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特集・コラム 2022-10-27

ケースワーカーとは? 仕事内容や活躍の場を紹介|ケースワーカーになるには

福祉に関する仕事は世の中にたくさんあります。そのなかで、「ケースワーカー」という名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、ケースワーカーはソーシャルワーカーと混同されることも多く、違いがわかりづらくもあります。

そこで、今回はケースワーカーの概要やソーシャルワーカーとの違いを説明し、ケースワーカーの仕事内容・勤務先などについてもお伝えします。ケースワーカーの仕事に興味のある人は、ぜひ最後までご覧ください。

ケースワーカーとは?


ケースワーカーとは、福祉事務所などに所属し、年齢・病気・貧困といった理由で生活が困難になっている人の相談に乗り、適切・必要な支援を行う人のことです。

相談者ひとりひとりの状況や課題をふまえて、関係機関などと連携や調整を行いながら、解決に向けた援助方法を提案・計画します。

ソーシャルワーカーとはどこが違うの?

ソーシャルワーカーとケースワーカーは何が違うのでしょうか。実は、ケースワーカーはソーシャルワーカーの一種です。

もともと「ソーシャルワーカー」という言葉は福祉事業にかかわる仕事をする人全般を指すことが一般的でしたが、近年では社会福祉士・精神保健福祉士といった資格を持った人に対して使われることも多くなっています。

一方でケースワーカーは、福祉事務所のような公的機関に在籍しているケースが多いです。

ケースワーカーはどんなお仕事をするの?


ケースワーカーの仕事内容は、勤務している場所や相談の内容によって異なり、子どもの不登校・介護・生活保護関連など多岐にわたります。おおよその流れについて、以下で詳しく見ていきましょう。

1. 面談|困っている内容を聞き出す

支援の依頼に訪れた人と面談し、どんな状況でありどんな風に困っているのかなどを詳しく聞き出します。これは、収入・家庭環境・住宅など相談者や家族の現状を把握し、まずは本当に支援が必要なのかを判断するためです。

2. 支援の決定・手続き

支援を行うかどうかを判断し、行う場合は具体的にどんな支援が必要か、援助方法を決定します。決めた内容に従って、手続きも行わなければなりません。また、ほかにどのような援助が利用できるかを相談者に説明することも大切です。

3. 支援の実施

上記の決定に基づいて、必要な支援をスタートします。相談に乗ったケースワーカーから地区の担当ケースワーカーへ業務を引き継ぎ、担当者は相談者の家庭を訪問するなどして実態を調査します。

相談者は、生活に困難を抱えている高齢者や貧困者、病気を患っている人、その家族やひとり親などさまざまです。調査のうえで、支援を必要としている対象者の介護施設への入所や生活保護の受給など、さらに具体的な支援の方針を決めて進めていきます。

4. 支援状況の定期確認

支援が始まったらそれで終わりではなく、経過観察をすることも重要です。支援がきちんと行き渡っているか、問題なく実施されているか、家庭訪問などを通して定期的に状況確認を行います。

面談の記録・整理をしたり、報告書を作成したり、援助内容の変更が必要な場合は手続きをしたりという業務も必要です。

ケースワーカーはどんな場所で活躍しているの?

ケースワーカーはどのような場所で働くのでしょうか。主な勤務先と業務内容を紹介します。

1. 福祉事務所

ケースワーカーの職場として代表的な場所が福祉事務所です。都道府県や市町村といった地方公共団体に設置が義務付けられている行政機関で、ケースワーカーの所属も義務化されています。

医療機関や専門家と連携しながら、依頼者の相談に乗り、支援方法を提案するなど問題解決に向けた取り組みを行います。

2. 介護施設

ケースワーカーは、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設でも活躍が期待され、「生活相談員」とも呼ばれます。なお介護施設で働く場合は、社会福祉主事任用資格などの、専門資格を所持していることが求められることも多いです。

利用者や家族の要望に応じて相談援助を行ったり、新規サービスの利用手続きを行ったり、ケアマネジャーとの連携・調整をしたりという業務を行います。

3. 病院・保健所

ケースワーカーは、病院や保健所でも活躍できます。病院で働く場合、「医療ケースワーカー」とも呼ばれ、社会福祉士や精神保健福祉士の資格が必要とされるケースが多いです。

患者や家族の相談を受け、受診時の援助や退院後の生活サポートに関する提案などを行います。また、医療に関する知識があることはもちろん、状況に応じて公費負担医療制度・社会保険制度などの提案をすることも求められるため、幅広い知識が求められます。

4. 児童相談所

児童相談所で働くケースワーカーもいます。業務内容は、0~18歳の児童や家族が抱える問題の解決を図るための調査・アドバイス・援助です。

児童をめぐっては、非行・不登校・子育てに関する悩みなどさまざまな問題があり、面談を通じて困りごとを把握し、適切な援助や助言を行うことが求められます。相談者と定期的に連絡を取って、随時変化する状況に対応していかなければなりません。

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ケースワーカーになるにはどうすればいいの?

では、実際にケースワーカーとして働くにはどうすればいいのでしょうか。必要な資格などについて解説します。

ケースワーカーになるにはどんな資格が必要?

ケースワーカーになるためには資格が必要です。どんな資格が求められるのかを以下で紹介します。

社会福祉主事

社会福祉主事とは、自治体の福祉事務所で社会福祉業務を行う役職です。所定の課程や科目を履修して「任用資格」を得たのち、地方公務員として社会福祉主事になることができます。民間施設などに勤務する場合は、社会福祉主事とは呼ばれません。

詳しくは、下記のページもご覧ください。
社会福祉主事とは? 社会福祉主事任用資格を取得する3つのメリットと取得方法を紹介 | MORE REJOB

社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士とは、高齢者や障がい者など生活が困難な人からの相談を受け、必要な福祉サービスを提供する仕事で、精神保健福祉士とは、精神障がい者や家族の相談に応じて適切な支援を行う仕事です。

社会福祉士や精神保健福祉士の資格を所持している人は、上記の社会福祉主事の任用資格があると見なされ、社会福祉主事として活動することができます。

なお、2つの資格の詳細は、以下の記事でお伝えしています。
社会福祉士とはどんな仕事?活躍できる職場や国家資格の取り方を紹介
精神保健福祉士とは? 求められる役割を紹介|精神保健福祉士の仕事内容を解説 | MORE REJOB

児童福祉司|児童相談所勤務を目指す場合

児童相談所でケースワーカーとして働きたい場合は、大学や養成機関で所定の学習を行い、児童福祉司の任用資格を満たす必要があります。

なお、児童福祉司とは、悩みや困難を抱える子ども・保護者などから相談を受け、調査や診断をしたり、必要な指導や援助を行ったりする仕事です。医師・社会福祉士の資格を持つ人も、児童福祉司の任用資格を得られます。

自治体の福祉事務所に勤めるには公務員試験合格も必要

上記の資格に加えて、自治体の福祉事務所に勤務する場合には、公務員試験を受験して合格しなければなりません。つまり、社会福祉主事としての資格のほかに、公務員試験への備えも必要です。

ケースワーカーは生活に困難を抱えた方を支援するやりがいのあるお仕事!

ケースワーカーは、生活に問題のある人が暮らしやすいようにさまざまなサポートを行う仕事です。介護・保険・医療など、幅広い知識が求められるぶん、やりがいのある仕事でもあります。

多くの人から必要とされる職業なので、やってみたいと思った人はぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

引用元サイト
福祉事務所ケースワーカー – 職業詳細
ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法
1.児童福祉司の概要等について

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