患者さんの苦痛を和らげてあげられる歯科衛生士はすごくいい仕事 歯科衛生士・笑顔表情筋®プランナー白坂葵唯さん#2

歯科衛生士歴26年の白坂葵唯さん。前編では、幼少期から虫歯に悩まされ、身近な存在だった歯科医院を職場にしようと決めたこと。専門学校での学び、見て覚えた新人時代についてお伺いしました。

 この後編では、ハードだった仕事と育児の両立、そのときに上を向かせてくれた笑顔表情筋®公認プランナーとしての活動、現在お勤めの歯科医院についてもお聞きします。 

育児との両立はしんどかったけどこの仕事自体はとても素敵

男児のママでもある白坂さん。

 ――歯科衛生士歴26年の中でいちばんしんどかったことは何ですか。

 やっぱり仕事と育児の両立でしょうか。子どもは急に熱を出したりするので、保育園からお迎え要請の連絡が入るんです。それが続いてしまった時期があって、そのときに「替わりを連れてきて」と言われたことがありました。小さい歯科医院はとくにギリギリの人数でやっているところがほとんど。相互理解が難しい状況はしんどかったですね。歯科衛生士の仕事自体はとても素敵なのにと思うと余計辛かったです。

 ――その状況はどうやって乗り越えたのですか。

 気にしないことです(笑)。

 ――子育てを手伝ってくれる方は?

 両親ともに高齢で遠方ですし、結婚するときに引っ越してきたつくば市にはまったく知り合いもいませんでした。夫は帰宅が遅かったので、ひとりでやらなきゃいけないことが多かったです。

 ――よく続けてこられましたね。

 だから赤ちゃん時代の記憶があまりないんです。必要最低限の買い物には行くけれど、気軽に外出できなくなってしまって。家の中で悶々としているうちに、表情が消えていくのが自分でも分かりました。

 そんなときに「子どもを連れてきていいから久しぶりに会おうよ」と友だちから連絡をもらって。改めて鏡に映った自分を見るとめちゃくちゃたるんでいて、表情も乏しい。これが自分なの?と大きなショックを受けたことを覚えています。これはまずいといろいろ調べているときに出会ったのが笑顔表情筋®メソッドでした。

もっと知りたい、学びたいという思いから笑顔表情筋®プランナーに

笑顔表情筋®プランナーとして講義する白坂さん。

 ――笑顔表情筋®メソッドについて教えてください。

 笑顔表情筋®メソッドは、歯並びや噛み合わせの視点に脳科学を取り入れて笑顔の癖を治すメソッドです。歯科衛生士でもある笑顔表情筋®協会の北野珠誇先生が主宰しています。

 ――そこではどのような学びを?

 歯科衛生士という仕事柄、筋肉の知識が少しあったので、たるみや表情が戻ればいいなという気持ちでまずは体験会に参加しました。その後4回コースを受講して、目元のシワやたるみが徐々に目立たなくなり、笑顔が柔らかくなる実感がありました。 

もっと知りたい、もっと学びたい。いつもの欲が出てきてインストラクター、トレーナーの学びへと進みました。ここまできたら全部やってみたいと思って、結局その上のプランナーまで勉強しました

 ――プランナーが最上位資格なのですか。

 はい。プランナーになるとすべての過程を教えられて、インストラクターを養成するための講師としても活動できます。

 ――講座はオンラインで?

 オンラインがメインです。場所を選ばないので、関西のお客様もいらっしゃいます。基本的にはマンツーマンですが、協会主催の講座では5~10名のグループレッスンを担当することもあります。

患者さんの苦痛を和らげてあげられるとこちらも嬉しくなる

歯は一生のお付き合い。

 ――現在はどんな働き方を?

 週3回歯科医院に勤務していて、それ以外の日を笑顔表情筋®プランナーの活動にあてています。

 ――現在のお勤め先はどんなご縁で?

 子どものために家探しを始めてつくば市に引っ越してきたんですが、いまの職場は実は求人サイトでスカウトしていただきました。

 ――すごいですね。どんな歯科医院なのですか。

 そこの先生は銀座で歯科医院をやっていたんですが、高齢になったことで地元つくば市に戻ってこられました。患者さんも高齢の方が多く、お付き合いの長い方ばかりです。

 患者さんにすごく寄り添う先生なので、本当はこんな治療をしたいけれど、患者さんの身体に負担がかかるから経過を見ながら何でもおいしく食べれるように。そんな方向づけをされます。先生の隣で、そういう考え方もあるんだな。新しいものが全てではないということを教わりました。すごく勉強になっています。

 ――では業界を目指す人へアドバイスをお願いします。

 一言で言うと、歯科衛生士はすごくいい仕事だと思います。これまでいろいろな患者さんを見てきて、食べることは最終的な楽しみなんだなとつくづく感じています。歯が辛いと美味しく食べられないですよね。歯が痛い、詰め物が取れた、歯茎が腫れたなど患者さんの苦痛を和らげてあげられることは、こちらも嬉しくなります。

 ――最後に白坂さんにとって働くとは?

 生きていることを実感できるもの。この仕事が誰かのためになっている。そんな私ってすごくない?と自分に問いかけてみたり。うまく言えませんが、誰もがみんな誰かのためになっていると思うんです。

白坂さんが歯科衛生士として充実している3つの理由は

1.転職することでスキルアップを図ってきた

2.歯科衛生士のキャリアを活かし笑顔表情筋®プランナーとしても活動

3.違うタイプの歯科医院で働くことで学びを止めない

現在勤める歯科医院が5件目という白坂さん。「違うものを見たい」、「スキルアップしたい」という前向きな思いで転職を重ね、現在の白坂さんのスタイルができあがったのだなと感じました。

 取材・文/永瀬紀子


この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事