、筆記試験のほかに実技試験も行われていました。しかし介護福祉士の資格制度の改正とともに、国家試験の受験資格の見直しが行われ、ほとんどの受験者が実技試験免除基準を満たすことになるため、2017年1月(平成29年)実施の第29回試験より廃止されることとなりました。

受験制度の変更により、実技試験が廃止に

介護福祉士国家試験の受験資格には、3年以上の実務経験を必要とする実務経験ルート、福祉系高校卒業によるルート、2年以上の養成施設卒業によるルートの3つがあります。このうち、実務経験ルート、および福祉系高校における2008年度(2008年度)以前入学者の旧カリキュラム履修者に実務試験の受験が必要でした。

ところが、2017年1月(平成29年)に行われる第29回試験より、実務試験ルートに新たに6か月の実務者研修の終了が義務付けられました。実務者研修は、介護福祉士国家試験の実務試験免除基準に該当するため、実務経験ルートで実技試験合格は実質的に不要となります。

また福祉系高校卒業ルートにおいても、2009年度(2009年度)よりカリキュラムの変更が行われ、新カリキュラムでの卒業者には実技試験が免除となっています。全てが新カリキュラムの卒業者となっている状況から、実技試験は必要となくなり、廃止されることになりました。

国家試験の実技試験とはどのようなものだったのか

介護福祉士国家試験の実技試験は出題される介護状況に対して、実際に介護を必要とする方に適切な介護を選択し実行することができるかが判断されます。出題は1問で、制限時間は5分が一般的でした。

なお、合格の基準は総得点が100点で、おおむね60点以上が合格の基準でしたが、その時の試験内容によって調整が行われています。出題の内容は立ち上がりや歩行介助をはじめ、ベッドから車椅子の移乗など、日常の介護現場で行われている介護技術に関するものです。

採点は介護される方の状況に応じて安全で適切な介護が選択されているか、介護される方とのコミュニケーションができているかなどの介護の原則に従い、実際の身体介護の技術について判断が行われます。実際に介護の現場で日常行われていることばかりですので、介護の基本を抑えておくことが重要です。ただし試験ということで緊張してしまう受験者も少なくないようでした。

実技試験が免除となっていたケース

介護福祉士の国家試験において、実技試験が免除されるケースもありました。

ひとつは、介護技術講習会を終えていた場合です。介護技術講習会とは、養成施設が実施する32時間以上の講習を受け、修了認定を受けることによって、国家試験の実際の受験有無にかかわらず3回分の実技試験を免除することができるものでした。介護技術講習会は第18回の国家試験より導入された制度ですが、実技試験の廃止と同時にこの講習会も第28回試験で終了となっています。

もうひとつが、6か月以上の実務者研修を終了していた場合です。実務者研修は450時間の研修時間と、研修中に行われる実技試験に合格が必要とされます。実務者研修は介護に関する資格の有無を問わず受講することが可能で、介護福祉士を目指していく過程でステップアップとして利用している方もいました。

今回の制度改正でこの実務者研修の終了が介護福祉士の国家試験の受験資格へと変さらになり、実技試験自体が廃止となっています。

介護福祉士国家試験の実技試験についてみてきました。現在は制度変さらにより、実技試験は廃止されており、筆記試験においても問題数が増えるといった変化が生じています。また、実務試験ルートでは国家試験の受験資格として実務者研修が必須となりましたので、これから介護福祉士の受験を検討している方は再度確認しておきましょう。

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