看護助手は男性でもなれるの? 男性看護助手のメリットとは
看護師が働く職場のなかで男性の姿をよく見かける方も増えているのではないでしょうか。そのなかには、看護師ではなく、看護助手として勤務している男性もいるようです。
そもそも看護助手は、看護師の資格はないけれど医療の現場に興味があり、患者の役に立つ仕事をしたいと考えている人におすすめの仕事です。
今回は、看護助手の仕事の特徴や、具体的にどんな業務をおこなうのかをご紹介します。また、男性が看護助手として働くメリットについてもご紹介しますので、看護助手として働きたいと考えている男性の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
看護助手は男性でもなれる!
女性が多いと思われがちな看護助手ですが、男性でも看護助手になることができるのでしょうか。結論からいうと、看護師と同様に看護助手は男性でもなれる職業です。ここでは、看護助手の具体的な仕事内容や資格についてご紹介します。
看護助手になるには資格は必要?
看護助手は、看護師と違って特別な資格がなくても、働くことできる職業のひとつです。また、とくに実務経験を必要とすることもありません。そのため、働きたいと思ったら求人を探すなど、すぐに行動に移せる仕事でもあります。
看護師・准看護師とはどこが違うの?
看護助手が看護師や准看護師と違う点は、資格の有無でしょう。看護師は厚生労働大臣の免許、准看護師は都道府県知事の免許が必要であるのに対して、看護助手はとくに資格を保有する必要はないのが特徴です。
ただし、看護師・准看護師は業務内容が保助看法第5条で明記されているのに対して、看護助手の業務内容は法律で定められていないので、医療行為をおこなうことはできません。そのため、看護助手は医師や看護師などから指示を受けて、看護補助の業務をおこなうこととなります。
看護助手になったらどんな仕事をするの?
実際には看護助手がおこなう仕事は、患者の療養上の世話と診療の補助に該当せず、看護の専門的判断を要しない業務です。看護助手の業務は、患者に直接接しない周辺業務と直接関わる直接ケアに大別することができます。
具体的には、患者の生活環境にかかわる周辺業務として病室の清掃やシーツ交換、ベッドメイキング、リネン類の管理などです。一方、診療にかかわる周辺業務としては処置や検査の伝票類の準備、診療に必要な器械・器具の準備と片づけなどがあげられます。
また、日常生活にかかわる直接ケアとして、配膳や下膳、検査への移送、排泄に関する業務などをおこなうことも。いずれの業務も看護師などの指示のもとで実施しますが、その業務内容は多岐に渡ります。
つづいては、具体的に看護助手はどんな仕事をおこなうのか、その業務内容を確認しておきましょう。
看護師のサポート|書類や伝票の整理など
看護助手は、看護師のサポートとして書類や伝票の整理などをおこないます。看護師は一日にいくつもの処置をおこなうため、この業務が増えてしまうと看護師の業務を圧迫してしまうからです。
そのため、これらの事務作業を看護助手へ委託し、看護師は患者へのケアや処置に少しでも専念できるようにしています。
患者さんのお世話|食事や排泄等の介助など
直接ケアのひとつとして、看護助手は患者のお世話をおこなうという業務があります。具体的な業務は、食事や排泄などの介助が該当するのが特徴です。
また、看護師とともにオムツ交換や排泄介助、患者の食事や入浴介助などの業務を分担しておこないます。
環境整備|ベッドメイキングや清掃など
看護助手は、患者が入院している病室の環境整備などもおこないます。おもにベッド周辺の片づけや清掃などです。
また、患者が退院したあとには、シーツ交換やベッドメイキングなども担当することもあります。
平均年収はどれくらい?
2020年度の賃金構造基本統計調査によると、看護助手の平均年収は312.2万円となっているようです。一方で、国家資格となる看護師の平均年収は491.8万円というかなりの差があります。
看護助手は、特別な資格や経験がなくても就業することができる仕事です。このような理由から、そのほかの免許を有する看護師などの医療種と比較すると、平均年収を低く設定している病院や施設が多くなっています。
男性看護助手の需要はある? 求人情報をチェック
ここまで、看護助手になる方法や具体的な業務内容、平均年収をご紹介しました。ところで、男性看護助手の需要はどのくらいあるのでしょうか。ここでは、男性看護助手の需要や求人情報についてご紹介します。
男性の看護助手は需要アリ!
さまざまなサイトの求人情報をチェックしてみると、求人情報に「男性歓迎」や「男性が活躍」という文字が掲載されている求人は多いです。
年齢層も幅ひろく、全国各地で募集がかけられているため、男性看護助手は男性看護師と同様に需要は高い仕事のひとつだといえるでしょう。
男性の看護助手ならではのメリットとは?
年々需要が高まっている男性の看護助手ですが、男性が看護助手として働くメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、男性の看護助手ならではのメリットをいくつかご紹介していきます。
1. 男性の患者さんからの需要が高い
看護ケアの場面では、オムツ交換や病衣交換、入浴の介助など、下の世話を含めたケアをする場面があります。仕方がないこととはいえ、このケアには患者の羞恥心をともなうのが特徴です。
患者のなかには自分自身で入浴できない人も多いため、おのずと下の世話をする機会が増えてきています。そのなかで、女性看護助手ではなく、同性からのケアを望む患者も少なくはありません。このような事情で、男性患者からの需要が高くなっているため、同性の介助を望む患者に対応できるというメリットがあります。
2. 力の必要な場面で活躍できる
看護助手として働いていると、患者を車いすに移したり、入浴の介助をおこなったり、体位変換をおこなったりなど、力の必要な場面も増えてくるでしょう。女性スタッフひとりでは対応が難しい場面でも、男性であればそれほど人手をかけることなく対応することができることもあります。
基本的な業務内容は、男性の看護助手でも女性の看護助手でも変わりはありません。しかし、このような力の必要な場面では男性の看護助手は、より活躍することができるでしょう。
3. 認知症患者さんへの対応がスムーズになることも
認知症を患っている患者への対応がスムーズになることも、メリットのひとつです。まだまだ看護の現場では、男性よりも女性スタッフのほうが多い傾向にあります。そのため、数の少ない男性スタッフは非常にめずらしい存在でもあるので、認知症患者にも覚えてもらいやすいでしょう。
また、認知症の症状として起きることもある暴力的な行動も、男性であれば防ぐことができるというメリットもあります。
看護助手は男性でもなれる!
看護助手は女性だけの仕事というわけではなく、男性でもなれる仕事のひとつです。看護師のように国家資格を保有していなくても働くことができるため、働いてみたいと思ったらすぐに求人を探すなどの行動に移せる仕事でもあります。
また、男性が看護助手として働くことで、同性からのケアを望む患者への対応はもちろんのこと、力仕事が必要となる場面で活躍することができます。男性を必要とする需要のある仕事でもあるため、求人募集もそれなりに多いのが特徴です。看護助手の仕事に興味があるという男性は、まずは男性看護助手を募集している求人情報を探してみてはいかがでしょうか。
引用元サイト
厚生労働省 職業情報提供サイト 看護助手
日本看護協会 看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン及び活用ガイド