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特集・コラム 2021-05-20

サービス提供責任者になるための要件とは? サービス提供責任者の業務内容を紹介

サービス提供責任者とはサ責と呼ばれることもあり、訪問介護の現場でリーダー的役割を担う方のことです。訪問介護事務所には1名以上のサービス提供責任者を置くことになっており、利用者が40人ごとに1名以上が必要となってきます。

ここでは、サービス提供責任者になるための要件やサービス提供責任者の業務内容について、詳しくご紹介しますので、参考にしてはいかがでしょうか。

サービス提供責任者になるための資格要件とは?

特別「サービス提供責任者」という資格があるわけではなく、介護福祉士や介護福祉士実務者研修などの資格を取得している方がなることのできる役職の名称です。ここでは、サービス提供責任者になるための要件について解説します。

介護福祉士

介護福祉士とは、介護に関する数多くの資格のなかで唯一の国家資格です。介護が必要な高齢者や障害者のために食事や入浴など日常生活の介護や介助をおこなう方に対して、相談に乗ったり、アドバイスをしたりなど、精神的なサポートをおこないます。

この資格は介護福祉国家試験を受験して合格すると取得でき、一度取得すると更新なしで、一生全国で通用する資格です。国に指定された養成施設や福祉系高校などを卒業するほか、介護職員実務者研修を修了して3年以上の実務経験を積むと、国家試験を受験することができます。

介護職員実務者研修修了者

介護職員実務者研修は、実務経験を積んでから介護福祉士の国家試験を受験するために必要となる資格です。受験のためというだけでなく、介護職員として働くうえで、現場で役立つ知識や技術を学び、質の高い介護サービスを提供するための資格でもあります。資格取得ための学習時間は、「介護の基本」や「認知症の理解」、「医療的ケア」など20科目450時間です。

旧資格|介護職員基礎研修課程修了者・ホームヘルパー1級課程修了者

介護職員基礎研修は、2012年度にホームヘルパー1級と一本化されて廃止され、現在はどちらも旧資格となっているので、新たに取得することはできません。すでに取得している方に限り、介護職員基礎研修課程修了者やホームヘルパー1級課程修了者も、サービス提供責任者となることができます。

事業に同行援護がある場合|同行援護従業者養成研修修了者など

事業に同行援護がある場合、上述した介護福祉士などの資格を取得していても、サービス提供責任者にはなれません。同行援護とは、単独で外出することのできない視覚障害者のために、外出時に同行して移動や食事、排せつなどの介護や外出時に必要なサポートをおこなうことです。

事業に同行援護がある場合のサービス提供者となる要件は、同行援護従業者養成研修を修了していることとなります。また、埼玉県にある国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科修了者も、サービス提供責任者となることが可能です。

事業に行動援護がある場合|行動援護従業者養成研修課程修了者など

事業に行動援護がある場合は、上述した介護福祉士などの資格を取得していても、サービス提供責任者にはなれません。行動援護とは、知的障害や精神障害などの方が普段の生活や外出時などに支援が必要な場合、行動のサポートをすることをいいます。おもなサポート内容は、行動に危険が伴う可能性がある場合にその回避のための援護、外出の際の移動の介護、排せつや食事などです。

事業に行動援護がある場合にサービス提供責任者ためには、行動援護従業者養成研修課程か、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)を修了する必要があります。これにくわえて、知的障害者か精神障害者の直接支援を3年かつ540日以上していることが要件です。

【注意】介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)+実務経験3年以上ではなれない!

以前は介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了していて実務経験が3年以上ある方でもサービス提供責任者になれたのですが、2018年度の介護報酬改定によって、その対象から外れました。

現在は、上述したように介護福祉士、介護職員実務者研修修了者、旧資格の介護職員基礎研修課程修了者・ホームヘルパー1級課程修了者の方のみがサービス提供責任者になることができます。介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了していて実務経験が3年以上あるというだけではサービス提供責任者にはなれないので、ご注意ください。

サービス提供責任者の仕事内容を紹介!

サービス提供責任者になるための要件は、介護福祉士、介護職員実務者研修修了者、旧資格の介護職員基礎研修課程修了者・ホームヘルパー1級課程修了者となっていることがわかりました。

しかし、その仕事内容にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、利用者さんがスムーズに訪問介護を受けるための計画を立てたり、現場で働くヘルパーの方の指導にあたったりなど、サービス提供責任者のおもな仕事内容についてご紹介します。

利用者とサービスを繋ぐ手助け|相談や調整

訪問介護のサービスを希望する利用者の相談に乗り、サービスを利用するために必要となる手続きができるように調整をおこないます。

利用者や家族と面談・面接

訪問介護のサービスを希望する利用者さんのお宅を訪問して、本人やその家族の方と実際に会って話をします。利用者や家族の悩みや希望するサービスの内容などを聞いて、どのような介護サービスが必要なのかを吟味するための判断材料とするのです。

ケアプランにもとづく訪問介護計画書の作成

利用者や家族の方との面談の結果を判断材料に、ケアマネジャーが作成するケアプランを基にして、訪問介護計画書を作成します。ケアプランとは、サービス全体の方針や内容の骨組みとなるものです。

訪問介護計画書では、ケアプランをもとに具体的なサービス内容を示していきます。この訪問介護計画書に記載されるのは、利用者さんの目標や課題、具体的な支援の内容やスケジュールなどです。

ヘルパーへの指示や技術指導

訪問介護計画書に沿って、ヘルパーに具体的な指示を出したり、技術指導をおこなったりします。それに伴い、ヘルパーからの相談を受けたり、スケジュール調整をおこなったりすることもあるのが特徴です。

ヘルパー業務

サービス提供責任者の仕事は、事務作業や管理業務などだけではありません。ヘルパーの経験が浅い場合や利用者さんのお宅にヘルパーが初めて訪問する際など、同行してヘルパー業務のサポートをすることもあります。ヘルパーのスケジュールの都合によっては、急遽シフトに入り、通常のヘルパー業務をすることもあるのです。

サービス提供責任者が兼務できる職とは?|管理者・ヘルパー

訪問介護事務所には、ヘルパー、サービス提供責任者、管理者の人数が、それぞれ定められています。このうち、サービス提供責任者はヘルパーとの兼務も管理者との兼務も、二役までなら可能です。

ただし、サービス提供責任者とヘルパーと管理者の三役を兼務すると、業務が滞ってしまう可能性があるため、禁止されています。兼務の細かい用件は、都道府県によって異なることもあるので、詳しくは各自治体に問い合わせるようにしてください。

必要な資格要件を満たしてサービス提供責任者を目指そう!

サービス提供責任者は、その名称の資格があるわけではなく、資格要件のある役職です。要件には、介護福祉士、介護職員実務者研修修了者、旧資格の介護職員基礎研修課程修了者・ホームヘルパー1級課程修了者のいずれかの資格を所持しており、訪問介護の現場でのリーダー的役割をします。

サービス提供責任者は、利用者やその家族、現場のヘルパーさんなど、たくさんの人から頼りにされるやりがいのある仕事です。すでに上述したいずれかの資格をお持ちの方も、これから取得しようと検討されている方も、キャリアアップのために、サービス提供責任者をめざしてみてはいかがでしょうか。

参照元:
三幸福祉カレッジ 【2020年最新情報】サービス提供責任者になるための要件は?
三幸福祉カレッジ 介護福祉士とは
千葉県 サービス提供責任者の資格要件について
東京都福祉保健局 2 訪問介護

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