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特集・コラム 2022-09-07

訪問介護員(旧ホームヘルパー)の資格に必要な要件とは?仕事内容や給料についてもまとめて解説

訪問介護とは、ご老人や障がいを持っている方が日常生活を困難なくおこなえるように、お風呂やトイレ、掃除や洗濯などサポートをする仕事です。

今回は、訪問介護員(旧ホームヘルパー)の資格に必要な要件や、仕事内容・給料などについてを紹介します。

訪問介護員になるためには資格が必要

訪問介護員になるためには資格が必要です。訪問介護員として働くために取得すべき資格は、いくつか種類がありどれか1つを取得すると仕事が行えるようになります。どのような資格があるのかを下記で確認してみましょう。

必要な資格①介護職員初任者研修

「介護職員初任者研修」は訪問介護員になる上で一般的に取得する人が多いであろう資格です。もともとはホームヘルパー2級と呼ばれていましたが、2013年4月1日にあった「介護保険法施行規則」が改正されたあとに「介護職員初任者研修」に変更されました。

資格の内容としては、介護や訪問介護に関わる基本的な業務について網羅されたものとなっています。介護の経験がなくても学ぶことができ、介護や訪問介護の業務内容である、「生活支援」や「身体介護」などについて学べる実践的な内容です。

必要な資格②介護職員実務者研修

「介護職員実務者研修」の資格は、先ほど紹介した「介護職員初任者研修」の上位資格として存在しています。以前のホームヘルパー1級の資格に相当しています。この資格を取得することで、さらにいろんな方に対して介護する知識や能力が身につきます。

また、この資格を取得すると、介護職の中でも唯一の国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得ることができます。介護職員実務者研修を修了しておくことで、介護福祉士の実技試験の免除も可能です。

必要な資格③介護福祉士

介護福祉士は、先ほども紹介したように、介護の資格の中で唯一の国家資格です。この資格を取得することで、訪問介護員として活躍することができます。介護福祉士は、利用者に対して、食事の補助や入浴や排せつなどの介護をただ行うだけではありません。

知識を活かして、利用者一人ひとりの個性や生活に合わせてケアを行うさらに深いサービスの提供ができるようになることが求められています。

必要な資格④生活援助従事者研修

「生活援助従事者研修」も訪問介護の仕事を一部担うことができます。2018年4月に新しくできた資格で、訪問介護を行う上で「生活介助」の業務を担うことができるようになります。「身体介護」の業務はできないので取得を検討する際は注意が必要です。

生活介助の主な仕事内容としては、利用者の生活に関わる家事となります。生活援助従事者研修の資格は短期間で取得しやすく、訪問介護員としては入門のような立ち位置の資格となっています。

訪問介護員の仕事内容について

訪問介護員の仕事内容について解説します。利用者の自宅でサービスを提供する訪問介護員ができること・できないことや仕事内容として大きく2つに分けられる、「身体介護」と「生活援助」の内容について紹介します。

訪問介護でできること・できないこと

訪問介護でできることは、基本的にケアプランを元に決められており、それ以外のことはできない仕組みになっています。できること・できないことを区別するのは、利用者の自立を阻害してしまったり、トラブルが起きたりするのを防ぐことが目的です。

訪問介護では主に「身体介護」と「生活援助」のサービスを行います。その内容を以下で把握し、できることを確認してみましょう。

仕事内容①身体介護

訪問介護の仕事内容の1つとして「身体介護」の業務があります。具体的な仕事内容については、体位変換、食事、排泄、入浴、更衣、身だしなみ、通院補助などです。身だしなみの面では、散髪はできないこととなっています。

また、通院補助の際は、受付の手続きなどは行えますが、一緒に中で待機したり、診察を受けることは基本的にはできません。また、送迎の際は、自家用車での送迎はできないようになっています。

仕事内容②生活援助

訪問介護の仕事内容の2つ目として「生活援助」があります。具体的な仕事内容については、一般的な食事の調理、洗濯、買い出し、掃除、外出支援などが主な業務となっています。食事の調理に関しては、利用者以外の人に対しての調理は行えません。

また、掃除に関しても利用者と関係のない部屋の掃除はできません。庭の手入れなども業務の対象外となります。ペットの世話なども行えません。外出支援に関しては、ケアプラン外の散歩や美容室へ一緒に行くことなどはできません。

訪問介護員の給料について

高齢者の自宅での生活を支える訪問介護員の給料について、いったいどれくらいなのか気になるところです。ここからは訪問介護員の給料について解説します。

全国平均の給料(年収・月収・ボーナス)

訪問介護員の全国平均としての給料は、2021年度のデータで月収約31万円で手取りでは約25万円となっています。全国平均なので都道府県ごとに差異があるのはご了承ください。

年収は約364万円(厚生労働省の統計データ(職業情報提供サイト(日本版O-NET))でボーナスは勤続年数によって異なりますが約4万円〜37万円です。ホームヘルパーの仕事のニーズは高齢化社会により高まっており、これからも活躍していけることが期待できます。

参考URL:「賃金構造基本統計調査 令和3 年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」厚生労働省

(日本版O-NET)厚生労働省

正社員・パートタイムの給料

訪問介護員の正社員・パートタイムの給料について紹介します。訪問介護員の正社員の給料は、先ほど紹介したように月収で約31万円です。パートタイムの場合は、常勤では約1,400円、非常勤では約1,660円でした。

訪問介護を行う上での仕事内容の範囲や取得している資格の種類によっても金額は異なります。しかし、一般的なアルバイトと比べても時給は高めだといえるでしょう。

登録・派遣ヘルパーの給料

訪問介護員の登録・派遣ヘルパーの給料について紹介します。登録ヘルパーとは、通常のパートタイムとは仕組みが異なり、希望する時間や曜日に合わせて、訪問介護事業所から仕事を紹介してもらう働き方のことです。

登録ヘルパーや派遣の方が時給が高い傾向にあり、時給は約1,950円です。正社員と同じ日数で同じ時間働くと、給料が上回ることも。ボーナスやキャリアアップは期待しづらいですが、掛け持ちなどもでき自由に働けるところで魅力です。

訪問介護員の資格を持って介護現場のプロフェッショナルとして仕事をしよう!

今回は、訪問介護員の資格に必要な要件や仕事内容、給料などについて紹介しました。自分自身や事業所のニーズに合う資格を取得し、介護の現場でプロとして活躍していきましょう。

働き方もさまざまなので、ライフステージに合わせて働きやすい業種といえます。今後さらにニーズが高まることが予想されるため、介護職の資格をとり活かして働いてみましょう。
引用元
「賃金構造基本統計調査 令和3 年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」厚生労働省

(日本版O-NET)厚生労働省

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