鍼灸師もマッサージはできる？ マッサージをするために必要な資格とは？ 資格を取得する4つのメリットを解説
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師はどちらも国家資格が必要な仕事ですが、できる行為に違いがあります。鍼灸師の資格を持っている人はあん摩マッサージ指圧師の資格も取得しておくと多くのメリットがあるので、ぜひ取得を目指しましょう。
今回は、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違いや鍼灸師として働きながら資格取得が目指せる専門学校についてご紹介します。
鍼灸師はマッサージの仕事をしてはいけない！
法律により、鍼灸師はマッサージをしてはいけないことになっています。ここからは、そうした鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の違いを見ていきましょう。
あん摩マッサージ指圧師以外のマッサージ行為は違法！
あん摩マッサージ指圧師以外のマッサージ行為は法律で禁止されています。鍼灸師もあん摩マッサージ指圧師も、ケガや体の不調を治療する仕事ですが、鍼灸師は針と灸を用いて施術をおこない、あん摩マッサージ指圧師は手技によって施術をおこなうという違いがあるのです。手技とは撫でる・押す・揉む・叩くなどの行為を指します。
マッサージを施術に取り入れるなら資格をとろう！
あん摩マッサージ指圧師を名乗るには国家試験に合格しなければなりませんが、国家試験を受けるには受験資格があります。ここからは、受験資格の概要と、受験資格を満たす専門学校の中でも、夜間部のある学校について解説していきます。
あん摩マッサージ指圧師の資格とは？｜医療系国家資格のひとつ
あん摩マッサージ指圧師は医療系の国家資格で、受験資格は大きくわけて4つあります。マッサージ師として働きたいのであれば、資格を満たしてから受験手続きをおこなわなくてはなりません。1年に1回おこなわれる試験を受験するために必要な条件は以下のとおりです。
・学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することのできる者で、3年以上文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして文部科学大臣の認定した学校または厚生労働大臣の認定した養成施設で必要な知識および技能を修得したもの
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律の一部を改正する法律の施行の際、改正法による改正前の法第2条第1項の規定により文部大臣の認定した学校または厚生大臣の認定した養成施設において同項に規定する知識および技能の修得を終えている者、改正法施行の際現に当該学校または養成施設において当該知識および技能を修得中で改正法施行後にその修得を終えたもの
・あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師にかかわる学校養成施設認定規則第4条に定める程度の著しい視覚障害があり、学校教育法第57条の規定により高等学校に入学することのできる者であって、文部科学大臣の認定した学校または厚生労働大臣の認定した養成施設において3年以上、あん摩マッサージ指圧師となるのに必要な知識および技能または5年以上、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師となるのに必要な知識および技能を修得したもの
・沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の施行の際、沖縄県内のあん摩マッサージ指圧師にかかわる学校もしくは養成施設を卒業している者またはこれらの学校若しくは養成施設において修業中であり、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の施行後に当該学校または養成施設を卒業した者であって、必要な知識及び技能を修得した者と同等以上の知識および技能を有する者として都道府県知事が認めたもの
鍼灸師として働きながら学べる夜間の専門学校を紹介！
鍼灸師を目指すべく、働きながら専門学校に通う場合、夜間部のある学校を選べば仕事と両立ができます。ここからは、仕事をしながら通える夜間部がある専門学校について見ていきましょう。
日本指圧専門学校｜指圧学科 夜間部
日本指圧専門学校は授業時間が18時から21時15分までの夜間部があります。3年間で基礎分野と専門分野について学び、実習や臨床実習があるので夜間部でもしっかり指圧について学べるでしょう。
指圧実技では学生同士がお互いに指圧をおこないながら、手指の基本操作や病気に対応した指圧法などを学びます。
東京衛生学園専門学校｜東洋医療総合学科 夜間部
東京衛生学園専門学校では17時50分から21時まで授業をおこない、3年間であん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家資格が取得できます。カリキュラムは基礎分野・専門基礎分野・専門分野の3つに分かれており、体験学習と臨床実習で患者様との接し方や臨床能力の向上をはかります。
授業時間外でも実技室が練習用に解放されていて、教員がフォローしてくれるので安心です。ほとんどの人が働きながら学びにきているので、クラスメイトと励まし合いながら知識が身につけられるでしょう。
東洋鍼灸専門学校｜鍼灸あん摩マッサージ指圧科 夜間部
東洋鍼灸専門学校は18時から21時10分まで授業がおこなわれ、3年間就学します。カリキュラムは栄養学や医療英語などの基礎分野・解剖学や生理学などの専門基礎分野・あん摩マッサージ指圧理論やあん摩マッサージ指圧基礎実技などの専門分野に分かれています。
はり術・きゅう術・あん摩術についてバランスよく学ぶので医療従事者としての資質が高まるでしょう。
出典元：東洋鍼灸専門学校 鍼灸あん摩マッサージ指圧科 夜間部
鍼灸師があん摩マッサージ指圧師の資格を取得する4つのメリット
鍼灸師があん摩マッサージ指圧師の資格を取得することには、いくつかのメリットがあります。その具体的なメリット4つについて解説していきます。
1. マッサージを組み合わせた施術ができるようになる！
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得すれば、マッサージを組み合わせた施術が可能になります。病院や介護施設のほか、スポーツ選手にもマッサージができるので、活躍の場が広がるでしょう。
2. 資格手当などで給料UPにつながる！
あん摩マッサージ指圧師など特定の資格を取得していることで、資格手当などで給料UPにつながる場合も少なくありません。スキルが上がっていけば顧客を確保できるため、指名料をとれる可能性もあります。
3. 勤務先の間口が広がる｜接骨院や整骨院など
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師、両方の施術をおこなえることで、勤務先の間口が広がるというメリットもあります。転職したいと思ったときに、鍼灸師だけでなくあん摩マッサージ指圧師の募集にも応募できるようになるので、新しい職場を見つけやすいでしょう。
不安な時はアルバイト・パートから｜あん摩マッサージ指圧師の需要はある？
はじめから正社員として働くのが不安な場合は、アルバイトやパートからはじめてみてはいかがでしょうか。あん摩マッサージ指圧師のアルバイト・パートの需要はあるので、あまり不安を感じる必要はありません。
東京都の求人情報一覧を見てみると、整骨や整体を併設する施術所だけでなく、訪問マッサージの求人が多くあります。都合に合わせて勤務時間や勤務日を調整してくれるところもあるため、自由に働き方を選択できるでしょう。
4. 独立開業の時に更に役立つ
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得しておくと、施術メニューを増やせるため、一方の資格のみを取得しているケースより、集客を見込めるのです。また、複数の資格を所持していることで、幅広い領域の知識・技術を保有している証明になるので、信頼感にもつながります。
さらに施術の幅を広げるなら｜柔道整復師もおすすめ
鍼灸やマッサージのほかにも施術の幅を広げるなら、柔道整復師の資格取得もおすすめです。柔道整復師は骨折や脱臼などの損傷に対して手術をせずに整復・固定をおこない、人間の治癒能力を発揮させる施術をします。
柔道整復師として病院や接骨院で働くことができるほか、接骨院や整骨院の開業も可能になります。
鍼灸師はマッサージができない！ ダブルライセンスでスキルアップ・キャリアアップを目指そう！
鍼灸師はマッサージをすることができないので、活躍の場を広げたければ、あん摩マッサージ指圧師とのダブルライセンスでスキルアップとキャリアアップを目指したほうがよいでしょう。
あん摩マッサージ指圧師は需要があるため、転職や開業にも便利です。働きながら資格取得を目指すことも可能なので、一度検討してみましょう。
