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学び・キャリア 2020-05-21

介護職 無資格の転職について

「福祉や介護の仕事に興味はあるけど、資格は持ってないし……資格取得費用は高いだろうし……そもそもどんな資格を取ればいいのかわからないし……」と、色々悩んでいる方は、就職のチャンスを逃しているかもしれません。
実は、介護の業種では「無資格・未経験OK」の求人がたくさんあるので、無資格でも十分チャレンジする価値はあります。
ただし、無資格者が「介護に関わるすべての仕事」に携われるわけではありません。

介護無資格者が「できること」と「できないこと」

ではここで、無資格者ができる仕事とできない仕事内容を見て行きましょう。

<施設での介護業務:○>

特養(特別養護老人ホーム)や有料老人ホーム、デイサービスのような施設系の現場では、掃除・食事介助・排泄介助・入浴介助(洗髪)など、ほとんどのサービスを行うことができます。

ただし、事務処理作業等の可否は社内規定によります。また、生活相談員業務の可否は地方自治体によって異なります。それぞれ施設長や自治体に条件を確認しましょう。

<訪問介護(生活援助):○>
集合住宅や戸建など利用者の住まいに行って暮らしを助ける訪問介護のうち、介護対象者の生活や家事の手伝いを行う生活援助業務は、無資格でも行うことができます。

<訪問介護(身体介護):×>
同じ訪問介護でも、介護対象者の身体に直接触れる身体介護は無資格では行うことができません。
訪問介護にて身体介護を行うには「介護職員初任者研修(元:ホームヘルパー2級)」が必要です。

<訪問介護(サービス提供責任者):×>
訪問介護の中でも重要なポジションであるサービス提供責任者は、無資格ではなることができません。

<訪問入浴:○>
訪問系でも、訪問入浴は資格取得の必要はありません。
ここに記載したものは、あくまでも法令上の決まりです。当社内規定で別に制度が設定されているケース、社別の方針・指定もありますのでご注意ください。

介護業界の求人募集状況

求人サイトで「無資格」で検索すると、雇用形態(正社員・派遣スタッフ・アルバイトなど)によらず、無資格者を募集している多くの法人が閲覧できます(※稀に無資格者は応募できない求人ページも表示されます。無資格者を募集している求人だけを検討リストに入れるようにしましょう)。

それらの職場はもちろん無資格でも勤務可能なわけですが、企業としては「できれば実務経験者で、資格を所持している人材が欲しい」というのが本音です。

「一人だけ職員を追加入社させたい」という時に、有資格者と無資格者が面接に来た場合、当然有資格者が優遇される感じでしょう。

無資格者が就職面接を受ける時の注意点

前述したように、無資格者よりも有資格者、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)修了者よりも介護福祉士の方が採用されやすいという話はわかっていただけたと思います。

その理由は簡単で、有資格者の方が介護のプロとしての知識があるからです。当然企業側からすると、入社してからの研修時間も少なくて済むなどいろんな面で助かります。

そんな現状を打破して、採用に繋げるためのコツが数点あります。志望動機や自己PRの表現方法に関しては有資格者も無資格者もほとんど一緒ですので、無資格者がアピールすべきポイントをご紹介します。

<これまでの経験からアピール>

既に介護職や介護ボランティアの実働経験がある人はそれらの経験から、まったく介護職の経験がない人はこれまでの職歴・アルバイト歴から、今後に生かせることをアピールしましょう。
例えば高校時代にアルバイトで接客業をしていた人なんかは、施設利用者の対応に生かせることをアピールすればいいですし、お客さんにお礼を言われて嬉しかった経験、エステティシャンとしてお客様に直接触れる経験など、介護に関係しそうなことであればアピールポイントになるので、これまでの自分の経験を事前に振り返ってみてはいかがでしょうか。

<コミュニケーション能力をアピール>
面接官が従業員に求める能力にコミュニケーションスキルがあります。
これは利用者との会話にも大切なスキルですが、その他、スタッフとのコミュニケーションにこの能力が必要なのです。
退職してしまう人はスタッフ間の人間関係がイヤで辞める人が多く、それに困っている施設も少なくありません。
あなたのコミュニケーション能力を、実績例を織り交ぜて話し、先輩スタッフと良い質の関係を作れる自信があることを面接官にアピールしましょう。

