テーマはオートクチュール。真似できない圧倒的な美しさが審査の基準【THE SLICK代表 樗木佑太さん・PELE代表 RYUSEIさん】#1

株式会社b-exのプロフェッショナル向けカラーブランド『KIRATERA』。この『KIRATERA』が、国内外の理美容師および美容学生を対象としたブランド初のコンテストを開催しました。写真審査を勝ち抜いたファイナリスト20名が2025年10月21日、両国国技館に集結。今企画では、2回にわたってコンテストの模様をご紹介します。

審査員を務めたのは、『KIRATERA』の開発に一から携わったTHE SLICK代表 樗木佑太さんとPELE代表 RYUSEIさん、STREET編集長 青木正一さん、WWDJAPAN編集長 村上要さんという錚々たる顔ぶれ。前編では、樗木さんとRYUSEIさんに『KIRATERA』に込めたこだわり、コンテストで感じたこと、次回チャレンジを考えている人に向けたアドバイスなどを伺いました。

お話を伺ったのは…

THE SLICK代表 樗木佑太さん(左)

PELE代表 RYUSEIさん(右)

樗木佑太さん(左)/都内有名デザインサロンを経て、2023年THE SLICKをオープン。常に最先端の知識と技術を探求し、美容師向けのオンラインサロン「share lab.」などを通じて情報を発信している。

RYUSEIさん(右)/SASSOON ACADEMYへの留学を経て、2023年PELEを渋谷にオープン。現在は渋谷のほか栄、梅田など6店舗を展開している。

美容師が求めるクオリティを叶えるために『KIRATERA』を開発

『KIRATERA』の開発では、どうすれば表現の幅を広げられるのかにこだわったとか。

――商品の開発に2つのサロンの代表が携わるのは珍しくないですか? どんないきさつだったのでしょうか?

RYUSEIさん:b-exさんから『KIRATERA』開発のお話をいただいたとき、『樗木さんとやりたい』とお願いしました。樗木さんは日本一ストイックなので(笑)。『この人と一緒ならいいものができる』と確信していました。

――意見が合わなかったり、衝突することはなかったんですか?

RYUSEIさん:二人のタイプというか特性がまったく違うし、役割分担がはっきりしていたので、それはありませんでした。

――開発が始まったのはいつくらいから?

樗木さん:2021年の冬から始まって、実際に商品が発売されたのが24年の6月4日です。髪質はひとつではないので、どんな髪質でも同じように色が入るところまで持っていくのが難しかったですね。

――『KIRATERA』と他のカラー剤との違いは何でしょうか?

樗木さん:まずは本当にゼロから僕たちが携わっていることですね。ほとんどの場合、7割方完成したものがあって、それを美容師さんたちにヒアリングして100%の状態にすることが多い。でも今回は本当にゼロから始まりました。

――かなり自由度が高かったんですね。

樗木さん:「どんなカラー剤があれば、表現の幅を広げられるのか」とずっと悩んでいたので、その想いを組み込みながら完成させることができました。

――どんなところにこだわりましたか?

樗木さん:例えばブルーで言うと数あるブルーの中で、どんなブルーなら品があっておしゃれに感じるのかを微調整しました。もちろん色だけを見るのではなく、実際に人に当て込んだときにどうフィットするのかにもこだわりました。

『KIRATERA』らしさを体現した作品が金賞を獲得!

金賞を選ぶときは迷いなく「この作品だ」と確信できたそう。

――今回のコンテストでは、どんな点が審査のポイントになりましたか?

樗木さん:ファッション性などもトータルで見ますが、『KIRATERA』はカラーブランドなので、カラーという部分にはよりフォーカスしました。

RYUSEIさん:今回のテーマが「オートクチュール」ですから、「一点物」とか「オリジナル性」を体現できているかを見ました。

――全体的にクオリティの高い作品が集まっているように感じました。順位をつけるのも大変だったのでは?

樗木さん:ある人にはいいものだけれど、他の人にとってはそうでもない。そういう感覚的な部分も大事だと思います。が、今回は『KIRATERA』の良さがいちばん表現されているものを選びました。

RYUSEIさん:金賞を取った作品は、圧倒的でしたね。消費されないクオリティというか、真似できないレベルの高さを感じました。

――ほかの作品に関しては?

樗木さん:コンテストが終わってから、いろいろな人から「あのクオリティはすごかった」と声をかけられました。

小っちゃい子が色を塗るとき「赤の次は青」とか考えていませんよね。そういう新しい感覚をいかに高いクオリティで作品に落とし込んでいるかが評価のポイントだったかなと思います。

――RYUSEIさんはいかがですか?

RYUSEIさん:コンテストというと「サロンで学んだこと、サロンの特徴を出さないと!」と考える人もいます。ほかにも「このスタイルなら万人受けできる」という考え方もあります。今回はそんな作品がひとつもなくて、個人の力にフォーカスした作品が多かったですね。

――確かに、個性的な作品が多かったですね。

RYUSEIさん:個人として好きなものだったり、やりたいことだったり、表現したいことを最大限、見せてもらった気がします。

――このコンテストは今年も開催されると伺っています。応募する方たちにアドバイスをお願いします。

樗木さん:コンテスト当日までに100%の完成度でデザインを作らないことですね。当日ステージの上で100%のものを再現しようとしても、なかなかできないものです。

そぎ落とす部分、足す部分を俯瞰的に見ながら80%ぐらいの完成度にしておいて、当日、手を加えていくといいと思います。そうするとクオリティが間違いなく上がります。

――当日に向けて作り込みがちですが、そぎ落としておくことも大事なんですね。

RYUSEIさん:デザイン的なアドバイスはありませんが、自分の中にあるフィルターというか固定概念を外せるといいと思います。

――例えば?

RYUSEIさん:経験や年齢を重ねていくと、どうしても考え方が凝り固まってしまうんですよね。SNSで「いいね」を多くもらったから「自分はこの世界観が好きなんだ」と勘違いしている人が実は多いような気がします。

学生の頃ってすごくピュアだし、強制されなくてもやりたいことをやるし、思いついたことを形にする。自分が本当に好きなものに向き合っているときって、手が止まらないものです。このコンテストが純粋な心で好きなことに向き合えるきっかけになるといいですね。

『KIRATERA』の開発にゼロから携わり、その特性を知り尽くしている 樗木佑太さんとRYUSEIさん。このお二人に加えて他の審査員をも圧倒したのが、金賞を獲得したTHE SLICK店長の向田夏希さんの作品です。後編では、向田さんが写真審査からファイナル審査に進むまでどのような準備をしたのか、ファイナルではどのような心境でステージに臨んだのか、賞を獲得するにはどのような心構えが必要なのかを伺います。

撮影/森 浩司


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株式会社b-ex
住所:東京都世田谷区用賀4-10-5 世田谷ビジネススクエア ヒルズ4 1F
KIRATERA CONTEST

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