どんな環境でも自分の軸は曲げない。シンガポールでの苦い経験が教えてくれたこと「PLUS 31 Hair&Beauty Atelier」T2さん

多くの人が憧れる海外で活躍する人や、地方で独自の道を切り拓く人に注目し、その多彩なキャリアを紹介する本企画。今回ご登場いただくのは、タイの美容室「PLUS 31 Hair&Beauty Atelier」で働くT2さんです。前編では、日本での美容師キャリアや海外で働くことになったきっかけについて伺います。

美容学校を卒業後、都内サロン2社を経験したというT2さん。コロナ禍が訪れ、日本の美容業界や社会について考えた結果、働く環境を変えたほうがチャンスも広がると思い、海外に行くことを決めたそうです。

T2さんが初めて海外で美容師として働いたのはシンガポールでした。競争が激しい環境で苦しい思いをしたそうですが、高い給与と低い税金で豊かに過ごしやすかったため、プライベートは充実していたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「PLUS 31 Hair&Beauty Atelier」スタイリスト

T2さん

東京都出身。山野美容芸術短期大学を卒業後、都内サロン2社を挟み、シンガポールの某サロンに入社。3年勤めたのち、タイのサロン「PLUS 31 Hair&Beauty Atelier」に転職。現在、美容師歴15年目でスタイリストを務める。

インスタグラム

学校で得た知識をバイトで実践。磨かれていく技術に喜びを感じた

専門学校時代、T2さんが編み込みの練習のために使用したウィッグ

――まず美容師を目指そうと思ったきっかけは?

高校時代に先輩から誘われたことが最初のきっかけです。

その先輩は卒業後に美容学校へ進学していて、学校がどれだけ楽しいかをいつも話してくれました。そんな話を聞いているうちに、「T2、お前も美容学校に行こうぜ!」と誘われて。

とくにやりたいことが定まっていなかった僕は、美容師の仕事にだんだん興味が湧いてきたんです。そして、「この道も悪くないかも」と思ったのが目指すきっかけでした。

――その先輩の影響が大きいんですね。

はい。ただ、一時的な興味で終わってしまう可能性もあると思い、まずは美容系の「短期大学」に進学しました。もし途中で別の仕事に気持ちが向いたときに備えて、編入制度があって進路の幅を残せる学校を選んだんです。

――学生時代はどんな生活を?

バイト中心の生活でした。勉強もしっかりやっていたつもりだったんですが、自分の計算ミスで国家試験に必要な授業時間が足りず、半年だけ留年することに。(笑)

――どんなバイトをしていたんですか。

キャバクラで働く方のヘアメイクです。給料が高いという理由もありますが、学校で学んだことをすぐ現場で試せることに魅力を感じていました。技術が実践のなかでどんどん磨かれている感覚があって、すごく楽しかったですね。

――就職後、ヘアメイクの経験が活きた場面はありましたか?

はい。サロンでは結婚式のスタイリングを担当する機会も多いのですが、バイト先で作っていたデザインと似ていたのでスムーズに対応できたんです。メニューの幅が広がったことで、売上にもつなげることができました。

日本よりもチャンスが広がる。可能性を信じて海外へ

日本で働いていたころのT2さん

――卒業後のキャリアを教えてください。

はじめに都内の有名サロンに入社しました。学生時代から憧れていた美容師さんが在籍していて、その方と一緒に働きたいと思ったのが応募の決め手です。

サロンには男女を問わず幅広い年齢層のお客様が来店され、スタッフもそれぞれジャンルの異なる強みを持つ方ばかり。毎日多くの学びがあって、とても刺激的な環境でした。

――その後は?

都内の髪質改善サロンに転職しました。過去にお世話になった美容師さんが新しくお店を立ち上げるタイミングで、声をかけてもらったんです。オープニングメンバーとして環境づくりから関わることは大きな経験になると感じ、入社を決めました。

――海外に行こうと思ったきっかけは何ですか。

コロナ禍です。緊急事態宣言で時間ができたので、日本の政治・経済、社会システム、美容業界の状況を自分なりに調べて考えるようになりました。

その結果、日本よりも海外で美容師を続けたほうがいいかもしれないと感じたんです。

――それはなぜ?

理由はいくつかありますが、ひとつ挙げるなら「お客様と美容師のバランスが取れていないこと」です。全国にはコンビニより多くのヘアサロンがあると言われていて、その分、お客様の奪い合いも起きています。となると、ブランド力や技術力に強みのあるサロンにお客様が集中するのが自然です。

――確かにサロン数はかなり多いと聞きますね。

世界的にみても日本人美容師の技術はとても高く、海外でもニーズがあります。それでも、実際に海外で働く日本人美容師は多くない。そこで、日本国内にこだわらず環境を変えたほうがチャンスも広がるのではと思い、海外に行くことを決めました。

初海外はシンガポール。仕事は辛くてもプライベートは充実

シンガポール時代、コンテストにも出場していたT2さん

――海外で働くにあたって何か準備しましたか?

オンライン英会話で勉強しました。とくに「ネイティブキャンプ」がお気に入りで、レッスンは講師と1対1で会話する「フリートーク」がおすすめです。文法を正しく知るよりも、実際のコミュニケーションを通して伝える力を鍛えたほうが、スムーズに習得できると感じました。

――実際に、海外で働き始めてどんなことを感じましたか?

実は僕が最初に行ったのは、いま働いているタイではなくシンガポールだったんです。

――そうだったんですね。

はい。誤解を恐れずにいうと、シンガポールでは少し苦い経験もありました。ローカルの方はみなさん温かいのですが、職場では競争が激しく、売上が伸びてきたタイミングで嫌がらせをされたこともあったんです。

ただ、その出来事があって「どんな環境でも自分の軸は曲げないこと」の大切さを学べました。

――それは大変でしたね。

もちろんいい部分もありました。シンガポールは平均給与が高く、税金も安いので、生活の豊かさは感じやすかったんです。仕事で悩むことも多かったのですが、プライベートはそれなりに充実していました。


後編では、いま働いているタイでの美容師キャリアについてくわしく伺います。タイの文化と現地の空気を感じながら働きたいと考えていたT2さん。オーナー以外のスタッフ全員とお客様の多くがタイ人であるところに惹かれて、いまのサロンに入社したそうです。


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PLUS 31 Hair&Beauty Atelier
住所:スクンビットsoi31奥yeak4、オアシススパの通りYIM’S STYLE内
TEL:061-776-9292(日本語)

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