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特集・コラム 2023-06-01

有料老人ホームの仕事内容とは?1日のスケジュールや働くメリット、働くうえで大変なことを紹介

介護施設にはさまざまな種類があり、施設によりサービス内容や仕事内容が異なります。そのなかで、有料老人ホームでの仕事に興味がある方もいるかもしれません。

今回の記事では、有料老人ホームの仕事内容や1日のスケジュール、働くメリット、大変なことを紹介します。

有料老人ホームとは?


有料老人ホームとは、高齢者が心身の健康を維持して生活することを目的とした施設のことをいいます。

有料老人ホームでは、日常生活に欠かせない食事や入浴のほか、健康管理などのサポートを必要に応じて受けることができます。サポートの内容や料金、入居条件は施設によって異なります。

特別養護老人ホームとの違いとは?

有料老人ホームと似た名前の施設に、特別養護老人ホームがあります。名前は少し似ていますが、特徴が異なります。有料老人ホームは、主に民間企業が運営をしているのに対し、特別養護老人ホームは、社会福祉法人や自治体が運営しています。

また、入居条件は、有料老人ホームが自立・要支援1〜要介護5まで募集しているのに対して、特別養護老人ホームは65歳で原則要介護3~5の方が条件となっています。ただし、要介護1・2である場合でも、特例により特別養護老人ホームへの入居が認められる場合があります。

有料老人ホームはさらに3タイプに分類が可能


有料老人ホームと一言で言っても実は「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」と3つのタイプがあり、それぞれ入居条件や提供されるサービスに違いがあります。

介護付き有料老人ホーム

一般的な有料老人ホームのことです。

介護保険による「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設だけが、介護付き有料老人ホームと名乗ることができます。介護スタッフが24時間体制で入居者のサポートをおこない、レクリエーションなどもおこなわれます。

住宅型有料老人ホーム

どちらかというと施設よりもアパートに近いタイプの有料老人ホームです。利用者はそれぞれ個室で生活しながら生活の援助やレクリエーションなどのサービスを受けます。なかには、外部の訪問介護を利用する人もいます。

健康型有料老人ホーム

ひとりでの生活に不安を抱きつつも、介護までは必要としていない高齢者が利用する施設です。

そのため、もしも介護が必要な状態になった時は、退去しなければいけなくなります。

有料老人ホームでの仕事の流れ


有料老人ホームの3つのタイプと特徴を紹介しました。有料老人ホームで働く前に、どのような流れで介護職員が働いているか知りたい方もいるかもしれません。そこで、介護付き有料老人ホームの1日のスケジュールを日勤と夜勤に分けて紹介します。

日勤の場合

介護付き有料老人ホームの勤務形態は、日勤・夜勤の2交替制、もしくは早番・遅番・夜勤の3交替制が一般的です。今回は、日勤と夜勤の2交代制の仕事の流れを紹介します。

時刻 業務スケジュール 詳細
8:30 出勤 夜勤スタッフから引き継ぎ

申し送りから利用者の健康状態など情報を共有

9:30 入浴 利用者の入浴をサポート

介助が必要な場合は、介助をおこなう

11:30 昼食の準備 配膳

服薬が必要な場合は配薬も管理する

12:00 昼食 必要に応じて食事介助をおこなう

食後の口腔ケアもおこなう

13:00 休憩
14:30 レクリエーション・おやつタイム ゲームやダンス、ストレッチなどのレクリエーション

スイーツや軽食の提供、食後の口腔ケアもおこなう

17:00 夕食の準備
17:30 夕食・夜勤へ引き継ぎ 昼食同様に必要に応じて食事介助をおこなう

食後の口腔もおこなう

夜勤の職員へ今日の出来事や利用者の健康状態を伝える

18:00 退勤

 

出勤や退勤時間、仕事の流れは勤務する介護施設によって異なります。また、入浴の時間やレクリエーションの内容なども介護施設によって異なります。日勤は、主に利用者の生活をサポートして、空いている時間に事務作業などをします。

夜勤の場合

時刻  業務スケジュール          詳細
17:30 出勤・引き継ぎ 日勤スタッフから引き継ぎ

申し送りから利用者の健康状態など情報を共有

18:30 夕食の片づけ お膳を下げ洗い物などをおこなう

口腔ケアもおこなう

19:00 就寝前の介助 排せつや着替えの介助、トイレの誘導などをおこない、就寝までのサポートをおこなう
20:00 消灯
5:00 起床準備
6:00 起床介助 介助が必要な利用者の介助をおこなう
7:30 朝食の準備 配膳、薬が必要な利用者へ配薬
8:00 朝食 必要に応じて食事介助をおこなう