資格を取得するには

ここまで読んでいただいた上で、介護の仕事は無資格でも働ける、とは言え資格があるに越したことはないということはわかっていただけたと思います。
更に、資格があると給与(月給・時給・賞与)も高くなります。
通常、日祝手当・精勤手当のような手当と同様に資格手当があり、所持資格に応じて支給されます。また、仕事内容も変わるでしょう。
施設によっては無資格の間は「サポート勤務」「夜勤ができない」のような決まりがあります。交代制スタッフの一員として機能するためには、やはり何らかの介護系の資格を取得するべきでしょう。

<どんな資格を取れば良いか>

現状無資格の人には、まず「介護職員初任者研修」という初心者向けの資格の取得をおすすめします。
その理由は、取得するための費用が比較的安価であり、必要な期間が短いからです。
また、将来的に「実務者研修」や「介護福祉士」などの上位資格を取るのに都合が良いことも理由のひとつです。

<「介護職員初任者研修」を修了するために必要なこと>

介護職員初任者研修を修了するためには、厚生労働大臣によって定められた基準に基づいて都道府県が指定した事業所で130時間の講義を受けることが必要です。
そのカリキュラム詳細は以下のように決められています。

科目 講義時間
1 職務の理解 6時間
2 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
3 介護の基本 6時間
4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
5 介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6 老化の理解 6時間
7 認知症の理解 6時間
8 障害の理解 3時間
9 こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
10 振り返り 4時間
合計 130時間

※上表とは別に、筆記試験による修了評価(1時間程度)が実施されます。

介護職員初任者研修には土日の講習や夜間制、通信などもあるため、働きながらでも受講可能です。
受講期間は受け方にもよりますが、平日の通学講座であれば1~2か月程度で修了できます。

よくある質問・相談

ここでは、「無資格」「資格取得」関連のよくあるご質問・ご相談に回答していきます。(※質問者名は匿名にしています)

Q1.「ホームヘルパー2級の資格を取りたいのですが、取り方がわかりません。

A1.「ホームヘルパー2級」は2012度に廃止されて「介護職員初任者研修」に移行されました。
また「ホームヘルパー1級」も同様に「実務者研修」に移行されています。
2016年現在では「ホームヘルパー2級」は取得できないので、「介護職員初任者研修」を受講しましょう。

 

Q2.求人広告に載っていたのですが、「退職金前払い制度」って何ですか?

A2.「退職金前払い制度」とは退職金の受け取りを退職時に行うのではなく、毎月の給与や賞与に上乗せした相当額を受給する制度のことです(月給が退職金前払い込みの金額になっています)。
退職してからの生活を安定させるための「退職金」として考えると本質を逸脱していますが、雇用の流動化が当然の現代では考えられる方法のひとつと言えるでしょう。

 

Q3.無資格から介護福祉士の資格を取る方法を教えてください。

A3.無資格の場合はまず、3年(実働日数540日)以上の介護実務経験を積む必要があります(介護福祉士受験資格)。さらに、実務者研修(450時間)を修了することにより、介護福祉士の試験を受けることができます。
※実務者研修自体は介護実務未経験でも受講できます。

 

Q4.デイサービスで管理者から「身体介護には資格が必要です」って言われました。

A4.法令としては、デイサービスでの身体介護に資格は必要ありません。ただ、社内基準で定められているのかもしれません。管理者か施設長に確認してみましょう。これを機に資格を取得するのも良いと思います。

 

Q5.40代で無資格ですが、介護の仕事は難しいでしょうか?

A5.介護の仕事は40代だと高齢というわけではありません。50代、60代から始める方もたくさんいらっしゃいます。これまでの社会人経験を生かして、介護の業界での活躍を目指してみてはいかがでしょうか。

まとめ

無資格の場合は介護業界で働けないということはありません。しかし、資格を所持していた方が仕事の範囲は広がりますし、責任がある仕事も任せてもらえます。
無資格の人はまず「介護職員初任者研修」を受講してはいかがでしょういか。「無資格だけど、今すぐ介護の仕事がしたい」という人は、働きながら受講する方法をお勧めします。
その後、実務者研修を受講し、自分が将来どうなりたいのかを考え、介護福祉士や社会福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)など、ステップアップをしていきましょう。

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