精神保健福祉士国家試験の概要を紹介|国家試験の合格基準とは?
精神に障がいのある方のために生活面でのサポートをする精神保健福祉士は、介護に関する国家資格のひとつです。精神保健福祉士になるためには、国家試験を受験して合格しなければなりません。
ここでは、精神保健福祉士国家試験の概要や合格基準、合格率などをご紹介します。精神保健福祉士として介護の仕事をしていきたいと検討されている方は、参考にしてみてくださいね。
精神保健福祉士国家試験の概要を紹介!
国家資格である精神保健福祉士になるためには、まずは国家試験に合格しなければなりません。ここでは、第24回の情報にもとづき精神保健福祉国家試験の概要をご紹介します。
1. 試験日
次回開催される国家試験は、2022年2月5日(土曜日)と6日(日曜日)に実施される予定です。試験時間は、5日が13時30分~15時50分で、6日が10時00分~12時15分となっています。
また、障がいのある方に対しては試験時間の配慮があり、弱視等受験者は1.3倍、点字等受験者は1.5倍の時間が配分されており、開始時間は同じですが、終了時間がそれぞれ異なるのが特徴です。
2. 試験地|7つの会場で実施
精神保健福祉士の試験会場は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県の7カ所で実施される予定です。
3. 受験資格
精神保健福祉士の国家試験は、ほかの国家試験と同様で誰でも受験できるものではなく、受験資格が定められています。
対象となるのは、4年制大学で指定科目を履修して卒業した方、そして2年制か3年制の短期大学などで指定科目を履修して卒業し、さらに2年以上または1年以上の期間、指定施設で相談援助の実務経験を積んだ方などです。ほかにも、精神保健福祉士短期養成施設(6月以上)、または精神保健福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業した方も、受験資格をえることができます。
4. 受験申込書の受付(提出)期間
試験の受付期間は、2021年9月9日(木曜日)から10月8日(金曜日)(※消印有効)までです。はじめて申し込む方は、受験手引きを取り寄せる必要があります。
一方で、過去の試験で受験票を受けとった方のうち、確定した証明書をすでに提出している方、つまり受験資格が確定している方は、インターネットからの受験申し込みができるので、受験手引を取り寄せる必要はありません。
受験手引を取り寄せよう!
受験手引は、請求してから実際に届くまでに、数日間かかります。受験申し込みをする場合は、8月上旬から取り寄せることができ、どんなに遅くても受験申込書の受付締め切りである10月8日(金曜日)の1週間前である、10月1日(金曜日)までには必ず取り寄せるようにしてください。
取り寄せ窓口自体は、10月1日(金曜日)以降にも空いていますが、受験申込書の受付締め切りまでに届く保証はできません。さらに、台風や地震などの影響で、届くのが遅くなってしまう可能性もあるので、できるだけ早めに取り寄せ請求をすることをおすすめします。また、受験手引は、ひとりにつき1部しか請求できません。
インターネットでの請求と、郵送での請求の2通りの方法があります。
インターネットでの請求はこちらから
5. 試験問題|過去問はダウンロード可能
精神保健福祉士の国家試験の過去試験問題は、社会福祉振興・試験センターのサイトにて無料でダウンロードすることができます。
精神疾患とその治療などの試験科目と、午前と午後の音声読み上げ用試験問題が掲載されているので、過去の出題傾向を学ぶことができるでしょう。
共通科目|社会福祉士と共通
精神保健福祉士の国家試験の受験科目には、社会福祉士の国家試験の受験科目と共通の科目があります。したがって、すでに社会福祉士の資格を持っているという方は、共通している科目に関しての受験は免除されるということです。免除される科目は、以下のとおりです。
・人体の構造と機能及び疾病
・心理学理論と心理的支援
・社会理論と社会システム
・現代社会と福祉
・地域福祉の理論と方法
・福祉行財政と福祉計画
・社会保障
・障害者に対する支援と障害者自立支援制度
・低所得者に対する支援と生活保護制度
・保健医療サービス
・権利擁護と成年後見制度
専門科目|精神保健福祉士のみ
精神保健福祉士の国家試験のみに課せられる専門科目もあります。専門科目は、以下の5科目です。
・精神疾患とその治療
・精神保健の課題と疾患
・精神保健福祉相談援助の基盤
・精神保健福祉の理論と相談援助の展開
・精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム
『精神保健福祉士国家試験過去問解説集2022:第21回-第23回全問完全解説』
精神保健福祉士の国家試験の過去問題と答えは無料でダウンロードできますが、解説までは記載されていません。より理解を深めていくためには、参考書を使ってみるのもおすすめです。
この問題集は、過去3年分のすべての受験科目の問題と答えに加え、解説も充実しているので、試験勉強に役立つでしょう。
6. 合格発表
第24回の合格発表は、2022年3月15日(火曜日)におこなわれる予定です。合格者の受験番号に加え、合格基準点と答えがホームページに掲載され、合格証書は郵送されます。
国家試験の合格率と合格基準を紹介!
