【2022年】介護福祉士国家試験の概要を紹介|おすすめの勉強法とは
介護の現場で働いている人のなかには、スキルアップのために資格を取得したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、国が認める介護のプロフェッショナルである介護福祉士の試験概要などについてくわしく解説します。また、取得するにあたっておすすめの勉強法などもチェックしておきましょう。
- 介護福祉士国家試験の概要を紹介!
- 介護職のキャリアパス|介護福祉士は介護職においてどういう立ち位置にあるのか
- 第35回の試験日|筆記試験は2023年1月下旬
- 試験地|筆記試験と実技試験で違うので注意
- 試験科目|出題基準・合格基準
- 受験資格|満たしているかチェックしよう
- 合格発表|合格率はどれくらい?
- 実技試験が必要な受験資格ルートと免除される方法を解説!
- 合格対策におすすめの勉強法とは? ポイントを紹介
- 1. 自分に合った勉強方法を選ぼう|通学・通信教育・独学
- 2. 試験に間に合うように勉強計画を立てる|ペースに合わせよう
- 3. 問題集・過去問は解答が充実したものを選ぼう
- 国家試験に合格するコツ|得意分野で確実に得点しよう
- 自分に合った勉強方法を選んで国家試験合格を目指そう!
介護福祉士国家試験の概要を紹介!
介護福祉士になるためのルートは、学校で単位をとって受験資格を取得して合格する方法だけではありません。介護の現場で経験を積みながら、受験資格を取得することも可能です。
ここでは、介護職のキャリアパスと介護福祉士国家試験の概要について、第34回の実施状況と第35回の実施予定にもとづいてご紹介します。
介護職のキャリアパス|介護福祉士は介護職においてどういう立ち位置にあるのか
介護福祉士は、介護の現場においてリーダー的な立ち位置です。ヘルパーや介護職員などのスタッフに対して、指導や育成を行います。これは、介護福祉士が介護のプロとして国が認める国家資格であるためです。
この資格を持つ人は、介護や介助が必要な人への専門知識や技術があるとみなされ、求人に応募した際なども優遇され、資格手当がある場合には手当の対象となります。
第35回の試験日|筆記試験は2023年1月下旬
2022年度におこなわれる第35回の試験の詳細はまだ発表されていませんが、試験は例年1月の最後の日曜日に実施されています。
介護福祉士の指定試験機関並びに指定登録機関である社会福祉振興・試験センターによれば、2022年度も1月下旬に実施予定となっているようです。
受験申込期間はいつ頃?
第34回の試験は、2021年8月18日(水)~9月17日(金)に申し込みが受け付けられ、2022年1月30日(日)に筆記試験がおこなわれました。
社会福祉振興・試験センターによれば、第35回の申し込みも2022年8月上旬から9月上旬が受付期間になる予定だとしています。
試験地|筆記試験と実技試験で違うので注意
この試験には、全員が受ける筆記試験、養成施設で所定のカリキュラムを満たしていない場合に受験しなければならない実技試験があります。
筆記試験を受けられる場所は第35回では前回から1カ所増え、36試験地になる予定です。ただし、実技試験に関しては東京都と大阪府の2試験地のみなので注意してください。
試験科目|出題基準・合格基準
この試験の試験科目にはどのような科目があり、何点取れば合格できるのでしょうか。
ここでは、2021年度におこなわれた第34回の実施要項や実施データにもとづいて、筆記と実技のそれぞれの試験内容についてご紹介します。
筆記試験|人間の尊厳と自立・介護の基本など
筆記試験は、人間と社会の領域と介護の領域から出題されます。人間と社会の領域として「人間の尊厳と自立」や「人間関係とコミュニケーション」などの3項目、介護の領域は「介護の基本」などの4項目、心と体の仕組みの領域で4項目、そして医療的ケアの領域です。
問題の難易度による補正はありますが、このなかで指定された11項目で得点が取れなかった項目がなく、総得点の6割以上の得点が取れれば合格となります。
実技試験|介護の原則・健康状態の把握など
実技試験の項目は、介護の原則、健康状態の把握、環境整備、身体介護の4つの項目があり、体位交換や車いすへの移乗などの実技が評価されます。
筆記と同様に課題の難易度の補正をして、与えられた課題の総得点の60%程度を獲得すると合格です。
受験資格|満たしているかチェックしよう
介護福祉士国家試験の受験資格には、4つのルートがあります。つづいては、それぞれのルートで受験資格を得るための要件をチェックしておきましょう。
介護福祉士の受験資格と国家試験の概要を解説|介護福祉士の仕事内容&勤務先とは?
