理学療法士は「人の幸せを守る仕事」。整形外科、訪問リハの現場で見つけた役割【治療・リラクゼーション・歯科業界のお仕事 笠井将也さん】#1

治療、リラクゼーション、歯科業界など、人々の痛みや不調に寄り添う仕事の魅力を紹介する本企画。今回お話を伺ったのは、「整体oasis」の院長で理学療法士の笠井将也さんです。

荒川院(東京・荒川区)、文京院(東京・文京区)の2院を展開する「整体oasis」は、2019年の開業。理学療法士歴16年の笠井さんが、整形外科や訪問リハビリの現場で培った経験を元に立ち上げました。筋肉や骨・関節、自律神経だけでなく、内臓、栄養、生活習慣まで含めた6つの視点から体をみる多角的なアプローチで、根本改善を目指しています。

高校時代、バスケットボールで大けがをしたことをきっかけに理学療法士という仕事を知った笠井さん。体を治すだけでなく、患者1人ひとりに真摯に向き合う姿に惹かれ、この道を志すようになったそうです。

今回、お話を伺ったのは…

笠井将也さん

整体oasis院長/理学療法士

大学で理学療法士の資格を取得後、整形外科や訪問リハビリの現場で幅広い症例を経験。2019年に「整体oasis荒川院」を開業し、2025年には文京院を開院。「理学療法士は人の幸せを守る仕事」という信念のもと、筋肉、骨・関節、自律神経、内臓、栄養、生活習慣の6つの側面から不調の原因を探るトータルアプローチを実践し、お客様から信頼を集めている。

インスタグラム

さまざまな現場のリハビリで活躍し、人の幸せを守る仕事

理学療法士の仕事内容について説明する笠井さん

――理学療法士は、どのような仕事を担当するのでしょうか。

僕のなかでは「人の幸せを守る仕事」だと思っています。整形外科の外来や、訪問リハビリという介護分野、そして現在の整体院での経験を通じて痛感したのは、健康を損なうと経済的な苦しさが生まれてしまうこともありますし、大切な家族との関係性が崩れるなど、さまざまな苦難に襲われかねないという現実でした。

健康であれば必ず幸せになれるわけではありませんが、健康でなければ幸せの土台そのものが壊れてしまいます。私たちはそのもっとも大切な土台を支え、守っていく役割を担っていると考えています。

――とても奥深い回答ですね。具体的な業務でいうとリハビリになるのでしょうか?

そうですね。けがをした方や手術後の方に対して、リハビリを通して、動けなくなってしまった体を動ける状態へ戻していく仕事です。理学療法士は国家資格が必要になります。

――現在のお仕事内容について教えてください。

僕は病院を出て、整体院を経営しています。業務の根っこは大きく変わらず、痛みや不調を抱える方に対して理学療法の知識も含めた施術を行い、症状の改善を通してその方の人生をサポートする仕事です。

1日の流れでいうと、朝7時頃から事務作業や経営業務を1時間から1時間半ほど行い、9時から施術がスタート。予約が多い日は夜9時、10時頃まで15人ほどを担当することもあります。

長時間勤務になってしまう日もありますが、求めてくださる方がいるのはありがたいことだと思っています。

きっかけはバスケでの大けが。理学療法士との出会い

この仕事を目指すことになったのは、高校時代のある出会いがきっかけだったという

――理学療法士を目指したきっかけは?

高校時代、部活でバスケットボールをしていたときに足首の靭帯を切る大けがをしたことがきっかけです。このときにリハビリを担当してくれた理学療法士の先生のおかげで、数ヶ月で痛みがなくなり、試合で結果を残すこともできました。

人の体を治せること自体もすごいと思いましたし、不安だった僕に「ちゃんと治るから大丈夫」と声をかけてくれて、精神的にも支えられた感覚がありました。その先生の姿が純粋にかっこいいと思えたんです。

そこで、高校2年生のときには、理学療法士を目指すことを決めました。進路は専門学校と大学の選択肢がありましたが、当時は理学療法士の資格を取れる学校の数が今ほど多くなくて。調べて最初に出てきたのが大学だったこともあり、大学に進学することにしたんです。

――資格取得はいかがでしたか?

難易度がとても高いというわけではありませんが、「やるべきことを、きちんとこなす」ことが大事だと思いました。テストや実習など、細かいハードルがたくさんあります。それを1つひとつ乗り越える必要がありました。

なかでも一番大変だったのは約2ヶ月間の実習です。実習先にもよりますが、僕が配属されたところはかなり厳しくて。朝から夜21時頃まで実習をして、帰宅してから毎日レポートを仕上げる日々でした。睡眠時間が3時間ほどの日が続き、体力的にはかなりきつかったです。

また、学校での勉強だけでは現場で通用せず、自分の知識のなさや無力さを痛感しながら、何とか食らいついていく感覚でした。

――国家試験の対策はどのように進めましたか。

4年生になると授業はひと段落して、卒業研究の準備と並行しながら国家試験の勉強に入ります。僕は朝から晩まで学校の図書館にこもり、勉強漬けの日々でした。

工夫していたのは、ひとりで勉強をしないようにすること。みんながいる場所で勉強した方が集中できますし、同級生と教え合う「アウトプット」を重視したことで、学習効果も高まったと感じています。

「治せる」は当たり前。患者様に安心を届けるまでが仕事

新人時代、先輩との実力差を感じたという笠井さん

――最初の勤務先は整形外科だったそうですね。

はい。理学療法士になるからにはトップレベルを目指したいと思い、世界レベルの医師が在籍する整形外科を選びました。理学療法士の先輩方もレベルが高く、厳しい環境でしたね。

ただ、ありがたいことに新人研修が充実していましたし、モチベーションの高い同期も多かったので、よいスタートが切れたと思います。

一方で最初は先輩との実力差を感じることが多く、まだまだ勉強が足りないと思う場面も多かったです。

――どんな点に差を感じましたか?

技術的な部分もそうですが、患者様に与える安心感に大きな違いがありました。当時の僕は、「この症状はなぜ痛いんだろう」、「なぜ動かないんだろう」と目の前の症状のことで頭がいっぱいで、患者様の心のことなど一切、考えられなかったんです。

一方の先輩たちは治せるのが当たり前で、「この症状はこういう状態だから、心配することはありませんよ」と、患者様に安心感を与える関わりを自然にしていました。患者様も「この先生に任せておけば大丈夫」と感じていたと思います。

――徐々にそういった力も身についていったのでしょうか。

そうですね。現場で患者様がよくなる経験を重ねていくうちに、徐々に自信がついていきました。さらに独自に勉強も重ねて、3、4年ほどで信頼感を与えられるようになっていったのではないかと思います。


後編では、訪問リハビリの現場でぶつかった壁や、独立したあとの試行錯誤について伺います。

「整体oasis」では、生活習慣や栄養まで含めて体を見ることで、トータル的に原因を探ることを大切にしています。その考えに至るまでは、手探りで進む時期もあったそうです。

さらに、8年間に渡って担当したある老夫婦との出会いが、笠井さんの仕事観に大きな影響を与えました。


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整体oasis文京院
住所:東京都文京区本郷4-25-8 レッチフィールド本郷4丁目6F

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