精神保健福祉士の国家試験は、誰でも受かるかんたんな試験ではありません。ここでは、国家試験の合格率と合格基準について、ご紹介します。
国家試験の合格率はどれくらい?
精神保健福祉士の国家試験の合格率は、2020年に実施された第23回の試験では64.2%でした。6,165人が受験して、合格したのはそのうち3,955人です。
男女別の合格率を紹介
精神保健福祉士の国家試験の男女別の合格率(合格者の内訳)は、2020年に実施された第23回の試験では、男性32.3%、女性67.7%でした。実際には男性が1,278人、女性が2,677人合格しています。
受験資格別の合格率を紹介|保健福祉系大学・養成施設
精神保健福祉士の国家試験の受験資格別の合格率は、2020年に実施された第23回の試験では、保健福祉系大学卒業者が36.0%、養成施設卒業者が64.0%でした。保健福祉系大学卒業者が1,423人、養成施設卒業者が2,532人合格しています。
年齢別の合格率を紹介
精神保健福祉士の国家試験の年齢別の合格率は、2020年に実施された第23回の試験では、30歳以下が42.1%、31~40歳が18.8%、41~50歳が22.0%、51~60歳が13.6%、61歳以上が3.5%でした。
30歳以下が1,663人、31~40歳が742人、41~50歳が871人、51~60歳が539人、61歳以上が140人合格しています。
合格率の推移を紹介
近年の精神保健福祉士の国家試験の合格率は、以下のとおりです。
第23回(2020年):64.2%
第22回(2019年):62.1%
第21回(2018年):62.7%
第20回(2017年):62.9%
第19回(2016年):62.0%
過去5年の合格率を見てもすべてで60%以上を超えているので、おおむね6割の方が合格すると考えてよいでしょう。
国家試験の合格基準とは|16科目すべてで得点が必要
精神保健福祉士の国家試験の合格基準は、問題の総得点の60%程度を基準としていますが、具体的な点数は、その年の問題の難易度によって補正されています。
ただし、16科目すべての得点が必要です。配点は、1問1点の163点満点。社会福祉士の資格を持っていて、規定により免除科目のある方の配点は、1問1点の80点満点となっています。
受験手引を忘れず取り寄せて申し込みをしよう!
精神保健福祉士の国家試験を受験するためには、福祉系4年制大学で指定科目を履修するなどいくつかの受験資格があります。近年の合格率の推移から、受験者数のうちおよそ6割の方が合格すると考えられます。
受験申込書の受付にも期限があり、事前に受験手引を取り寄せなければなりません。期日に間に合うように、余裕をもって取り寄せてから申し込みをしましょう。
引用元サイト
社会福祉振興・試験センター 精神福祉士国家試験 試験概要
社会福祉振興・試験センター 精神福祉士国家試験 受験申し込み手続き
社会福祉振興・試験センター 精神福祉士国家試験 過去の試験問題
社会福祉振興・試験センター 精神福祉士国家試験 よくある質問
社会福祉振興・試験センター 第23回精神保健福祉士国家試験の合格発表について
社会福祉振興・試験センター 精神福祉士国家試験 合格基準