養成施設ルート|2年以上の介護福祉士養成施設卒業など
養成施設ルートは、国が指定した福祉系大学などの学校または都道府県知事が指定する養成施設で介護福祉士として必要なカリキュラムを履修して卒業することで、受験資格を獲得できます。
受験する試験は、筆記のみです。実技に関しては養成施設でじゅうぶんな訓練を受けたとみなされるため、免除となります。
実務経験ルート|3年以上介護などの業務に従事+実務者研修
このルートは、介護の実務に3年以上の期間、従事した経歴を持つ人が実務者研修または介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を受講することで、受験資格を獲得できます。
3年以上の介護施設の職員として籍をおき、かつ540日以上実際の業務に従事していることが必要です。このルートには、学歴の制約はありません。
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福祉系高校ルート|特例高校など
このルートでは、特例高等学校等と特例高等学校等の専攻科を卒業した場合とがあり、専攻科の場合には2年以上の修業年限が必要です。
入学年度によっても異なるそれぞれ必要と定められている単位を取得したうえで、9カ月以上の介護施設の職員として籍をおき、かつ135日以上実際の業務に従事していなければなりません。
経済連携協定(EPA)ルート|EPA介護福祉士候補者+3年以上の実務経験
このルートは、EPAによる外国人雇用でEPA介護福祉士候補者が対象となります。候補者に該当するのはインドネシア、フィリピン、ベトナムの人たちです。
介護福祉士という資格を取得することを目的とした研修を受けながら就労する候補者が3年以上の実務経験を積むことで、受験資格を得られます。
合格発表|合格率はどれくらい?
第34回の合格発表は2022年3月25日(金)14時におこなわれており、72.3%の合格率となっていました。
過去5年間では70%前後を推移しており、合格者の内訳は実務経験ルートがもっとも多く、性別では女性が7割を占めています。
合格したら|資格登録をしよう
試験に合格したら、資格登録の手続きが必要です。合格発表から数日で届く書類に必要事項を記入して、登録免許税などの収入印紙と戸籍抄本、必要な人は養成施設などの卒業証明書を添えて、簡易書留で提出します。
書類に不備がなければ1カ月程度で、介護福祉士の登録証が送付されますので、コピーを職場に提出したあとは大切に保管しておきましょう。
実技試験が必要な受験資格ルートと免除される方法を解説!
