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特集・コラム 2021-07-31

訪問介護にも夜勤はあるの? 夜間対応型訪問介護とは|夜勤で働くメリット・デメリット

介助が必要な高齢者の生活を支える訪問介護員(ヘルパー)の仕事。夜間の生活でも、ヘルパーの介助が必要になる方がいます。このため、介護保険サービスには「夜間対応型訪問介護」というサービスがあり、夜間に働くヘルパーがいるのです。

夜間対応型訪問介護とはどのようなサービスで、どんな仕組みになっているのでしょうか。夜勤の仕事のメリット・デメリットと、夜勤をする際に気をつけたほうがよいこともあわせてご紹介します。

訪問介護にも夜勤はある! 夜間対応型訪問介護とは

ホームヘルパーの仕事形態のなかには、夜間のシフトで対応する「夜間対応型訪問介護」があります。この夜間対応型訪問介護はどのような仕組みになっていて、ヘルパーはどのようなサービスを提供するのでしょうか。

夜間対応型訪問介護とは? どんな仕事・介助をするの?

夜間対応型訪問介護では、昼夜を問わず必要な支援がある場合におこなう定期訪問と、夜間の緊急時に連絡を受けて対応する随時訪問があります。その仕事内容を確認しておきましょう。

定期巡回|夜間に定期的に訪問して必要な支援をおこなう

定期巡回サービスでは、排泄介助やおむつ交換、体位変換など、昼夜を問わず一定の間隔で必要となる介助から、安否確認などを担当。訪問する頻度や時刻、滞在時間などについては、ケアプランに記載されているため、そのプランに沿って支援をおこないます。

随時対応|緊急時に訪問して必要な支援をおこなう

ひとり暮らしで介護が必要な高齢者や家族では対応しきれないような緊急事態が予測される場合には、随時対応ができる随時訪問サービスがあります。

具体的には、ひとり暮らしで、転倒すると自分では起き上がれないという方やベッドから落ちてしまうと家族では対応できないという方などが対象です。随時訪問が必要な際に、本人や家族からの連絡を受けて訪問します。

オペレーション|通報により対応方法を判断するサービス

随時訪問で対応する緊急事態のなかには、ヘルパーが訪問して解決できる問題なのかどうかの判断がつかないことが少なくありません。

ヘルパーの随時訪問でよいのか、主治医への連絡や救急車の手配が必要なのかをオペレーターが利用者や家族の話を聞いて判断します。そのなかには、訪問しなくても、電話で対応方法を提案したり、利用者の話を聞いたりすることで解決できる場合もあるのが特徴です。

事業所によっては、オペレーションセンターを通さずに随時訪問のヘルパーが対応する場合もあります。

夜間対応型訪問介護で働くには資格が必要? おすすめの資格とは

夜間対応型訪問介護で働くには資格は必要となるのでしょうか。ここでは、おすすめの資格をご紹介します。

ホームヘルパーの資格は必要|介護職員初任者研修

夜間対応型訪問介護で働くためには、ホームヘルパーの基礎的な資格である介護職員初任者研修の取得が必要です。無資格未経験可の求人で働きはじめた場合には、最初は経験と資格のある先輩と一緒にふたりでの対応が必要な利用者宅などを訪問しながら、資格取得を目指していきます。

介護職員初任者研修は、無資格・未経験でも130時間の研修を受けて最終日の試験に合格すれば取得できる資格です。介護の仕事をしている方や今後目指している方は、取得しておくと仕事の役に立つでしょう。求人情報などを見る際に、資格の有無で給与などの勤務条件が異なるかどうかも確認してみましょう。

おすすめの資格は?|実務者研修・介護福祉士

介護職員初任者研修をすでに取得している場合には、ステップアップとして介護福祉士実務者研修や介護福祉士の資格を取得するのがおすすめです。

介護福祉士実務者研修では、介護福祉士の受験資格を取得することができ、この研修を修了していると、介護福祉士の国家試験の実技試験が免除されます。また、介護福祉士に関しては、3年以上介護業務に従事していて、なおかつ実務者研修を受けて入れば受験することが可能です。

夜勤で働くメリット・デメリットとは?