食後の口腔ケアもおこなう

8:30 引き継ぎ 日勤の職員へ引き継ぐ
9:00 退勤

夜勤は主に夕食と朝食でのサポートや就寝前の介助、そして消灯後の巡回を定期的におこないます。もしも利用者からのコールが鳴った際は、対応します。

有料老人ホームで働くメリット


介護職として働く際に、どの介護施設や事業所に就職するか迷う方もいるかもしれません。介護施設のひとつである有料老人ホームで働くことで、どのようなメリットを得られるでしょうか。メリットを3つ紹介します。

1.幅広い知識やスキルが身につく

有料老人ホームは、要介護1~5に該当する方を条件にしている場合が多く、さまざまなサービスを提供しています。それぞれの利用者に対して、適切な介護サービスを提供するために必要な幅広い知識やスキルを、仕事を通じて習得することができます。

有料老人ホームは、介護の幅広い知識とスキルを習得したい方にいい環境であるといえるでしょう。

2.福利厚生が充実している

有料老人ホームは、民間企業も運営しているため、資格手当など福利厚生が充実しているほか、サポート体制が整っている施設が多い傾向にあります。

サービス利用者にとっても、担当が短期間で変わるよりも、長く自分のことをサポートしてくれる担当者がいるほうが安心してサービスを受けることができるため、双方にメリットがあります。福利厚生やサポート体制が整っている施設で働くためには、求人をよく確認するといいでしょう。

3.高い給料が見込める

先ほど紹介したように、有料老人ホームは、福利厚生が充実していることが多いです。さらに、ほかの介護施設や事業所と比較して給与水準が高い傾向にあるため、高収入が期待できます。

基本給のほかに手当が付くことが多く、資格手当や夜勤手当、役職手当などが挙げられます。

有料老人ホームの仕事で大変なこと


介護の仕事は、ひとりで日常生活を送ることが困難な方をサポートするため、利用者のお世話をして社会に貢献したいという方にとって魅力的な職業です。そのなかで、有料老人ホームは、福利厚生やサポート体制が充実しているなどメリットがあります。

メリットがある一方で、有料老人ホームの仕事は大変なこともあります。そこで、有料老人ホームの仕事で大変なことを2つ紹介します。

仕事の量が多い

介護職員の業務は身体介助のほか、清掃や洗濯、事務作業など多岐にわたります。主な業務は身体介助など、利用者の肉体的な介護が多く、基本的に立ち仕事になります。そのため、体力がない・腰痛などを抱えている方は、負担が大きいでしょう。

身体的な負担に加えて、幅広い業務をこなさなければいけないため、仕事量が多く大変に感じるかもしれません。

ニーズに応える必要があり苦情が出ることもある

介護の仕事は、利用者の要望に対して適切なサポートをおこなう必要があります。利用者が満足する介護サービスを提供できる一方で、価値観の違いやこだわり、ニーズに応えられないなどから利用者から苦情を言われてしまうケースも少なくありません。

全国の都道府県知事の許認可を得て運営されている特別養護老人ホームと比べて、有料老人ホームは利用料金が高く設定されていることが多いため、利用者は料金に見合うサービスを求めている場合もあるかもしれません。

少しでもサービスの質を高めるために、日々のコミュニケーションや利用者の健康状態についてスタッフ間の共有を欠かさないことが大切です。

有料老人ホームで働く介護職員の給料


有料老人ホームで働く介護職員の給料について、厚生労働省が公表した「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」のデータを参考に紹介します。

<特定施設入居生活介護事業所>

経営主体 平均給与額(月給・常勤の者)
社会福祉法人 322,510円
医療法人 294,020円
営利法人 321,880円
その他 317,810円

特定施設入居者生活介護事業所の全体の平均給与額は、31万9,760円です。厚生労働省のデータでは、ほかにも介護施設や事業所10個のデータが公開されており、そのなかで特定施設入居者生活介護事業所の給与額は3番目に高い金額です。

働くメリットでも紹介したように有料老人ホームは、福利厚生が充実している場合が多く、高い給料が見込めます。参考までに覚えておくといいでしょう。

有料老人ホームで働くために資格は必要?


有料老人ホームは、無資格・未経験でも応募できる求人があるため、資格を保有していなくても働くことができます。しかし、求人のなかには、介護職員初任者研修など資格を条件にしているものもあります。

また、介護施設や事業では、資格を保有していることで手当がつく場合もあり、資格の勉強を通じて知識を習得することもできるため、資格を持っておくことが望ましいかもしれません。介護職に就くまでに時間がある方は、資格勉強に取り組むことをおすすめします。

有料老人ホームで働く前にタイプを絞り求人を細かく確認しよう


有料老人ホームは、主に民間企業が経営しており、入居条件を幅広く設定しているため、介護職員はさまざまな利用者に対応しなければいけません。有料老人ホームでの仕事量は多いですが、その分知識やスキルも身につけることができるなど、メリットも多いです。

有料老人ホームへ就職・転職を検討している方は、どのタイプの有料老人ホームにするか、仕事内容を踏まえて求人をよく確認してみてください。

引用元
厚生労働省:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

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