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特集・コラム 2020-08-29

介護予防運動指導員の試験とは? 難易度や合格率はどれくらいなの?

いろんな種類の職種がある介護職ですが、そのなかに介護予防運動指導員という職業があることをご存知でしょうか。介護予防運動指導員とは、高齢者の筋力トレーニングや介護予防のための運動指導を仕事としている人のことです。なかには、介護福祉士やそのほかの資格をすでに持っている人が、スキルアップのために介護予防運動指導員の資格を取得することもあります。

すでにその資格を持っているなら、さらに仕事の幅を広げることも可能です。もしも介護予防運動指導員になろうとかんがえているなら、まずは指定されている研修を受講し、修了時に試験を受けなければなりません。そこで今回は、介護予防運動指導員の試験について、またその難易度について解説します。

介護予防運動指導員の試験とは?

介護職といえば、介護福祉士やケアマネジャーといった資格の認知度が高いでしょう。ですが、実際の介護現場にはいろいろな資格を持っている方がいます。そのひとつとして挙げられるのが、介護予防運動指導員です。なかには、介護福祉士・看護師・准看護師として実際に介護の現場で活躍している方が、介護予防運動指導員の資格を持っている場合もあります。そこで、介護予防運動指導員として働くためにはどんな試験を受ける必要があるのかを確認しておきましょう。

指定研修の受講が必要|修了試験

介護予防運動指導員として働くためには、介護予防プログラムや高齢者筋力向上トレーニングをおこなうための知識を身に付ける必要があります。そのために、介護予防主任運動指導員等が開催する研修を受講しなければいけません。

研修は指定された業者がおこないますので、まずは指定されている業者を探すことが必要です。そして、その研修を受講した最後にある修了試験を受け合格すると、介護予防運動指導員に認定されます。

対象資格は満たしてる?|看護師などの医療職・ケアマネや介護福祉士など

指定研修はだれでもすぐに受講できるものなのでしょうか。この研修は誰でも受講できるわけではなく、受講対象者が決まっているので、その対象であれば受講できます。

対象はこちらです。
保健師・助産師・看護師・准看護師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・介護職員基礎研修課程修了者・訪問介護員2級以上で実務経験2年以上の方

まだほかにも対象となる場合もありますので、気になる場合は一度確認してみてください。

指定研修はどこで受けられるの? おすすめの研修や教室情報を紹介

指定研修をおこなうことができるのは、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターから指定を受けた事業所です。とはいえ、どのようなところで受けられるのでしょうか。一例をご紹介します。

ニチイ|介護予防運動指導員養成講座

介護職について少しでも知っている方であればご存知でしょうが、まずはニチイがあります。ニチイでは介護予防運動指導員養成講座が開催されており、約1カ月の通学で学び資格を取得することが可能です。ニチイの大きな魅力といえば、全国のどこにでも教室があるということ。

指定された場所でしか受けられないなら、自宅から通えずに断念してしまうケースもあるかもしれませんが、ニチイであればその心配はありません。お住まいの都道府県にあるニチイに通うことで、資格取得を目指せます。

出典元:ニチイの介護予防運動指導員養成講座

‹h4>セントラル|介護予防運動指導員の養成講座 ‹/h4>
セントラルスポーツでも、おこなわれています。指導経験豊かな講師による17講座計31.5時間の講習を受講し、修了試験に合格すると資格が認定されます。

会場も複数用意されており、福岡から札幌まで会場がありますので、自分の都合に合わせて場所や日時を選ぶことができるでしょう。

出典元:セントラルスポーツの介護予防運動指導員養成講座

指定研修ではどんな内容を学ぶの?|認知症予防や筋力向上トレーニングなど

指定研修の受講は、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターから指定を受けた事業所が開催したぶんであれば、どの事業所が開催したものでも問題ありません。基本的な内容に大きな違いはなく、準備されている講習課程をもとに研修がおこなわれます。

内容の一例をあげるなら、老年学や高齢者の社会参加と介護予防・介護予防評価学特論・介護予防評価学特論・転倒予防特論・リスクマネジメント・認知症予防などです。このような内容で講義と実習がおこなわれます。

修了試験の受験資格は全部履修しないと受けられないの?

せっかく研修を受けたのであれば、修了試験を受けて資格の取得までしたいものです。ですが、時には体調を崩すなど、やむを得ない事情で研修に参加できない日もあるでしょう。そのような場合、またはじめから研修を受けなおさなければいけないわけではありません。

規定では8割程度の出席が確認できれば、修了試験の受験が認められています。そのため、もし1回欠席したからといって諦めてしまうのではなく、たとえ1日休んだとしても最後まで受講することが大切です。しかし、6割を下回る出席であれば再受講、8割を下回る出席であれば補講を受ける必要がありますので注意しましょう。

介護予防運動指導員の試験の難易度は? 合格率はどれくらいなの?

わざわざ時間をとって受講した研修であれば、最終的な修了試験には絶対合格したいと思うのではないでしょうか。しかし、それも試験の難易度や合格率によってモチベーションが変わってくるはずです。続いては、介護予防運動指導員の試験難易度や合格率について解説します。

研修をしっかり受講していれば合格できる!

修了試験の問題は講義内容から出題されます。そのため、もし絶対に合格したいのであれば、まずは講義をしっかり受講することが合格への一番の近道です。

試験前にテキストや自分のノートを参考に、講義内容を復習しておくことが重要となります。詳しい合格率については国家試験とは異なり、明確な数字を把握できないのが現状です。

再受験はできるの?

残念ながら試験に落ちてしまうということもあるでしょう。その場合は、再試験を受けることは可能ですが、最初に受験した年月日から1年以内が期限です。受験してから合格発表までは1カ月から1カ月半かかるため、準備する期間を含めて考えた場合、次に受験できるのは約3カ月後となります。そう考えると、再受験が可能な1年間のうち3~4回は再試験を受けられると考えておくといいでしょう。

また、再試験の際に必要な費用については事業者が決めることになりますので、事業者に問い合わせる必要があります。このような措置があるとはいえ、できれば1回で合格できるよう真剣に受講し、復習をして試験に備えることが大切です。

介護予防運動指導員は高齢者の健康維持や認知症予防に関わるお仕事

介護予防運動指導員としての仕事は、ただ高齢者の方に運動を指導するだけではなく、健康を維持することや認知症の予防にもつながる仕事といえます。年齢を重ねたことで落ちてしまった体力や筋力をこれ以上衰えないよう一緒に取り組むことで、高齢者の方が少しでも自由に生活できる期間を長くしてあげたいという気持ちは必ず相手に伝わるはずです。

介護予防運動指導員の資格を取得するには対象資格の保有が必要ですので、もし対象資格をすでにもっているのであれば一度挑戦してみることをおすすめします。ご自身のスキルアップにもなるのではないでしょうか。

出典元:
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「介護予防運動指導員 講習過程」
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「よくあるご質問」

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