「頑張りすぎない」が長く働くコツ 介護リレーインタビュー Vol.11【採用担当兼就労移行支援・採用担当兼就労移行支援・齋藤幹さん】#2
介護業界における職種や仕事内容について詳しくご紹介するべく、実際に介護現場で働く方々にインタビューする連載企画。
今回は就労移行支援事業や共同生活援助事業などの事業を展開している「社会福祉法人さざんかの会」で、採用担当兼、就労移行支援を務めている齋藤幹さんにインタビュー。
前編では介護業界に進むきっかけや採用と就労移行支援の業務内容とそれぞれのやりがいをご紹介しました。
後編では介護業界で働いていて、利用者の成長が見られるという楽しさや結果がすぐに出ないという難所。そして、齋藤さんならではのリフレッシュ方法と「社会福祉法人さざんかの会」の認知度を広げるという展望などをお聞きします。
《お話を伺ったのは…》
齋藤幹さん…大学では教育学科を専攻。大学卒業後は高齢の方と障害者の方の複合施設で身体障害者の方への介助スタッフとして働く。3年後、腰が悪くなったことをきっかけに人材紹介の会社で営業職として入社。5年後、「社会福祉法人さざんかの会」に採用担当兼就労移行支援のスタッフとして入社。
就労移行支援・採用担当のお仕事の楽しいところ
楽しい環境作りが、私自身も楽しく仕事をすることに繋がります
―お仕事をしていくなかで楽しいと思うことを教えてください。
就労移行支援は、利用者の方が作業を通じて出来るようになったことが増えた時です。加えて、言葉でのコミュニケーションや、非言語のコミュニケーションを介して利用者の方の気持ちや考えを理解出来た時にも楽しさを感じますね。
利用者の方にとっても楽しいと思っていただく環境作りを追求した結果、私自身が楽しく仕事をすることができているように思います。
例えば、漢字の書き取りプログラムで利用者の方が漢字を間違えてしまった時。「書き直してね」と冷たく伝えるより、「違う!違う!(笑)。これは、一本多い!多い!(笑)」と、ラフに伝えること、和やかな空間ができ、利用者の方と私自身も楽しく作業・仕事をすることができますよね。
―仕事を続けていくために工夫していることを教えてください。
頑張りすぎないことです。目標を達成するために努力をすることは大事なのですが、続けて仕事に楽しさを感じられなくなったり、体調を崩してしまっては意味がないと思っています。8時間勤務だとしたら、一日中全力を出さないと回せないこともあると思うのですが、それだと退勤まで体力が持たない。肩の力を抜き、出来るポイントを見つけて、日々の仕事をこなすことを意識していったからこそ、続けられていると思います。
就労移行支援・採用担当の難しい一面
結果がすぐに出ないこともあるし、求めている基準に満たないこともあります
―仕事をしていく中で苦労していることをお伺いできますでしょうか。
利用者が考えていることを上手く汲み取れない時ですね。利用者にとって良い支援を行ないたいのですが、言動から上手くご本人のご意向をくみ取ることが出来ず、求めている就労支援プログラムを提供できなかった時が辛いですね。
就労移行支援では結果がすぐには出てこないこともあります。
利用者の方が、社会参加までに数カ月もかかることがあるので、根気強くやっていくことも大変な面としてあります。
採用担当では、お願いしたい就業条件の方に巡り会えないことも。『採用あるある』だと思いますが、そういうところで理想とのギャップを感じたことはありますね。
―利用者の方を理解するために工夫されていることはありますか?
私の場合は気楽な感じに付き合うことです。初対面だとどんな方かわからず、どうアプローチしたら嫌われないかって緊張してしまうことがあると思うんです。その緊張は場合によっては利用者の方に伝わり、そして伝染します。気楽な人柄で接して、利用者の方に自然体でいていただくことを意識しています。
休日の過ごし方
やりたい気持ちがピークの時にやりたいことをやる!
―仕事で溜まった疲れをどうリフレッシュしていますか?
趣味・興味を持ったことに没頭する。興味がピークの時に実行すると、より面白いと感じることができます。テレビゲーム、野球、登山などなど、一度経験した趣味から、経験したことのない分野まで幅広く視点を持ち、その中でやりたいと思ったものをその時にやる。これが僕にとっては仕事で溜まった疲れをリフレッシュする方法です。
今後の目標
知名度を上げるために地域とのかかわりを大切にします
―今後の課題を教えてください。
「社会福祉法人さざんかの会」の事業や障害者の方の特徴などを含め、認知度を広げることです。障害者の方への理解を深めていただき、少しでも社会参加しやすい環境になれば良いと思っています。そのために、新事業や就労移行支援などを通じて地域との関りをどんどん広げていきたいです。
私個人ですが知名度を上げるための着想を外部の営業の方から得たり、法人や地域の方と関わり、事業や障害者の方のお話をしたりしています。
【採用担当・就労移行支援のここが魅力!】
1.利用者の「出来るようになった」でモチベーションアップ
2.内定者の活躍に心が躍る
3.他業種との関りが刺激的!
【編集後記】
就労移行支援では利用者の方にとっても楽しいと感じる空間作りをしている齋藤さん。取材中、笑顔でお話してくださっていたので強く感じ取ることが出来ました。
就労移行支援と採用のお仕事を上手くこなすポイントは、「肩の力を抜くポイントを見極め、無理しすぎない働き方をする」こと。これからこの業界を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
▽前編はこちら▽
利用者の「出来るようになった」が私のやりがいです 介護リレーインタビュー Vol.11 【採用担当兼就労移行支援・齋藤幹さん】#1>>
取材・文/井上桂佑(レ・キャトル)