介護の求人情報などで、「夜勤あり」や「夜勤専門歓迎」などと記載されているのを見かけたことはないでしょうか。ここでは、夜勤で働くメリット・デメリットを解説します。

夜勤で働くメリットとは?

夜勤には日勤のなかに夜勤が組み込まれているシフト制の夜勤と、夜間専門で勤務する夜勤があります。夜勤の仕事のメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

1. 給与・時給が高い

勤務時間が深夜におよぶ場合には、雇用形態を問わず日勤帯よりも給与が高くなっているのが特徴です。

正職員やフルタイムの臨時職員の場合には夜勤手当が基本給に加算されますし、パートタイムの場合には夜間帯の時給自体が高く設定され、さらに深夜帯には深夜割増がある場合もあります。介護の仕事をつづけながら、とにかく稼ぎたいという方にはおすすめの働き方です。

2. 夜間シフトなのでWワークもできる

夜勤専門で働く場合はシフトが夜間のみなので、Wワークが許されている職場やパートタイムであれば日中に違う仕事をすることもできます。

介護や子育てなどで家族と入れ替わりでも一日誰かが家にいるようにしたいという場合や日中の時間帯で学校に通いたいという場合なども、体力があれば夜勤のシフトと両立することができるでしょう。

夜勤で働くデメリットとは?

夜勤なら、日中の時間が自由になると思う方もいるでしょう。ここでは、夜勤のデメリットや注意したほうがよいことについて解説します。

1. 勤務時間が夜のため、生活リズムが崩れやすい

夜勤がなくても、もともと夜型で日中に働くのがつらいという方であれば問題ありませんが、多くの方にとって夜に働くことは、生活リズムや体内リズムが崩れてしまう原因になりかねません。夜勤専門の場合には夜勤を前提としたリズムに替えていきやすいですが、日勤と夜勤が交互にあるシフト制では体調を維持するための工夫が必要です。

また、日中にじゅうぶん休むことができないと慢性的な睡眠不足におちいったり、思わぬ事故を引き起こしたりしてしまいます。そのため、必要な睡眠時間を確保するように配慮することが大切です。

2. 日勤よりも緊急時の対応が増える

夜間帯では日中に比べると対応してくれる機関が少ないため、さまざまな連絡が入ることも。随時対応のなかには、ちょっとした不安などからすみやかな緊急対応の判断を求められるものもありますので、より高いスキルや冷静さが求められます。

夜勤の需要はある? 求人情報をチェック!

施設ではなく、夜間の勤務形態がある訪問介護員の需要はどの程度あるのでしょうか。介護福祉関連の求人情報から、ヘルパーステーションを中心にチェックした結果をご紹介します。

雇用形態に関わらず需要あり!

訪問介護事業所(ヘルパーステーション)の求人には、「遅番・早番」、「夜間専従」や「深夜」という表示が多いです。勤務時間を日中の時間帯と夜間の時間帯のシフトにわけた正社員の求人や深夜から明け方までの契約社員の求人など、夜勤のある仕事はもちろん、夜間専従の求人も容易に見つかります。そのなかには夕方から翌日の午前中までの夜間専従で日給2万円以上の求人もあり、とにかく稼ぎたいという方はチェックしてみるとよいでしょう。

正職員や契約社員の募集だけでなく、パートタイムでの求人も多いので、夜間に働くことのできるヘルパーの需要は高いです。給与や時給も日勤帯よりは高めに設定されており、完全週休2日制の求人も多くあります。

訪問介護にも夜勤はある! 条件にあった職場を選んで働こう

夜勤対応型訪問介護には、あらかじめ決められた時間に介助や見守りをおこなう定期巡回訪問と、必要なときに対応する随時訪問があります。

これらの夜勤には生活や体のリズムが崩れやすいというデメリットがありますが、自分なりのペースを作って睡眠時間を確保することで、収入アップやダブルワーク、家庭に合わせたライフサイクルなどを実現することが可能です。

夜勤対応型訪問介護のメリットやデメリットを把握したうえで、条件にあった職場で働いてみてはいかがでしょうか。

引用元:
厚生労働省 どんなサービスがあるの? – 夜間対応型訪問介護
公益社団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格 実務経験+実務者研修

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