ここまで、介護福祉士国家試験の実技試験の内容についてご紹介しました。しかし、場合によっては実技試験が免除されることがあるようです。ここでは、実技試験が必要なルートと免除される方法についてご紹介します。
あなたが実技試験を受ける必要があるかどうか、チェックしてみてください。
福祉系高校卒業ルート|「特例高校」及び「平成20年度以前入学者」の場合
福祉系高校を平成21年度以降に入学した人は、無条件で実技試験が免除になります。しかし、専攻科を含む特例高校を卒業し、9カ月以上介護業務の実務経験がある人や平成20年以前に福祉系高校に入学した人については実技試験の免除には条件があるのが特徴です。
つづいては、その条件についてくわしくご紹介します。
介護技術講習を修了・履修する
まず条件のひとつ目として、介護技術講習を修了・履修することが挙げられます。上述した条件の人が介護技術講習を受講し、申請することで実技試験の免除を受けることが可能です。
免除の期間としては、受講した講習修了後に引き続いておこなわれる3回までの実技試験が対象となります。しかし、受講したからといって、介護福祉士の受験資格を得られるわけではないため、注意しましょう。
介護過程・介護過程III
上述した条件の人は「介護課程・介護課程Ⅲ」の修了または履修でも、実技試験の免除申請が可能です。免除の期間は先ほどの介護技術講習と同様、この課程を修了または履修後、引き続いておこなわれる3回までの実技試験が対象となります。
受験申込時に修了・履修していない場合も、修了見込証明書の提出で申請が可能なので、試験までに課程修了予定の人もあきらめずに申請するようにしましょう。
経済連携協定(EPA)ルート|EPA介護福祉士候補者
EPA介護福祉士候補者は3年以上の実務経験を経て、「介護技術講習」または「介護課程・介護課程Ⅲ」、「実務者研修」のいずれかの受講で実技試験の免除を受けることができます。「実務者研修」の受講で実技試験が免除されるのはEPA介護福祉士候補者のみです。
実務者研修を修了・履修する
EPA介護福祉士候補者は、実務者研修を受講しなくても介護福祉士国家試験の受験は可能です。しかし、実務者研修の受講で実技試験が免除されます。実務者研修の概要や実務者研修のメリットなどを以下で詳しく解説しているので、興味がある人はぜひ確認してみてください。
合格対策におすすめの勉強法とは? ポイントを紹介
介護福祉士の国家試験に無事合格するためには、どのような受験対策をすればよいのでしょうか。
ここでは、介護福祉士に必要な知識や技術を学ぶ方法と学習スケジュール、問題集の選び方などおすすめの勉強法、受験の際に心がけたいことをご紹介します。
1. 自分に合った勉強方法を選ぼう|通学・通信教育・独学
国家試験に合格するための勉強方法として、介護系のスクールに通ったり、通信講座を受講したりする方法があります。実際に介護の現場で働きながら受験する方なら、日々の仕事の基本や意味を振り返りながら独学で学ぶという方法もあるでしょう。
介護の仕事はせずに国家試験の受験対策に集中するのであれば、通学と通信教育を併用して学ぶことも効果的です。
2. 試験に間に合うように勉強計画を立てる|ペースに合わせよう
国家試験は出題範囲と時期が決まっているので、ペース配分がしやすいのが特徴です。スクールや通信講座ではペース配分がされたカリキュラムが組まれていますが、とくに独学の場合には、まず試験に間に合うような勉強計画を立てることが重要となります。
秋までには出題範囲をひととおり終えて、過去問を解いたり、模試を受けてみたりするのがおすすめです。
3. 問題集・過去問は解答が充実したものを選ぼう
国家試験の過去問を解く際には、細部が異なる類似問題が出ても対応できる力をつけることが大切です。
問題集や過去問の量をこなすことと同時に、どこが間違っていたのかを確認したり、正解した場合でも解説で詳細を確認したりすることでより正確で実践に役立つ知識が身につきます。問題集・過去問は、解答の解説が充実したものを選びましょう。
国家試験に合格するコツ|得意分野で確実に得点しよう
受験対策期間中は苦手分野を克服していくことも大切ですが、国家試験当日になったら、得意分野を確実に得点にしていくことが重要です。
全体で6割正答であれば、指定された分野がそれぞれ0点でさえなければよいわけですから、焦らず着実に問題を解くようにします。わからない問題にはこだわらず、とにかく最後まで回答することを心がけましょう。
自分に合った勉強方法を選んで国家試験合格を目指そう!
介護福祉士という介護の仕事のプロフェッショナルにあたる資格を取得するためには4つの受験資格を取得できるルートのいずれかを満たしてから、国家試験に合格する必要があります。
独学でも試験勉強は可能ですが通学や通信教育もありますので、ご自身に合った勉強方法を選んで勉強し、合格を目指しましょう。
引用元サイト
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 試験概要
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 出題基準・合格基準
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 養成施設ルート図
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 実務経験+実務者研修
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 経済連携協定(EPA)
社会福祉振興・試験センター 第34回介護福祉士国家試験の合格発表について