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特集・コラム 2022-02-16

保育士の転職は大変?転職理由で多いのは?|保育士の資格が活かせる施設も紹介

保育士とは、赤ちゃんから幼児期までの子どもの安全に最大の配慮をしながら、お世話をする仕事です。共働きの家庭が一般化している現代で、幼い子どもを安心して任せられる保育士の需要はますます高くなっています。

その一方で、保育士が担うべき責任も大きく、現役の保育士でも多職種への転職を検討している方も多いのが現実です。ここでは、保育士が転職を検討する理由と、保育士資格や経験が役立つ転職についてご紹介します。

保育士が転職を考えるときはどんなとき?

保育士とは、保育士国家資格を有した人を指します。幼い子どもの安全を守る重要な役割を担う職種であるため、保育士になるまでには幼児教育に関する必要な知識を習得し、国家試験に合格しなくてはいけません。

そのような資格を持ちながら、転職を考える人が多いのはなぜでしょうか。ここからは、保育士が転職を考える理由について見ていきましょう。

1.人間関係

保育士はおもに子どもと関わる仕事ですが、それと同じくらい子どもの保護者ともじゅうぶんなコミュニケーションを図り、強い信頼関係を築かなくてはいけません。

また、園外でのイベントも多く、施設周囲の地域の人との交流も求められます。こういった多様な人間関係の構築に悩む保育士は少なくありません。

2.給料が安い

保育士は活発な子どもと一日中関わり、つねに子どもの安全に気を配らなくてはいけません。勤務終了後も、施設の片づけや遊戯会で使用する物品の準備など、残業や雑務も多く任されます。そのため、保育士が感じる身体的、精神的緊張と疲労はかなり大きいでしょう。

しかし、それに反して保育士の給料はそれに見合っているとはいえません。この点も、離職率が高くなるおもな要因となっています。

3.仕事量が多い

前項でも少し触れたように、保育士の仕事は実際に子どもと関わることだけではありません。子どもが安全に過ごせるように、子どもが登園する前には環境を整えます。

さらに、みんなが楽しめるレクリエーションを考え、物品の準備をして、終了後には片づけまでおこなうことも。休日保育を実施している幼稚園や保育園に勤めている場合には、隔週で土日出勤もあるかもしれません。

このように、実際に見えている業務以外にも膨大な業務をおこなう必要があり、休息がじゅうぶんにとれないことも要因となっているようです。

4.家庭と仕事の両立

近年、男性保育士は増加傾向にありますが、依然保育士は女性の方が多いのが現実です。女性の場合には結婚・出産などのライフイベントによって、仕事を継続することがむずかしくなることがあります。

とくに夫婦共働きの場合には、保育士のように長時間の重労働では家事や育児と仕事の両立が厳しく、離職や転職を検討することも少なくありません。

5.他業種への興味

他職種に興味を持つというのは、保育士に限ったことではありません。イメージしていた保育士像と現実との相違や社会に出てみてはじめて知った職種の人と関わることで、他職種のほうがよく見えるということもあるでしょう。これも、保育士が転職を検討する理由にあがります。

保育所から他業種への転職はむずかしい?

保育士から他職種への転職を検討したときにまず考えることは、「保育士から転職は需要があるのだろうか」という点でしょう。

ここからは、保育士からの転職で苦労する可能性のある点についてご紹介していきます。

学歴を重視する企業もある

転職希望先の企業が保育士としてのスキルや経験を重要視していない、もしくは全く関係のない場合、資格よりも学歴が評価されることがあるようです。ときには、専門学校の幼児教育課程などを卒業している場合でも、高卒として扱われる可能性があるでしょう。

そのため、転職する際には、大学に編入したり、通信教育で大学卒業資格を得たりする必要があるかもしれません。

即戦力になれず未経験者として扱われることも

いくら保育士として豊富な経験があったとしても、転職希望先によっては、その保育士としてのキャリアは重要視されず、新人未経験者としてのスタートとなります。

転職後、現場で即戦力になれず、今までのキャリアが無駄になってしまうという感情や無力感が湧くこともあるでしょう。また、社会人経験があるにもかかわらず、新人同様の扱いになることに対して、やるせなさも感じるかもしれません。

年齢が進むと転職自体がむずかしくなってしまうことも…。

転職でもっとも難点なのは、年齢制限です。職種によっては年齢を重視せず、経験を考慮する場合もありますが、まったく別の職業に転職する多くの場合には、ある程度の上限が設けられています。

20代の転職であれば、業務の習得も早く企業に貢献できると期待され、転職するうえでは問題にはなりません。しかし、年齢を重ねるにつれて、転職先の幅は狭まってくることもあります。
その際には自己PRをしっかり考え、企業に貢献できる人材であることをアピールしなくてはいけません。

