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介護・看護・リハビリ 2022-02-15

運動を取り入れた療育で児童の成長をサポート/介護リレーインタビュー Vol.26【保育士 吉田樹哉さん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。今回お話を伺ったのは、児童発達支援・放課後デイサービスを行う「きらり・はーと旭町」の保育士・吉田樹哉さん。

前編では、この業界を目指したきっかけや、運動特化型の放課後デイサービスの魅力について伺います。

吉田樹哉さん

高校卒業後保育の専門学校に通い、保育士の資格を取得。1年間保育所に勤めたのち、児童発達支援・放課後デイサービス「きらり・はーと旭町」に入社。保育士兼体操コーチとして、子どもたちの指導にあたる。

のびのびと遊びながら学べる環境で、子どもたちの成長をサポートしたい

――まず、この業界に進んだきっかけを教えてください。

もともと子どもと遊ぶのが好きだったんです。僕自身が子どもだった頃も、友達の弟や妹、近所の年下の子どもたちとよく一緒に遊んでいました。それで保育の道に進もうと、高校卒業後専門学校に通って保育士になりました。

初めて就職したのは駅の中にある保育所だったんですが、そこはあまり広くない施設だったんです。どうしても室内遊びが中心になるので、体を動かすことが少なくて。もっとのびのび動き回れるところで全身で遊ぶ楽しさを子どもたちに伝えたいな、と思ったのが転職のきっかけです。何より僕自身が体を動かして子どもたちと遊びたかったんですよね(笑)。ここは運動特化型の放課後デイサービスなので、全身を動かして遊びながら学べます。僕も一緒になって走り回っています。

――なるほど、「きらり・はーと旭町」のサービスは、吉田さんが考える「遊び・学び」のかたちとぴったり当てはまったんですね。もう少しこの施設について詳しく教えてください。

はい。ここは運動特化型の児童発達支援・放課後デイサービスを行なっています。発達に心配があるお子さんだったり、障害のあるお子さんが1日約10人、3歳から中学1年生まで、全部で78人の子どもたちが利用しています。スタッフは全部で6人ですね。

――運動特化型というのは? 

発達心理学をもとにした体育(運動)を中心に身体能力の向上や社会適応を目指した療育を行なっています。体育といっても、例えば跳び箱を何段飛べるようになろうとか、鉄棒で逆上がりができるようなろうとかだけじゃないんです。例えできなくても、できるようになるためにはどうしたらいいかとか、ここまではできたから次はどうしようとか、その経験が心の成長には欠かせないんですよね。それを支えながら見守ることで、社会に出た時、さまざまな環境や状況でもうまく適応していけるようになることを目標にしています。

――失敗からも学びにつながるんですね。 

はい。むしろ失敗の中から小さな成功を重ねていくことが大切ですね。その積み重ねが自信にもつながりますし。「スモールステップ」の考え方を大切にしています。

「動」と「静」を組み合わせたプランニングで心の切り替えをサポート

――じつは先ほどから、壁に飾ってあるリースが気になっていたのですが。

これは、子どもたちが療育の時間に作った作品です。ここでは体育の時間だけでなく、椅子に座って行う「療育」の時間もあるんです。体育が「動」だとすると療育は「静」ですね。この時はドーナツ型に切った色紙に思い思いのスタンプを押して、オリジナルのクリスマスリースを作りました。

時間割
16:00 送迎、自由遊び
16:20 お片付け
16:30 はじまりの会
16:35 体育
17:15 着替え、おやつ
17:30 療育
17:45 自由遊び
18:00 送迎

ここに通っているお子さんは「気持ちを切り替えて次の行動に移す」というのが苦手な子が多いので、あえて「動」と「静」のメリハリをつけた時間割を組んでいます。あらかじめ決められたプランを提示してあげることで、効率的に動けるようサポートしているんです。途中でおやつの時間やお片付けの時間なども挟むのですが、この隙間時間にも全てに意図があるんですよ。おやつもただの補食というだけでなく、心のスイッチの切り替えに必要な時間だったりするんです。

――切り替え……。確かに大人でも難しい時がありますもんね。

はい。「体育」で日常生活での基本動作をスムーズに行えること、「療育」や「メリハリのある時間割」で集団生活にも無理なく適応していけることを目標にしています。

帰宅後は毎日自重トレーニングを欠かしません。いつもかっこいい先生でいたいんです!

――吉田さんの1日のスケジュールを教えてください。

朝10時に出社して19時に帰宅、残業はほぼありません。週に2回、未就学児のクラスもあるのですが、それがない時は基本1日に1クラスです。

――ちなみに、帰宅後やお休みの日は何をして過ごしているんですか?

帰宅後は、自重トレーニングをしています。だいたい45分ぐらいでしょうか、毎日やっていますよ。この仕事は、子どもたちのお手本として運動している姿を見せなくてはいけないので、いつもかっこいい先生でいたいじゃないですか(笑)。頭のてっぺんから足の先まで、引き締まってかっこよく見えるようトレーニングは欠かせません。

――「かっこいい先生でいたい」って素敵ですね! やっぱり体を動かすことが好きなんですか?

ありがとうございます(笑)。そうですね、体を動かすことは好きですが、じつはけっこうインドア派なんです。週に2日のお休みも、家でゲームをして過ごすことが多いです。でも、自重トレーニングは毎日欠かさず続けていますよ! あと、職場の先輩に誘われて月に1〜2回草野球に参加しています。

――インドア派なのは意外でした! 草野球も楽しそう! スタッフみなさん仲がいいんですね。

はい。ふだんから研修や練習会なども頻繁に行なっているので、コミュニケーションはよくとれていると思います。

「はーとグループ」は僕が勤めている「きらり・はーと旭町」の他に8つのグループ施設があります。全体での勉強会や研修もあって、体操補助の練習をしたり、他の施設ではどんなサーキット(体操の流れ)を組んでいるか聞いたり、意見交換もしていますね。施設ごとにオリジナリティがあって、話を聞くだけでも勉強になりますし、いいところはどんどん取り入れたいと思っています。


プライベートでも毎日体づくりを欠かさないという吉田さん。勉強会や練習会にも積極的に参加し、普段から前向きな努力を怠らない姿勢がとても素敵です。また、運動を通じて学ぶ「心の成長」のお話は、自動発達支援だけでなく、全ての保育の現場において大切なことだと思いました。

後編では、この仕事のやりがいや悩み、今後の目標などを伺います。

取材・文/児玉知子
撮影/柴田大地(fort)

Information

きらり・はーと旭町
住所:神奈川県厚木市旭町1丁目9-12 シャルム本厚木1F
TEL:046-265-0111

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