訪問介護事業所の役割とは? どんなお仕事をするの?|訪問介護事業所からの求人は多い?
介助や支援が必要になった人の生活を支えるのに欠かせない、訪問介護事業所。今回は、訪問介護事業所の役割と仕事の内容、訪問介護員として働くための資格などについてご紹介します。
訪問介護事業所の役割とは?
訪問介護事業所とは、利用者の自宅などを訪問して生活を支える訪問介護員が所属している事業所のこと。利用者が生活を送れるよう、支援するのが役割です。ここでは、訪問介護事業所と訪問介護についてくわしく解説します。
訪問介護とは?|介護保険制度による訪問系の介護サービス
訪問介護とは、介護保険制度にもとづき、自宅など利用者が日常的に生活をしている場を訪問して、介助や援助を提供する介護サービスのこと。
訪問介護で利用者の在宅生活を支えることで、住み慣れた地域で暮らし続けることを可能にします。
指定訪問介護と介護予防訪問介護がある
介護保険サービスを受けるためには、要支援1,2、または要介護1~5のいずれかの介護認定が必要です。
要介護1~5の利用者に提供される訪問介護は「指定訪問介護」、要支援1,2の利用者に提供される訪問介護は「介護予防訪問介護」になります。
居宅介護とはどこが違うの?
介護保険とは異なる制度である障害福祉サービスにも、訪問介護と類似したサービスである「居宅介護」があります。
居宅介護は障害者総合支援法の制度であり、障害程度区分認定1~6の認定を受けた人が利用できるものです。
訪問介護事業所の役割|利用者さんの自立した生活を支援
訪問介護事業所は、介護保険にもとづく訪問介護を提供する訪問介護員を派遣する事業所です。入浴や排せつ、食事などのお世話や、身の回りの家事などを提供し、介助や援助が必要な利用者さんの自立した生活を支えます。
訪問介護事業所の人員基準|サービス提供責任者・管理者・訪問介護員
訪問介護事業所がサービスを提供するために必要と定められている職員数は、常勤換算で2.5人以上です。そのほかにサービス提供責任者を1人と、管理者を置く必要があります。
なお管理者は、訪問介護員としての業務や、同じ敷地内の他事業所の管理者を兼務できます。
人員基準についてはこちら:訪問介護の人員基準について詳しく解説|兼任できる職務とは?
訪問介護事業所ではどんなお仕事をするの?
訪問介護事業所の仕事には、利用者への直接の介助や援助だけでなく、それにともなう調整業務も多く含まれます。利用者それぞれに訪問介護計画書を作成することと、担当ケアマネジャーとの連絡調整は欠かせません。
さらに、関係する介護サービス事業者との連絡や調整、サービス担当者会議への参加といった内容の業務もおこないます。
利用者さんの自宅を訪問して必要なサービスを提供する
介助や援助を必要とする高齢者の在宅生活を支える訪問介護。訪問介護事業所では、具体的にはどんなサービスを提供しているのでしょうか。身体介護、生活援助、通院介助の区分別にご紹介します。
訪問介護の仕事の内容はこちら:訪問介護でヘルパーはどんな仕事をするの? ホームヘルパーになるために必要な資格とは
1. 身体介護|入浴や排泄の介助など
身体介護では利用者の体に触れる、排泄や食事、入浴、着替えなどの介助、またそれにともなう準備や片づけをおこないます。
2. 生活援助|掃除や洗濯など
生活援助では、利用者の体には触れずにおこなえる、身の回りの家事の援助を提供します。具体的には、居室やトイレ風呂など利用者が日常的に使用している空間の掃除、利用者分の調理や洗濯、買い物などです。
3. 通院時の乗降介助|移動の介助など
通院時の乗降介助は、要介護1~5の利用者が使えるサービスです。訪問介護員は利用者の通院や公的手続きなどのために、車で送迎をおこないます。
また、車の乗り降りや受診の手続きなどをサポートするのも業務の一環です。なお、車での移動にかかる運賃などの費用は、介護保険では算定されません。
こんなサービスは提供できない|医療行為など
訪問介護では、庭の草むしりやペットの世話や利用者以外の家族分の家事など、利用者の生活の維持に直接かかわりのない援助の提供はできません。また、インスリン注射や経管栄養、褥瘡の処置など、医療行為もおこなえません。
訪問介護事業所で働くにはどうすればいいの?
