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ヘルスケア 2024-03-29

コロナ禍が転機となり、オンラインセミナーや新しいプログラム提供に挑戦!「川名操体治療室」 川名慶子さん

世田谷区と川崎市麻生区の2拠点で「川名操体治療室」を営む、川名慶子さん。前編では、川名さんと操体法との出会い、その道の極め方についてお話を伺いました。
後編では、川名さんが「川名操体治療室」を開業し、どのように活躍の場を広げてきたのかのお話を伺います。開業当初から経営は順調だったという川名さんですが、コロナ禍は大変なこともあったそう。非接触が求められた際には、オンラインセミナーの開催や新しい技術を取り入れた施術にチャレンジしたそうです。

今回、お話を伺ったのは…

川名慶子さん

世田谷区と川崎市麻生区にて「川名操体治療室」を経営する整体・鍼灸師・あん摩指圧マッサージ師。
大学卒業後、特別養護老人施設に勤務し介護職に従事した後、出産。子育てをしながら、操体法を学ぶ。秋葉原の津田温古堂にて10年間、臨床経験を経つつ、東京医療専門学校を卒業し、独立開業。東京都渋谷区千駄ヶ谷で18年間開業し、移転。臨床家や一般の方向けのセミナーも実施している。鍼季刊雑誌『うかたま』農文協社刊に『はじめての操体法』を連載中。

川名操体治療室

公式LINE

独立後経営は順調な滑り出し、しかしビジネス面の知識の少なさに困ったことも

開業当時、ビジネス的な情報があまり見つけられず苦労したと語る川名さん

――川名さんが治療院を開業することになったきっかけを教えてください。

10年ほどお世話になった操体法の治療室「津田温古堂」のオーナーであった渡辺栄三先生が亡くなったことがきっかけです
当時は操体法に注目が集まっていたため患者さまも多く、先生や先輩方からも多くのことを学ばせていただき、「津田温古堂」はとても居心地のよい職場でした。だからこそ、なかなか独立への踏ん切りがつかなかったのですが、先生とのお別れをきっかけに東京・千駄ヶ谷に治療院を設立する運びになりました。

――独立時から経営は順調でしたか?

都内の明治通りに面した立地のいい場所に治療院を構えたのですが、開業当初から、家賃の心配などはなく経営してこれましたね
ただ、ビジネス面の知識がなかったことには少し困ったこともありました。当時はまだ「腕さえあれば、患者さまは自然とやってくる」という風潮のある時代でしたし、今よりもネットにもビジネスに関する知識があまりなかったんですよね。開業当初は、事業の年間計画の作り方や予算の立て方もあまりよくわからず困ったこともありました。経験を重ねながら、ネットなどでの情報収集を重ね、知識を蓄えていきました。

都内と神奈川県の2拠点で活動 コロナで失ったリピーターが回帰

世田谷区の「とどろき縁側」にはその名の通り、日の当たる素敵な縁側があるのが魅力

――今、集客はどのように行っていらっしゃいますか?

口コミとサイトからの流入がほとんどです
現在、来院いただく方はほとんどがリピーターで、30~50代の方がよくお見えになります。実際に来院くださった方が、口コミで周りの方に広げてくださるパターンが多いですね。
新規の来院を増やすためには、やはりサイトやSNSなどの発信は重要だと思います。なによりもまず、知ってもらうきっかけがないと来院してもらえないですからね。ちなみに、サイトを見た九州の方が、わざわざ来院してくださったこともあるんですよ!
サイトやSNS、YouTubeなどの発信は「来院してください」という宣伝よりも、患者さんが知りたい情報を発信し続けることが大切だと考えています。まずは情報に対して興味関心を持っていただき、信用できる治療院だと認識してもらったうえで来院を検討してもらえるようになるのではないかと感じています。

――川名操体治療室さんは、現在、世田谷区と川崎市麻生区の2箇所で施術を行っています。どのような経緯で2つの場所で施術を行うようになったのでしょうか。

元々は東京・千駄ヶ谷で治療室を営んでいたのですが、コロナによる人流の変化もあり、治療室を麻生区の自宅で開くことにしました。いずれ年齢的に電車通勤が厳しくなったら自宅で開業しようと考えていたのですが、それがコロナによって早まったのです
都心から少し離れた川崎市麻生区に治療院を置いたことで、アクセス的に来院が難しくなってしまった患者さんも多くいらっしゃったのですが、そうした方がいらっしゃれるようにという意味合いも込めて約1年前から、週に3回ほど分室である「とどろき縁側」での治療を始めました。
「とどろき縁側」を開いたことで、川崎市麻生区の治療室にお越しいただくことが難しかった患者さんも、また戻ってきてくださったんですよ

コロナ禍はオンラインセミナーや非接触の鍼治療をプッシュ

「コロナは大変なこともありましたが、飛躍の転機にもなりました」

――コロナ禍にはご苦労もあったかと思います。どのように大変な時期を乗り越えられましたか?

対面で行う手技療法ですので、非対面・非接触を推奨されたコロナ禍は厳しい状況になりました。どのように生き残っていくかということは、やはりよく考えた期間でしたね。
幸いなことに私は非接触型の療法である鍼の資格も取得しているので、鍼を使った骨盤底筋のケアのプログラムの事業計画を立てて、コロナ対策の一環として打ち出された小規模事業者向けの補助申請を提出しました。またオンラインでのセミナーや有料ネット記事(動画付き)の販売なども積極的に行うことで、危機を乗り越えました
元々、手技療法一本で進んできましたが、コロナのリスク分散のために多角的にチャレンジできたことは、飛躍に繋がる転機だったのかなと感じています。
もし今後開業を目指す方がいたら、申請できる補助金の制度などがないかよくチェックすることをおすすめしたいです。事業計画を立てる訓練にもなりますし、商工会議所の方もとても丁寧にアドバイスしてくださると思いますよ。

――川名さんは雑誌で連載を持ち、書籍を出版されるなど幅広く活躍されていらっしゃいます。どのように活躍の場を広げられたのですか?

私が雑誌連載をしている出版社は、操体法の書籍を多数発行していて、その繋がりで声を掛けていただきました。連載をしていたのは食べ物についての雑誌なのですが、健康増進の一環として、操体法について記事を書いています。
記事のなかには操体のテイストをしっかり残しつつ、理屈を説明しながら「この部分に効かせるつもりで取り組んでみましょう」と具体的に説明したり、目的意識を持って操体に取り組むことをお伝えしています。こうした部分が、読者の方に伝わり連載が5年ほど続いたのかなと思っています。

――川名さんの今後の目標を教えてください。

コロナを経て、オンラインでの情報発信にリピーターさんがついてくださったので、もう少しそれらを広げていけたらと思っています。また「とどろき縁側」での活動を面白がってくださる方も多いので、継続して充実していけたらと思っています。

長年愛される治療院の運営の裏には、川名さんの絶え間ない経営の工夫と常にチャンスを掴み取るための努力が隠れていました。ヘルスケアの分野で活躍されたい方は、川名さんの活躍の秘訣を参考にされてみてはいかがでしょうか。

Salon Data

川名操体治療室 分室 とどろき縁側

住所:東京都世田谷区 東急大井町線等々力駅より徒歩7分
電話:090-6158-6367

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