保育所以外にもある!保育士の資格が活かせる仕事

前項までで述べたように、保育士から他職種への転職はいくつか困難はあります。しかし「保育士が働ける場所は幼稚園や保育園に限られているのか」とあきらめる必要はありません。
保育士という資格や経験を活かして活躍できる場所は多くあります。

ここからは、保育士だから有利になるお仕事や施設について、いくつか紹介しましょう。

乳児院・児童養護施設

あらゆる理由により、保護者と一緒に生活をすることができない0~2歳未満の乳幼児を保護している施設が乳児院です。幼稚園や保育園とは異なり、乳幼児はこの施設で生活をしているため、24時間365日の保育が必要。

また、ここで働く保育士は教諭ではなく保護者の代わりとなり、愛着形成や成長発達の面で重要な役割を担います。

一方、乳児院と同様に、保護者とともに生活ができない子どもが生活をする施設が児童養護施設ですが、入所している子どもの年齢層は高く、18歳までが対象です。

乳幼児期のみではなく、青年期や思春期をともに過ごすため、成長発達に合わせた学習サポートと精神面ケアが非常に重要となります。

障がい児入所施設

身体的障がいや発達障がいを含む知的障がいをもつ児童が生活をする施設です。ここでは、障がいに応じて看護や介護がおこなわれるため、医療従事者と連携をとりながら協働して児童と関わります。

障がい児入所施設の保育士には、児童の発達状況や障がいの程度に合わせた学習サポートや安全への配慮が必要なため、一般的な保育に加えて障がいの知識の習得が求められるでしょう。

なお、専門的な知識と児童・家族サポートをおこなうため、医療保育専門士の資格取得を目指せます。

学童保育所

保護者不在の放課後や長期休暇中に、児童の遊びの指導や宿題サポートなどをする施設です。共働き世帯の増加やシングルペアレント家庭の子どもの安全確保を目的としており、近年施設の需要は高くなっています。

学童保育所の保育士は、保護者のもとに児童が戻るまでのあいだ、児童の安全を確保する役割を担っています。認可学童保育で正規社員として働く場合には、放課後児童支援員の資格が必要です。

ベビーシッター

保育園や施設とは異なり、子どもの自宅や指定された場所で1~2名の子どものお世話をします。対象となる年齢、仕事内容、勤務地などはさまざまで、保有資格によって給与も異なってくることが多いです。

保育士の資格と経験がある場合、ベビーシッターの派遣会社やフリーランスとしても活躍でき、施設勤務と比べて自由な勤務体制と、職員との人間関係などの点で改善されることが期待できます。

食事準備や片づけも依頼されることがあるため、保育だけでなく、家事全般業務もOKという方には向いている職業です。

病児保育士

病気をもち、一般的な幼児施設に通えない児童の保育をおこなう職種です。働く場所は、病院に併設されている施設、または児童の自宅となります。

自宅で保育をする場合には、1対1の保育になるのが特徴。施設型と異なり、医療者が近くにいないため、病児保育士は子どもの様子をより注意深く観察しなければなりません。また、必要時には病院や医療機関への付き添いもおこないます。

子ども向けのアミューズメント施設

子どもと接する機会が多く、施設内の運営スタッフとして子どもの安全に配慮しながら、楽しんでもらうことが役割となります。

また、施設内で保護者とはぐれて迷子になった子どもを一時的に保護する迷子センターでは、子どもの安全確保と不安の軽減が必要になるため、保育士としての経験は大いに役立つでしょう。

保育施設などとは少し異なる環境で働きたいという方や楽しみながらサービスを提供したいという方には、おすすめです。

子ども用品メーカー

保育士の経験を活かして、子ども用品を制作・販売しているメーカーに勤務することも可能です。専門的な視点から、子どもの発達に合わせた商品開発や制作、売り場での商品紹介など多岐にわたって活躍する機会があります。

なかには一般事務や子ども用品オンラインショップ運営などの業務もあり、現場から離れ、オフィスワークを希望している方にはおすすめの転職です。

保育士の資格を活かせる仕事を探してみよう

子どもの安全を守り、健全な成長を助ける保育士は強い責任力とじゅうぶんな体力が求められます。しかし、職場環境や待遇面、家庭との両立から離職を検討する人も少なくありません。ですが、保育士の経験はあらゆる現場で役立ちます。

保育士の資格を活かせる求人をお探しの場合には、リジョブケアで検索してみてください。そのなかから、ご自身に合った仕事を見つけてみることをおすすめします。

引用元サイト
e-Stat 賃金構造基本統計調査

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