「利用者の生活の場に訪問し、介助や援助をする仕事をしたい」という場合には、訪問介護事業所の訪問介護員として働くことになるでしょう。
ここでは、訪問介護事業所で働くメリットや必要な資格、求人の状況などについてご紹介します。
訪問介護事業所で働くには資格が必要?
施設内での介護と異なり、訪問介護ではひとりで判断しなければならないことが多々あるでしょう。訪問介護事業所の求人には無資格でも応募できるものもあります。しかし、実際に訪問介護員として働くためには、「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護の資格のはじめの一歩です。10科目130時間のカリキュラムを終えたのち、1時間の筆記試験を受けることで取得できます。
受験資格はとくになく、経験がなくても受講可能です。訪問介護事業所だけでなく、介護福祉関係の施設で働きたいと考えている方におすすめの資格といえるでしょう。
介護職員初任者研修についてはこちら:
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とはどんな資格?介護職員初任者研修の資格について
訪問介護事業所で働くメリットとは?
訪問介護事業所では、利用者の生活の場に出向いて介助や援助を提供します。そのため、施設のなかで働く場合に比べて、利用者の個性を感じやすいというメリットがあります。
利用者だけでなく家族からも感謝されるので、やりがいや達成感を得られやすいでしょう。在宅での生活への理解が深まるので、介護職としてキャリアアップを目指すこともできます。
ホームヘルパーの将来性は? 訪問介護事業所の求人は多い?
訪問介護事業所だけでなく、施設などでも働くことができるホームヘルパーは、今後も需要が高まることが見込まれる将来性のある仕事です。利用者の生活の場でサービスを提供することは、介護職としての経験値を高めます。
ここでは、今後ホームヘルパーの需要が高まる理由と将来性、訪問介護事業所の求人は多いのかどうかについてご紹介します。
ホームヘルパーの将来性|75歳以上の割合は今後も増加
厚生労働省は第8期介護保険事業計画にもとづいて、必要な介護職員の必要数を算出しており、2040年度には約280万人の介護職員が必要になるとしています。2019年度の介護職員必要数は約211万人だったため、その差は約69万人。1年に3.3万人の増加が必要なのです。
後期高齢者と呼ばれる75歳以上の割合が増え続けるなか、介護人材不足は年々進行していることが分かります。ホームヘルパーの需要は高く、将来のある仕事といえるでしょう。
経験を活かしてキャリアアップも目指せる|介護福祉士
経験を活かしてキャリアアップを目指すためには、介護福祉士の資格を取得するとよいでしょう。3年以上の実務経験を積んだあと、介護職員実務者研修を受けることで受験資格を取得できます。
介護福祉士についてはこちら:介護福祉士とは
ホームヘルパーの需要は高い|訪問介護事業所からの求人は多い
訪問介護事業所で働くホームヘルパーの求人は数多くあります。ホームヘルパーの需要は非常に高く、働き方も正社員から働ける時間だけ直行直帰できる登録型までさまざまです。
資格取得支援や研修制度を充実させている職場もありますので、キャリアアップも目指すことができます。
詳しい求人情報はこちら:https://relax-job.com/kaigo
訪問介護事業所で訪問介護を始めてみよう!
訪問介護事業所で働く際には、介護職員初任者研修の資格を取得して応募するのがおすすめです。利用者の生活の場で身体介助や生活援助という生活に密着した介助や援助を提供できる、やりがいのある訪問介護の仕事ができます。
介護職としてのキャリアアップも目指せる、訪問介護事業所で訪問介護のお仕事を始めることを検討してみませんか。
引用元サイト
介護事業開業サポートセンター 訪問介護事業(介護予防訪問介護事業)
https://www.osaka-kaigo.com/hoken/
訪問介護及び訪問入浴介護(参考資料) 介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000170289.pdf
厚生労働省 介護分野の現状等について
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000489026.pdf
厚生労働省 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
厚生労働省 ページ4:介護福祉士の概要について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html